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【02/04/15 (月) 】

イラン、イスラエル支持国への原油輸出停止呼びかけ
イスラエルの人権侵害糾弾決議を採択 国連人権委
パウエル長官、アラファト氏・シャロン首相と相次ぎ会談

韓国で166人乗り中国機墜落 39人生存
なだらか斜面が幸いか 墜落生存で航空専門家指摘
故金日成主席の生誕90周年、平壌で報告大会や祭典
コロンビアで爆弾テロ 大統領選有力候補が危機一髪
米・カナダと日欧の溝埋まらず G8環境相会議閉幕

ネット掲示板の書き込みは著作物 引用本の出版禁止命令
出光興産製油所で爆発、炎上 北海道・苫小牧
有本さん拉致事件で欧州に捜査員派遣へ 警視庁
NHK海老沢会長に国際エミー賞経営者賞









なだらか斜面が幸いか 墜落生存で航空専門家指摘

 韓国の釜山市郊外で起きた中国国際航空機の墜落事故で、39人の生存が確認されたことについて、航空専門家は、高度が低かった▽墜落現場が比較的なだらかな斜面だった▽樹木がクッションの役割を果たした――などが幸いした、と指摘する。

 事故現場の映像などによると、墜落現場は標高約400メートルの山腹で、斜面は比較的なだらか。機体は後部から衝突し、200本余りの木が倒された。生存者は、機体前方の座席の乗客に多かったとされる。

 東京大学の加藤寛一郎名誉教授(飛行力学)によると、墜落機が比較的平らな山を引っかけるように衝突し、衝撃が小さかった場合には、生存者が比較的多いことがある。さらに、機体が前後に分離し、片側では火が回る前に乗客らが脱出できたなど、「壊れ方が幸運だったことが考えられる」という。


 97年8月、グアム空港近くに大韓航空のジャンボ機が墜落した事故でも、乗客乗員計254人中20人以上が助かった。同機もやはり着陸進入時、なだらかな丘陵に墜落した。生存者は機外に投げ出されたか自力で脱出したため、火災による被害を免れたとされる。(22:22)

韓国で166人乗り中国機墜落 39人生存

 韓国南部・釜山近郊の金海(キメ)国際空港近くで15日午前11時半(日本時間同)ごろ、北京発釜山行きの中国国際航空129便(ボーイング767型機)が山中に墜落した。乗客155人、乗員11人の計166人乗りで、地元警察・消防当局によると、午後9時現在で39人が生存、112人が死亡、15人が行方不明となっている。

 事故現場から飛行記録装置と操縦室音声記録装置が回収され、韓国政府は事故対策本部を設置して本格的な原因調査を行っている。現場周辺は当時、雨と霧で天候条件は悪く、事故機は着陸のための旋回中に墜落したとの見方が強くなっている。

 中国民用航空総局によると、乗客の国籍は韓国135人、中国19人、ウズベキスタン1人で、日本人はいなかった。

 消防当局などはいったん54人前後の生存者を発見し、金海や釜山市内の病院に運んだが、治療途中に死亡する搭乗者もいた。現場では徹夜の捜索活動が行われる予定だ。

 金海空港管制関係者によると、事故機の機長が午前11時21分に「最終段階の旋回をしている」と連絡した後、レーダーから機影が消えた。

 事故対策本部などによると、現場では当時、地上視界3.2キロ、雲が地上約300メートルに垂れ込め、南北方向の滑走路に対し、南風が吹いていた。管制塔は着陸許可を出す際、旋回して北側から着陸するよう指示し、事故機が有視界飛行で北方に向かって旋回態勢に入ったところ、北に行き過ぎ、空港の北約4.6キロにあるトッテ山(約380メートル)の中腹にぶつかったらしい。

 かなりの生存者がいることについて、機体が胴体着陸のような形で斜面に落ちたのと、樹木がクッション役を果たしたのではないか、と警察当局などは話している。

 金海空港は事故当時、大型機の発着は許可していなかった。

 現場は金海市池内洞で、約1キロ手前にはマンション群がある。


 釜山は日韓共催のサッカー・ワールドカップ(W杯)会場のほか、9〜10月にはアジア大会も開かれるため、韓国政府は原因究明を徹底するとともに、同空港の安全対策も検討する意向だ。(22:01)
イラン、イスラエル支持国への原油輸出停止呼びかけ

 テヘランからの報道によると、イランのハタミ大統領は15日、イスラエルを支持する主要国に対する原油輸出を1カ月間停止するよう、イスラム産油国に呼びかけた。

 パレスチナ支援のため石油を武器に使うことを提案したイラクは、8日から1カ月の輸出停止に踏み切っている。しかし、サウジアラビアなど有力産油国は、効果はないとして反対を表明していた。

故金日成主席の生誕90周年、平壌で報告大会や祭典

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は15日、94年に死亡した故金日成主席の生誕90周年を迎えた。ラヂオプレス(RP)などによると、平壌で14日に長男の金正日総書記も出席して記念の中央報告大会が開かれたほか、60カ国の1000人の芸能人が参加する「親善芸術祭典」が始まった。記念の金貨・銀貨の発行予定もある。


 朝鮮中央放送は14日、中国政府が北朝鮮に対し、生誕90周年を機に5000万元(約8億円)相当の無償援助を供与することを決めたと報じた。援助内容に触れていないが、過去の例からみれば、食糧やエネルギー支援の可能性もある。(20:07)
イスラエルの人権侵害糾弾決議を採択 国連人権委

 国連人権委員会(53カ国で構成)は15日、イスラエル軍のパレスチナ自治区への侵攻に伴う人権侵害を厳しく糾弾する決議を圧倒的な賛成多数で採択した。イスラエルは政治的で一方的な内容だと反発している。

 決議はイスラエル占領地におけるパレスチナ側の抵抗を正当な権利と位置づけ、イスラエル軍による多数のパレスチナ住民の「虐殺」行為を非難した。人権侵害の例としては、救急車への妨害、尋問の際の虐待などを挙げ、国際人道法上許されない行為と断定した。


 決議はパキスタンがアラブ・イスラム諸国を代表して提出したもので、投票結果は賛成40、反対5、棄権7、欠席1。日本は棄権し、欧州連合(EU)内ではフランスなど多くの国が賛成したが、英国とドイツが対米関係を配慮して反対に回り、賛否が割れた。(20:05)

コロンビアで爆弾テロ 大統領選有力候補が危機一髪

 コロンビアからの報道によると、同国北部バランキジャで14日午後、バスに仕掛けられた爆弾が爆発し、少なくとも市民4人が死亡、警察官など約20人が負傷した。近くでは、5月の大統領選で有力候補者とされるアルバロ・ウリベ元上院議員が選挙キャンペーンを行っていたが、直前に現場を離れて無事だった。

 犯行声明などは出ていないが、地元警察はウリベ氏を狙った爆弾テロ事件とみて調べている。左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)を批判する同氏は過去に何度もテロの標的にされているが、大統領選関連の世論調査では55%以上の支持率を得ている。


 事件後、地元テレビに出演した同氏は「防弾装備付きの車両は破壊されたが、無事でよかった」などと話した。(19:14)

米・カナダと日欧の溝埋まらず G8環境相会議閉幕

 カナダのバンフで開かれていた主要8カ国(G8)環境相会議は15日(現地時間14日)、8月末にヨハネスブルクで開かれる持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境開発サミット)に向けた閣僚声明を採択して閉幕した。地球温暖化防止のための京都議定書の発効について、議定書から離脱した米国に加えて、議長国のカナダも慎重な姿勢を見せ、欧州諸国や日本との溝は埋まらないまま終わった。

 カナダは、天然ガスなどクリーンエネルギーの輸出を温室効果ガスの削減量として認めるという、議定書にはない削減ルールの提案を準備していると表明。欧州諸国は「議定書の国際合意を覆して再交渉しようというのか」と強く反発した。

 欧州諸国の要望を受けて、閣僚声明は京都議定書の早期発効の重要性を指摘。その一方で、議定書批准を目指さない「それ以外の国」の取り組みについても書き分け、米国などと折り合った。

 声明は、淡水、再生可能なエネルギー、森林などの分野の連携▽地球環境ファシリティー(GEF、温暖化防止や生物多様性保全のための途上国向け基金)への第3次補給の必要性▽環境と健康に関する情報の統合・交換システム構築▽国連環境計画(UNEP)の財政基盤、調整機能の強化などを盛り込んだ。


 会議終了後、大木浩環境相は米国などと2国間会談をもち、議定書の早期批准を働きかけた。米国は独自の温暖化対策を強化するとの従来の主張を繰り返した。ロシア、カナダは批准方針は変えないと答えたが、批准時期は明言しなかった。(11:52)

パウエル長官、アラファト氏・シャロン首相と相次ぎ会談

 パレスチナ紛争の収拾をめざすパウエル米国務長官は14日、アラファト・パレスチナ自治政府議長と会談した。テロ非難声明を出した議長に具体的な取り組みを求めた長官に、議長はヨルダン川西岸のパレスチナ自治区に侵攻したイスラエル軍の撤退が先決と訴えた。長官は続いてシャロン・イスラエル首相とも会談し、イスラエル軍の自治区からの撤退をあらためて求めたが、首相は逆に議長を排除した「中東和平会議」を提案。「対テロ戦」を敢行するという強硬姿勢は崩さなかった。長官は15日にレバノンとシリアを訪れて協力を求める。

 エルサレムでの自爆テロで1日延期したアラファト議長との会談は、ヨルダン川西岸ラマラの議長府で実現した。イスラエル軍の戦車や兵士が包囲する戒厳下、米政府当局者が「1時間前後」と予測していた会談は、3時間を超えた。

 自治政府筋が明らかにしたところでは、パウエル長官は議長にテロ抑止の具体策を提示するよう求めた。議長はジェニンなどでパレスチナ人がイスラエル軍に「虐殺」されていると主張。イスラエル軍の撤退が前提との立場を示した。

 会談では、パレスチナ国家の樹立に向けた政治協議のための要件、自治政府が歓迎している国際停戦監視団の派遣なども協議したという。

 会談後、パウエル長官は記者団に「有益で建設的だった」と語った。アラファト議長は「安全上の理由」から姿を見せず、エレカット地方行政相が「イスラエル軍が撤退後、義務は果たす」との立場を強調した。

 15日には米国のジニ中東特使と自治政府の幹部が協議し、16日に2度目のパウエル・アラファト会談を行う予定だ。

 一方、テルアビブで行われた2度目のパウエル・シャロン会談では、軍の撤退に応じなかったシャロン首相が米国、イスラエル、パレスチナにアラブ穏健派のエジプト、サウジアラビアなどを加えた「中東和平会議」を提案した。会談後、「米国に受け入れられた」と語ったが、米政府当局者は「議論が必要」と慎重な立場を示した。

 和平会議についてはこれまで、自治政府や欧州連合(EU)なども提唱し、将来の和平に向けた話し合いの場として期待されている。ただ、アラファト議長を排除した場合、アラブ諸国が応じる見込みはない。

 また、レバノンとシリア訪問については、バウチャー米国務省報道官が14日、イスラエル北部でレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラがイスラエル軍と交戦を繰り返していることに「重大な懸念」を表明した。シリアがヒズボラを支援しているとされることから、両国にヒズボラへの圧力を強めて調停に貢献するよう促す。


 ライス米大統領補佐官は14日、パウエル長官が「あと数日」は現地にとどまるだろうと全米向けテレビ番組で語った。数週間といった長期にはならない方針という。(11:43)
ネット掲示板の書き込みは著作物 引用本の出版禁止命令

 国内外のホテルに関する情報をインターネットの「掲示板」に書き込んだところ、無断で本に引用されたとして、書き込んだ東京や名古屋の男女11人が、光文社などに出版禁止や262万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が15日、東京地裁であった。飯村敏明裁判長は、ネット上の書き込みについて「著作権法で保護される著作物にあたる」との初判断を示し、本の出版・販売の禁止と約114万円の支払いなどを命じる判決を言い渡した。

 飯村裁判長は、「原告らは旅行で体験したり、見聞きしたりしたホテルやレストランの情報を書き込んでおり、その内容は有用なものが多く、(表現上も)飾らない口語体で記述している」として創作性を認めた。引用の際、光文社が同意を得ていない点も指摘した。

 問題となったのは昨年出版された「世界極上ホテル術」。これまでに約1万部売れたとされる。


 判決によると、11人は00年〜01年、国内外のホテルを紹介する「ホテル・ジャンキーズ」というホームページ(HP)の掲示板に書き込みをし、本に無断引用された。(22:16)

出光興産製油所で爆発、炎上 北海道・苫小牧

 15日午後7時15分ごろ、北海道苫小牧市真砂町の苫小牧港埠頭(ふとう)にある出光興産北海道製油所で爆発が起き、炎上した。道警や苫小牧市消防本部によると、製油所は同日午後9時現在、炎上を続けているが、火の勢いは弱まっているという。道警は重油から硫黄分を取り除く重油脱硫装置から水素ガスが漏れ、石油に引火したとみている。不明者やけが人はいないという。

 同社によると、脱硫装置周辺の給油バルブを止め、火勢が強くならないようにしている。製油所内には原油タンクが105基あるが、火災現場とは数百メートル離れた場所にあり、引火の可能性は小さいという。

 道警は、燃えているのはパイプ内の残油とみており、流出した重油と水素が燃え尽きれば消えると予測している。

 製油所はこの2年間で2回の火災を起こしている。

 00年2月には、今回と同じ脱硫装置付近から出火、約6時間にわたって燃えた。

 同年12月には、常圧蒸留装置付近から出火し、装置を囲む外壁保温材が燃えた。この時は鎮火まで3時間余りかかった。

 製油所は3交代24時間稼働し、従業員は約300人いる。

 製油所は73年操業開始。1日の原油処理能力は14万バレル。太平洋に面する通称「石油埠頭」の先端付近に位置する。同社のほか、コスモ石油、ジャパンオイルネットワークなど石油各社の石油タンクなどが立ち並び、北海道電力の火力発電所もある。付近に民家はない。


 向かいの埠頭にある苫小牧フェリーターミナルの従業員やフェリーの乗員によると、ドーンという音がした直後に火が激しく燃え上がり、空がオレンジ色になったという。(22:16)
米軍三沢基地のF16機が海中に墜落 乗員脱出

 15日午前11時半ごろ、青森県三沢市の米軍三沢基地配備のF16戦闘機が、同県深浦町の千畳敷海岸約1.6キロ沖に墜落した。パイロットはパラシュートで脱出し、捜索に出た漁船に正午過ぎ、救助された。同基地のF16が墜落した事故は85年の配備以来これで9件、10機目。

 同基地によると、事故機は2機編隊で午前11時9分に基地を離陸。同20〜25分ごろ、千畳敷海岸から西方約64キロの沖合で機体にトラブルが発生、基地に引き返す途中、墜落した。

 事故機は空対空の戦闘訓練中で、ミサイルは搭載していなかった。パイロットは飛行時間2000時間以上、F16での飛行時間も約900時間以上のベテランだった。


 同基地は事故直後からすべての飛行訓練を中止。臨時事故調査委員会を設けて原因を調べている。(19:32)

有本さん拉致事件で欧州に捜査員派遣へ 警視庁

 83年の有本恵子さん(当時23)の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への拉致疑惑事件で、警視庁は近く事件の舞台となった英国、デンマーク、クロアチアなどに捜査員を派遣する。有本さん拉致の経緯などを裏付けるためで、外交ルートを通じて各国の捜査機関に事件の証拠資料の提供を求めるという。


 「拉致にかかわった」と証言したよど号グループの元妻八尾恵・元スナック店主(46)の供述の信用性や、元妻が有本さんの「獲得方法を相談した」と供述している同グループの安部公博容疑者(54)の関与を裏付けるためという。(19:03)

NHK海老沢会長に国際エミー賞経営者賞

 優れたテレビ番組や放送文化に功績のあった人を表彰する国際エミー賞の個人部門の発表が15日、フランスのカンヌであり、経営者賞にNHKの海老沢勝二会長が選ばれた。日本人の同賞受賞は、1975年の今道潤三TBS会長、82年の盛田昭夫ソニー会長(いずれも当時)に次いで、3人目となる。

NHKによると、ハイビジョンやデジタル放送の普及、アジア・太平洋放送連合の会長としてアジアの放送界をリードしてきた実績などが評価されたという。

 受賞に際し、海老沢会長は、「NHKが世界の放送に貢献した業績と同時に、開発したハイビジョンが21世紀の世界のテレビ放送で先導的な役割を果たしていくと認めてくださった」などとコメントしている。

 授賞式は11月25日、番組部門の発表とあわせてニューヨークで行われる予定。