シャロン首相、作戦継続を主張 聖誕教会にも銃撃
フランチェスコ会、イスラエル軍の聖誕教会攻撃を非難
パチェコ氏勝利 コスタリカの大統領選決選投票
パウエル長官、中東歴訪の途
停戦監視団を派遣する用意 英首相表明
イスラエルに再び撤退要求 国連安保理
イスラエル軍、難民キャンプを空爆
中東紛争、欧州の街路へ広がる 各地でデモ
EU、イスラエル制裁を検討
イスラエルとヒズボラの戦闘も激化
アフガン国防相の車列で爆発、4人死亡 ジャララバード
イラク、石油輸出1カ月停止を宣言
コロンビアで車爆発 死者は12人、けが人70人以上
バーミヤンに大規模埋葬地 大量虐殺? 国連が調査
末梢神経の再生に新手法 慶応大グループが治療法開発
卸売物価、4年連続下落 01年度は1.1%減
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シャロン首相、作戦継続を主張 聖誕教会にも銃撃
イスラエルのシャロン首相は8日、同国国会で「軍事作戦はなお完了していない」と演説し、ブッシュ米大統領が求める停止要求を拒否した。激戦が続くヨルダン川西岸北部のジェニンでは、8日未明からイスラエル軍が民家が密集している難民キャンプに向けて数百発のミサイルを発射。150人以上の死亡者が出ていると同日午後の軍放送が報じた。武装勢力が住民、宗教者らとともに立てこもっているベツレヘムの聖誕教会では8日朝、イスラエル軍と教会内部との間で銃撃戦があった。11日とされるパウエル米国務長官の現地入りを前に極度に緊張が高まっている。
シャロン首相は8日の演説で、軍事作戦について「過激派の一掃が完了するまで続けるが、出来る限り早急に完了させる」と語った。さらに作戦完了の後、「パレスチナ側のテロ攻撃を阻止するために設定する緩衝地帯まで撤退する」と語り、かつてイスラエルがレバノン侵攻後に設置したような「安全保障地帯」をつくる意思を示した。
さらに将来の和平交渉については「もしパレスチナ側に責任ある指導部ができれば可能になる」との見方を示し、アラファト議長が率いる自治政府との和平交渉を拒否する姿勢を示した。
ジェニン難民キャンプでは、イスラエル放送によると、イスラエル軍が中心部に立てこもる武装勢力に対して投降を求め、住民に警告を発した後でミサイル攻撃をした。軍筋は150人が投降したとしているが、投降を拒否する住民らもかなりいるという。
ベツレヘムからの情報では、イスラエル軍は8日朝、聖誕教会に向けて銃撃し、教会の近くから火の手が上がった。火を消そうとしたパレスチナ人市民が軍に銃撃されて死亡した。教会内部には200人以上のパレスチナ人が1日からイスラエル軍に包囲されている。(22:47)
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アフガン国防相の車列で爆発、4人死亡 ジャララバード
アフガニスタン国防省によると、東部の拠点都市ジャララバードで8日、同市を訪問したファヒーム国防相の車列の近くで爆発が起き、4人が死亡、20人が負傷した。国防相は無事だった。また、7日には、国際治安支援部隊(ISAF)のカブール東部にある駐屯地の施設にロケット弾が発射される事件も起きた。アフガン治安当局やISAFは、6月のロヤ・ジルガ(国民大会議)を前に、何者かが混乱を起こそうとしたものとみている。
ISAFに対する攻撃は7日未明に起き、死傷者はなかった。ISAF報道官によると、8日までに近くの畑から中国製のロケット弾4発と発射装置6基が見つかった。発射装置にはタイマーが接続され、ロケット弾2発が発射され、3発が装てんされたままになっていたという。(19:38)
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イラク、石油輸出1カ月停止を宣言
バグダッドからの情報によると、イラクのフセイン大統領は8日、国営テレビで演説し、石油輸出を同日から1カ月間停止すると発表した。イラクはパレスチナ自治区攻撃を続けるイスラエルへの圧力として、同国を支持する国への石油輸出停止を呼びかけていた。専門家はいずれも、アラブ産油国は自国への打撃の方が大きいとして、同調しないとみている。
世界的な景気の低迷で需要は横ばいが続いており、産油国が減産で価格を上げようとしても市場を操作できず、かつてのような影響力はない。イランはイラクに同調する構えを見せているが、サウジアラビアなど価格決定に影響力を持つ湾岸産油国は、急激な収入減を招けば自分たちの首を絞めるだけだとして消極的だ。(21:38)
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フランチェスコ会、イスラエル軍の聖誕教会攻撃を非難
イスラエル軍がベツレヘムの聖誕教会を攻撃したことについて、カトリック系のフランチェスコ会のスポークスマンは8日、ロイター通信に対して「筆舌に尽くし難い野蛮行為だ。人類と文明のあらゆる法に背いている」と語り、イスラエル軍を強く非難した。教会内には同会の修道士と修道女も40人以上残っている。
同スポークスマンは、さらに「世界がこの行為を非難し、止めさせるように訴える」と述べた。
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パチェコ氏勝利 コスタリカの大統領選決選投票
中米コスタリカで7日、同国史上初めて大統領選の決選投票が行われた。即日開票の結果、与党キリスト教社会連合党(PUSC)のアベル・パチェコ氏(68)が社民路線をとる国民解放党(PLN)のロランド・アラヤ氏(54)を破り、勝利した。5月8日に大統領に就任する。
選挙を統括する選挙最高裁判所の発表(開票率93.1%)によると、パチェコ氏が58.0%、アラヤ氏が42.0%となっている。投票率は低調だった。
パチェコ氏は支持者を前に、「とても満足している」と勝利宣言した。敗北したアラヤ氏も携帯電話でパチェコ氏を祝福した。
パチェコ氏は「人間の安全保障」を掲げ、国民に人間らしい生活を送る条件を提供する、と公約した。自由貿易拡大、治安強化、参加型民主主義の推進も主張した。
本職は精神科医だ。テレビで健康についてコメントする番組を22年間続けたため知名度が高く、汚れた政治に染まっていない面も評価された。
一方のアラヤ氏は経済の新自由主義に反対し、持続可能な発展や中小企業の振興などを訴えた。本来は化学技師だったが議員や市長、社会民主主義インターの副総裁など政治歴が長く、汚職の疑惑がつきまとっていた。きれいな政治を求める改革派が党を抜けて有力な新党を結成したことも響いた。
2月に行われた大統領選では、単独で有効投票の40%以上を得票する候補者がおらず、上位2者での決選となった。(12:46)
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パウエル長官、中東歴訪の途
パウエル米国務長官は7日夜(日本時間8日午前)、パレスチナ情勢を打開するため中東諸国などの歴訪に出発した。まずモロッコを訪問し、アラブ諸国とイスラエルの包括和平案を提唱したサウジアラビアのアブドラ皇太子らとの会談にのぞむ。アラブ諸国と欧州諸国から仲介への理解と協力をとりつけたうえでイスラエル入りする意向だ。
最大の焦点といえるパレスチナ自治政府のアラファト議長との会談実現に向けては、アラブ諸国が同議長に自爆テロ抑え込みの指導力を発揮するよう働きかけを強める構えだ。しかし、「欧米に怒りが収まらないアラブ諸国の指導者たちは、パウエル長官との会談拒否も検討している」(7日付のロサンゼルス・タイムズ)との報道もあり、道のりは険しい。
モロッコなどからの報道によると、パウエル長官はイスラム諸国会議機構エルサレム委員会の議長国モロッコで、モハメド国王のほか、サウジアラビアのアブドラ皇太子と会談する。
さらにエジプトでムバラク大統領、欧州連合の議長国スペインでピケ外相やロシアのイワノフ外相と、それぞれ会談。ヨルダンを経由してイスラエルに入る。イスラエルではシャロン首相だけでなく、「状況が許せば」(パウエル長官)アラファト議長とも会談し、停戦への仲介に全力をつくす。(12:31)
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停戦監視団を派遣する用意 英首相表明
ブレア英首相は7日、米テキサス州カレッジステーションにある先代のブッシュ元大統領記念図書館で講演し、イスラエルとパレスチナの間での停戦成立後、停戦やパレスチナ当局のテロ取り締まり状況を確認するため、他国と共同で国際的な監視団を派遣する用意があることを表明した。また、停戦実施と並行して、サウジアラビアが提案した「アブドラ和平構想」を取り込んだ新たな国連決議を行い、その後の政治解決の基礎とする考えを表明した。
英政府高官は、監視団は軍ではなく文民による構成を検討している、と述べた。他の参加国としては欧州主体を想定しているとみられる。
こうした停戦監視団構想は、過去にも欧州側から提案されたことがあるが、そのたびに挫折してきた。ブレア氏は「根強い反対があることは知っているが、状況がここまで厳しいとき、当事者間に最低限の信頼を醸成するには、外部の助け以外の道はない」と語った。ブレア氏は講演に先立ってブッシュ大統領と中東和平をめぐって長時間の協議を行っており、この監視団派遣問題も討議された模様だ。(11:48)
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イスラエルに再び撤退要求 国連安保理
国連安全保障理事会は7日、異例の日曜開催でパレスチナ情勢を非公式に協議した。即時停戦と撤退を要求した安保理決議を無視して攻撃を続けるイスラエルを強く批判し、「イスラエルはヨルダン川西岸から直ちに撤退せよ」との声明を発表した。安保理議長国のロシア・ラブロフ国連大使が読み上げた。安保理は8日にもパレスチナ問題で公式協議を開く。
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イスラエル軍、難民キャンプを空爆
イスラエル軍は8日午前1時ごろ、ヨルダン川西岸ジェニンのパレスチナ難民キャンプに、武装ヘリコプターで空爆を加えた模様だ。CNNテレビなどが目撃者の証言として伝えた。
ヘリは、拡声機で退去を呼びかけたうえで、約20発のミサイルを発射。一部の住民は退去を拒否したという。死傷者の有無は不明。イスラエル軍は、同難民キャンプの捜索で爆発物や小型ロケットを押収したという声明を出した。(11:30)
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コロンビアで車爆発 死者は12人、けが人70人以上
コロンビア・ボゴタの南東約70キロの都市ビジャビセンシオで7日未明、車が繁華街の路上で爆発し、近くにいた少なくとも12人が死亡、70人以上が負傷した。死傷者の多くは近くのナイトクラブに出入りしていた人たち。ラジオ局が入居するビルも損傷を受けた。
犯行声明は出ていないが、国軍幹部は、左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)による車爆弾テロの可能性が強いとみている。
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中東紛争、欧州の街路へ広がる 各地でデモ
中東情勢の緊張を受けて、イスラエル側、パレスチナ側それぞれを支持するデモが、日曜日の7日、欧州各地であった。一部では荒れてけが人も出る騒ぎになった。イスラエル支援のデモを組織したユダヤ社会には中東和平を求める意見も根強く、デモの方針を巡って亀裂が表面化した。
ユダヤ教礼拝所シナゴーグなどへのテロが相次いでいるフランスでは、各都市で抗議のデモが組織された。パリでは5万人以上が参加。共和国広場―バスチーユ広場の約2キロを埋め尽くした。
呼びかけたのは仏ユダヤ人団体代表者会議(CRIF)。当初「反ユダヤ主義のテロへの告発」とともに「イスラエル支持」を掲げたため、組織内から「シャロン政権の横暴に手を貸すのか」との猛反発が出て「イスラエル市民への連帯」と変更された。納得しない知識人らはルモンド紙でイスラエル軍の即時撤退を求める論陣を張り、一部の左派急進派は同じ場所で「和平を求めるデモ」を開催した。
混乱を恐れる警察はデモの沿道を完全封鎖。地下鉄出口も閉じる厳戒態勢で臨んだが、暴徒化した参加者が警察官や報道陣を襲い、警察官1人が重傷を負った。
マルセイユでは同日、数千人が参加したイスラエル支持のデモ隊に数百人の若者グループが襲いかかり、参加者1人がけが。リヨンでもこの日1万人近くがデモに参加したが、ユダヤ人組織の代表者とイスラム教徒の若者団体が事前に会談。訴えを反ユダヤ人テロの撲滅に絞り、中東での対立を国内に持ち込まないことで合意したため、混乱は少なかった。
一方、パレスチナ支援のデモも7日、欧州各地であり、ブリュッセルやバルセロナでは1万人近くが参加した。6日にはパリで2万人が行進、ローマ、ストックホルムでも市民が集まった。
欧州では3月30日以降、フランスやベルギー、フィンランドでユダヤ教施設への攻撃が相次いでいる。6日朝にも、南仏ツールーズでユダヤ人が経営するスポーツクラブに火炎瓶が投げ込まれ、内部が壊れた。(10:57)
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EU、イスラエル制裁を検討
欧州連合(EU)議長国スペインのピケ外相は7日、イスラエルがパレスチナ自治区での停戦を拒み続けるならば、EUがイスラエルに対する制裁を発動する可能性があると述べた。
訪問先のベネチアでロイター通信に語ったところによると、制裁についてはルクセンブルクで3日に開かれたEUの緊急外相理事会でも話し合われ、加盟国のなかには即時発動を求める声もあった。しかし慎重論もあるといい、全加盟国による調整がなお必要との見方を示した。(10:43)
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イスラエルとヒズボラの戦闘も激化
イスラエル軍がヨルダン川西岸パレスチナ自治区への攻撃を強める一方で、同軍とレバノン南部に拠点を置くイスラム教シーア派組織ヒズボラとの衝突も激化する様相を見せている。7日にはイスラエル軍機に対し、地対空ミサイルの発射が確認された。
レバノンとの国境上にあるイスラエル軍陣地などには先月末以来、迫撃砲弾などが連日撃ち込まれ、負傷者も出ており、7日には一時、付近の住民が防空壕(ごう)などに避難した。
同軍は同日、レバノン南部にあるヒズボラの拠点を報復攻撃し、ミサイル数発を撃ち込んだ。同軍放送などによると、空爆機に対し、旧ソ連製とみられる地対空ミサイル2発が発射されたが、被害はなかった。地対空ミサイルによる応戦は、同軍がレバノン南部から撤退した00年5月以来だという。
ヒズボラ系のテレビはさらに攻撃を強化する方針を伝えている。(10:30)
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バーミヤンに大規模埋葬地 大量虐殺? 国連が調査
カブールの国連報道官は7日、アフガニスタン中部のバーミヤン州で、多数の遺体を埋めた可能性がある大規模な埋葬地が3カ所見つかったことを明らかにした。国連は虐殺が行われた疑いもあるとみて、7日、調査団を現地に派遣した。
同州に多く住むハザラ人の団体が国連に通報してきた。埋葬地はバーミヤン空港の近くで、タリバーンが撤退する1カ月ほど前の昨年秋につくられたものらしい。
モンゴル系のハザラ人は、イスラム教のシーア派に属する少数民族。パシュトゥン人が多くを占めるタリバーンによる虐殺は、過去にも事例が報告され、国際社会から非難されていた。(08:36)
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末梢神経の再生に新手法 慶応大グループが治療法開発
手足を動かしたり、痛みなどを感じたりする末梢(まっしょう)神経の傷ついた部分を2センチ以上再生させる治療法を、慶応大の仲尾保志・助手(整形外科)らが開発し、ネズミをつかった動物実験に成功した。10日から新潟市で開かれる日本手の外科学会で発表する。
神経の成長を助けるたんぱく質を、神経の周りにあるシュワン細胞が分泌していることに着目。筏義人・鈴鹿医療科学大教授らと共同で、体の中で溶ける直径2ミリの高分子チューブをつくり、その中でシュワン細胞を立体的に培養させることに成功した。
ネズミの足の神経に2センチの欠損部をつくり、この細胞入りのチューブで橋渡しをすると、8週間後、歩けなかったネズミが歩けるようになった。チューブの中で神経が成長し、つながっていた。チューブは次第に溶けてなくなる。
長さ約1センチまでの神経の欠損は縫い合わせることができるが、それ以上の欠損は、体のほかの部分から神経を切り取る移植手術が行われている。今回開発した方法が実用化されると、健康な部分を痛めずに神経再生が可能になる。(21:25)
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卸売物価、4年連続下落 01年度は1.1%減
日本銀行が8日発表した01年度の国内卸売物価指数(95年平均=100)は平均で94.9となり、前年度に比べ1.1%下落した。4年度連続の下落となる。最近10年間では、97年度に同1.0%上昇したのを除いて毎年下落しており、91年度比では9.5%の大幅下落と、バブル経済崩壊後の長期デフレ傾向を裏付けている。
前年度比の下落率も00年度の0.1%を上回り、3年ぶりで拡大した。
01年度の指数を商品別にみると、前年度に比べた下落率は国際的なIT(情報技術)不況のあおりで半導体、パソコン関連機器が落ち込んだ電気機器が5.0%と目立っている。鉄鋼も需要の低迷から2.9%、輸送用機器が自動車メーカーによる部品価格の値下げ圧力などから2.2%それぞれ下落しており、国際競争と消費低迷の影響を受けやすい商品での下落が大きくなっている。
一方、原油価格の上昇と円安で石油・石炭製品が前年度比2.6%上昇している。(20:54)
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