パレスチナ自治区で戦闘激化 イスラエル軍が作戦加速か
侵攻巡り米ユダヤ社会二分 NYでデモ、集会続く
パレスチナ人が攻撃準備の疑い レバノン、6人逮捕
イスラエル軍、ハマス幹部ら6人殺害 ナブルス近郊
外相の中東派遣を検討 ロシア大統領府
アラブ連盟緊急外相会議開く 注目される決議
比国軍がゲリラと交戦、双方合わせて15人の死者
ロシア国防相、妥協の可能性示唆 米ロ戦略核削減問題
アフガン難民18万人がパキスタンから帰還 UNHCR
原発規制、大幅見直し 安全性と経済性探る
クローン人間妊娠のニュースに米研究者「ノーコメント」
中小企業の8割が「デフレは経営に悪影響」 信金中金
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パレスチナ自治区で戦闘激化 イスラエル軍が作戦加速か
イスラエル軍とヨルダン川西岸パレスチナ自治区の武装勢力との交戦は5日夜から6日にかけ、西岸最大のナブルスやジェニンで激化、同軍兵士3人が死亡し、パレスチナ側にも30人以上の死者が出た模様だ。侵攻が始まった先月29日以降、一晩で最も多くの犠牲者が出たとみられる。同軍は6日、南部のヘブロンでも制圧範囲を拡大。来週に予定されるパウエル米国務長官の訪問を前に、作戦を加速化しているとみられる。
パレスチナ治安筋によると、「テロ出撃の拠点」として同軍が警戒するナブルスでは、5日夜からの戦闘で15人のパレスチナ人が死亡した。
ジェニンでは、同軍兵士3人が死亡、十数人が負傷した。パレスチナ側は、14歳の少女が武装ヘリの砲撃で死亡するなど10人が死亡したとしている。また、南部のヘブロン近郊の町ヤッタを新たに制圧、武装ヘリから砲撃を加えており、死傷者が出ている模様だ。カタールの衛星テレビ・アルジャジーラは、5日夜からの攻撃で計36人のパレスチナ人が死亡したと伝えている。
イスラエル政府は、ブッシュ米大統領の撤退勧告にもかかわらず作戦を続けるとしており、パウエル長官の訪問で撤退への国際圧力が強まるのを警戒し、むしろ作戦を集中強化しているともみられる。(21:46)
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侵攻巡り米ユダヤ社会二分 NYでデモ、集会続く
ニューヨークのタイムズスクエアで5日夕、イスラエルの即時撤退を求める反戦・反人種差別団体のデモがあり、約1000人が参加した。ユダヤ系の多いニューヨークでは最近、右派、左派双方がそれぞれ「親イスラエル」「占領反対」の立場から集会やデモを続けている。
アラブ人やイスラム教徒の団体はイスラエルの撤退を求める声明を出したり、ブッシュ大統領に書簡を送ったりしている。だが、独自の集会やデモなどはやりにくいようで、反戦団体に加わっている例が多い。
4日、中心部のユニオンスクエアで抗議行動したユダヤ系女性団体「ウーマン・イン・ブラック」の大学教授シェリー・ガーリックさん(62)は「アメリカの援助でイスラエルはパレスチナ人を殺す武器を買っている。もとをただせば国民の税金。私たちはそれを認識しなければ」。一方、反ユダヤ主義防止団体「ADL」の幹部ケン・ジェイコブソンさんは「9・11テロの後の米国と同様、イスラエル政府は国民を守る権利と義務がある」と、侵攻は「テロ対策」と主張する。
左派団体「占領に反対するユダヤ人」は6日、5000人規模のデモを計画。イスラエル支持の青年団体「ベタール」は7日、国連本部前で国連「反ユダヤ主義」弾劾行動を予定している。(13:54)
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パレスチナ人が攻撃準備の疑い レバノン、6人逮捕
レバノン治安当局は5日、レバノン南部からイスラエルをロケット攻撃しようとしたとしてパレスチナ人6人を逮捕した。同地域では2日から3日にかけて、イスラム教シーア派組織ヒズボラがイスラエル軍陣地を攻撃。イスラエルは同組織に影響力を持つレバノンとシリアに、攻撃が続けば報復すると警告し、緊張が高まっていた。
逮捕されたのはパレスチナ解放人民戦線総司令部派(PFLP・GC)のメンバーとされる。イスラエル側は、同派とヒズボラは共闘関係だと指摘していた。(13:50)
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イスラエル軍、ハマス幹部ら6人殺害 ナブルス近郊
ヨルダン川西岸パレスチナ自治区で軍事侵攻を続けているイスラエル軍は、5日夜から未明にかけても各地を攻撃、ナブルス近郊ではイスラム過激派組織ハマスの軍事部門の幹部ら活動家6人を殺害した。
同軍放送などによると、この幹部は先月末、イスラエル北部のネタニヤで20人以上が死亡した自爆テロに関与していたとされる。ナブルスに隣接する難民キャンプでは8歳の少年を含む4人が攻撃に巻き込まれ死亡した。
また、ラマラでは同日夜、パレスチナ自治政府のアベドラボ情報相の自宅に同軍兵士が押し入り、同相を一時拘束した。パレスチナ人の武装活動家らが逃げ込み、同軍が包囲を続けているナブルスの聖誕教会の近くでは同日、取材中のフランス人テレビカメラマンが同軍兵士の銃撃で負傷した。
一方、イスラエル北部の同軍前哨部隊には同日夕もレバノン南部から迫撃砲弾などが数発撃ち込まれ、同軍は武装ヘリコプターで発射地点とみられる一帯を攻撃した。レバノン南部からの砲撃はここ数日続いており、同軍はイスラム教シーア派組織によるものとみている。(
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外相の中東派遣を検討 ロシア大統領府
ロシア大統領府のプリホチコ副長官は6日、「必要があればイワノフ外相は中東へ飛ぶ用意ができている」と話し、米国のパウエル国務長官に続いてロシアも外相の中東派遣を検討していることを明らかにした。
イワノフ外相とパウエル国務長官は5日、電話会談で情勢について協議。ロシア外務省によると「イスラエル、パレスチナ双方による無条件の国連決議履行が必要」との考えで一致し、「軍事対立解消に向けた米ロ共同あるいは両国による並行的な対応」について意見交換したという。(20:43)
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アラブ連盟緊急外相会議開く 注目される決議
アラブ連盟(21カ国と1機構)は6日、イスラエルのパレスチナ自治区侵攻への対応策を話し合うため、カイロで緊急外相会議を開いた。アラブ諸国では、イスラエルに対する民衆の怒りが激しいデモなどの形で広がっており、会議がどのような具体的行動を決議するのか注視している。
ブッシュ米大統領がイスラエルの撤退を求め、国務長官を派遣して仲介に努めると表明したことをエジプト、ヨルダンなどは歓迎している。ただし、アラファト自治政府議長のテロ防止努力が足りないと批判していることには反発があり、会議ではパレスチナ人の抵抗権を認めた「公平な」調停を望む声が出そうだ。
アラブ自体の対応については、エジプトがイスラエルとの公的な接触を停止したが、連盟筋は、自治区から撤退しなければより強硬な措置をとるとの、警告的な決議が予想されると語った。(22:06)
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比国軍がゲリラと交戦、双方合わせて15人の死者
フィリピン国軍によると、南部ミンダナオ島コンポステラバレー州と東ダバオ州の境界で4日夜から5日朝にかけて比共産党(CPP)の軍事部門である新人民軍(NPA)と交戦、NPA側に10人、国軍側に5人の死者が出た。NPAの地域指導者が会合を開いているところを国軍側が攻撃、交戦になったという。国軍側はヘリコプターを使い兵士を増員するとともに、逃走するNPA側に攻撃を加えた。
アロヨ政権は昨年4月、エストラダ前政権下で中断されていたCPPの統一戦線組織である民族民主戦線(NDF)との和平交渉をノルウェーで再開。同年6月、北部カガヤン州で下院議員がNPA側に殺害されたことで政権側は交渉の無期限延期を決定。その後、非公式な交渉が続いている。(20:20)
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ロシア国防相、妥協の可能性示唆 米ロ戦略核削減問題
米ロ両国が5月の首脳会談で合意を目指す戦略核削減問題でイワノフ・ロシア国防相は5日、「核弾頭の一部を貯蔵する米国の主張には一定の論理がある」と話し、ロシア側が今後の協議で妥協に応じる可能性を示唆した。インタファクス通信のインタビューに答えた。
ロシアはこれまで「核削減は逆戻りできるものであってはならない」と貯蔵案を批判してきた。米国の主張には将来の再配備が念頭にあり、仮に米ロが貯蔵で合意すれば核削減の実質的な意味が問われることになりそうだ。
イワノフ国防相は2国協議について「相違点があるが、本質的な対立はなくなった」と発言。さらに「私は(一部の核貯蔵を求める)米側を理解する」とし、米国が核を貯蔵した場合「ロシアも同じ手段をとる可能性」に言及した。
米ロは核弾頭を現在の約3分の1の1700〜2200発に削減することで一致。合意に法的拘束力を持たせる点でも難色を示していた米国が基本的に同意した。(19:02)
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アフガン難民18万人がパキスタンから帰還 UNHCR
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は5日、アフガニスタン難民の帰還プロジェクトについて、同日朝までにパキスタンからアフガニスタンに18万4068人の難民が帰還した、と発表した。
このプロジェクトは3月1日から始まっており、イランなどからの帰還も合わせて年内に120万人の里帰りを目指している。
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原発規制、大幅見直し 安全性と経済性探る
原発の安全規制について、経済産業省原子力安全・保安院は、最新技術を導入しにくい制度の改善や、定期検査の間隔拡大など、電気事業法などの改正を含め、大幅に見直す方針を固めた。原発の運転と維持管理の「効率化」につながる。電力自由化を背景に、原発の経済性向上が緊急課題となっており、これに対応しつつ安全水準を維持する方策を探る。
総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会で見直し案を論議し、年内にもまとめる。
原発の新設・改造・補修時は、機器類の材質から形状まで詳細に定めた国の技術基準に従わなければならない。基準ができた80年当時の熟成技術を基にしており、実績の少ない新しい機器や工法は採用されにくい。
例えば、建屋の下に免震装置を備えることで、建屋や機器の軽量化を可能にし、コストを下げるという検討は、かねて業界でなされてきた。
国内で原発が稼働を始めて30年余りたち、電力会社やメーカーの技術力は向上した。保安院は、最新技術を採用しやすい柔軟な仕組みに変え、安全性の向上につなげる。一方、電力会社は「コスト削減、開発力強化を加速できる」と期待する。
新技術を導入する際の基準づくりを、日本機械学会などが進めており、保安院もこの作業に加わる方針だ。
原発の2つの検査体制も見直す。
1つは、運転を止めて約1年ごとに行っている定期検査。この間隔を長くすれば稼働率が上がる。米国では2年ごとで、保安院も「1年ごとでなければならない根拠は乏しい」とみている。
もう1つは、運転したままで年4回実施する保安検査の内容。99年に茨城県のウラン加工施設「ジェー・シー・オー」で起きた臨界事故を教訓に設けられた。定検と重複する部分を改善したり、優先順位をつけたりして、効率化を図る。(14:55)
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クローン人間妊娠のニュースに米研究者「ノーコメント」
イタリアの不妊治療専門家セベリノ・アンティノリ医師が「クローン人間の妊娠に成功し、妊娠8週に入っている」と述べたと5日のアブダビ発のタス通信が報じたが、「同医師らとともにクローン人間を誕生させる」と公言してきた米国のパノス・ザボス・ケンタッキー大元教授(生殖生理学)は5日、朝日新聞の取材に対し「当方では否定も肯定もできない。アンティノリ医師に直接尋ねてほしい」と答えた。
生命倫理問題に関心が高い米国の主要メディアも、この件に関しては沈黙を続けており、懐疑的にみている模様だ。
アンティノリ医師とザボス博士は、「遺伝的なつながりのある子どもがほしい、という不妊カップルの願いにこたえたい」と、クローン人間づくりを手がけるとしている。
ザボス博士は当初、「白日の下で計画を進める」と述べていたが、その後は具体的な進展状況を明らかにしていない。
クローン動物の研究者らからは「クローン動物には奇形や異常が多い。クローン技術に特有の問題があると考えられ、現時点でこれを防ぐ手立てはない。人間に応用するのは危険で無責任だ」などと厳しい批判を浴びているが、これに対しても「動物と人は違う」「厳密に管理して実施すれば大丈夫」などと反論してきた。(11:07)
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中小企業の8割が「デフレは経営に悪影響」 信金中金
信金中央金庫総合研究所が、中小企業を対象にデフレが経営に与える影響を聞いたところ「悪影響」と答えた企業が82.5%だったのに対し、「好影響」と答えたのはわずか1.5%で、対応策としてコスト削減を優先させていることがわかった。
3月上旬、全国の信用金庫の取引先企業に聞き、1万3505社から回答があった。
企業の対応策として「仕入れ原価の削減」(42.1%)や「従業員数や賃金の見直し」(35.4%)が多かった。前向きの対応といえる「高付加価値で差別化」は32.6%、「新商品開発・新分野進出」は14.1%、「設備投資の積極化」は4.6%と少なかった。(17:57)
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