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【02/04/04 (木) 】

イスラエル軍、ナブルスにも侵攻 聖誕教会の包囲続く
救出チーム活躍、ベツレヘムから日本人女性ら脱出
イスラエル、ナブルス制圧か
<パレスチナ情勢>聖誕教会付近で激しい銃撃戦
<アラファト氏>監禁状態1週間 面会者「やせて衰弱」
<レバノン情勢>ヒズボラがイスラエルへの攻勢を強める
<パレスチナ>イスラエル軍、西岸制圧6都市に 侵攻拡大の恐れ
ヒズボラ、シェバ農場のイスラエル軍駐屯地を攻撃
イスラエル軍、ジェニンほぼ制圧
エジプト、イスラエルとの「接触」停止

日本農薬研究所で放射性物質の配管小爆発 被ばくなし
ホンダが新燃料電池車公開 最高速度は140キロ
テロ警戒の投光器でホウレンソウ異常生育 日米が賠償
電力全面自由化に、電力業界が正式に受け入れ表明
道路公団民営化、第3者機関設置法案が審議入り
ゾルゲ役にイアン・グレン スパイ・ゾルゲの配役発表
イスラエル軍、ナブルスにも侵攻 聖誕教会の包囲続く

 イスラエル軍は3日夜、ヨルダン川西岸北部のパレスチナ自治区ナブルスへ侵攻した。戦車など約100台が入り、近郊の村も含め全域をほぼ制圧した。これで西岸の8自治区のうち侵攻、制圧を免れているのはヘブロンとエリコだけとなった。

 同軍は2日前からナブルスを戦車など400台で包囲しており、パレスチナ側も各地に土嚢(どのう)を積むなど侵攻に備え、応戦した。死傷者が出ている模様だが詳細は分かっていない。

 パレスチナ通信によると、自治政府指導部は3日、声明を発表、「自治政府の破壊を狙い、全パレスチナの再占領をもくろむ不正な侵攻に対し長期的な抗戦を準備せよ」とパレスチナ人に呼びかけた。

 また、同軍が包囲している西岸ベツレヘムのキリスト教の聖地「聖誕教会」では4日未明になっても、中に避難しているパレスチナ人らが同軍の投降呼びかけに応じず、膠着(こうちゃく)状態が続いている。3日には近くの聖マリア教会にも同軍の追撃を逃れたパレスチナ人ら約80人が立てこもったが、間もなく大半が投降、一部は逃走した。


 一方、駐イスラエル米国大使は同日、ジニ中東特使がアラファト議長と面会できるようベンエリエゼル国防相に求めたが、国防相は拒否した。(10:26)

救出チーム活躍、ベツレヘムから日本人女性ら脱出

 イスラエル軍によって銃撃され負傷した後、パレスチナ自治区ベツレヘムで足止めされていた日本人女性や米、英国人ら約20人が3日夜、米国などの救出チームによってベツレヘムから脱出した。


イスラエル、ナブルス制圧か

 【エルサレム4日=平野真一】3日夜にヨルダン川西岸北部のパレスチナ自治区のナブルスに侵攻したイスラエル軍は、4日も、抵抗する武装パレスチナ人と交戦を続けながら市中心部への進駐を進め、パレスチナ治安部隊司令部や刑務所、ユダヤ教聖地「ヨセフの墓」、武装パレスチナ人が根拠地とする旧市街などを包囲した。米CNNテレビは、軍がほぼ制圧したと伝えたが、細い路地に阻まれているとの情報もある。交戦によるパレスチナ側の負傷者は、重傷1人を含め計7人となった。

 交戦は、西岸北部の自治区ジェニン周辺でも続き、ジェニン難民キャンプでは戦車砲による激しい砲撃で建物2棟が大破・炎上、パレスチナ人一家5人が負傷した。

 武装パレスチナ人約200人の立てこもる西岸中部ベツレヘムのキリスト教聖地「聖誕教会」では4日、軍が隣接する建物の裏口を爆破して突入、交戦になった。同教会やホテルから逃げられなくなっていた日本人を含む外国人約15人は3日、米総領事館などの車で脱出した。(読売新聞)
<パレスチナ情勢>聖誕教会付近で激しい銃撃戦

 イスラエル放送によると、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムにあるイエス・キリストの生誕地とされる聖誕教会付近で4日、大規模な爆発が発生し、イスラエル軍とパレスチナ武装集団が激しい銃撃戦を展開した。イスラエル軍は2日以来、同教会内にいた武装集団ら約200人を包囲し、緊張が高まっていた。(毎日新聞)
<アラファト氏>監禁状態1週間 面会者「やせて衰弱」

 【エルサレム井上卓弥】アラファト・パレスチナ自治政府議長がヨルダン川西岸パレスチナ自治区ラマラの議長府で監禁状態に置かれて以来、4日で1週間を迎えた。シャロン・イスラエル首相が外国追放を示唆したのに対し、議長は「(亡命するぐらいなら)殉教を選ぶ」と意気軒昂だ。だが、不自由な生活で72歳の議長に疲労が色濃いという。幾多の困難を乗り切り「中東の不死鳥」と呼ばれた議長の命運を世界が注視している。

 「議長は精神的にはとてもしっかりしているが、やせて衰弱しているように見えた」

 欧米の平和団体メンバーで、2日に議長に面会したフランス人女性(37)は3日、毎日新聞の電話取材に、こう証言した。昔話を語ることも多いといい「(94年にともにノーベル平和賞を受けた)イスラエルのラビン元首相(95年暗殺)のことを思い出しながら『今は和平について話し合える相手もいない』とこぼしていた」という。

 また外国メディアに対し「元首相を殺した狂信的勢力が今、イスラエルを支配している」と語った。イスラエル軍がレバノンを侵攻した82年、国防相だったシャロン首相率いる同軍に、ベイルートの拠点を包囲され、最終的にチュニジアに追放された屈辱が脳裏をよぎっているようだ。

 先月29日朝のイスラエル軍の議長府への突入で、側近や護衛らと執務棟2階の執務室など数室に閉じ込められた。その後、議長は狙撃の危険性などを考慮し、2日までに窓のない1階の部屋に移動したという。

 議長府内には3日現在、平和団体の34人と議長側近らパレスチナ人約50人が缶詰め状態となっている。1日には切れていた電話が復旧、断続的に電気も通り始めた。

 だが、「1日1人にジャガイモ1個しかない」(パレスチナ当局者)というほど乏しい貯蔵食料に加え、イスラエル軍に貯水タンクを破壊されたため飲料水の確保が最大の問題となっている。満足な寝具もない。

 同団体の米国人男性は「援助物資を積んだトラックはほとんど来ず、薬も極端に不足している。赤新月社(イスラム社会の赤十字に相当)の救急車はイスラエル軍に押収された」と明かした。(毎日新聞)
<レバノン情勢>ヒズボラがイスラエルへの攻勢を強める

 レバノンのイスラム教シーア派民兵組織「ヒズボラ」がイスラエルへの攻勢を強めている。2、3日はイスラエル軍が駐留するゴラン高原のシェバ農場に対戦車砲攻撃を行った。イスラエルのパレスチナ自治区への攻撃中、イスラエル軍をレバノン南部から撤退させたヒズボラが対イスラエル戦第2幕に踏み出したともみられる。(毎日新聞)
<パレスチナ>イスラエル軍、西岸制圧6都市に 侵攻拡大の恐れ

 【エルサレム井上卓弥】イスラエル軍は3日夜、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸北部で最大の都市ナブルスに戦車、装甲車約100台とヘリコプターで侵攻した。この際、パレスチナ武装集団と激しい銃撃戦が起こり、パレスチナ人女性1人が死亡した。イスラエル軍による大規模軍事作戦は4日で1週間を迎え、同軍は西岸主要8都市のうち6都市を制圧しており、今後、全都市に侵攻を拡大させる恐れが強まっている。

 これに対し、アラファト議長を監禁状態に置かれたパレスチナ自治政府は3日、「自治政府、市民社会の破壊と自治区再占領を狙った不当かつ、犯罪的な侵略」との非難声明を出し、パレスチナ住民に対し、改めて長期にわたる徹底抗戦を呼びかけた。また、米政府に「(イスラエルの)侵略と虐殺を擁護しないよう」求めた。

 イスラエル軍が既に制圧した6都市はラマラ、ナブルス、ジェニン、ベツレヘム、トゥルカルム、カルキリヤ。先月30日、宗教都市ヘブロンへの侵攻が伝えられたが、制圧にはいたっておらず、エリコを含む2都市のみが未制圧となった。

 一方、イスラエル軍は3日も、西岸ベツレヘムにあるイエス・キリストの生誕地とされる聖誕教会に逃げ込んだパレスチナ人武装集団や住民約200人の包囲を続けた。教会内に閉じ込められていた米英伊の記者ら十数人は同日夕、同軍と各国大使館との交渉の結果、解放された。修道士ら数十人と中に残るローマ・カトリック教会の司祭は、記者らを通じ、国際社会に救援を訴えた。

 一方、イスラエル政府は同日、西岸ラマラに監禁されているアラファト議長との面会を求めた米国のジニ特使、欧州連合(EU)議長国スペインのアスナール首相の要請を拒否した。(毎日新聞)
ヒズボラ、シェバ農場のイスラエル軍駐屯地を攻撃

 [クファルシュバ(レバノン) 3日 ロイター] レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは、レバノンとイスラエルの争議の原因となっているシェバ農場のイスラエル軍駐屯地を攻撃した。
目撃者が明らかにしたもので、同様の攻撃は、2日間で2度目。
これによると、ヒズボラは、シェバ農場を見下ろす位置にある駐屯地に対し、対戦車ミサイルや迫撃砲で攻撃したという。
負傷者については現時点では明らかになっていない。(ロイター)
イスラエル軍、ジェニンほぼ制圧

 【エルサレム3日=当間敏雄】イスラエル軍は3日未明(日本時間同日午前)、新たにヨルダン川西岸パレスチナ自治区サルフィトと中部ラマッラに近いジャラゾン難民キャンプに侵攻、作戦地域を次々と拡大している。2日深夜に侵攻を開始した北部ジェニンは3日には、ほぼ全域を制圧、イスラエル放送によると、パレスチナ人の死者は女性医師や武装組織指導者を含む計5人に達した。

 西岸ベツレヘムでは2日午後以来、武装パレスチナ人200人近くがキリスト教聖地「聖誕教会」に立てこもり、軍部隊とにらみ合い、世界が憂慮を深めている。イエスが生まれた馬小屋の跡とされる地に建てられた同教会はエルサレムと並び世界各国からキリスト教徒が訪れる重要聖地。一触即発の状況の中、バチカンも3日、イスラエルと米国に事態収拾を要請した。

 西岸ラマッラに「監禁」されているアラファト自治政府議長は2日夜、軍がベツレヘムのキリスト教会やモスク(イスラム教礼拝所)を攻撃したと非難したが、イスラエルは、パレスチナ側が聖地を意図的に戦闘に巻き込み、イスラエルに対する世界の非難を呼ぼうとしていると主張。ユダヤ、キリスト、イスラム3大宗教が複雑に絡み合うパレスチナ紛争ならではの非難合戦が展開されている。

 一方、緊張を増しているレバノン南部では、同国のイスラム原理主義組織ヒズボラが3日、国境越しにイスラエル側にロケット弾を撃ち込み、イスラエル軍が砲撃で応戦した。(読売新聞)
エジプト、イスラエルとの「接触」停止

 エジプト政府情報省筋によると、同政府は3日の閣議で、イスラエル政府との接触を停止すると決めた。外交チャンネルは残すという。外務省スポークスマンは「接触」の詳しい説明は避けた。パレスチナ自治政府筋は、通商関係も絶つというほど強硬なものではなく、パレスチナ情勢協議などの外交問題を除く公的な接触を停止するものという見方をしている。


 エジプトでは連日学生を中心に、イスラエルのパレスチナ自治区での軍事行動に抗議するデモが続き、イスラエル大使の追放など、政府に強い措置を求めている。2日、政府は学生、生徒のデモ禁止を指示したが、カイロ大学の学生が街頭デモに繰り出そうとして警官と衝突するなど、抗議行動は収まりそうにない。(01:42)

日本農薬研究所で放射性物質の配管小爆発 被ばくなし

 4日午前10時15分ごろ、大阪府河内長野市小山田町にある、日本農薬(本社・東京)の同社総合研究所の排気管で小規模な爆発が起きた。この排気管は放射性物質(炭素の放射性同位元素)を含む廃液を燃やしてできる水蒸気と炭酸ガスを排出する管で、この爆発によって職員2人がすすをかぶった。連絡を受けた文部科学省は放射線検査官を現地に派遣し、限度を超える被曝(ひばく)がないことを確認した。検査官が事故原因などを調べているが、異常燃焼して装置内の圧力が高まり過ぎた可能性もあるという。

 日本農薬によると、小爆発が起きたのは、炭素の放射性同位元素を含む有機廃液の焼却装置から出ている長さ5〜6メートルのL字形配管(直径約10センチ)の屈折部分。直径数センチの穴が開いた。

 同研究所は、マウスや虫が農薬をどう吸収するかを調べるため、目印として微量の放射性物質を食べさせて体内への蓄積具合などをみている。この過程で低レベルの放射性物質を含んだ有機廃液が出るという。


 廃液に含まれる放射能レベルは国の基準を下回るものだという。これを燃焼させて水蒸気と炭酸ガスにし、排出しているという。(21:48)
ホンダが新燃料電池車公開 最高速度は140キロ

 ホンダは4日、水素と酸素の化学反応で走る燃料電池車の新開発車を公開した。燃料電池システムを小型化したため4人がゆったり座れ、トランクルームも確保。1回の充填(じゅうてん)で走ることができる航続距離も大幅に伸び、03年に発売する市販車に近い姿となっている。

 新型車「FCX−V4」は2月に公道実験の認可を得て、一般車道での実験走行に入った。00年に開発した前モデルと比べ出力が26%向上、78キロワットになった。エネルギー源の高圧水素をためるタンクは圧力や容積を増やし、航続距離は75%増えて315キロとなった。最高速度は140キロ。

 報道陣を対象にした試乗会ではホンダの本社がある東京・青山周辺の道路を走行。酸素を燃料電池に送り込むためのコンプレッサーの音やモーターの音は小さく、振動がほとんどないため、従来のガソリン車よりもスムーズな走りだった。

 市販に向けた最大の課題はコスト。現在は1台当たり1億〜2億円かかるといい、一般の人の手が届くまでにはさらに数年かかりそうだ。車体重量も約1700キロと重く、登坂走行や加速に課題を残している。

テロ警戒の投光器でホウレンソウ異常生育 日米が賠償

 米国の同時多発テロをきっかけに、米軍横田基地が夜間警戒のために設置した投光器の光で、隣接する東京都武蔵村山市の2軒の農家が栽培していた野菜が異常生育したとして、防衛施設庁は4日までに、2軒に合わせて約170万円の賠償金を支払った。東京防衛施設局によると、賠償金は日米地位協定に基づき、日本が25%、米国が75%を負担する。


 同局によると、2軒の農家は計2000平方メートル余りの耕地で、ホウレンソウとブロッコリーを栽培していた。昨年9月以降、夜間も光を浴び続けた野菜の生育が早まり、収穫前に花が咲くなどして、売り物にならなくなった。米側も因果関係を認めたため、先月20日に賠償金が支払われたという。(19:46)

電力全面自由化に、電力業界が正式に受け入れ表明

 電力の小売りが家庭用まで含めて数年後に全面的に自由化されることが4日、事実上決まった。総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の電気事業分科会で同日、電力業界が受け入れを表明し、分科会として全面自由化が固まった。3〜5年後ごろには、他地域の電力会社や新規業者が参入できるようになり、各家庭が電話と同じように電力供給会社を自由に選べるようになる。

 経産省は、欧米の2〜3倍と割高な電気料金が競争によって引き下げられる効果を期待しているが、家庭用は参入コストがかさむため、期待通りになるかどうかは不透明だ。

 4日の分科会では、東京電力の南直哉社長が電力業界を代表する形で「最終的には全面自由化を目指すことを前向きに検討したい」と表明した。経営規模の小さい他の電力会社も含めて業界の足並みがそろった。

 一方、競争の働きにくい送電部門を電力会社から切り離す「発送電分離」について、南社長は「(発電から送電までの)一貫体制が果たした役割をもう一度確認してほしい」と分離に慎重な姿勢を変えなかった。

 全面自由化の実施時期は、離島を含めた全国への安定供給の確保や消費者の自己責任のあり方など、全面自由化の課題について検討したうえで、年内に報告をまとめる。


 電力小売りは00年3月、電圧2万ボルト以上の大工場や大型ビルなど需要量の3割を占める大口向けが自由化された。経産省は03年度にも6000ボルト以上の中小工場やスーパーなどに自由化対象を広げ、家庭用も含む全利用者は05〜07年度ごろをめざす。(21:37)

道路公団民営化、第3者機関設置法案が審議入り

 日本道路公団民営化の具体案づくりを担う「道路関係4公団民営化推進委員会」の設置法案が4日、衆院本会議で審議入りした。政府は月内の成立を目指している。小泉首相は答弁で、「改革意欲に富み、特定の分野・利害に偏しない人を委員に選ぶ。自民党の一部の意見だけが反映されるようにはしない」と述べ、首相主導で人選を進める考えを強調した。委員の任命には国会の同意は必要ないが、今後は人選をめぐる自民党などとの水面下の調整が焦点となる。

 また、この日の質疑で石原伸晃行革担当相は、黒字路線の料金収入で赤字路線をつくるプール制の見直しも委員会の検討対象になるとの考えを示した。


ゾルゲ役にイアン・グレン スパイ・ゾルゲの配役発表

 第2次大戦前夜に起きた「ゾルゲ事件」を通して昭和史を描く篠田正浩監督の新作映画「スパイ・ゾルゲ」の製作発表会見が4日午後あり、主要キャストが発表された。主人公のリヒャルト・ゾルゲ役は「トゥームレイダー」などで知られる英国の俳優イアン・グレン、協力者の尾崎秀実役は本木雅弘。葉月里緒菜、永沢俊矢らが共演する。

 本格的な撮影は今月から。海外ロケを経て来年初めに完成する予定だ。