アラファト議長追放も シャロン首相が初めて言及
パレスチナ治安警察本部、攻撃受け300人投降
日本人活動家ら5人負傷 イスラエルの平和人権活動団体
ベツレヘムでデモ中負傷の日本人は清末さんと確認
イスラエル軍、ヨルダン川西岸での軍事作戦拡大
「テロ支援もテロ」アラファト議長に適用せず 米大統領
身柄拘束に来たら撃つ アラファト氏、携帯電話で側近に
<パレスチナ>反イスラエル・デモが激化 アラブ諸国各地で
自治区で「イスラエル協力者」の処刑ひん発
ロンドン原油、半年ぶり高値=パレスチナ情勢の緊迫化で
<ロケット砲弾>レバノン領からイスラエルに数発 ヒズボラか
身障者施設で投薬ミス、入所の男性死亡 岐阜・国府町
石川の志賀原発、ポンプ軸振動値に変動 手動停止し点検
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アラファト議長追放も シャロン首相が初めて言及
イスラエルのシャロン首相は2日、パレスチナ自治政府のアラファト議長を自治区外に追放する案を欧州連合(EU)のモラティノス特使(スペイン)に打診したことを報道陣に語った。イスラエルの正式な提案ではないが、同首相が「議長追放」について公に語ったのは初めて。自治政府筋によると、アラファト議長は「死んでもとどまる」という。だが、今後、議長の監禁が長期化した場合、事態打開策として「議長退去」が具体的な選択肢として浮上することはほぼ確実だ。
イスラエル軍放送によると、シャロン首相は2日午前、ヨルダン川西岸のカルキリヤ近くの軍拠点を視察した後、報道陣に「議長追放」案について語った。それによると、首相はモラティノス特使に「もし、アラファトをラマラから動かすことを望むなら、ヘリコプターで行き、アラファトを連れ出すことはできる」と語ったという。ただし、そのためには(1)まず閣議に諮らねばならない(2)議長の周りにいる人間は同行できない(3)行ったきりで戻ることはできない――との条件があると語ったという。
首相は議長を「敵」と宣言した29日の閣議で、「議長追放」を提案したが、労働党の反対で「孤立化」という表現になった。首相は、追放について、「議長に次ぐ指導者が実権をにぎることができるようになる」と狙いを語ったという。
モラティノス特使の報道担当によると、同特使は、国連やロシアの特使らとともに、ラマラのアラファト議長と接触する許可をイスラエル首相府に求めているという。「議長追放」について、同報道担当は、「イスラエル側から正式の提案はない」と答えたが、「もし、提案があっても、アラファト議長は選挙で選ばれたパレスチナ人の正式な代表であり、追放を認めることはできない」と語った。
自治政府の議長に近い筋によると、議長は追放案に対して、「私は殉教者になろうとも民衆とともにとどまる。退去を強制されれば、私は銃を持って抵抗する」との意思を示しているという。(21:48)
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パレスチナ治安警察本部、攻撃受け300人投降
ヨルダン川西岸で「テロ封じ込め」の軍事作戦を強化しているイスラエル軍は2日、未明から午後にかけラマラ市内のパレスチナ治安警察本部への断続的なミサイル攻撃を行った。半日にわたる銃撃戦の末、本部内にいた約300人の治安警察員が投降した。
同軍は警察本部を戦車で包囲し、砲弾や武装ヘリからのミサイルで激しい攻撃を加えた。イスラエル当局は、アラファト議長の側近でパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ幹部のマルワン・バルゴーティ氏を含む約50人のテロ容疑者が同本部にかくまわれているとして、身柄の引き渡しを求めていた。これに対し、アラファト氏の後継候補の一人と目されるジブリル・ラジューブ治安警察長官は「最後まで戦う」と要求を拒否していた。
しかし、ハーレツ紙インターネットニュースによると、米国の仲介で同日午後、300人が投降。イスラエル当局が24時間身柄を拘束し「テロ容疑者」かどうか尋問する。
パレスチナ側によると、砲撃で女性を含むパレスチナ人約30人が死亡したとの情報もある。
また、ベツレヘムではイエス・キリストが生まれたとされる生誕教会から数百メートルの地点までイスラエル軍が侵攻、ここでもパレスチナ人との銃撃戦が続いている。生誕教会とは別の教会が火事になり神父1人が死亡、修道女らがけがをした。また、アルジャジーラのパレスチナ人カメラマンが負傷した。
トルカレムでは、モスクが砲撃を受けた。
アラファト議長は、ラマラの議長府で監禁5日目に入った。
また1日夜、ラマラ近郊でパレスチナ人2人が運転中に銃撃を受け死亡した。現地警察は、ユダヤ人過激派による自爆テロへの報復とみて捜査している。(23:01)
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日本人活動家ら5人負傷 イスラエルの平和人権活動団体
パレスチナ自治区でイスラエル軍の監視活動を続けている国際平和人権ネットワーク「国際連帯運動」によると、1日夕、ベツレヘム近郊の町ベイトジャラで、デモをしていた同グループにイスラエル軍が発砲し、日本人女性1人を含む外国人5人がけがをした。
同団体によると、この女性は「アイサ」という名前。英国留学中の「清末愛砂さん」とみて、現地大使館で確認を急いでいる。右足に銃弾を受け、病院で手当てを受けているという。けがをしたのは英国人や米国人、オーストラリア人らで、英国人女性が手術を受ける以外は軽傷だという。
1日朝から、メンバー約150人がベツレヘムのパレスチナ人難民キャンプを訪れ、各家庭でイスラエル軍の監視活動を続けていた。
午後になって同軍に占拠されているベイトジャラに向かうことになり、両手を上げてデモ行進していたところ、イスラエル軍が威嚇射撃をしてきたという。
同グループは3月31日にパレスチナ議長府にメンバーを派遣、一部メンバーが1日も議長府内に人間の盾としてとどまっている。(01:23)
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ベツレヘムでデモ中負傷の日本人は清末さんと確認
在イスラエル日本大使館によると、1日、ベツレヘム近郊で平和デモ中にイスラエル軍の銃撃を受けて負傷した日本人女性は、東京都出身で英国留学中の清末愛砂さん(30)と確認された。清末さんは軽傷で、手当てをうけたあとベツレヘムのホテルに滞在している。
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イスラエル軍、ヨルダン川西岸での軍事作戦拡大
イスラエル軍は2日未明、パレスチナ自治政府のアラファト議長を監禁しているヨルダン川西岸のラマラやカルキリヤに加え、イエス・キリスト生誕の地とされるベツレヘムの中心部やトルカレム、ナブルス近郊にも戦車や武装ヘリコプターなどで侵攻、軍事作戦をさらに拡大させた。議長府周辺では、爆発音や銃撃音が散発的に聞こえているとの情報があり、緊張はさらに高まっている。
一方、エルサレムでは1日夜、検問所で停止を求められた車の男性運転手が自爆して死亡、イスラエル警官1人も死亡したほか、2人が負傷した。アラファト議長率いるパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの軍事部門アルアクサー殉教者軍団が犯行声明を出した。イスラエル治安当局はエルサレム中心街での自爆テロを計画していたものとみている。
イスラエル軍は予備役の兵士も動員してパレスチナ武装組織の活動家の捜索や武器の押収を継続しており、ラマラでのパレスチナ人の拘束は1日までに700人以上に上ったことを明らかにした。自治政府によると、同軍がラマラにあるパレスチナ治安施設に向かう際、パレスチナ人約60人を戦車の前に立たせ、「人間の盾」として利用したという。
アラファト議長は1日、国連のアナン事務総長に対し電話で、同軍によるパレスチナ市民への攻撃を止めるよう国連の速やかな介入を求めた。
同国北部キリヤトシェモナでは2日未明、カチューシャ・ロケット砲弾が数発撃ち込まれた。負傷者は出なかった。同軍はレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラによる攻撃とみている。
また、先月31日に同軍による包囲網を越えて議長府に入り、アラファト議長と面会した欧米の平和運動活動家のうち、フランス人11人が1日、イスラエル当局によって国外追放された。この中には反グローバル化運動の活動家として知られるフランスの「農民同盟」のジョゼ・ボベ国際広報部長も含まれている。11人は今後10年間、イスラエルへの入国が禁止される見込み。(13:19)
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「テロ支援もテロ」アラファト議長に適用せず 米大統領
ブッシュ米大統領は1日、「テロが続く限り、和平はこない」と述べ、パレスチナ自治政府のアラファト議長にテロを非難するよう改めて求めたが、当面、「テロ支援もテロ」というブッシュ・ドクトリンを議長には適用しない方針を示した。
ホワイトハウスで記者団に語った。大統領は議長までテロリストとみなさない理由について、議長は暴力停止に向けた治安協議と、和平交渉再開への道程を描いた国際調査委員会の提言に同意していることをあげ、まだ議長を正当な交渉相手とみなしているとの立場を示した。
大統領がテロ対策で議長の身内の統制能力が不十分と不満を表明している以上、同ドクトリンを適用して、イスラエル側を全面支援しないのは矛盾との批判が米国内の保守論客の間で噴出している。(12:16)
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身柄拘束に来たら撃つ アラファト氏、携帯電話で側近に
自治区ラマラで監禁状態にあるアラファト議長と1日、電話で話したパレスチナ自治政府のシャース国際協力相によると、同議長は銃を携行、イスラエル兵が身柄の拘束に来たら「ドアをノックしただけで私は撃つ」と言ったという。同相側近が明らかにした。
シャース氏はエジプト首脳らと協議するためカイロを訪れた。アラファト議長とは、議長府を訪れた民間人らの携帯電話で話した模様だ。シャース氏によると、アラファト議長はイスラエル側に頭を下げるよりは死を選ぶ覚悟をしており、不測の事態が心配だという。(01:48)
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<パレスチナ>反イスラエル・デモが激化 アラブ諸国各地で
イスラエル軍によるパレスチナ自治政府への軍事作戦が強まる中、アラブ諸国各地で反イスラエル・デモが日増しに激しくなっている。シャロン・イスラエル首相が2日、パレスチナ自治政府議長の追放も辞さずと発言したことで、エジプト、ヨルダン政府の首脳への批判が強まるとみられ、両政府は難しい立場に立たされている。(毎日新聞) |
自治区で「イスラエル協力者」の処刑ひん発
【カイロ2日=久保健一】パレスチナ自治区で、イスラエルへの協力の嫌疑をかけられた住民が、パレスチナ過激派に“処刑”される事件が続出している。一昨年9月の武力衝突開始後、こうした「協力者」として約10人が殺害されているが、1日だけで11人もの住民が犠牲になった。
イスラエル軍が過激派掃討作戦を加速、自治区が相次いで再占領状態に置かれる中、「内なる敵」を放置すれば、組織壊滅にすらつながりかねないとのパレスチナ過激派の危機感が、こうした「私刑」の横行につながっていると見られる。
ヨルダン川西岸トゥルカレムでは、1日のイスラエル軍侵攻の直前、自治政府施設内に拘置されていた「協力者」8人が、乱入した覆面姿の武装パレスチナ人に次々に射殺され、遺体が公衆の面前にさらされた。西岸カルキリヤ、ベツレヘムでも、同様の事件があった。電子メールなどでイスラエル情報機関員と接触、過激派の潜伏場所などの情報を漏らしたとされる。
パレスチナ人の「協力者」は通常、イスラエル側から一定の報酬を得ており、イスラエルに何らかの容疑で逮捕された後、情報提供を脅迫されたり、特定のパレスチナ人過激派に憎しみを持つ者がなるケースが多いという。こうした「協力者」に対する粛正は、対イスラエル闘争の激化と軌を一にする傾向があり、1987年から93年までの最初のインティファーダでは800人以上がパレスチナ人によって殺害されている。(読売新聞) |
ロンドン原油、半年ぶり高値=パレスチナ情勢の緊迫化で
【ロンドン2日時事】パレスチナ情勢の緊迫化を背景に、ロンドン市場の原油先物相場が上昇を続けている。国際石油取引所(IPE)の北海ブレント5月きりは2日午前9時50分現在、休日前の3月28日に比べて0.86ドル高の1バレル=26.78ドルに達し、約半年ぶりの高値をつけた。
イラクの与党バース党はアラブ諸国に対して、「イスラエルを支持する諸国に対する武器として、石油を使うべきだ」と禁輸措置を呼び掛け、原油相場の一段の上昇を招いた。 (時事通信) |
<ロケット砲弾>レバノン領からイスラエルに数発 ヒズボラか
イスラエル放送によると、北部キリヤトシェモナ付近に2日未明、レバノン領内からカチューシャ・ロケット砲弾数発が撃ち込まれた。イスラエル治安当局筋が明らかにした。イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの攻撃とみられる。パレスチナ自治区に対するイスラエル軍の大規模な軍事作戦に対抗した動きとみられる。(共同)(毎日新聞) |
身障者施設で投薬ミス、入所の男性死亡 岐阜・国府町
2日午前10時40分ごろ、岐阜県国府町瓜巣の身体障害者療護施設「飛騨うりす苑」から、入所していた男性(48)が死亡したと古川署に届け出があった。施設側は「投薬ミスがあった」としており、同署は業務上過失致死の疑いがあるとみて調べている。岐阜県も施設から事情を聴くなど、原因究明を進める方針だ。
同署や県によると、男性は1日深夜に施設内で意識不明となり、同県高山市の病院へ運ばれたが、2日午前2時40分ごろ、急性呼吸不全で死亡した。
男性は、くも膜下出血の後遺症で機能障害があり、昨年10月から同施設に入所し、治療を受けていた。入所当時から発作を抑える薬を服用していたという。
同施設では、併設されている診療所の常勤医師(35)が入所者の診察にも当たっていた。この医師が3月25日、男性への薬の処方箋(せん)を書く際、過って10倍の量を処方してしまったという。
その後、男性の体調が悪化したためミスに気づき、1日午前、別の病院で検査した。その結果、施設での治療が可能と判断したが、同日深夜になって病状がさらに悪化したという。
同施設では、処方された薬を施設の職員が服用させていた。処方ミスがあったのは粉末の薬で、医師によると、少量だったため、見た目には分量を間違えたことは分からなかったという。
同施設の古滝登苑長は2日夜、記者会見し、「当苑の不注意から大切な一人の生命を失ってしまった。ご本人と遺族に心からおわびしたい」と謝罪した。
「飛騨うりす苑」は昨年10月、飛騨地域初の入所型身体障害者施設として社会福祉法人・飛騨慈光会が設立。定員の52人が入所している。(22:28)
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石川の志賀原発、ポンプ軸振動値に変動 手動停止し点検
定期検査の調整運転中だった石川県志賀町の志賀原発1号機(沸騰水型、54万キロワット)の原子炉冷却材再循環ポンプA号機で、安定していなければならない回転軸の振動値が変動し続けたため、北陸電力は2日、原子炉を手動で停止した。同社によると、原因は不明だが、放射能漏れなど外部への影響はないという。県は同日、同原発に立ち入り調査した。
北陸電力によると、同日午前1時ごろから1時間半〜2時間半にわたり、ポンプの回転軸が0.32〜0.345ミリの間で変動を続けた。その後も変動が続いたため停止を決めたという。
1号機は1月中旬から定期検査に入り、今回トラブルが起きたポンプのモーター潤滑油や、ポンプからの水漏れを防ぐ軸封部などの部品を交換し、回転軸も分解したという。(22:26)
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