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【02/02/24 (日) 】

アンゴラのサビンビ議長の死亡確認 内戦に転機の見方も

アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)ジョナス・サビンビ議長
(Jonas Savimbi 67)の遺体
 ロイター通信などによると、政府軍との戦闘で死亡が伝えられていたアンゴラの反政府勢力、アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)のジョナス・サビンビ議長(67)の遺体が23日、国営テレビやポルトガル放送で放映された。UNITA広報担当者も同日、死亡を確認した。創設当時からのカリスマ的な指導者を失ったUNITAには大きな打撃で、アンゴラ内戦の転機になるとの見方もある。

 テレビ映像では、同氏の遺体は野戦服姿で、野外に置かれた台の上に安置されていた。頭や首、胸などに十数発の銃撃を受けた跡があるという。

 サビンビ氏は66年にUNITAを結成し、自ら議長となった。75年の独立後、旧ソ連やキューバの支援で政権についたアンゴラ解放人民運動(MPLA)に対し、武装闘争を始めた。UNITAは米国や南アフリカの支援を受けて、内戦は米ソ代理戦争と化した。

 UNITAは支配地域にダイヤ鉱山を抱え、その密売で戦費を調達し、25年余りに及ぶ内戦を戦い続けてきた。だが「紛争ダイヤ」取引への国際社会の批判の高まりと規制強化で資金源を断たれ、「じり貧」に陥った。政府軍の攻勢で拠点を次々に失い、サビンビ議長は地方の町や村を頻繁に移動しながら抵抗を続けていた。


<マダガスカル>昨年の大統領選挙結果めぐり政情混乱

 【ヨハネスブルク城島徹】アフリカ東岸沖の島国マダガスカルが、昨年12月の大統領選挙結果をめぐって大混乱に陥っている。独自集計から現職のラチラカ大統領を破ったと主張する、首都アンタナナリボのラベロマナナ市長が22日、大統領就任を宣言。アンドリアナリブ首相が23日、国家非常事態を宣言し、政府と市長支持者との間の緊張が高まっている。

 現地からの報道によると、12月の選挙結果について、同市長が「過半数を得票した」と訴えたが、高等憲法裁判所は両候補とも得票が過半数に満たないと判断し、今月24日に決選投票が設定された。その後、混乱回避のため決選投票の1カ月延期が決まった。アフリカ統一機構(OAU)も延期を勧告していた。

 だが、連日、反政府キャンペーンを展開する市長陣営は22日、首都の競技場で大統領就任式を決行し、多数の支持者が祝福した。

 これに対し、決選投票に臨む意向のラチラカ現政権はラベロマナナ市長の「独走」を批判。アンドリアナリブ首相が3カ月間の国家非常事態を宣言し、デモや集会の取り締まりによる「暴動鎮圧」を表明。このため、市長支持者は市長宅に結集し、政権側の弾圧を警戒している。

 一方、アナン国連事務総長は22日、ラベロマナナ市長が主張する「大統領就任」に批判的な立場から、OAUが仲裁すべきだとの見解を示した。

 同国では76年から一時期を除いて、約22年間大統領を務めるラチラカ政権の腐敗が指摘されており、有力企業経営者でもある同市長の手腕に期待する支持者のキャンペーンが勢い付いている。(毎日新聞)
「悪の枢軸」発言に抗議 東アジアシンポで共同声明

 日本、台湾、韓国の学者、人権活動家ら450人が集って、立命館大学(京都市北区)で開いている「東アジアの平和と人権」国際シンポジウム日本大会(朝日新聞社後援)は24日、ブッシュ米大統領が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を「悪の枢軸」と名指ししたことに抗議する緊急共同声明を採択した。


 シンポジウムに先立って韓国の学者から提案があり、事務局がまとめた。声明では、ブッシュ大統領に「『悪の枢軸』発言の撤回」を求めたほか、日韓両政府に「アフガニスタン、インド洋への派兵を撤回せよ」などと訴えた。(20:17)

4月にも英米首脳会談 対テロの「第2段階」を協議か

 英日曜紙オブザーバーは24日、ブレア英首相がブッシュ米大統領と対テロ戦争の「第2段階」を話し合うため、4月上旬にも訪米して会談すると報じた。首相官邸の情報として「首脳会談では対テロ戦の第2段階を最終的に承認する見通しで、イラクに対する行動が主な議題になる」としている。

 同紙によると、英政府はイラクの核開発に関する詳細な証拠を明らかにすることを計画しているという。


 この報道について、英首相官邸は直接の論評を避けたが、「対テロについて英国と米国は認識を共有している」との見解を示した。(22:54)

アラファト議長の軟禁継続を決定 イスラエル治安閣議

 イスラエルのシャロン首相は24日、治安閣議を招集し、ヨルダン川西岸のラマラ自治区の議長府で事実上の軟禁状態に置いているアラファト議長について、戦車による議長府包囲はやめるものの、ラマラからの移動を禁じる措置は継続することを決定した。

 軟禁は昨年12月初め以来続いており、イスラエル軍の戦車が議長府から数十メートルの位置に陣取って包囲している。閣議後、ベンエリエゼル国防相は戦車の移動を命じた。

 イスラエルは議長の移動を認める条件として、昨秋に同国の観光相を暗殺したパレスチナ解放人民戦線(PFLP)の実行犯の逮捕と引き渡しを要求。自治政府は1月中旬にPFLPのサダト議長を逮捕、さらに最近、実行犯2人も逮捕した。このため、欧州や国連、さらに連立を組む与党労働党からも解除を求める声が出ていたが、右派閣僚が解除に強く反対した。

 閣議後の声明によると、シャロン首相は議長のラマラからの移動を認める時期についてはベンエリエゼル国防相と協議するとしている。戦車は撤退させるものの、自治区封鎖は継続し、議長に圧力をかけ続ける方針と見られる。


 自治政府スポークスマンは、この決定について、「敵対行為の継続にすぎない」と非難した。(20:01)

ダイエー支援枠1000億円増要請 金融庁、主力3行に

 大手スーパー、ダイエーの経営再建策を調整しているUFJ、富士、三井住友の主力取引3銀行に対し、金融庁が当初の金融支援枠4200億円から1000億円の上積みを要請していることが23日、明らかになった。主力銀行団とダイエーによると、金融庁は「当初案の支援枠では再建には不十分との指摘が政界から出ている」と説明しているという。大型支援で市場の不安を一掃するのが狙いで、「国主導の危機管理」という側面が改めて示された。金融庁の強い要請を受け、ダイエーと主力3行は最終調整に入った。

 金融庁がダイエーの金融支援枠に上積みを求める背景には、株式市場に「当初の計画案の規模で再建が順調に進むのか」(証券アナリスト)と疑問視する見方が広がり、ダイエー株の低迷が続いていることへの懸念があると見られる。

 ダイエーと主力3行は23日までに、当初案に400億円上積みして支援枠を4600億円に増やす案を検討していた。だが、金融庁はダイエーの再建をより確実なものにするため、当初案より1000億円多い5200億円の金融支援枠が必要と判断している模様だ。

 ダイエーと3行が1月にまとめた再建計画の当初案は、3行が保有する優先株1200億円を全額減資したうえで、債務の株式化と債権放棄を組み合わせて3000億円を支援する内容だった。

 金融庁の意向が再建策に反映され、この3000億円に1000億円が上積みされた場合、債務の株式化と債権放棄は2000億円ずつの内訳になりそう。債務の株式化では普通株を100億円とし、残りが優先株となる見通しだ。ダイエーは、債務の株式化の半分程度と債権放棄分を、リストラの原資に充てることができる。

 ダイエーと主力3行は、27日に再建計画の最終案を発表する予定だ。最終案には、支援枠の上積みのほか、ダイエー普通株の減資幅を当初案の50%から99%に拡大する案も盛り込む。これとは別に、新たに500億円の融資枠(コミットメントライン)も設定する方針だ。ダイエーは支援枠の上積みを受け、不採算店の閉鎖を当初案の50店舗から5〜10店増やすことを検討している。


 いったん「国家プロジェクト」としてまとまったかにみえたダイエー支援策は、金融庁の強い意向で最終局面までもつれる事態となった。(03:09)

公的資金注入の判断基準多様に 竹中経財担当相指摘

 竹中平蔵経済財政担当相は23日、愛知県内で講演し、金融機関の不良債権問題で「銀行の自己資本の質など、(注入の)判断基準は多様でなければならない」と述べた。特別検査の結果を受けて公的資金注入の是非を判断する際には、すでに注入された公的資金などを自己資本から除いて判断すべきだ、との考えを示したものだ。政府は「現時点では注入の必要はない」との認識だが、金融機関の健全性の判断基準を巡り議論が分かれそうだ。


群馬の村の美術館コンペに1200案 ネット+不況で

 人口3500人足らずの山あいの村に、世界中からざん新な建築案が1200以上も集まった。23日に公開審査会があった群馬県勢多郡東村の村立「新富弘美術館」(05年開館予定)の国際設計競技(コンペ)は、「世界一の応募数」との声も出る、空前の規模になった。

 同美術館は、この村の出身で、事故で手足の自由を失い、口でくわえた筆で草花の詩画を描く星野富弘さんの作品を展示する「富弘美術館」が手狭になったため、近くに建設される。建設検討委員長の中川武・早稲田大教授(建築史)が国際コンペを発案。プランを世界中から求め、村民にも分かりやすく選ぼうという思いからだった。

 応募できるのは一級建築士か、それに相当する海外の専門家。昨年8月に募集を始め、1月の締め切りまでに1211点が集まった。半数近くが欧米、アジアなど海外から、内外の著名建築家も何人も応募した。

 近年、注目を集めたコンペの応募点数は、横浜港の国際客船ターミナル=約660点(95年)▽せんだいメディアテーク=約240点(95年)▽青森県立美術館=約390点(00年)。

 応募点数が多かった理由はまず、インターネットで世界に呼びかけたこと。審査員長の伊東豊雄さんをはじめ、山本理顕さん、隈研吾さんという一流の建築家らに中川教授らが加わる、審査員の充実した顔ぶれも意欲をかき立てたようだ。豊かな自然の中での仕事に関心を持った応募者も多かった。

 総工費が12億円と公共建築としては大き過ぎないため、小規模の建築事務所でも応募しやすかったことに加え、不況で建築家の仕事が減っている背景を指摘する関係者もいる。

 コンペ事務局の金子光一・富弘美術館館長は「星野作品と通じる『やさしさ』というテーマも魅力的だったのでは」と言う。

 審査のため、図面や考え方を示す文章などを張ったA1サイズの応募案のパネルはすべて体育館に並べられ、一般にも公開された。1次審査をすませた審査員は「案のレベルは高い。何でも公開、というのも気持ちがいいね」(山本さん)。

 23日は、最終選考に残った5案を出した、ハンガリーの建築家と日本の中堅・若手4人に審査員が質問し、1点を選ぶ過程も公開。最終審査会の結果、実際の設計者となる最優秀賞には、ヨコミゾマコトさん(39)が代表を務める「aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所」(東京都)が決まった。

 高畑彰村長は「村まで案を持参してくれたイギリスの方もいた。段取りだけでも大変でしたが、村の名前が知れ渡った」と、早くも「成功宣言」。