引き逃げ事故に絡み男性3人死亡の怪 大阪
大阪府豊中市で9日、死亡ひき逃げ事件が起きた。犯行車両の使用者は翌日、山中で他殺体で見つかった。警察は何者かが殺人事件を起こした後、被害者の車に乗ってひき逃げをしたとみて、殺人と道交法違反(ひき逃げ)で捜査を始めた。ところがひき逃げ被害者の息子が「遺体らしきものを父が運んだ」と供述し、18日、自殺した。ひき逃げ、殺人、自殺……。3人の死を解き明かすキーワードに「保険金」が浮上している。
事件の発端は、9日未明に豊中市庄内栄町の市道で発見された市内の無職男性(57)の遺体だった。全身を強く打っており、現場には車のヘッドライトの破片が散乱していた。約2キロ離れた市道に、犯行車両と見られるトラックが乗り捨てられていた。豊中南署は、ひき逃げ事件とみて、このトラックの使用者である大阪市住吉区のトラック運転手岡野満義さん(57)を捜し始めた。
翌10日午後、大阪府箕面市の山中でシートにくるまれた別の遺体が見つかった。所持品などから、岡野さんと確認された。頭がい骨骨折による失血死。他殺だった。
検視の結果、岡野さんの死亡推定時刻は8日で、ひき逃げ事件の起こる前とわかった。岡野さんの配送先で豊中市の配送センター前の路上には大量の血痕が残されていた。府警は何者かが岡野さんを殺害した後にトラックを奪い、豊中市内を移動。途中でひき逃げを起こした、と見た。
ひき逃げと殺人。この段階で、まだ府警は二つの事件が偶発的に起きた「同一犯による別事件」である、との見方をとっていた。
ところが、事件はさらに複雑に展開する。
ひき逃げされた無職男性の長男(26)が15日夜、府警に自ら名乗り出て新たな話を明かした。
「父親は、何者かに故意にひき逃げされたのではないか」
事情聴取に対し、「7日深夜に父親から呼ばれ、車で一緒にシートに包まれた荷物を箕面の山中に運んだ」と語った。運んだ荷物について、「遺体かもしれない、と思った」とも述べた。
当初、通りすがりでひき逃げに巻き込まれただけと見られていた無職男性は、実は岡野さんの殺人事件に関与していた疑いが浮上した。
この無職男性は少なくとももう一人の別人物と岡野さん殺人にかかわり、遺体を処分。その後、この別人物によって、ひき逃げを装って殺害された−−。こんな構図が浮かび上がってきた。
無職男性がひき逃げされた現場には、ブレーキ痕がなかったことも判明。ひき逃げと殺人の二つの事件は、連続殺人容疑事件に発展した。
府警は裏付けを進めるため、16、17日と長男から事情を聴いた。しかし長男は18日、自宅近くのマンションで転落死した。「自分は事件に関係ない。早く犯人を捕まえてほしい」。遺書などから警察は自殺と判断した。
19日、新たな事実が浮上した。
ひき逃げされた無職男性に数千万円の生命保険金がかけられていたことが、府警の調べでわかった。消費者金融などにも少なくとも数百万円の借金があったという。
府警は、何者かが保険金などを狙ってひき逃げした疑いもあると見ている。
残りの関与者は複数か一人か。捜査本部は複雑に絡み合った人間関係を解き明かしながら、事件の核心に迫ろうとしている。(21:16)
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盗んだ通帳で払い戻し、第一勧銀に900万円支払い命令
預金通帳を盗み出した人の求めに応じて現金を払い戻したのは、銀行側のミスだとして、市民団体「薬害オンブズパーソン・タイアップグループ」(東京)の弁護士2人が、第一勧業銀行に預金の返還を求めた訴訟の判決が19日、東京地裁であった。須藤典明裁判長は、同行が印影の確認だけで払い戻した900万円については支払いを命じたが、口座名義人の住所も確認した500万円については、請求を棄却した。
判決によると、原告の2人は薬害エイズ訴訟の原告弁護団のメンバー。薬害再発防止活動をしているグループの資金を管理していた99年3月に事務所荒らしにあい、預金通帳から現金を引き出された。判決は「銀行側は不審と思った場合、身分証明書の提示を求めるなど、個人情報を確認するべきだ」と指摘。周辺で事務所荒らしが頻発していた折に印影しか確認しなかったことは注意義務に違反すると判断した。(20:56)
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立山のライチョウ2羽が皮膚病 ペット登山が原因?
北アルプス・立山(富山県)に生息する国の特別天然記念物ライチョウ2羽から、皮膚病が見つかり、うち1羽が死んでいたことがわかった。環境省によると、野生種のライチョウから、この種の病気が見つかったのは初めて。細菌による感染症の可能性もあり、同省は原因調査に乗り出す。立山はペット連れ登山が問題化しており、研究者らは、ペットや平地の動物の入り込みによる影響を危ぐしている。
環境省によると、皮膚病のライチョウ2羽はいずれもオス。昨年11月16日、民間のライチョウ研究組織「富山ライチョウ研究会」が定期生息調査を実施中、立山・室堂平(標高約2450メートル)で見つけ、捕獲した。
2羽とも左右の羽の付け根の羽毛が抜け落ち、表皮がただれていた。1羽は体重が通常の7割しかなく、えさも食べず、2日後に死んだ。もう1羽は症状が軽く、発信器をつけて放した。
岐阜大学農学部獣医学科の山口剛士講師(微生物学)が、死んだライチョウを検査した結果、ただれた部位からブドウ球菌の一種スタヒロコッカス・エピデルミディスが見つかった。
この菌が死因かどうかは不明だが、平地では人間の皮膚や、家畜の表皮、毛にもいる常在菌で、病原菌ではないとされている。ただ、標高2400メートルを超える高山帯で、生物の表皮から見つかった例はないという。
環境省は、雪解けを待ち、放したライチョウも捕獲、病状の進み具合などをみて対応を検討するとしている。(19:02)
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イスラエル軍の報復でパレスチナ人少女ら10人が死亡
イスラエル軍は19日未明から、パレスチナ自治区ガザとヨルダン川西岸に戦車や武装ヘリコプターなどで攻撃を強め、パレスチナ自治政府筋によると、少女を含むパレスチナ人10人が死亡した。同軍やユダヤ人入植地への攻撃を繰り返しているパレスチナ過激派の掃討や報復を目的にしているが、少女らが犠牲になったことでパレスチナ側の反発を一層強めかねない情勢だ。
自治政府からの情報では、ガザ地区南部のハンユニス近郊ではイスラエル軍戦車がパレスチナ人の民家数軒を砲撃、崩壊した家屋から母(36)と娘(14)ら3人の遺体が見つかった。
同地区ジャバリア難民キャンプでは、同軍の武装ヘリコプターがイスラム過激派組織ハマスの広報事務所にミサイルを発射。建物の外にいた10歳の少女が巻き添えになるなど3人が死亡した。
報復攻撃の発端となったパレスチナ過激派による自爆テロ以降、19日まで2日間の死者はパレスチナ人が自爆犯を含め13人、イスラエル人が4人となっている。(22:55)
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アブサヤフの「首切り」ビデオ公開 フィリピン国軍
フィリピン国軍スポークスマンのアダン准将は19日、南部バシラン島で米国人人質らを拘束しているイスラム過激派組織アブサヤフのゲリラが、国軍兵士らを惨殺する様子を写したビデオを公開した。同島では、アブサヤフ掃討を視野に入れた米比合同軍事演習「バリカタン02―1」が行われており、一部国民から出ている反発の声を意識したものとみられる。
国軍によると、ビデオは「中東の支持者にアピールするため」にアブサヤフが同島で95年ごろ撮影したものとみられ、昨年見つかった。ゲリラが、国軍兵士3人や民兵らの頭部をなたで切り落とす様子などが写っている。同准将は「米軍に反対する人には、アブサヤフの残虐さを知ってほしい。これが敵の本性だ」などと訴えた。
あまりの生々しさに、地元テレビ局はビデオを一部編集して放送した。(21:21)
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米大統領がソウルに到着 20日に非武装地帯付近を視察
ブッシュ米大統領は19日午後、大統領専用機で東京から韓国ソウルに到着し、同国を初訪問した。20日午前の金大中大統領との首脳会談では、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する政策を中心に、両国の長期的同盟関係の確認、韓国の次期主力戦闘機購入問題などを話し合う。
ブッシュ氏は20日午後、非武装地帯に近い米軍基地や、南北朝鮮が連結に合意している鉄道・京義線の駅を訪問し、演説する。ヒューズ大統領顧問は19日、演説について「世界の最も危険な政権に、最も危険な兵器を獲得させるべきでないことを強調する」と述べ、北朝鮮やイラクなどによる大量破壊兵器開発の疑惑を引き続き批判する見通しを示した。(20:24)
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不安や問い合わせ1万2千件 廃止決まった住宅金融公庫
特殊法人改革で5年以内の廃止が決まった住宅金融公庫に、利用者から半年で1万2000件の問い合わせがあったことがわかった。内容は「民間への肩代わりで金利が高くなるのではないか」、「早く返さなければならなくなるのか」など不安や誤解が多い。廃止後は独立行政法人が引き継ぎ、利用者に実害は及ばない。しかし、改革の先行き不透明さもあって利用者の不安心理を増幅しているようだ。
同公庫の望月薫雄総裁が19日、明らかにした。現在、公庫融資の利用者は約600万人。問い合わせは改革問題が出た昨年夏から今年の2月までに1万200件に上った。望月総裁は「来年にもやめてしまうのではないかというような風評まで出ている。利用者が不便なことにならないようにしたい」と話した。(21:25)
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テレ朝が大株主・東映株を取得 第6位の株主に
テレビ朝日は19日、三井住友銀行から東映の株式270万株を買い取った、と発表した。取得額は8億円余りで、東映の発行済み株式の1.83%を保有する第6位の株主となる。
東映はテレ朝の16%の株式を保有する大株主。テレ朝は東映のアニメーション制作能力などに注目しており、「今後コンテンツ(情報の中身)の強化のために対等な立場で交渉することを狙った」という。
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道路公団への「圧力」を否定 自民・青木参院幹事長
自民党の青木幹雄参院幹事長は19日の記者会見で、道路公団の工事発注先送りに際し公団側に「圧力」をかけたとして民主党があっせん利得処罰法違反容疑で告発する構えを見せていることについて、「道路公団総裁に電話を1本しただけで、十分に調査すれば何でもない問題だ。意見を公団に対して言うのは国会議員の当然の権利だ」などと述べ、疑惑を全面的に否定した。
この問題をめぐっては自民党の鴻池祥肇参院国対委員長も同日、「疑念があれば、まず国会内の質問などで解決を図るべきだ。寝耳に水の『告発』は理不尽な話」と批判。参院予算委での田中真紀子前外相らの参考人招致についても、現段階では与野党協議に応じられないとの意向を示した。
これ対し民主党は19日の党役員会で「徹底追及」を申し合わせたが、参院幹部の一部は「自民党から『告発』に至る経過説明を求められれば、対応する用意はある」(輿石東参院国対委員長)などとして、与野党間の折衝再開に含みを残している。(22:25)
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ブッシュ米大統領離日、韓国訪問へ
ブッシュ米大統領夫妻は19日午後2時すぎ、大統領専用機で羽田空港を出発し、次の訪問先の韓国へ向かった。
17日に来日したブッシュ大統領は2泊し、小泉首相との日米首脳会談や共同記者会見、国会演説などの全日程をこなした。韓国訪問の後は中国を訪れる予定だ。
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