<パレスチナ>自爆テロ、2人死亡150人以上死傷 エルサレム
 エルサレム中心街のジャファ通りで27日昼、パレスチナ人過激派によるとみられる自爆テロが起きた。地元メディアなどによると、犯人と通行人の計2人が死亡し、イスラエル人市民ら150人以上が負傷した。イスラエル放送は警察当局の話として、犯人が女性の可能性が強いと報じた。女性の自爆テロ犯は極めて異例だ。(毎日新聞)
02/01/28 (月)
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<中東自爆テロ事件>女子大生の敢行、双方の治安当局に衝撃 

 【エルサレム海保真人】パレスチナ人の女子大生(20)が27日、エルサレムの中心街で自爆テロを敢行したことは、イスラエル、パレスチナ双方の治安当局に大きな衝撃を広げている。イスラム教社会では女性が聖戦(ジハード)に加わることは原則的に禁止されているが、女性による初の自爆テロを踏み切ったことになるからだ。パレスチナ側ではイスラエル軍の封鎖措置などによる不満の蓄積が女性も過激な行動に走らせ、「殉教者」が女性に広がったとの見方が出ている。

 女性は10キロ相当の爆弾が入った大きな袋を提げて買い物客を装い、現場の路上で爆発させた。

 背後の組織からまだ犯行声明が出ていないので、詳しい動機や背景などは分かっていないが、女性はヨルダン川西岸ナブルスのアナジャフ大学でイスラム原理主義運動に傾倒していたとされる。大学に在学の記録がないとの情報もあるが、原理主義の影響を受けていたことは間違いない。

 28日付イスラエル紙「ハーレツ」によると、ハマス筋は自爆テロ志願の複数の女性から最近、訓練を受けたいとの申し出があったものの、ハマスは女性の自爆テロに反対することを決めたことを明らかにした。女性が単独で行動した可能性もある。

 過去にパレスチナ人女性が対イスラエルで爆弾を設置したり、銃撃、航空機乗っ取りに加担した例はいくつかあるが、自爆テロの実行例はなかった。

 このためイスラエルの治安当局が女性に対する警戒が手薄だったことは否めず、治安当局筋は27日、「今後は情報収集や治安対策面で見直しが必要だ」と語った。女性に対する軍検問所などでのチェックは厳しくなりそうだ。

 一方、パレスチナ自治政府の治安当局幹部は「パレスチナ人社会における絶望は今後、より多くの女性を自爆攻撃に誘引しかねない」と述べた。(毎日新聞)