イスラエルVSパレスチナ
2002/7/26

イスラエル軍がガザ侵攻、ロケット弾工場?など破壊

 【エルサレム26日=当間敏雄】イスラエル軍は26日未明、戦車などでパレスチナ自治区ガザ市に一時侵攻、金属工場2か所と警察詰め所を破壊した。ガザ市での作戦は民間人多数を巻き添えにして国際的批判を招いた23日の空爆以来。イスラエル軍はこれらの工場がイスラム原理主義組織ハマスのロケット弾や迫撃砲などの製造拠点になっていたと断定、破壊に踏み切った。侵攻時に軍とパレスチナ側との間で激しい銃撃戦が発生、パレスチナ人3人が負傷した。

 一方、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ系と見られる組織が25日夜、レバノンのテレビ局を通じ、空爆への報復としてシャロン首相らイスラエル要人を殺害すると宣言して「暗殺リスト」を公表。ヤアロン軍参謀総長、モファズ前参謀総長、対内諜報機関シンベトのディフテル長官らの名も挙げられ「シオニスト戦争犯罪者」と糾弾した。(読売新聞)

<パウエル国務長官>政権内「不和」を指摘 「辞任説」 NY紙

 【ワシントン中島哲夫】米外交を率いる立場にありながら、ブッシュ政権の「ユニラテラリズム(一方的外交)」とは相容れない部分があるとされるパウエル国務長官の「辞任説」が25日、大きな話題となった。本人はあっさり否定したが、今後も騒ぎは尾を引きそうだ。

 騒ぎのきっかけは同日付の米有力紙ニューヨーク・タイムズ。1面から別のページへと続く長文の記事で、穏健派のパウエル長官が強硬派のチェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官ばかりかブッシュ大統領とも路線が合わないと詳細に紹介。多数の証言を引用して政権内の「不和」を指摘し、「パウエル長官が最小化しようと努めてきた緊張は、もはや偽装できない」と断じた。

 長官の考え方とは合わない外交政策として同紙が挙げたのは、地球温暖化防止を目指す「京都議定書」からの離脱▽イラン、イラク、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する「悪の枢軸」との指弾▽アラファト・パレスチナ自治政府議長の排除を条件とした中東和平構想――など。最近の例では、22日に発表した国連人口基金への拠出拒否を挙げた。つまり、「身勝手だ」「強硬すぎる」などと国際的に評判が悪い外交政策の数々は、パウエル長官には不本意だということだ。

 パウエル長官は25日、アフガニスタン暫定政府のアブドラ外相と会談後に記者団から「辞任の可能性を考えたことがあるか」と尋ねられ、「ノー」と否定し、「諸君は2週間に一度はこの話を書いている」と冗談めかして受け流した。(毎日新聞)

ハマスのシャハダ師は大規模な攻撃を企図していた=イスラエル国防相

[エルサレム 25日 ロイター] イスラエルのベンエリエゼル国防相は、空爆で殺害したイスラム原理主義組織ハマスのサラハ・シャハダ師が、イスラエルに対する大規模な攻撃を企図していた、と述べた。
 同国防相は労働党の会合で、シャハダ師が「数百人規模の殺害をめざした、イスラエル史上最大規模のテロ攻撃を計画していたことを察知した」と述べた。
 イスラエル軍は現地時間23日未明、F16戦闘機でガザ地区を空爆し、シャハダ師のほかパレスチナ人14人が死亡し、少なくとも145人が重軽傷を負っていた。
 ベンエリエゼル国防相は23日、民間人を巻き添えにしたことに遺憾の意を表明し、自らが空爆許可を与えた段階では、民間人が標的の付近に居住していることは知らなかったと主張した。(ロイター)