流血の中東情勢2001
12/04

イスラエル軍機、ガザ地区を再びミサイルで攻撃=目撃者


 [ガザ 4日 ロイター] 目撃者らによると、イスラエル軍の戦闘機がガザ地区に対してこの日第2波となる空爆を行い、アラファト・パレスチナ自治政府議長の精鋭治安部隊である「フォース−17」が使用している建物をミサイルで攻撃した。
 イスラエル軍機はこれより前にもヨルダン川西岸地区およびガザ地区を爆撃している。
 イスラエルの内閣は前日遅く、フォース−17を「テロリスト組織」と宣言した。(ロイター)
イスラエル軍、自治区を一斉空爆

 【エルサレム4日=当間敏雄】イスラエル軍は4日、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸ラマッラ、トゥルカレム、サルフィトやガザ地区などの各地の自治政府関連施設をF16戦闘機や武装ヘリで一斉に空爆、エルサレムなどで起きた連続爆弾テロに対する報復作戦を本格化させた。

 自治区からの情報によると、イスラエル軍はガザ地区のアラファト自治政府議長の警護隊フォース17施設や治安警察本部、南部ハンユニスの自治政府施設などを戦闘機で空爆。ガザの病院関係者によるとパレスチナ人2人が死亡、20人以上が負傷した。

 西岸の中心都市ラマッラでは、アラファト議長が執務中だった議長府から10メートルほどの内務省建物が攻撃を受け、黒煙をあげた。負傷者は伝えられていないが、議長の近辺に爆撃を加えることで、心理的な打撃効果を狙ったと見られる。

 軍当局者は同日、攻撃対象はパレスチナ治安施設に限定していると説明、「今回の作戦はほんの始まりに過ぎない」と語った。(読売新聞)
<中東紛争>イスラエル、自治政府議長府をミサイル攻撃 

 イスラエル軍は4日午前(日本時間同日夕)、武装ヘリコプターでパレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラの自治政府議長府直近をミサイル攻撃した。これと前後し、同軍は自治区ガザにある自治政府治安部隊の拠点付近をF16戦闘機で空爆、パレスチナ人警察官と17歳の少年の2人が死亡、住民ら100人以上が負傷した。(毎日新聞)
イスラエル軍機、ガザ・ヨルダン川西岸地区を爆撃


 [ガザ 4日 ロイター] 目撃者らによると、イスラエル軍機がガザ市内のパレスチナ拠点やガザ地区南部ハンユニスの難民キャンプ、およびヨルダン川西岸地区トルカレムやカルキリヤをミサイル攻撃した。
 これより先、同国軍の戦闘ヘリがヨルダン川西岸地区ラマラにあるアラファト・パレスチナ自治政府議長のオフィスを攻撃していた。
 パレスチナ当局者によると、同議長は建物内にいたが、けがはなかった。
 自治政府のアリカット地方行政相はロイター通信に対し、「シャロン政権はテロ行為を行っている。和平プロセスの次は自治政府を破壊しようとしている」と述べ、シャロン首相の”狂気”をすぐにも止めるよう、国際社会に訴えた。(ロイター)
<中東紛争>イスラエルなど年明けに訪問へ 与党3幹事長

 与党3党の幹事長は4日、来年1月10日から14日までの日程で、イスラエルとパレスチナ自治政府を訪問することを決めた。イスラエルが報復攻撃するなど同地域の緊張関係は高まっており、3幹事長はイスラエルのシャロン首相やパレスチナ自治政府のアラファト議長らとの会談通じて双方の自重を求める考えだ。(毎日新聞)
イスラエル戦車で侵攻「自治政府はテロ支援団体」

 【エルサレム4日=当間敏雄】イスラエル軍は3日夜、200人以上の死傷者を出したエルサレムなどでの連続自爆テロへの報復としてヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニンの警察本部などを戦闘機で空爆、さらに4日未明、西岸の自治区ラマッラとナブルスに戦車などで侵攻するとともに自治区ガザ南部の国際空港の滑走路をブルドーザーで破壊した。ガザ自治政府施設への3日夕のヘリ攻撃に続くもので、和平再生の望みは当面絶たれた。

 イスラエルのシャロン首相は同日夜、テレビで国民向けに演説し、アラファト議長がテロにより政治目的を達成しようとしていると断言。同議長を「和平と中東地域の安定にとっての最大の障害」と糾弾し、「テロによる戦争が仕掛けられている」と“対テロ戦争”を布告した。首相はこの後、緊急閣議を開催し、自治政府を「テロ支援団体」と認定した。

 イスラエル軍報道官によると、ジェニンの空爆対象は、警察本部に加えアラファト議長の執務室がある自治政府施設で、攻撃当時、パレスチナ人は事前に避難して無人だったという。軍は3日夕のガザ攻撃で、アラファト議長が使用しているヘリコプター二機と関連施設を破壊、パレスチナ人約30人が負傷した。4日未明のガザ空港の滑走路破壊とともに、アラファト議長の移動の自由を制限し、強く警告する狙いがあると見られる。

 自治政府は「これは宣戦布告でシャロン(首相)は和平プロセスと自治政府の破壊を狙っている」(エレカト地方行政相)と激しく反発。また、イスラム諸国会議機構(OIC)の議長国、カタールの政府当局者によると、アラファト議長は3日、ハマド・カタール首長に対しOIC緊急会合を要請した。

 米国は、ジニ前中央軍司令官を特使として現地入りさせ、調停活動を本格化させたが、一連の事態で調停は宙に浮いた。パレスチナ治安当局は2日から3日にかけ、連続テロで犯行声明を出したイスラム原理主義組織ハマスの活動家ら100人以上を拘束したが、イスラエル治安当局者は「小物ばかりだ」と語った。(読売新聞)
[12月4日19時31分更新]

イスラエル軍のミサイル、アラファト議長オフィス近くを攻撃=パレスチナ当局者


  [ラマラ(ヨルダン川西岸) 4日 ロイター] パレスチナ当局者によると、イスラエル軍のヘリコプターが、アラファト・パレスチナ自治政府議長のオフィス近くにミサイル攻撃を行った。同議長は建物の中にいたが、無事だという。
 イスラエルの軍事筋は、ラマラへの攻撃を確認している。
 アラファト議長の側近であるアハマド・アブデル・ラーマン氏によると、同議長のメーンオフィスのある敷地内の入口近くが、ミサイル攻撃を受けたという。(ロイター)
パレスチナ情報相「テロ支援していない」


 [エルサレム 4日 ロイター] イスラエルは一連の自爆テロ事件を受けて”パレスチナ自治政府はテロを支援している”と非難したが、パレスチナ側はイスラエルの主張を否定している。
 パレスチナ自治政府のラボ文化情報相はロイター通信の電話取材に応じ、ヨルダン川西岸地区やガザ地区にイスラエルの占領地が存在することが”テロの根源”であると述べた。
 同相はまた、イスラエル政府がパレスチナを非難することで攻撃を継続する口実を作っているとし、和平の見通しが一段と遠のいたとの見方を示した。(ロイター)
パレスチナ自治政府は「テロ支援」=イスラエル


[エルサレム 4日 ロイター] イスラエルは、アラファト議長率いるパレスチナ自治政府が「テロを支援」と宣言し、一連の自爆テロ事件に対する報復を激化させる道を示唆した。
イスラエルの治安当局筋が明らかにした。
同筋によると、イスラエル政府は、アラファト議長の支持基盤「ファタハ」所属の武装集団および議長警備隊を構成する「フォース17」に対しても「テロ組織」と宣言し、同組織が標的となる可能性が出てきた。
同筋によると、シャロン首相ら右派が今回の決定を後押ししたが、穏健派のペレス外相をはじめとする左派は、決議の前に席を立った。
今回の閣議決定は、もし(パレスチナ自治政府が)テロの防止やテロリストの処罰など、和平合意に従って義務を果たすなら、決定を取り下げることも盛り込んでいるという。(ロイター)
<中東紛争>アラファト議長用ヘリを破壊 自爆テロでイスラエル

 イスラエルでの連続自爆テロを受け、報復攻撃を開始したイスラエル軍は3日夕、武装ヘリコプターでパレスチナ自治区ガザ市内にあるアラファト議長公邸近くをミサイル攻撃し、議長用のヘリコプターなどを破壊。さらに同日夜にはヨルダン川西岸の自治区ジェニンの警察本部などを戦闘機で空爆した。(毎日新聞)
<イスラエル>「対テロ戦争」を宣言 シャロン首相がTV演説

 【エルサレム海保真人】イスラエルのシャロン首相は3日夜、国民向けのテレビ演説で、パレスチナ自治区に対する軍事報復を「テロとの戦いであり、イスラエルと米国はともにある」と強調した。また、アラファト・パレスチナ自治政府議長を「中東における和平と安定の最大の障害だ」と名指しで糾弾した。米同時多発テロを受けたブッシュ米大統領と同様の論法で「対テロ戦争」を宣言したものだ。

 首相は「テロによる戦争が我々に向けられている。その目的は我々をこの地から追い出すことだ。アラファト(議長)に起きていることすべての罪がある」と語った。また、「我々はテロ犯とその支援者を追い続ける」と力説した。

 これに対し、パレスチナ自治政府のエラカト地方行政相は「シャロン(首相)はパレスチナに向けて宣戦布告した」と語り、激しく反発している。(毎日新聞)
イスラエル軍、ガザ国際空港に侵攻


 [ガザ地区 4日 ロイター] イスラエル軍は、パレスチナ人による連続自爆テロ事件への対応措置として、パレスチナ側が運営するガザ国際空港に侵攻した。
 パレスチナ側の治安当局者らがロイター通信に語ったところによると、イスラエル軍は空港敷地内に少なくても3台の戦車を投入するとともに、ブルドーザーで滑走路の破壊を始めた。
 パレスチナ側の治安関係者らは建物内にろう城し、イスラエル軍司令官らに明け渡しを拒否する姿勢を示しているという。
 イスラエル軍は、今のところ何もコメントしていない。
 同空港は、イスラエルとパレスチナの衝突が昨年始まって以来、運用中止に追い込まれている。
 (ロイター)
イスラエル、ヨルダン川西岸地区に侵攻=パレスチナ治安関係者


 [ラマラ(ヨルダン川西岸) 4日 ロイター] パレスチナ治安筋によると、イスラエル軍が4日早く、ヨルダン川西岸の都市の一部に侵攻し、部隊はラマラにあるアラファト・パレスチナ 自治政府議長のオフィスまで約200メートルの地点まで進んだ。
イスラエル軍のスポークスマンは、部隊はラマラや他の西岸の地域に対して”小規模”な侵攻を行った、と述べたが、これ以上のコメントは控えた。
 イスラエル軍は、パレスチナ人による自爆攻撃に対する報復として、3日にも西岸やガザ地区への空爆を実施した。
 パレスチナ治安筋によると、イスラエルの部隊や戦車がパレスチナ自治区のラマラやナブルスの一部、およびトルカレム付近の村に侵攻した。
 同筋によると、部隊はアラファト議長が執務しているオフィス近くで配置に就いている。
(ロイター)
<アラファト議長>OICに緊急会議開催求める イ軍の攻撃で

 【カイロ小倉孝保】アラファト・パレスチナ自治政府議長は3日、イスラエルによるパレスチナ自治区への攻撃に対応するため、イスラム諸国会議機構(OIC)に緊急会議の開催を求めた。

 カタール政府高官によると、アラファト議長はOIC議長国カタールのハマド首長に電話し、会議開催を要求。これを受け、カタール政府はただちに調整に入った。(毎日新聞)
イラン、イスラエルの攻撃を非難=通信社


 [テヘラン 3日 ロイター] イランは、パレスチナの複数施設を標的としたイスラエルのミサイル攻撃を非難し、国際社会に対し、イスラエルによる「テロリスト」行為を回避するために迅速に行動するよう訴えた。
 国営イラン通信(IRNA)が伝えたもの。
 IRNAによると、イラン外務省のHamid Reza Asefi報道官は、イスラエルは「占領区における冷酷な政策を遂行する」ために、アフガニスタンでの米国主導の戦争を利用している、と述べた。
(ロイター)