流血の中東情勢2001
12/03
ハマス支持者ら1000人、ガザ地区でデモ [ガザ 3日 ロイター] パレスチナ当局が武装勢力による公の場での集会を禁じたものの、イスラム原理主義組織ハマスの支持者ら約1000人がガザ地区で葬儀に集まり、自爆テロによるイスラエルへの攻撃続行を叫んだ。 集会禁止令は、計25人の死者を出したエルサレムとハイファでの連続自爆テロ発生を受け、2日に出された。 ハマスはこれらのテロに対し、犯行声明を出している。 ハマスの支持者らは3日、イスラエルの原子物理学者を射殺した後イスラエル兵に殺害されたハマスの武装メンバーの葬儀に集まり、殉死による攻撃を続けよう、と口々に叫んだ。(ロイター) |
シャロン首相、連続自爆テロ受けテレビ演説へ [テルアビブ 3日 ロイター] イスラエルのシャロン首相は、パレスチナ人による連続自爆テロで少なくとも計25人が死亡したことを受け、国民に向けたテレビ演説を行う。 同首相の報道官によると、演説は現地時間の午後7時30分(日本時間4日午前2時30分)に行われる。その後、連続テロへの対応を協議するため、閣議が開かれる。 シャロン首相はブッシュ米大統領との会談後、米国滞在の日程を切り上げて2日に帰国。ベングリオン空港到着後には、ペレス外相やベンエリエザー国防相らとの協議に入った。(ロイター) |
アラファト議長、過激派組織の摘発に着手 【エルサレム3日=当間敏雄】パレスチナ自治政府のアラファト議長は2日、連続爆弾テロを受けてヨルダン川西岸とガザで「非常事態」を宣言、各武装組織にイスラエルとの停戦に従うよう改めて厳命するとともに、過激派組織の摘発に乗り出した。 イスラエル放送によると、パレスチナ治安部隊は同日夜、イスラム原理主義組織ハマスやイスラム聖戦の活動家ら少なくとも75人の身柄を拘束した。 パレスチナ治安当局によると、「非常事態」の発令により、<1>治安部隊をすべての街路に配置<2>武装デモや公の場での武器の携行禁止<3>停戦命令に従わない武装組織の非合法化<4>治安部隊に強力な権限を付与――などの特別措置がとられた。拘束者の中にはハマス幹部も含まれているという。 しかし、パレスチナ住民の間にはハマスなどの武装闘争を支持する空気が強いため、自治区情勢はなお流動的だ。また、イスラエルは自治政府の動きを「外交的ポーズに過ぎない」と疑っており、軍事報復が中止されるか予断を許さない。(読売新聞) |
米大統領とイスラエル首相が会談、連続自爆テロを非難 [ワシントン 2日 ロイター] ブッシュ米大統領はイスラエルのシャロン首相とホワイトハウスで会談し、イスラエルで起きた一連の自爆テロ事件を厳しく非難するとともに、パレスチナ自治政府のアラファト議長にパレスチナ人武装集団への断固とした対応を要請する考えを明らかにした。 今回の会談は、イスラエルの連続自爆テロ事件で合計25人が死亡した状況の中、1時間以上にわたって行われた。 会談終了後、双方は、イスラエルが適切と判断した方法で対応することで了解に達したことを示唆した。 シャロン首相は、険しい表情で何もコメントしないままホワイトハウスを後にし、帰国の途についた。3日には閣議で事件への対応を決定する予定という。(ロイター) |
<爆弾テロ>ハイファの死者は15人に 【エルサレム海保真人】イスラエルで起きた連続爆弾テロを受け、パレスチナ自治政府の治安当局は2日、犯行声明を出したイスラム原理主義組織「ハマス」をはじめ「イスラム聖戦」のメンバーら約90人を一斉逮捕した。非常事態宣言に基づく過激派摘発強化の第一弾で、米国からの圧力に応えた。しかし、イスラエル政府は不信感を募らせており、新たな軍事報復が懸念されている。 逮捕者にはハマスの精神的指導者ヤシン師の側近2人も含まれている。自治政府は非常事態宣言で、衝突への停戦方針に反し、イスラエル領とイスラエル市民に対する攻撃を行う組織を「非合法化」すると明言した。当面、ハマスとイスラム聖戦のメンバーを標的に摘発を進めるという。 だが、自治政府の取り締まりが拡大すれば、イスラム原理主義勢力とそれを支持する民衆は反発を強め、パレスチナの内紛につながる恐れもある。 一方、ハマスは犯行声明で今回の連続事件が、先月23日に軍事部門幹部のハヌード氏をイスラエル軍に暗殺された報復だと主張した。自治政府からの逮捕状発布が伝えられる政治部門スポークスマンのザハール氏は2日、事件について「米特使の来訪と無関係だと考えてはならない」と語り、イスラエル寄りの米の仲介に反発する意味合いが含まれていることを示唆した。 また、ハイファの自爆テロ事件で、死者は市民だけで15人になった。(毎日新聞) |
<爆弾テロ>犯行声明出したハマスのメンバーら90人を逮捕 イスラエルで起きた連続爆弾テロを受け、パレスチナ自治政府は2日、犯行声明を出したイスラム原理主義組織「ハマス」をはじめ「イスラム聖戦」のメンバーら約90人を逮捕した。非常事態宣言に基づく過激派摘発強化の第一弾で、米国からの圧力に応えた。イスラエル政府は不信感を募らせており軍事報復が懸念されている。(毎日新聞) |
ハマスがイスラエルでの自爆テロ攻撃の犯行を認める [ナブルス(ヨルダン川西岸) 2日 ロイター] イスラム原理主義組織ハマスは声明で、イスラエル国内での一連の自爆テロについて犯行を認めた。 ロイター通信が入手したハマス内の軍事組織、イズ・エル・ディン・アル・カッサム部隊は声明で、1日のエルサレム、2日のハイファでの自爆テロを認め、イスラエルがパレスチナ側の幹部を殺害したことへの復讐攻撃であるとした。(ロイター) |
パレスチナに非常事態宣言 【エルサレム2日=当間敏雄】エルサレム中心部で1日深夜(日本時間2日朝)、爆弾テロが3回連続して発生し、救急当局によると、自爆テロの犯人2人を含む12人が死亡、180人以上が重軽傷を負った。また、イスラエル北部の港湾都市ハイファでも2日、自爆テロにより路線バスが大破、乗客ら少なくとも16人が死亡、40人以上が重軽傷を負った。イスラム原理主義組織ハマスが両都市のテロについて犯行声明を出した。また、パレスチナ指導部は同日、非常事態宣言を発令した。 イスラエルとパレスチナの武力衝突が昨年秋に勃発して以来、最大規模のテロ事件で、パレスチナ情勢鎮静化のため、米国の特使として現地入りしているジニ前米中東軍司令官の調停活動に、深刻な打撃を与えるのは確実な情勢だ。 イスラエル政府報道官は2日、「事件の責任は(テロを放置した)アラファト自治政府議長にある」と激しく批判。政府は同日の閣議で、報復攻撃を含めた対応を協議した。 エルサレムの現場は、最大の繁華街ベンエフダ通りとその周辺。ハマスは先月23日、イスラエル軍に有力幹部を殺害され、報復テロを言明していた。(読売新聞) |