JFK暗殺めにゅー
オズワルドがルビーに射殺される
- JFK暗殺後の2日後、オズワルドはこともあろうに警察署でルビーに射殺される。ずさんな警察の警備体制が問われるところだが、事の真相はルビーの犯行をやりやすい体制に仕組まれていたということである。司法長官ニコラス・カッシンバッグは、オズワルドの単独犯行の是非云々以前に、何が何でも彼を犯人に仕立て上げようとしていた。元上院調査官のハロルド・ワイズバーグは語る。
- 「司法長官だったニコラス・カッシンバッグは、オズワルドが裁判にかけられないことを知っていた。裁判に持ち込む必要がなかったのだ。彼はリンドン・ジョンソンとのパイプであるヘル・モイヤーに『オズワルドが単独犯であるということを市民に納得させ、もし裁判になっても有罪にするように』というメモを送っていたのだ」
- そしてFBIはフーバー長官の指令の元、ダラス警察に圧力をかけるのである。ダラス警察のジェシー・ケリーは証言する。
- 「要求書はここにあるが、『オズワルドによる大統領暗殺の全ての物的証拠をFBIに引き渡せ』ということだった。そして我々はその通りにした。係累もなく、孤独な変わり者を利用したフーバーにとって、オズワルドはうってつけの男だったのだ」
- 前夜に匿名の電話を受けた警察官ビリー・グラマーは、それが翌日になってルビーからのものであることを知る。ルビーはオズワルドを殺す計画を練りながら、不安感から警察の警備体制を事前に確かめたのだった。
- 「どこかで聞いたような声だと思ったのですが、その時は名前も思い出せませんでした。しばらく話しているうちに彼が『ダラス警察がオズワルドを地下室から移す計画を変更しない』ことを知っていた、つまり計画そのものを事前に知っていたことに気付きました。そのルビーに我々は『変更しない』と宣言してしまったわけです。夜勤を終えた、その翌朝。テレビでルビーがオズワルドを殺したのを知って私はハッとしました。昨夜のあの電話はジャック・ルビーだったのだと・・・今考えると電話を受けた時点で分かってもよかったのです。私はルビーと何度も会い、顔も声もよく知っていたのです。ルビーはあの夜の電話で私の名前を出したのです。こういうことになったからには、あの時の電話はルビーからだったと断言できます。彼がオズワルドを殺すと明言したことは、彼は発作的にオズワルドを殺そうとしたのではなく、背後に綿密に立てられた計画があったのだと思います」
- オズワルドは記者団の押し寄せている中、近寄ってくるルビーを見て一瞬複雑な表情をした。何度も店の事務所で顔を合わせていたルビーが、今、近寄ってくる。どうして?ここに?そしてルビーの手にはピストルが握られている。オズワルドの顔が驚愕にひきつり、衝撃が走った。乾いた銃声、警察と記者団の入り乱れたざわめき・・・オズワルドは床に横たわり、ルビーはその場でダン・アーチャー(ダラス警察)の尋問を受ける。
- 「彼は始めのうちは神経が高ぶり、汗をびっしょりかいていました。安全のために裸にされていましたから、心臓が波打ち鼓動が聞こえるようでした。彼はタバコを要求したので与えました。それから2時間後、午後1時頃、シークレットサービスが来てオズワルドが死んだことを告げました。それは死刑を意味していましたから彼にはショックだろうと思いました。それで『ジャック、これで電気椅子送りだ』と言ったのです。ところが彼はショックを受けるどころか、急に落ち着き始めたのです。動悸も静まり、タバコを出しても断りました。彼の態度の変化には驚きました。私が思うに、ルビーの命はオズワルドの生死にかかわっていたのだと思います」