破断面、模型
01/12/13
水素爆発の可能性高い 浜岡原発配管破断
 静岡県浜岡町の中部電力浜岡原発1号機(沸騰水型)で起きた配管破断事故の原因について、経済産業省原子力安全・保安院は13日、中電の調査報告を受けて、配管にたまった水素が爆発した可能性が高いと発表した。東京電力など4電力会社は、全国の14原発にある同種の配管に水素などのガスがたまらないように新たに弁を設ける、と国に報告した。

浜岡原発

水素爆発の可能性高い 浜岡原発配管破断

 静岡県浜岡町の中部電力浜岡原発1号機(沸騰水型)で起きた配管破断事故の原因について、経済産業省原子力安全・保安院は13日、中電の調査報告を受けて、配管にたまった水素が爆発した可能性が高いと発表した。東京電力など4電力会社は、全国の14原発にある同種の配管に水素などのガスがたまらないように新たに弁を設ける、と国に報告した。

 中電の報告によると、水素は、1号機の別系統の配管に残った気体中には0.6%、浜岡2号機の破断部と同じ系統の配管では46%と、きわめて異常な高濃度になっていた。破断した配管にも同レベルでたまっていたとみられる。

 この事実と破片の変形ぶりなどとを合わせて、保安院では、水と水蒸気がふれて衝撃波を生むウオーターハンマー(水撃)現象で壊れたとは考えにくく、「水素の急激な燃焼の可能性が高い」との見方を示した。今後、水素がこれほど高濃度になった理由や、火が付いた原因などをコンピューター解析や再現実験で調べる。

 保安院の広瀬研吉審議官は「水素燃焼と原因が確定した場合、なぜ配管に水素をためない設計上の配慮がされていなかったかも調べ、再発防止を検討したい」と話した。

 事故原因が絞り込まれたことから、弁をとりつけるのは同タイプの原発をもつ東京電力、東北電力、日本原子力発電、中電の4社。

 原子炉からの配管と、破断したのと同じような配管が分かれている部分にとりつける。この弁を閉めれば、それより先に蒸気が行かなくなる。定期検査時などに合わせて順次、工事をする。

 中電は浜岡1号機の事故後、運転を停止している2号機を、弁の工事後の来年1月にも再開する方針だ。


 中電によると、11月7日の破断時に建物内に漏れた蒸気量は約2トン、放射能量は約8億ベクレルと推定される。事故直後、建屋全域に避難指示が出たが、気づかずに作業員が現場に入っていたことも発表された。(20:51)