１９９９年一月

　ここ数週間、某社長の借入仲介に奔走したが、その後、当人から何の音沙汰もなし。手を切ることにした。某宗教団体の幹部ということで、借入が決定すればするで『これも御本尊様のおかげ』と筋違いの感謝をするのだろう。昨夜は本音を言わせてもらった。怒ったようだった。この上怒られてはやりきれん。何か世の中、変になっている。

１９９９／０１／３０、土曜
　某大手会社の営業マンがやってきたことがある。その頃、その会社についての私の投稿が記事になったばかりで、批判めいた私の記事を見せた。すると営業マンは急にメモをとりだした。その理由をたずねると「会社への批判は全部上司に報告することになっている」との返事だった。当時は何のことか分からなかった。また某新興宗教団体が地域住民の個人カードを作成している現場にも居合わせたことがある。家族構成などのリストをコンピューター用のカードに記入しているようだった。これらのカードは全国から収集されて本部のコンピューターにインプットされるのだろう。２０年も前のことだが、それだけに現在のテクノロジーの進化を考えると、今はもっと詳細な個人情報が大量に蓄積されていると思われる。関係者にたずねると「そんなことはない」と全面否定する。げんに私が現場で見ているのに否定する、そのことに最初から嘘がある。カードは上部が凹凸に刻まれ、各項目ごとに黒丸で印を付けるようになっていた。これらの情報がどう活用されていくかは知らないが、少なくとも本人が知らない間に個人情報が集められているという現実だけは知っておきたい。運が良い悪い、までの個人情報が飛び交っていると聞く。「運が悪い」と記入された情報からは「宗教に走りやすい」という分析がなされる。これらは宗教関係者にとってかっこうの餌となるだろう。ハイテクの進化は動物の皮膚に情報をチップとして埋め込むまでになっている。最近では薬を放出するマイクロチップが実現可能となったというニュースが伝わっている。このバイオチップは２ミリ程度にまで縮小することが可能であるという。そのことで私は嫌な予感がしている。すでにここでも紹介してあるがダニオン・ブリンクリーのこと、彼は雷に直撃されてから三次元を突き抜ける能力を得たという特異な人生を送っている。その彼がすでにバイオチップの怖ろしい利用法を予兆しているのだ。臨死体験の是非はともかく「ヨルダンは消滅する」といった先の予言と共に、今回の「薬を放出するマイクロチップ」というニュースと彼の「バイオチップ」の未来を予見した記述を比較されたい。

　薬を放出するマイクロチップが実現？

　炭坑の資金流出疑惑をめぐるレベジ知事とブイコフ炭坑主との対立が本格化しているようだ。個人的には正義感の強いレベジ知事に勝手もらいたいが、炭坑を牛耳るブイコフもマフィアを味方にして何をするか分からないところがある。

レベジｖｓブイコフ

１９９９／０１／２９、金曜

　日増しに寒くなってきている。暖房の効いた快適な生活の様子がコマーシャルから流れている。こういう快適な暮らしとは裏腹に国民のフトコロは寒くなるばかりだ。この寒さの中で路上生活を余儀なくされている人々もいる。段ボールで囲っただけで冷たい路上に寝る彼らは、周辺住民からはゴミ扱いされ、浮浪罪という人権を無視した法律によって撤去されていく。職はない、食べるものもない、むろん住むところもない・・・そんな彼らに冬の寒さ以上に世間の冷たい風が容赦なく吹き付けてくる。地域住民たちは路上生活者たちを邪魔だとしか思えない、その苦情によって撤去される。そこには彼らを同じ人間として見られない、白いファシスト性があるばかりだ。夕飯を囲みながら「ねえ、あなた。あそこの公園で寝泊まりしているホームレス、何とかならない？」と平凡な家庭の平凡な主婦が口火を切る。「子供たちが通るたびに心配でならないのよ。何かあってからでは遅いでしょ」・・・新聞を見ている主人がつぶやく「それなら役所に言えばいい」主婦は電話口で隣の主婦と話す。「というわけなのよ。みんなで抗議しましょうよ」そんな空気を敏感に感じ取った少年たちの心も騒ぐ「おい、オレたちで成敗しようぜ・・・バイキン退治のはじまりだ！」かくして主婦の言った「何かあってはからでは遅い」その何かを、その息子たちによって引き起こされる。人々が夕餉を囲むその家も、その土台も、砂利で躓くことのない平坦な道路の舗装も、炎天下に汗を流し寒風に鼻水をすすりながら労働してきた彼らがいればこそではなかったか。そんな彼らが追いつめられている今、さらに普通の人々によって追い出される謂われはどこにもない。寒かろう、辛かろう、そうした人間のごく当たり前の人情が全く欠如しているという点においても、この国は必ず滅びていく。エゴに凝り固まった白いファシスト性を剥き出しの日本のホームドラマは今も続いているようだ。
写真ホームレスの人々

１９９９／０１／２８、木曜
　↓画像の表示は治ったと・・・思いますが、いかがでしょうか？フリーソフトから市販のソフト「ホームページ・ビルダー2000」を使うことになりました。前に注文していた別のソフトをキャンセルしてからのことですが、少しは見栄えの良いホームページになると思います。
　写真表示がトラブッています。特にスカラー兵器の写真の非表示は全く理由が分からず、サーバ側のトラブルだと思われます。「我が家の風景」の写真も見えないという方がおられますが、こちらのテストでは問題がありません。しばらくお待ちください。

１９９９／０１／２７、水曜

ヨルダン国王、長男を後継に指名
　アンマンからの報道によると、ヨルダンのフセイン国王（６３）は２５日、自らの後継者を弟のハッサン皇太子（５１）から長男のアブドラ王子（３６）に変更することを決め、同王子を新皇太子に指名した。変更の理由は不明だが、ハッサン皇太子が王位を継いだ場合、継承権がフセイン国王の直系から外れることへの懸念が指摘されていた。また、国王は米国でのがんの治療から帰国した直後、２０日のＣＮＮテレビとのインタビューで「皇太子は裏方で働かなければならない」と述べ、留守中に国政を担っていた同皇太子への不満とも取れる発言をしていた。フセイン国王は現ヌール王妃との子である４男のハムザ王子（１８）を後継指名したい意向もあったとされるが、まだ若すぎることもあり、最終的に無難なアブドラ王子を選択したとみられる。国王は、アブドラ王子が王位継承した後、ハムザ王子を皇太子とすることを希望しているという。ハッサン皇太子は１９６５年、後継者に指名された。当時、アブドラ王子が３歳だったため、国王の長男を皇太子と定めていた憲法を修正した経緯がある。（時事）
- 詳細＝ヨルダン王室事情
１９９９／０１／２６、火曜
　またホームページ作成ソフトが暴走を始めている。更新が途絶えたらそれが原因と思っていただきたい。フリーソフトだから仕方なしとするか・・・電磁波の脅威にスカラー怪光線の写真を加えた。スカラー波は時空の次元を超え、精神世界にも何らかの影響ありと考えてきたが、今度の「サイバーＸ・７号」工学社（発行人・星正明氏）にもその流れに応じた「心が起こす次の科学革命」なるリポートが載っている。著者はソニー・コンピュータ・サイエンス研究所の茂木健一郎氏、時代は明らかに精神科学到来の幕開けにさしかかっている。権威の前にあえなく異端視されてきた先達者の発掘を含めて、私もこれまでの資料をまとめていきたいと思う。

１９９９／０１／２５、月曜

モナコ王女が誕生日に３度目の結婚
　モナコ公国は２３日、キャロライン王女とドイツの名門ハノーバー家のエルンスト・アウグスト氏が同日、結婚式を挙げたと発表した。この日は、キャロライン王女の４２歳の誕生日。キャロライン王女は、最初に結婚した夫と離婚した後、再婚して３人の子供をもうけたが、１９９０年にモーターボートの事故で死別。新郎のアウグスト氏は、９７年に先妻と離婚した。（時事）
　キャロライン王女の結婚相手はハノーバー家の出らしいが、これはイギリス王室のハノーバー王朝と血脈がありそうだ。１８～１９世紀に君臨したジョージ３世からエドワード・オーガストゥスを通じて１９世紀後半にヴィクトリア女王が登場するのだが、その皇太子エドワード７世以後からウィンザー王朝となり今日のエリザベス女王に至る。つまりイギリス王室からドイツに分家したハノーバー家とモナコ王女の、王族同士の結婚ということか・・・後で系図を調べてみたい。

１９９９／０１／２４、日曜
　これほど世界が危機に立たされた時代はなかったのではないか？という想いが日々つのってくる。表層的には管理された社会が秩序だっているように見え、それが内在する危機感を見えにくくしているように思えて仕方がない。電磁波兵器ひとつ取っても、そこには人類を操作しようとする悪魔の企みが見え隠れしていることに気づかされる。その実態をスカラー兵器に絞って書いてみたが、そこから何が導き出されるかは明白であろう。マスコミがこれを黙殺している今、その罪は大きいと言わざるを得ない。
- ロシアのスカラー兵器
１９９９／０１／２３、土曜
　弟夫妻とその息子が日帰りで帰っていった。また一人雇ったらしい。あれほどオシャレだった弟がくたびれた普段着のまま写真におさまって、小学五年生の息子が「さようなら」と手を振りながら帰っていった。私のところにも雇ってほしいという職人がやってくる。建築分野に全く仕事がないため、断るしかない。その反面、車輌分野がにわかに忙しくなった。それもここ数日のこと、何とか食いつないでいる。先が見えない、読めない、暗中模索の中でとりあえずは省エネ減量作戦を続行するしかない。南極や北極を探検していると思えばそれほど苦にならない。妹が冷蔵庫を覗いて驚いている。カラッポなのだ。胚芽米と味噌さえあれば何とかなる、貧乏には慣れている。冷蔵庫の電源も切っておいた方がいいかも知れない。弟からタバコをせびってハッとした。この苦しい中、必死で働いている労苦がその武骨で大きな手に見て取れたからだ。職種の違いもあるが、明らかに私の手は仕事をしていない汚れていない弱々しい手に見えた。運転しどうしで疲れた弟のイビキを聞きながら、そっと寝かしておいた。何も言うまい、何も言えない、たった一人で東京で会社を興し、頑張っている弟の寝息を聞きながら、私はこみ上げてくるものを押さえ続けていた。今度はいつ来るだろうか・・・
写真＝我が家の風景

１９９９／０１／２２、金曜
　訃報が二つ、肝臓病であっけなく他界した同級生Ｅ、オレが世話になった土建業のオヤジさんＳの急死・・・まだショックが癒えない。同級生Ｅとは飲み仲間でもあった。早くにオフクロを亡くしたＥは、そのためか社会に出てからも浴びるように酒を飲んでいた。自分の家が酒屋とあって、酒を飲むのには不自由しなかった。同じ頃、私は父を亡くし、母がガンで入院するという不幸を酒で紛らわしていた。そんなＥと私がいつしか連れだって酒場をハシゴするようになった。今思うと、奴は誰とも打ち解けない孤独な陰を宿していたようだ。柔道の猛者で、片っ端から喧嘩を売って歩いていたようなところがあった。ある夜、繁華街で暴走族が路を塞いでいたことがあった。Ｅはその暴走族の車を拳骨で叩くと、そのまま素知らぬ顔で通り過ぎようとした。暴走族が集団で「この野郎、待て！」と怒鳴りながら追ってきた。Ｅは私に「振り向くな」と呟くと、平然と歩き続けた。私は内心『これは大立ち回りになるな』と思いながらも覚悟だけは決めていた。暴走族たちはしばらく私たちの後を付いてきたが、Ｅや私の体格に躊躇していたようで、やがて黙って帰っていった。私はホッとしてＥの顔を覗くと、Ｅは能面のような表情に不敵な笑みを浮かべていただけだった。その不敵が酒に向かい、そして結果的には酒に負けて肝臓病で死んだのだと・・・私は思った。
　もう一人、オヤジさんのこと・・・持病の足の痛みで動けなかった時、元気づけてくれたのもオヤジさんだった。久しぶりのオヤジさんの頭髪は真っ白で、その風貌は仙人のようだった。しかしその背中には若い頃の極道ぶりを示す絵図が彫ってあった。全部を見たわけではないが、夏の盛りでも長袖を着ているその腕から、彫り物の見事さは想像できた。はじめて会ったのは私が生意気盛りの時分で、初対面で言いづらいことをズケズケ言った記憶がある。「どうやらオメエも怖いもん知らずらしいな」と笑っていたオヤジさんが懐かしく思い出される。困っている人がいれば相手が誰であろうと助けに駆けつける、そんな武勇伝が伝わっていた。主にヤクザに絡まれてのゴタゴタを処理するのが得意だったようだ。つまり喧嘩のことである。あれから色々ありましたと、オヤジさんと酒を酌み交わすことを楽しみにしていた矢先の急死だった。「何か困ったことがあったらいつでも駆けつけるぞ」と言われていたが、それらしいことが何度かあっても一匹狼を自負して一度も相談することはなかった。その報告がてら会う約束もしていた。私の間抜けな体験に大笑いしてくれるオヤジさんの顔を想像して電話しての訃報だった。いろいろ聞きたかった。戦中戦後を通じて、この一帯は炭坑で栄えた街でもある。オヤジさんの隣も大親分の自宅という土地柄のこと、かなり詳しい話を聞けるものと期待していた。それが全部なくなってしまった。私が見たかったオヤジさんの背中の絵図も、とうとう見ることなく焼かれてしまった。心にポッカリ穴が開いて、それを埋めることもなく、私はまた泣いた。親戚の多くが私のグレていた過去のことを今も持ち出し「親戚の恥さらし」と言われている中で、オヤジさんの急死は尚更心の痛手だった。喧嘩ともイジメともつかぬ陰湿になってきた世相にあって、任侠に生きそして死んだオヤジさんのありようは、やはり伝えられていくべきではないか・・・そろそろオヤジさんを身近に知る人物がやってくるはずである。おそらく朝から酒を飲んで「おーい、いるか？！」と大声で・・・ここ数日のうちに。オヤジさんの親戚より、オヤジさんの供養を本当に心得た者たちの酒盛りがはじまるのだ。

１９９９／０１／２１、木曜

　理由なく警察に拉致された以来だな・・・こんなに憤慨したのは、人間扱いされてないんだよな。オレの言いたいことは、どんな生き方にせよ死んだ人間にむち打つようなことは誰にも言う権利はない、ということだ。もう少し落ち着いたら論理的に書けると思うが、フツーの人間がもつ排他性が時に権力者以上の差別性と暴力性をあらわにすることがある。そのことは前から感じていたが、昨夜はやけにこたえた・・・しばらく休みたい。

１９９９／０１／２０、水曜
　某社長から何の連絡もなし。この前はせっかく手配しておいた約束を破っている。約束の時間に待っている先方の事情を考えれば言語道断、借入以前の問題になってくる。幼稚園の園児じゃあるまいし、手取り足取りで交渉の場に連れていくこともあるまい。墓穴を掘っているとしか思えない。元請けの支払いを受けられないばかりか、サラ金で借金の肩代わりまでさせられていた、あの時点で元請けを訴えるべきだった。そればかりか、ついこの前までその元請けの仕事を続行していたと言う。そして案の定、仕事の代金はもらえないとこぼす。それは犯罪だと言うのだ。仕事さえしていれば何とかなる、と思っても、その仕事の報酬がもらえないのであれば、相手は最初から騙すつもりだと考えた方がいい。こんなことが今の世の中では当たり前のように横行している。そして噂はしても誰も助けてはくれない冷たい世相があるばかりだ。局長に電話して事情を話しておいた。何とかしてくれるだろう。さて・・・
　正午過ぎ、Ａ建設会社が見積書を持ってきた。ついでにインターネットの話になり、ホームページを開きたいと言う。開設までの手順を説明しながら、それとなく会社の展望などを聞いてみた。やはり、といった感じ・・・経済動向がまるでつかめないと言う。したがって展望もない。それならインターネットで何とか糸口を探すことはできないだろうか？そんな話から私の光秀と天海の同一人物説にまで話が及んでいった。よせばいいものを、そこから徳川幕府の財宝へと、私のお決まりのコースが始まってしまった。相手の聞き上手に乗じての展開であったが、電磁波兵器の話に及んでさすがに私も気がついて話を戻すありさまであった。ホームページを開設したら私のページとリンクすることになっている。いつになるか分からないが、その時は連絡をくれるようになっている。地元では手堅い経営で評判の会社のこと、インターネットを通じてさらに躍進することを期待している。私の「おーる工房」の途方もない夢にも耳を傾けてくれた。借入の件も内情を吐露したが、「うまくいけばいいですね」と笑みを残して帰って行った。
　商工会の手順に厳しい条件が垣間見え、そのことを報告したら局長は「そろそろ私の出番かな？」と笑っている。見積もあらかた揃えたが、局長の話ではそこからが問題なのだと言う。設備資金では、それが本当に見積もり通りに使われているか？調べられると言う。もしその通りに使われていないなら、即時に貸付金が回収されることもある、のだそうである。そう思っていた方がいい、と。う～ん、なるほど・・・それなら最初から局長に動いてもらった方がいい。局長は、私がそういう実態を知るまで黙っていたらしい。私もいい勉強になる。こんな不景気に押し潰されてたまるか。

１９９９／０１／１９、火曜
　風邪をひいた。鼻水も出ている。つらい・・・今夜はあったかいビーフシチューでも食べて早く寝よう。牛肉は高いので豚肉のこまぎれで我慢しよう。それにニラを添えよう（ニラは私の常食となっている）。タマネギとジャガイモとを時間かけて煮ておく。ご飯は胚芽米がよろしい。白米を常食していると脚気になる。問題は風呂を先にするか、食事を先にするかである。風邪をひいているので風呂は寝る直前に入ることにしよう。あとはいい夢を見るだけだ。借金取りに追われる悪夢はご免被りたい。電話を止められている某社長にＰＨＳをあずけておいた。明日は借入のために某社長をある人物に引き合わす。何とかしなくては・・・困っている時はお互い様だ。何とかなってきた過去は忘れ、何ともならない現状を把握した上で、何とかなりそうな事から着手するべき。「電話も止められているようだし、これは自殺したか？と思って香典用意しておいたよ」そんな私の冗談に大笑いをしていた社長のこと、とにかく笑い飛ばす元気が残っていれば何とかなる。

１９９９／０１／１８、月曜
　ブラジルがレアルの急落対策に変動相場制策をとったことで、国際市場はさらに売り一色にさらされるという懸念が広がっている。マハティール首相とは対照的な、国際金融市場に身を任せるといった対策が、しいては昨年のアジア通貨危機の再来となるのではないかといった不安も出てきた。ブラジル政府の決断は国内的には物価上昇を抑える効果もあるとするが、国外的には国際金融マフィアのかっこうの餌食となってしまう危険を孕んでいる。同じようなことが昨年八月のロシアでも起こっている。この時、ロシアのセルゲイ・キリエンコ首相はモスクワのホワイトハウス（連邦議会議事堂）において、通貨ルーブル５０％の引き下げと４００億ドルの債務不履行（デフォルト）を宣言した。これでロシアの経済崩壊は世界の知るところとなり、その信用は失墜していく。そんな中でエリツィン失脚を狙うクーデター計画が練られていた。首謀者のベレゾフスキーは何とエリツィンの娘タチアナを味方に引き入れようとする大胆な行動をとっている。これをキャッチした政府が陰謀阻止の決意宣言を公にしたことから、ベレゾフスキーのクーデター計画は頓挫したが、国民は政府の公表した「陰謀阻止」そのものが何のことか知らなかった。

関連資料、ベレゾフスキーの「クーデター計画」未遂事件。

１９９９／０１／１７、日曜

　昨夜、フジテレビ系列で放映されたアメリカ映画『ザ・ファーム　法律事務所』の舞台はケイマン島であった。ハーバード大学を卒業した主人公ミッチ（トム・クルーズ）が、メンフェスの法律事務所に就職するところから物語は始まる（メンフェスといえばキング牧師が暗殺された町である）。ハリウッドの各社が映画化権を奪い合う原作者ビッグ３の一人、ジョン・グリシャムの代表作らしい。筋書きの大まかな展開はハリウッド映画らしい見せ場で面白く脚色してあるが、その背景となるハリマン島での血生臭い事件はそのまま現実のことである。また映画では主人公の勤める法律事務所がマネー・ロンダリングで利益をあげていたが、これも実際に現在進行形で起こっている事実だ。最近ではインターネットを駆使して取引をするなど、その手口はますます巧妙になっているといわれている。シドニー・ポラック監督１９９３年作品。原題『The Firm』
１９９９／０１／１６、土曜
　ジョージ・ソロスが本社登録しているカリブ海のアンチリ島（別訳、アンティル島）は、ケイマン島と並んで世界有数のタックス・ヘイブン地帯であるが、このアンチリ諸島にはフィリピンの独裁者マルコスの大金も流れ込んでいた。その南部区域は小アンチル諸島と呼ばれ、南米のコロンビアとベネズエラとは目と鼻の先である。この一帯はロスチャイルド家の本拠地ともなっている。そしてそれら全てはオランダ領であった。魔の三角海域はまさしく国際マフィアにとっては税金逃れの天国なのだ。魔の三角海域に散在する利権構図を調べれば、それは世界をウラから支配する一大闇組織を解明することにもなる。

魔の三角海域に君臨するロスチャイルド家

１９９９／０１／１５、金曜

　ブラジル通貨レアルの切り下げで国際金融市場が混乱、大幅な下げを記録しているが、その原因の一つにイタマル・フランコ前大統領の借金返済停止発言が起因しているらしい。それだけが理由ではないだろうが、一国の指導者の発言が世界金融市場に大きな影響を与えるという点で興味深い。
元ブラジル大統領発言、国際金融市場を揺るがす

　ブラジルの財閥

１９９９／０１／１４、木曜

組織の盲点
某団体の救済制度に賛同して月会費を収めていたが、この不景気にやむなく一時脱会を申し込んだ。ところが会誌がまだ配布されているので問いかけたら「そんなことは聞いていない」との返事。滞納分も請求されるに及んで本部に電話した。「やっぱりアンタ方も組織優先なのか？止める止めないは連絡系統の行き違いだから仕方があるまい。自分以上に困っている業者がいる、と思えばこそ会費も納めてきた。その自分が困って会費も納められない今、滞納分を支払えとはおかしな話ではないか。入るときは歓迎されてあっさり受け入れられ、辞めるときは判子がどうのと面倒な手続きをさせられる。人間あっての組織だろうが、組織優先の組織だったらオレは辞める」・・・ちと興奮してぶちまけた。
結局、私が会の趣旨にまだ期待をしているということで、会費は半額となり、滞納分も半額にして後で支払うことになった。弱者救済という趣旨を信じたうえでの結論だったが、やはり組織に対する懐疑は残っている。「一人は皆のために、皆は一人のために」というのが理想なのだろうが、組織のひとり歩きは宿命であるような気がしている。何のための組織なのか？弱者救済を表看板に添えるなら、その主旨は会員にも適用されるだけの緩やかさがあってしかるべきだ。とにかく役職だけは辞退したいことは伝えてある。
最後に悪い冗談を言ってしまった。「明日だって自殺するかも知れない業者はたくさんいる。オレだって分からないよ」そしたら「すぐ、こっちに来てください。何でも相談にのります」だって・・・冗談だよ。こんな不景気に負けていられるか。今夜はそれこそ自殺しそうな社長の家に押しかけて、酒でも酌み交わそうかと思っている。泣きたいときは泣き、笑って済ませる剛胆さで涙を払う。喝。

ソロスと麻薬

　最近のジョージ・ソロスの老け込みようが気になっている。麻薬でもやっているのではないか？と疑っていたところへ、ソロスが麻薬コカインのビジネスに手を染めていることを知った。どう考えてもこれは自殺行為としか思えない。ふと思い出したのがハワード・ヒューズで、彼も最期は麻薬漬けになって死ぬといった不審な死に方をしている。二人に共通しているのが『ウラを知りすぎた』ということで、最近のソロスの気後れした発言からも何か嫌な予感がしている。フランス革命で処刑されたフリーメーソン幹部などがダブってくる。用済みの道具はいとも簡単に処分されてきた闇の世界、麻薬密輸のルートも変更され、やはりここでもロシアン・マフィアの暗躍が取り沙汰されている。アメリカのマフィアが縮小され、その分、世界的なシンジケートでその富はかえって膨大なものになったと言われている。アメリカン・マフィアが手を汚さない分、ロシアン・マフィアが汚れ役となって勢力を拡大している。世界経済の動向はアメリカ合衆国からヨーロッパ合衆国へと移行しつつあるが、ウラ世界でもアメリカン・マフィアからユーロ・マフィアへ、さらにロシアン・マフィアやシシリアン・マフィアがユーロ・マフィアに併合されていくことになるだろう。なお今回のマフィアに関する情報は『ＳＡＰＩＯ・２月３日号』９０頁～「世界を動かす闇組織」を参考としている。そこの部分だけは久しぶりに充実した内容であった。
１９９９／０１／１３、水曜

ソロス、インターネットで反政府情報を流す

ソロスが主宰する『オープン・ソサエティ財団』では、各国の反政府団体の活動を支援するために、コンピューターや通信機器などを無償提供するのみならず、インターネットを通じて反政府情報を流している。その典型的な例が「アジア・ウオッチ」やミャンマーの「ビルマ・ネット」などの人権擁護団体で、マレーシアのアンワル副首相解任劇はソロスの団体がマハティール批判をインターネットで展開したためだと言われている。今後も彼らはインターネットを通じてさらにマハティール批判を展開していくはずである。

ＮＥＷ関連情報、世紀末の妖怪ヘッジファンドとソロスの正体

　
ＮＨＫ総合テレビ『混沌の生』
映画監督、原一男のインド巡礼のきっかけは息子の自殺だったという。
２７歳「さよならＣＰ」、２９歳「極私的エロス・恋歌１９７４」、１９８７年「ゆきゆきて神軍」、１９９４年「全身小説家」と問題作をつくってきた鬼才。
「巡礼したことで魂が安らぐと思ってもいないし、それでも歩きながら息子のことを考えていると『おまえは死んだがオレは死なない』と心の中で言えるようになった」
映画『極私的エロス・恋歌１９７４』

１９９９／０１／１１、月曜

米に「核密約」関係公文書

沖縄返還「核抜き本土並み」合意　

　情報公開請求に対する米国家安全保障局（ＮＳＡ）の回答文書。「請求に関係する本局管轄の文書について公開を検討したが、この文書は現在も極秘扱い（トップシークレット）になっている。この文書が非公開扱いなのは、公開すれば国家安全保障上、極めて重大な損害が引き起こされることが合理的に予測できるためである。この文書の情報は、機密扱いの自動解除の対象にはならない」などと書かれている。
　日米両政府が沖縄の施政権を「核抜き本土並み」の条件で日本に返還することに合意した１９６９年の日米首脳会談で、当時のニクソン大統領と佐藤栄作首相が交わしたとされる非常時の核再持ち込みに関する「密約」の関係文書が米国家安全保障局（ＮＳＡ）に保管され、現在も「極秘扱い」になっていることが明らかになった。同密約は、返還交渉当時、日本側の密使を務めた若泉敬・元京都産業大教授（故人）が９４年に著書「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」（文芸春秋刊）で存在を暴露したが、この密約に直接関連する公文書の存在が明らかになったのは初めて。現在の米戦略体系の中で、米軍が核を沖縄に持ち込む可能性は極めて低いものの、非常時に核を搭載した艦船や航空機の「寄港、通過」をめぐる問題が浮上する可能性は残っている。

現在も「極秘扱い」──安全保障局

　密約文書は、「６９年１１月２１日付、ニクソン大統領、佐藤首相の日米合意議事録」。若泉氏は著書で、緊急事態が生じた場合、返還後の沖縄に核兵器の再持ち込み、通過権を認める内容の同議事録草案のコピーを掲載している。９４年当時の羽田孜首相は国会で「密約は存在しない」と答弁、日本外務省も存在を否定していた。同議事録について、朝日新聞社が代理人を通じて一昨年１１月に米政府機関に存在の有無を問う形で情報公開請求したところ、国防総省に所属し、安全保障関係の公文書を統括するＮＳＡがこのほど、「請求に関し、本局の作成した関係文書がある」と文書で回答してきた。ジョアン・グルーブＮＳＡ政策課次席名の文書回答は関係文書について、「現在も極秘扱いで、情報公開法の例外規定の適用を受ける」と説明。「我が国の国家安全保障に極めて重大な損害を引き起こすことが合理的に予測されるため」と述べている。ＮＳＡ当局者は電話での問い合わせに対し、同文書は「合意議事録」の経緯や内容について説明したプロダクトリポートと呼ばれる部内機密資料であると説明。同議事録の存在を間接的な形で認めた。高度な機密文書の場合、請求内容と少しでも異なれば、「該当文書は存在しない」などと回答することが通例で、ＮＳＡの対応は、同議事録の内容が若泉氏の著書通りだったことを強く示唆している。
　若泉氏が暴露した密約の内容は、当時すでに日本政府が掲げていた非核三原則のうち、「核を持ち込ませず」に真っ向から矛盾する。潜水艦発射弾道ミサイル（ＳＬＢＭ）などの発達で地上に核兵器を持ち込む必要性はなくなっており、現在の沖縄に核兵器が再び持ち込まれる状況は極めて考えにくい。かし、戦略体系の変化で、極東に限らず、中東・湾岸などの非常事態の際にも沖縄米軍基地が運用されている実態があること、核の「通過権」については「ライシャワー発言」などで明らかになっているように米側は沖縄以外でも事実上、非核三原則の適用外としていること――などから、非常時の核搭載艦船の寄港問題や核搭載の航空機などが立ち寄る事態が生じた場合、現行の日米安保体制下でも同密約が問題になる可能性もある。核密約については、当時の国務次官だったアレクシス・ジョンソン氏（故人）が、「（若泉氏が公表した文書は）合意内容そのものだ」と述べているほか、首脳会談前の米公文書にも「核に関する密約」との表現で言及する記述があり、複数の米当局者がその存在を示唆してきた。合意議事録自体は、キッシンジャー氏が自身の公文書を一括して寄贈した米国立議会図書館にある可能性が高い。ただキッシンジャー文書の公開は「自分の死後５年」とするよう指定されており、現時点で公開される可能性は極めて低い。若泉氏の著書によると、日米首脳が２通署名した議事録のうち、日本側文書について佐藤首相は「処置した」と語っている。廃棄されたのか、保管されているのかは不明だ。羽田氏の後に首相を務めた村山富市氏（社民党）は、「官邸で探したが見つからなかった」と述べている。（朝日新聞より）

　朝日新聞は核持ち込みの密約文書を発見したことを自らスクープのように自画自賛しているようだが、もっと肝心なことが抜け落ちているのではないか。歴代の日本の首相が知らぬ存ぜぬを決め込んできた密約文書も、すでにその存在は衆知の事実であって、朝日をはじめマスコミ各社は首相同様に国民の知る権利を黙殺してきたところがある。俗っぽい言い方を許してもらえるなら「何を今さら惚けているのか。知っていることを洗いざらい国民に知らせてほしい」と言いたくもなってくる。そっちが切り出せないなら、庶民レベルでもこれぐらいのことは調べられるのだと・・・厚木基地には原爆を収用するための巨大な地下が作られたはずなのだ。そこではオズワルドも働いていた。

厚木基地には原爆があった？

　第二次大戦前及び戦中に旧日本軍が掘った巨大な地下トンネルを有する厚木基地は、在日米軍が核戦争を生き延びる完璧な掩蔽壕となっていた。そう証言するのは同施設の設計施工に当たった日本人職員だ。彼らの話では、１９５８年、米軍は厚木基地の現在のアドミニストレーション・ビル（通称ホワイトハウス）の地下に原子・生物・化学戦（ＡＢＣ）に備えてコマンド・ケープ（洞穴司令部）を作った。それは「巨大な地下施設だが純粋に防御目的のものだった。そこでは化学戦で使われる病原体の解毒剤などを保管していた」そして施設は１９７３年に閉鎖された。だが、話はそこで終わらない。アンソニー・サマーズはその著書『陰謀』（『Conspiracy』McGrawHill,1980）で次のような驚くべき事実を暴露している。「厚木にはＵ２なみの大きな秘密がもうひとつ隠されていた。それは核兵器の備蓄だ。チャールズ・ローズ大尉は実際にそれを目撃している。彼によると『原爆だと分かる巨大な装備を収用する少なくとも地下三階からなる地下構造があった』というのだ」これが事実とすれば穏やかではない。日本政府は核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずとする「非核三原則」を厳格に守ってきたと主張してきた。この件について米国側の反応は一貫して、核兵器の存在を「確認もせず、否定もせず」というものだ。（ＵＰ通信社東京支局長グレン・デイビスGlennDavisのレポートより）
関連資料、オズワルドは厚木基地でスパイになった
１９９９／０１／１０、日曜
　今晩の「特命リサーチ２００Ｘ年」で「バイオハザード！迫り来る生物災害の恐怖」が放映されるが、それに先だって資料を用意している。番組欄の概要には「８６年のアルゼンチンで狂犬病のワクチンを研究中、研究員５人が漏れ出たウィルスに感染する事件が起きた」とある。今夜の番組がどこまで真相に迫っているのか、興味の尽きないところだ。
関連資料、一昨年末１２月１２日～年明け２月１８日までのインフルエンザに関する日誌。
インフルエンザ感染年表＆インフルエンザは殺人エイリアン＆忍び寄る感染症
１９９９／０１／０９、土曜

日銀、公的資金申請行から集中聴取へ
　日本銀行は、公的資金を申請する大手銀行１５行に対し、今後の長期収益計画や公的資金の申請計画に関する集中聴取を実施する。東京三菱銀行を除く大手１５行はそれぞれ１３００億―７０００億円の公的資金による資本注入を希望しており、現在、金融再生委員会と金融監督庁から事前審査を受けている。日銀の聴取内容はこれと連動するもので、各行の日々の資金繰りを監視している立場から計画をチェックし、再生委員会に対し、日銀の見解を報告する。
　金融早期健全化法では、再生委が公的資金の注入を決めるときには「日銀に意見の陳述や報告、資料の提出を求めることができる」と明記されており、再生委は日銀に報告を求めることにしている。この結果、今回の公的資金の審査は、再生委スタッフの中核を占める大蔵省、金融監督庁、日銀の金融関係当局が総出で取り組むことになる。日銀の聴取の焦点は、公的資金の申請方針のほか、不良債権の処理や引き当て方針、有価証券の含み損の処理方法、公的資金の使い方、自助努力による資本増強策、ゼネコンなど業績が悪化している融資先への対応方針になるという。
なぜ拓銀は潰せて、長銀は潰せないのか

佐高：長銀が国有銀行になるというのは、なんかおかしな話ですね。

青木：やはり苦肉の策なんでしょう。最初はそんな計画はなかった。まとまらんからいうことで、そっちの方へ行ってしもうたんじゃないですか。

佐高：民主党がそっちに追い込んだ感があります。あの話が非常に分かりにくいのは、拓銀は潰していいけれども長銀は潰せないという論理のためです。でも、拓銀と長銀を比較すれば、長銀はある種、余裕のある人だけが金融債を買っている銀行ですから、一般の預金者に関係があるのは拓銀の方であって、潰せないのはむしろ拓銀でしょう。

青木：それが民主的な考え方なんやけど、そうじゃないわけで、やっぱり日本では特権階級を優遇するという考え方なんですよ。

佐高：かつて金丸信が日債銀で金融債を無記名で買ってカネを隠していたでしょう。それと同じようなことを政治家は長銀でもやっている。長銀が潰れたら、それが全部明るみに出る。だから絶対に潰せない。民主党にしても、幹事長は羽田だし、自民党の片割れみたいのがたくさんいるから、本音のところでは長銀は潰せないわけです。

青木：政党交付金をかすめ取った中島洋次郎代議士にしても、カネの魅力に負けた。それが人間の本音で、資本主義とはそういうことじゃないですか。野村証券のＶＩＰ口座問題でも、検察のトップクラスがＶＩＰになっておるから、結局バラさんかったやないですか。検察といえども人間で、おいしい話にはやっぱりのってくる。

（中略）

佐高：銀行にまたもや公的資金を導入しますが、それよりも頭取とか直接責任のある人に個人負担をさせる方が、筋から言ったら先です。私は「彼らに私財を提供させろ。とくに長銀の杉浦敏介には、九億円などというバカげた退職金を返済させるべきだ」と講演会で話をしています。ところが心優しき日本の庶民は怒らない。

青木：日本という国はそれで慣らされてきた、まったく怒らん民族ですからね。そのへんを見透かされているんじゃないですか。

『宝石・一月号』青木雄二ＶＳ佐高信「日本国民よ、なぜもっと怒らんのや！」７４～７５頁より

１９９９／０１／０８、金曜

ＵＮＳＣＯＭが米のスパイ活動？　盗聴に協力とポスト紙
　６日付の米紙ワシントン・ポストは、アナン国連事務総長に近い筋の話として、イラクで査察活動を続けていた国連大量破壊兵器廃棄特別委員会（ＵＮＳＣＯＭ）がフセイン政権に対する米国の盗聴活動に協力していた、と報じた。アナン事務総長もその証拠をつかんで先月、バトラー委員長に事実関係をただしたという。イラク政府は「米国やイスラエルのスパイ活動への協力」をＵＮＳＣＯＭの査察拒否の理由の一つに挙げており、国連などで論議になりそうだ。
　同紙によると、米国はフセイン大統領の警護にあたる共和国防衛隊など治安機構を盗聴しており、ＵＮＳＣＯＭも米国の情報収集に直接に関与したという。アナン事務総長もＵＮＳＣＯＭがその任務を逸脱したことを知り、証拠を集めた。事務総長に近い筋は「国連は加盟国の政権を打倒する作戦の当事者になるわけにはいかない」とＵＮＳＣＯＭを批判。アナン事務総長もバトラー委員長の辞任を求めて圧力をかけているとしている。だが、バトラー委員長はポスト紙の取材に「米国を含む多くの国がＵＮＳＣＯＭの活動を支援している」と述べながら、「受ける支援は委員会の任務に役立つものに限定しており、特定国への支援を認めたことはない」と任務逸脱を否定した。アナン事務総長も盗聴に大量破壊兵器の所在を探る目的があったことは認めつつも、ＵＮＳＣＯＭの側も米国がフセイン政権内部の極秘の通信内容を傍受できるようにはからった、とみているという。ＵＮＳＣＯＭはイラクが大量破壊兵器の隠し場所に大統領宮殿なども使ったとみており、米国も共和国防衛隊は生物・化学兵器など軍事機密の管理にもあたっているとみている。米政府当局者はポスト紙に「サダム（フセイン大統領）の護衛組織と大量破壊兵器の隠匿部隊が一体である以上、情報収集を区別するのは不可能だ」と述べている。

　さもあらん、といった感じ・・・国連（United Nations）からして日本は誤訳している。直訳すれば極めて軍事色の濃い「連合国」であって、戦後における世界紛争の殆どはこの連合国によって引き起こされてきている。兵器会社「アームストロング」を統治するノーブル（Noble）家からは国連設立準備委員会事務局長のグラドウィン・ジェップ（H.M.Gladwyn Jebb）が輩出され、「レミントン兵器」のハートレー（Hartley）家からはミスターＰＫＯのブライアン・アークハート（Brian Urquhart）が派遣されてきた。彼らは全て姻戚関係にあり、ハートレー家の系図を辿っただけでも国連創設会議アメリカ代表のトマス・フィンレター（Thomas Knight Finletter）が出現してくる。国連が人道援助などとは程遠いことはフィンレター個人の経歴、朝鮮戦争空軍長官にしてＮＡＴＯアメリカ代表だったことからも分かる。国連大量破壊兵器廃棄特別委員会（ＵＮＳＣＯＭ）が盗聴器を仕掛けるといったスパイ工作をしていた事実は、国連がもはや人道支援など平和的な組織ではない、世界的な軍事連合国としての正体を自ら露呈したことになる。

１９９９／０１／０７、木曜

　「自自連立」も「爺爺連立」と揶揄されるぐらい、政治家の相も変わらぬ派閥抗争に国民もウンザリといったところか。国民不在の保身ゆえの謀略に明け暮れる政治家にもはや何を期待できよう。その自自連合が次に画策しているのが憲法改正で、今度は新公明党を抱き込もうと「自自プラス公」なるものを打ち出してきた。公明党も新公明党と名を変えたとたん改憲をほのめかす有り様で、読売新聞もそれに同調して「自自公で同調査会発足」なる報道で改憲をあおっている。
　ひところ小沢批判で勇名をはせた野中広務官房長官だったが、この人もまた変節してしまった。変節の原因もあれこれマスコミで取り沙汰されているが、そのキーワードとなるのが改憲を悲願としてきた中曽根元首相の存在であろう。中曽根は、野中官房長官の小沢批判を懐柔するため接触してきたが、野中が「小沢は売国奴だ」と言うに及んで諦めたと言われている。９７年１月２４日の帝国ホテルで『改憲陰謀』をぶちあげた野中は一躍時の人となり、国民は一時的にも溜飲のさがる思いがした。しかし、それがトーンダウンした今、その変節には中曽根元首相の説得にも応じなかった野中への、さらに強い圧力が示唆される。頑固な野中官房長官の意志を変えさせたものは、やはり派閥の延長線上で考えるべきであろう。それは野中のボス、竹下元首相ではなかったか・・・中曽根は野中が説得に応じないと見るや、その矛先を野中の親分格、竹下登元首相に向けたと考えるのが自然だ。野中を背後から支援してきた竹下の恩義に、野中は頭が上がらなかった。そのことを知っている中曽根が竹下に「野中を何とか黙らせてくれ」と頼む。そんなところだろう。
　土建業界の調停人と言われた金丸信の息子・金丸康信の細君は竹下一子という。その一子の父親が竹下登であった。その竹下の弟が福田雅子と結婚し、その福田家から小沢一郎が浮かんでくる。金丸の次男は西松建設の娘を嫁としている。彼らはゼネコン一家として日本の指導層に君臨してきたが、そのゼネコンに国民の血税６０兆円が投入されたことを国民は決して忘れてはなるまい。
１９９９／０１／０６、水曜

合気道道主の植芝吉祥丸氏が死去
　植芝　吉祥丸氏（うえしば・きっしょうまる＝合気道道主、財団法人合気会会長、日本武道館理事）は４日午後５時３９分、呼吸不全のため東京都新宿区の病院で死去、７７歳。葬儀・告別式の日取りは未定。密葬は７日午後０時３０分から東京都新宿区若松町１７の１８の合気会合気道本部道場で。喪主は次男守央（もりてる）氏。自宅は東京都新宿区若松町１７の１９。合気道の開祖植芝盛平氏の三男で、６９年に盛平氏から道主を継承した。

　開祖、盛平翁は大本教の信者でもあったが、その特異な宇宙観から合気道という気の原理をあみ出したと言われている。組み手は殆どなく、相手の手を自在に操っては僅かな力だけで相手を投げ飛ばす。総じて自身は円の中心にあって向きを変え、屈伸動作のみで動かず、相手の攻撃してくるその力を利用し、円周に沿って操り人形のように投げ飛ばす。相手の勢いが強ければ強いほど、その力は倍加して相手のダメージとなって跳ね返る。武道においてはこれほど原理にかなったものはないと思われる。よって技だけを習得して安易に用いるのは危険でもあり「勝たずして勝つ」とする精神鍛錬に重心をおいている。実際、数年前には学生の稽古で投げ飛ばされ死亡する事故も起きている。以下、植芝盛平の言葉。

　宇宙の気と一体になったものは、その存在が宇宙の秩序すなわち愛そのものとなる。したがってそこに敵なす者は、宇宙の秩序によっておのずから争いを封じられる。勝たずして勝つ、つまり自他一体神人一如、宇宙即ち我となる、愛の産霊（むすび）そのものの勝利となる。合気道の極意は、己の邪気をはらい、己を宇宙そのものと一致させることにある。合気道の極意を会得した者は、宇宙がその腹中にあり『我はすなわち宇宙』なのである。　　　

１９９９／０１／０５、火曜

韓国政局が混乱、安企部の国会内活動めぐり与野党対立

　韓国の政府・与党と野党ハンナラ党が国家安全企画部（安企部）の国会内での活動をめぐって激しく対立し、新年早々に韓国政局が混乱している。ハンナラ党は、国会内に設けられた国会情報委員会資料閲覧室から無断で持ち出した安企部の秘密文書を公開し、「安企部がこの部屋を拠点に議員の監視や政治工作をしている」と主張。これに対し与党・国民会議は「国家機密を不法に奪取した」と反発、安企部はハンナラ党の李会昌総裁ら４０人を秘密侵害などで検察に告訴した。
　昨年１２月３０日、ハンナラ党の李信範議員が「国会内に安企部の分室がある」と暴露したのが事件のきっかけだった。翌日の夜、分室とされる資料閲覧室へハンナラ党のメンバーが乱入し、内部の書類など５９点を持ち出した。同党は年明けの２日に、うち１２点を報道陣に公開した。この中には、野党議員の動向を調査した記録や内閣制実現を阻止する方策などが含まれていた。李会昌総裁は４日、「なげかわしい政治工作が国会内で展開されていた」とし、金大中大統領に対し事実関係を認めることや謝罪などを要求した。大統領府スポークスマンは４日、「国家機密を不法に奪取した事件であり、徹底的な調査が実施されるだろう」と述べるなど、政府・与党側は野党と全面対決の姿勢だ。現在、韓国は臨時国会の会期中で、民生関連の法案審議や日韓新漁業協定の承認など懸案事項が山積しているが、この対立で再び国会が空転する可能性が出ている。

　安企部（国家安全企画部）のおびただしい謀略活動の中に金大中（キムデジュン）の進出阻止があった。この典型例が７３年８月のＫＣＩＡ（中央情報部、安企部の前身）による金大中拉致事件である。しかし金大中は９７年１２月の大統領選挙で勝利し、今度は大統領となった金大中によって安企部は改組されるという皮肉な運命となった。今回の「安企部の分室」暴露では『金大中大統領がそれを知っていたか？』どうかが問題の争点となる。金大中が改組した新安企部が、悪名高いＫＣＩＡの遺産をそのまま継続しているのであれば、野党の攻撃は止むことなくさらに強いものとなるだろう。現在、新安企部のボスは李鐘賛（リジョンチャン）だが、彼は元々ＫＣＩＡで企画調整局長をやっていた男である。李鐘賛が金大中のようにクリーンだとは到底思えない。金大中政権の上層部は大統領と同じ全羅道（チョルラド）出身者を配置して旧体制の一新を図っているが、李鐘賛だけはソウル出身として例外なのである。これには９７年の大統領選で金大中のために奔走した功績が認められたためと思われている。それがここにきて安企部分室の存在が暴露された今、金大中大統領の命取りとなる可能性も出てきたわけである。さらにハンナラ党は分室の国家機密資料を不法に持ち出したのだが、その違法性はともかく、国民にとっては国家機密の内容こそ知りたいと思っても不思議はない。旧安企部、そしてその前身ＫＣＩＡの闇工作は衆知の事実であり、大統領はむしろそれを暴露することで難局を乗り越えるべきではないか。
１９９９／０１／０４、月曜
- 　昨夜書店にて探索する。パソコン誌を手にするとＣＤ－ＲＯＭだけが抜き取られているのを発見「こういうことをするバカがいるぞ！」と大声で書店の従業員に告げる。週刊誌を手にレジを通さず、そのまま帰っていく客もいるようだ。そして誰もが見て見ぬふりをしている。どうやら従業員にして、そのようである。ＣＤ－ＲＯＭを抜き取られた雑誌を無言で受け取り、何事もなかったようにレジに戻る従業員・・・そんな様子を見ていたもう一人の若い従業員が、帰りがけ「ありがとうございました！」と、ひときわ大きな声で私を見送った。その表情はなぜか嬉しそうだった。
- 　バチカンの夢を見た。暗雲の中で苦悩する法王・・・神に謝罪しているようだった。自分にはもう残された時間がない。汚された神殿をどうすることも出来なかった罪の許しを乞う、そんな夢だった。一転して迷路をさまよう自分がいた。大きな山にびっしりと家々が立ち並んでいる。その家々の出入り口を通過するたびに挨拶しながら、高台の神殿を目指している自分がいる。早く到達しようと焦る自分・・・障害の前に挫折を繰り返しながら、いつしか絶壁の淵に佇んでいた。すべては闇、ただ風だけがヒューヒューと唸り声をあげていた。どうしていいか分からない心が何かを叫び、その声は闇へと吸い込まれていく。そんな夢だった。
  １９９９／０１／０２、土曜
- 　深夜００：０５から放映されたベトナム映画『ニャム』（ダン・ニャット・ミン監督）は素晴らしい映画であった。映画にありがちな誇張は全くない。淡々とした農村生活をおくるニャム青年の日常を追いながら、その過酷な青春体験をひたすら受け入れていく。農作業の合間に夢想するニャムの詩は、ベトナムの農村風景と重なって人々の心を打つ。その詩が妹によって学校で語られた日、不慮の事故で妹は他界する。そして徴兵、この時もニャムは抵抗することなく受け入れるが、その心では、必ず生きて帰って故郷に戻ることを固く誓っている。
- 　私の血と肉は田畑から生まれた。どこまでも果てしなく拡がる田畑から・・・母は私を産むと、糸でへその緒を縛った。水浴びは水田のため池、私はじっと母を待った。すべては待つしかない。豆を植え、ナスを植え、あぜ道をあくせく巡り、苦労を重ねながら・・・種をまき、虫の名前もたくさん覚えた。豊作が何度かあり、何度かすべてを失った。夕暮れが近づく、傷も確かめないうちに、分かるのは草で切った痛み。夜、星の下でふと気づく。染みついた草のにおいに・・・そんな時、友よ、分かってほしい。こんな農民がいることを。

１９９９／０１／０１、金曜

　年末のメンテナンスに突然パソコンが暴走、四苦八苦している最中に妹夫妻から「明けましておめでとう！」という電話・・・こういう時ってとっさに受け答えができないもんだ。この電話で新年を知った。新年早々、パソコンの暴走では今年が思いやられる。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

どきゅめんと日誌・管理者宛

新アドレスdocument@mbf.sphere.ne.jp

旧アドレスgaziyaxc@sp.powernet.or.jp

旧アドレスは１９９９年２月まで有効