1998年七月の日誌

1998/07/31、金曜
 8日付独ベルリナー・クーリエ紙は、4日夜射殺されたバチカンのスイス人衛兵隊アロイス・エスターマン隊長が旧東独の治安警察「シュタージ」のスパイだったと伝えた。同紙によると、下士官により夫人とともに殺害されたエスターマン隊長は1979年、「シュタージ」に入り、1981年から4年間、バチカンの情報を提供していた。匿名が条件のベルリンの情報筋によると、エスターマン氏はローマ発オーストリア・インスブルック行きの夜行列車で、「シュタージ」に雇われた人物にバチカンの極秘情報を少なくとも7回手渡したという。暗号名「ベルダー」で活動していたエスターマン氏は、ローマ法王との関係の近さと世界中を容易に移動できるバチカンの旅券を所持しているという理由で、旧東独当局に重用されていた。同氏は、スイス人衛兵隊の薄給を補うためスパイ活動に手を染めたとしている。[ボン 8日 ロイター]
季節がいくつもゆるやかに 少女の窓辺を通り過ぎ 
遠いあの日の哀しみを 小さく揺らしていた
百万羽の折り鶴 色とりどりのやさしさに 埋もれて
あの子の瞳は 何を見つめていたのだろう
毎日 毎日 折り鶴を か細い指で折りながら
自分の小さな命を 見つづけていた
百万羽の折り鶴 数え切れないやさしさに包まれながら
あの子は 何を信じていたのだろう
百万羽の折り鶴 世界中のやさしさを 小さな体で受け止めて
あの子は天使に生まれ変わる
心につもった哀しみが いつしか風に変わって
心の窓をゆるやかに やさしく吹いて行った
百万羽の折り鶴 みじかい命が燃え尽きて
微笑み浮かべて あの子が
天に召された日に
百万羽の折り鶴 空いちめんに舞い上がり
あの子の魂 追うように 大空高く 飛んで行った