1997/03/31、月曜、晴後曇
月末の支払で、たちまち手元の現金が消えてゆく。明日から消費税5%とい うことで、今日は商店街も忙しいらしい。漫画チックとさえ思える政治家の公約 、選挙の時だけ消費税3%固持をうたい文句にしたことを思い出す。これほどあ からさまな二枚舌も類がない。欧米あたりでは公約違反が罪になる国もある。む しろ政治家の嘘が堂々とまかり通るのは日本ぐらいだと思えてくる。恥ずかしい 国だと思う。明日はエイプリルフール、嘘を考え出す思案は政治家に学ぶしかな いか・・・明日の臨時首相会見で橋本総理が「国民のみなさん、今日から消費税 5%というのはエイプリルフールの悪い冗談でした」と発表する確率は、うむ限 りなくゼロに近いな。
1997/03/30、日曜、晴
パーフェクTVで朝日新聞がサービス放送中、日本モンサントテクノロジー
編集長の山根精一郎氏と日本消費者連盟事務局の安田節子女史が「遺伝子組み換
え食品は安全か?」との問題で互いに譲らない激論を交わしていた。
山根氏は「遺伝子組み替え食品は規定検査をクリアーしており、普通の食品
と全く同じで安全だ」と述べると、安田女史は「検査は限定されたもので、遺伝
子操作された食品が人体にどんな作用を及ぼすかは未知である。せめて表示だけ
はしてほしい」と切り返す。ところが山根氏は「安全だと認定されている食品を
表示する必要はない」と突っぱね、「それでは遺伝子操作された食品は食べたく
ないという消費者はどうするのか?表示されてなければ食べてしまうではないか
。消費者の知る権利はどうするのか」と食い下がる。私には安田女史の言い分が
もっともだと思われるのだが、ここでも山根氏は「何を知りたいのか、すでに安
全だとされているものを食べるのに表示することはないではないか」と繰り返す
。
人間の命にかかわる食物のこと、山根氏の安全論はその人の命を度外視した
無慈悲な響きがある。特に懸念されているのはアレルギーで、アメリカのある企
業では動物実験で安全だとされた組み替え食品が、偶然、人間の血漿で検査した
ら陽性になって販売が中止されたことがあるという。最悪の場合、アレルギーに
よって死に至る事例も考慮すべきだろう。かつて昭和電工は遺伝子組み替え食品
トリプトファンなる健康食品を販売、不純物混入が原因で38人の死者を出して
いる。これに関しても山根氏は「それは生成段階のミスであって、遺伝子操作食
品そのものには何ら関係がない」と平然と言い放っていた。
食料増産をうたい文句にすでに去年八月に七食品の遺伝子組み替え食品が認
可されている。せめて表示だけはという声も無視されている現在、知る権利を許
さない動きは人権侵害ですらある。原発同様、安全だと言いながら何を隠す必要
があるのか?この問題はいずれ資料を集めて再度検証してみたい。
1997/03/29、土曜、雨
NHKの土曜ドラマ「いのちの事件簿」を観た。福祉事務所のケースワーカ
ーを扱ったものだが、久しぶりに感動した。ヤクザの妻子を保護するケースワー
カーという設定も無理がない。実は同じような境遇にある人物を知っているだけ
に、私にとっては人事ではないドラマでもあった。刑務所暮の中で書いたという
「転落の詩集」、妻子を捨てての極道暮らし、前科16犯のある男のこと。ドラ
マを観ながらその男とだぶってきた。覚醒剤でぼろぼろになりながら、罪を重ね
るどうしようもない転落の人生。ドラマではケースワーカーがヤクザにドスを突
きつけられる場面がある。私も同じような体験をしている。私の場合は逃げてし
まった。刃物を前に啖呵を切れるほど勇気はなかった。その時の臆病が今も私を
恥じ入らせている。
ドラマのケースワーカーのように、とことん面倒をみるのでなければ安易に
人助けなどは考えない方がよいだろう。つくづくそう思う。ドラマの最後でヤク
ザは自殺する。ヤクザは自分が死ぬことによって始めて役に立つ、命がけの愛で
あったのかも知れない。
今夜もひとり、生活に疲れ果てた男がやってきた。離婚を考えている。離婚
後の苦労を考えて何とか思いとどまった。愛がない、感動などさらさらない、た
だ憎しみだけで生きている。そのことを指摘されて項垂れている。幸せそうな人
間は一様に幸せそうだが、不幸な人間は様々に不幸だ、そんな言葉があった。
言葉も無意味になるような傷心の時、ただ側に居てやれるだけのことはした
い。決して迷惑がらず、ただ黙って・・・母が末期癌の時、ある人は「もう助か
らないよ。諦めてほうがいい」と、ご丁寧な忠告をしてくれた。意識はなくとも
生きてさえいてくれるだけいい、そんな家族の心を逆撫でするような言葉だった
。深夜の病室でそっと母の寝息を確かめ「ああ、まだ生きている」と安堵する。
切ない命のこと、だから大切にしたい心のこと・・・
1997/03/27、木曜、雨
また雨だ。こんな日は確定申告をまとめるべきなのだが、気が進まない。昨
日ツケ5千円ばかり集金に来た女将、社長としての自覚云々を説教していく。「
私ってあなたのお母さんみたい」と笑うから「いや、姉さんと言ってほしい」と
言って大笑いした。何十年かぶりで会う腹違いの姉弟が、今、ここで再会して抱
き合って号泣するとか・・・正直、姉さんが居たらと思った。帰りに沈丁花の花
を持っていった。店に飾るらしい。春の香りで客も和むだろう。
伊豆の群発地震地震が収まったと思ったら、今度は鹿児島で頻繁に地震が起
きている。地震列島ニッポンの慣れに不安を覚える。地震と共に大地の中からゴ
ーッという轟きが聞こえたという。そういう音は私も地元の地震で聞いたことが
ある。
先週日曜の「知ってるつもり」という番組を思い出す。エドガー・ケーシー
などの予言者スペシャル番組だった。信じられないけど、科学では説明がつかな
い事実もある。眠れる予言者と言われるケーシーの予言の数々は記録保存され、
その多くが的中してきたことは疑いようがない。それでも科学的でないという理
由だけで無視されてきた側面がある。過去にはそうした異端者扱いされてきた学
者も多く、私なりに検証してまとめてきたものをここ「新世界」で書きたいと思
っている。復権という意味合いもある。
ケーシーの有名な予言に日本沈没があるが、世界的な地殻変動は現代科学に
よっても確認されつつある。ハンコックの「神々の指紋」は明らかにケーシーの
予言をなぞったものであり、スフインクス足元の
アトランティス文明記録保管所 も現実のものとなりつつある。すでにアメリカのウェスト博士によって場所
は確定されているが、これにエジプト政府が猛反発して研究者を追放してしまっ
た。ピラミッドやスフインクスはエジプト人が作ったものであり、決してアトラ
ンティス人が作ったものではない、というのがその理由だった。初期捜査の様子
はビデオ録画されており、去年四月から再開されたエジプト主導の探査の様子は
報告されていない。
いずれアトランティス文明の全貌が明らかにされるだろうが、それは現代人
類への警告ともなるはずだ。ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下で「決して過ちは
繰り返さない」と誓った現代人のように、アトランティス文明の記念碑に同じ文
句が刻まれている可能性だってある。残念ながら、人類の歴史は「同じ過ちを繰
り返す」ことを証明してしまっている。
1997/03/26、水曜、晴
昨日、やっと仕事が一段落した。その仕事を紹介してくれた友人と乾杯する
。これで少しはまとまったカネが入る。それでも「損はしないか?」と何度も友
人が訊ねる。不思議な奴だ。自分のことより私のことを心配している。「これで
十分だ」と言ったら「おまえはホントに欲がないなぁ」と変なところで友人が感
心する。そう言えば、借金で首が回らなかった頃、集金人が「あんたからはカネ
が取りにくい」と困惑したことがある。「なんで?」と訊いたら「どこか飄々と
しているんで、こっちが何となく恥ずかしくなる」らしい。代金を払えない私の
方が恥知らずなのに。
何のことはない、カネがあろうが無かろうが無頓着なだけなのだ。倒産寸前
までなりながら「何とかなるさ」と寝ころんで母に苦労かけてきた。そのことが
いつも心に引っかかっている。両親を亡くした今、せめて通帳ぐらいは仏壇に添
えて「まだ会社はつぶしてないよ」と報告することにしている。いつまたどん底
に墜ちるかも知れない、その覚悟だけはできている。
欲をはれば良心が痛む。ある大手のおいしい仕事を紹介されたことがあった
。私がその仕事を受ければ、今まで入っていた業者が困ることが分かって、断っ
た。みんなに笑われた。経営者失格なのだね。だらしがないんだ。それでもいい
、自分がいるだけ。
こんなデタラメな私のような人間でも生きていられるのは何故だろう?友人
に訊ねたら笑っていた。三浦女史の連載「生かされてある日々」を思い出した。
私も生かされてあるのかも知れない。何か大きな存在に必要とされている限り、
死ぬことはない、できないような気がする。生きる役目が終えた者だけがあの世
とやらに旅立つのかも知れない。そんなことを思いつくまま話していたら「やっ
ぱりおまえは変わっている」と友人が私の顔を覗いた。
その友人が「一緒に仕事をしたい」と言う。すでに自然とそうなりつつある
。成り行きに任せる無責任人生もまんざらでもないと思った。しかしどん底まで
着いてきてくれるという保証は何処にもない。甘くはない過去がそれを教えてく
れる。
荒れ放題の若い時分、喧嘩した古傷が今も癒やされていないことを思い知ら
されている。相手の私への恨みが暴力団にまで伝わっているらしい。歳月と共に
無防備になっている私のこと、いつどうなってもいいように覚悟してある。誰の
せいでもない自業自得の青春のツケが待っているだけのことだ。
1997/03/23、日曜
十一日、与党三党は独占禁止法改正案を国会に提出したが、これは大企業の
支配力をより強化するものであり、戦前の財閥を復活させる非常に危険なことで
もある。いわゆる「持株会社解禁」ことですが、戦前の財閥が軍部と手を組んで
アジアの侵略戦争へと突き進んだ暗い過去があるんだね。そういう危険があれば
こそ、戦後は独占禁止法九条で設立が禁止されてきた。それを何故ここにきて解
禁するのか?政界と財界の癒着ぶりを露呈する何ものでもない。
政治家が暴力団幹部と同席して酒を飲み、財界が総会屋と結託して一般株主
を閉め出す、こうした暗黒社会をそのまま今に引きずってきた日本風土そのもの
が問われているというのに。また同じ過ちを繰り返すような制度を持ち出してく
る政府は、このニッポンを何処へ持っていこうとしているのか・・・我々国民は
ただ血税を搾り取られるだけの存在なのだろうか。
1997/03/22、土曜、雨
雨だ。仕事ができない。延期だ。内心嬉しかったりする。
1997/03/20、木曜、晴
今日は何度やってもホームページ作成ソフトがハングアップする。しばらく
パソコンに罵声を浴びせながらやり直していたが、疲れ切って諦めた時にハタと
気がついた。このソフトは今日で期限が切れる体験版だったのね。市販ソフトは
なかなか手に入らず、店から体験版をいただいていたのでした。これを書いてい
る最中にも、あらゆる場面でハングアップしています。市販ソフトが着くまでに
は様々な障害を乗り越えて悪戦苦闘していると思います。更新が遅れていたら、
そのせいだと思って許してね。読む人のカウントもできないので何人が私のペー
ジを覗いているのか分かりません。面倒でもメールくださいね。新しい市販ソフ
トが手には入れば、改築化粧もして、内容も刷新して再びお目にかかるつもりで
す。
うむ、この書き込みも消えてしまうことは・・・ないと思いますが・・・
体験版のいぢわる!笑っても許してあげないから。
富士山にかかるヘール・ボップ彗星を写真で見た。美しい!
職業病ともいえる足の障害で一ヶ月も悶々としていたが、明日から現場にいか
ねばならぬ。
いつしか体の障害が心の歪みとなっていることに気づく。大反省。
従業員がよくやってくれるおかげで、仕事そのものは順調だ。
ありがたい、という感謝の気持ちを忘れがち・・・明日はつらいが奮闘あるの
み。
クローンの実験が成功したニュースが世界を騒がせている。3年後には人間
に応用できるとか・・・倫理的な問題がこれから大きな争点になるのだろうね。
とりあえずは臓器移植などで実用化されるかも知れない。
仮に人間のクローンができたとして、その時点のDNA情報がまた問題にな
るらしい。つまり年齢に左右される。組み込まれた遺伝子が老人のものであれば
、産まれるクローン人間は若くして老いた遺伝子をもつ「若年寄」(殆ど冗談?
)という奇妙な現象が起こるのだという。老いた遺伝子が産まれたばかりのクロ
ーン赤ちゃんに作用すれば、寿命の情報が伝達されて数年で死んでしまうかも知
れない。しかし逆に、老いた遺伝子がクローン人間の成長過程で若返るとすれば
寿命は延びることになる。これらの答えは今度の実験、羊のクローンの成長が握
っているのだという。
仮に自分のクローン人間が産まれたとして、その赤ちゃんは自分の遺伝子を
そのまま受け継ぐ「自分の子供なのか?」または「自分自身のコピー人間なのか
?」という認識上の戸惑いも出てくる。自分が老いて心臓が弱ってきた時、自分
の若いコピー人間から心臓を移植すれば寿命が延びることになる。しかし同時に
コピーの方は死んでしまうかも知れないし、それは殺人にならないのかどうか?
コピー人間の人権はどうするのか。いずれコピー人間たちは自分の人権を主張し
ながら、親である(?)自分自身に抗議の声をあげて反乱を開始することになり
かねない。奇妙なことだが、SFを凌駕するこうした現象が現実のものとして想
定される。
「メキシコからきた少年」なる映画を見た記憶がある。ヒトラーのクローン
人間が現代によみがえるというSFだったが、妙に説得力のある映画だった。あ
のヒトラーそっくりの少年を画面で見た時、思わず笑いながらも背筋が寒くなっ
た。
専門家からすれば笑うような書き込みかも知れませんね。でも、その専門家
の多くが羊のクローン「ドリー」が誕生した時、「信じられない」と驚嘆したこ
とを思い出します。いずれ詳しく勉強したいな。
1997/03/19、水曜、晴
玄関先の沈丁花(ジンチョウゲ)が満開、訪問客が「うわ、いい臭い!」と
感嘆する。仏壇にも供え、扉を開けると香りが漂うようにした。テニソンの詩を
想い出す。道端の小さな花の神秘を知るとき、神と人との何たるかも知ることが
できるのだと・・・
最近、波動がブームらしい。仮に宇宙の波動というものが存在するなら、咲
き誇る花々のそれぞれが波動そのものではないか?と想うときがある。雪の結晶
のように、自然にはある種の普遍的な法則が形となって現出している、と思えて
くる。人間がそうした自然を破壊し、遊離していくことが結局は破局を招いてし
まうのではないか。我々人間は地球から糧を得ることでしか生きられない存在だ
と認識したとき、自然を蔑ろにすることは到底できないはずなのだ。
昨夜のテレビで、フロンガスをひとりで回収している宇津木浩一さんという
26歳の青年が紹介されていた。むろん採算はとれない。それでも彼は、地球の
危機を放置することはできないと、せっせとフロンを回収し続けている。
欧米の天気予報では毎日紫外線状況が出されているらしい。オゾン破壊の進
むオーストラリアでは若い人の間で皮膚癌が増加し、死に至る悲劇が現実のもの
となっている。植物もまたDNAが破壊され、地球的な規模で進むオゾン層破壊
が深刻な問題になってしまった。そのオゾン層破壊に一役かっているのが大気圏
に電磁波をぶつけるハープ計画だとも言われている。ペンタゴンの軍事目的でも
あるこの計画は、最近その全貌が少しずつ明らかにされようとしている。
1997/03/18、火曜、晴
昨夜、アサツユ主催者の佐藤和良氏に電話する。ホームページにアサツユ報
告と福島原発事情を書いていることを伝えると「ありがたいことです」と喜んで
おられた。喜ばれることに私も素直に喜ぶ、嬉しい気持ちになった。氏は他にも
電磁波、朝鮮人虐待問題にも取り組んでおられる、正義の人、私の人生の師とも
呼ぶべき尊敬に値する人格者。
折しも今日は核廃棄物輸送船が六ヶ所村に到着した。グリンピースではこの
日のためにホームページで抗議集会のメンバーを募っていた。その抗議メンバー
が引きずられる様子をテレビで見た。平和を願う人々を、このように踏みにじる
行為は決して許されるものではない。
権力とは何なのか?権力そのものに魔性が潜んでいるとしか思えない。白土
三平の「サバンナ」という漫画に、怪物を産んでしまった人間が怪物を育て、そ
のため怪物に食われてしまう物語が描かれている。その怪物を権力と置き換えて
みた時、人間と権力の構図がはっきり浮かび上がってくる。巨大になった怪物は
人間を食らいながら糞尿を排出し、人間はその糞尿を食らうことでしか生きられ
なくなる。そうした極限の地獄を打開する英雄の登場、天変地異と物語が展開す
る。 ここに漫画の一部を 載せます。ちとリアルなので食事時は見ない方が良いかも。
仕事仲間に電話、家族全員風邪で倒れたと言う。
今年の風邪はひどいらしい。
結核もエイズと結びついて脅威になっている。
薬漬けの医療が 強力な細菌 を作りだしてしまった。
私の母も入院中にMRSAに感染、隔離された。
放射能しかり、眼に見えないものの方が恐ろしい。
人間の心しかり、だから大切に慎重に扱うべき。
平和への祈り。
生きるために祈るのか?
祈るために生きるのか?
この選択によって人間の人格が決定される。
そんな気がする。
私は祈りすら見失っている。
1997/03/15 (土)曇
母の人生
小さな母が老いて、病んで、さらに小さくなって・・・そして死んだ。
大きな私が、小さな母の遺体にすがって泣いた。
私の涙が母の顔にこぼれて、母の涙となった。
いつか遠い日、母よ、あなたとまた再び会える日がきっと来る。
歳月は忘れないことで思い出を膨らませてくれる。
それまでは、また会えるまでのさようならだ。
それまでは、懐かしい笑顔のままで、私の心の中で・・・
一年前に亡くなった母を想う。というより忘れられない。父を亡くした時よ
りもショックは大きかった。夢の中で元気な母に会い、目覚めて母の不在を知る
・・・そんな日々が今も続いている。知人のおばちゃんが「亡くなった人は帰ら
ないのだから、早く忘れなさい」と忠告する。いや、母は死んでからかえって私
の中で大きくなって生きているような気がする。肉体は消滅しても死者の人格は
決して失われることはない。そんな気がする。通夜の晩、母の遺体にすがって号
泣した私は、それだけ親不孝を重ねた証だったのかも知れない。
「どうせ死ぬのになぜ生きているんですか?」という子供の問いに絶句する
大人がいる。現代教育の限界がここにある。人生に答えはない。
やはりと言うべきなのだろうか。全国で大手の買い占めが問題になっている
。特に建築資材が店頭から姿を消してしまった。大手メーカーが、消費税引き上
げの四月以降の受注のために大量確保に走った結果とみられている。石膏ボード
、サイディングなど外壁材が軒並み消えてしまったため、中には受注倒産する下
請け業者も出るだろうと言われている。ここでも弱い者にしわ寄せが出ている。
節操のない大手のやり口は未だ変わらない。
1997/03/14(金)晴
明日は給料日、明日土曜は銀行が休みなので今日中に現金を引き出さなけれ
ばならない。銀行から決算書の提出を求められている。確定申告が遅々として進
まない今、期限は3日後に迫っている。焦るまいとしても焦る。で、焦りながら
何をしているかと言えば、こうしてホームページの原稿を書いたりしているのだ
。楽しいことだけしていたいが、会計などという楽しくないことが現実には大切
なことになっている。
地元では中堅クラスの会社社長をしている同級生がこぼしていた。銀行に従
業員の給料など資金借り入れ三千万を申し込んだが断られ、他の銀行に頼んでよ
うやく急場を凌いだのだという。「おまえんとこはどうだ?」と言うから「小さ
いだけあって何とか小回りがきいている」と答えた。「リストラだけはしたくな
い」と奴は言っていたが、この厳しい不況下にあっては裏目にでかねない。しか
し、その信念だけは尊敬したい。経営者にとっては過酷な時代であることに変わ
りはない。
3月決算を目前に巷では大手銀行倒産の噂が流れている。倒産するのは政府
&大蔵省が見切りをつけた銀行だ。世界の 銀行格付け情報を提供しているムーディズ によれば、Eランク筆頭に日本債券信用銀行と北海道拓殖銀行などがあげら
れている。これを反映してEランク銀行の株価は急速に降下してきた。仮に大手
銀行のひとつでも倒産すれば、その余波は津波となって全国を襲うだろう。日債
銀(日本債券銀行)の不良債券は13兆円ともいわれ、北海道拓殖銀行共々「5
月危機説」をXデーと囁かれている。考えたくもないことだが、日本の経済基盤
が国民の血税をあてにしなければいつ崩壊しても不思議はない深刻な状況に陥っ
ている。
これまで無人契約機などで急速な売り上げを伸ばしてきたと思われている消
費者金融大手各社も、一年間の個人破産者五万人、破産予備軍百万人余の影響を
受けて崩壊寸前だと言われている。こうしたノンバンクの受け皿ともなってきた
零細企業もその余波で倒産が続出するかも知れない。また逆に、零細企業が不況
のあおりでノンバンクに泣きつくゆえの悪循環が倒産を連鎖的に増加させてしま
う。
ネズミが台所でカサカサ音をたてている。ネズミも生きるに必死なんだな。
我らの血税を湯水のごとく浪費する政府官僚諸氏をドブネズミのような奴らだと
思ってきたが、それではネズミに失礼だと気がついた。
1997/03/13 (木)晴
起きざまにペットボトルの水を飲もうとして、いきなり大五郎の焼酎をがぶ
飲みしてしまった。透明だから分からなかったのね。色をつけてほしい。
頭がクラッとしたところで今朝の新聞「動燃再処理工場で爆発、被ばく者3
5人」の見出しに眼が飛び出した。やっぱりね、そうだったのね、最初はごく微
量な放射能が漏れ、被ばく者は二人で、何ら影響はないなどと発表していた時点
から、もんじゅの事故を連想していたが・・・ひどいもんだ。
昨夜は地元の反原発グループから「アサツユ」なる資料が送られてきたが、
飲み屋で開封したまま忘れてきてしまった。いかんな、なっとらん。こういうだ
らしのない生活を送っているから水と焼酎を間違えてしまうのだ。確定申告の期
限も迫っているしなぁ。こまったもんだ。
昨日の朝刊べた記事「TWA機墜落事故、ミサイル説が再浮上」について、
この墜落事故は当初からテロ説が流布していたが、やがてTWA機の故障説が有
力になっていた。ところが付近で民間人が撮った写真に、偶然ミサイルが飛んで
いる様子が写っていると騒がれたことがあった。
写真を見る 限り確かにミサイルらしきものがTWA機に接近しているように見える。
1997/03/09 (日)晴、風強し
野村証券が元総会屋の親族企業へ利益供与した事件で、大蔵省は営業停止を
含む行政処分に踏み切る方針を発表した。こうした大蔵省の動きに民間金融機関
からは「監督強化の方向にならないか」との懸念が出、大蔵省はラップ・アカン
ト(証券会社に資金運用を任せる制度)の解禁に水を差さないよう配慮すると述
べている。 どうも大蔵省は腰が引けているように思えてならない。六年前にも
野村証券は損失補填が発覚して重鎮らが頭を下げて謝罪したはず。「二度とこの
ような不祥事は繰り返さない」と誓ったあの事件はなんだったのか。我々庶民か
らみれば、これら一連の事件はれっきとした犯罪であり、それ相応の処分を受け
るのはあたりまえだと思うのだが・・・
暴力団や総会屋と癒着しながら、それが当然のように不祥事を繰り返す金融
機関そのものが異常なのだね。米国では刑務所行きが必然のこうした犯罪を、我
が国ではかえって温存させるような甘い処分で済ませてきた。大手金融機関の不
良債権の多くが暴力団と結びついた地上げにあったことを考えれば、その不良債
権がすんなり回収できると思う方が無理なのだ。闇に流れた莫大な資金がどうな
っているのか?その実態を知る時、国民はそれこそ心から震撼せざるを得ない未
来社会が迫っていることに気づく。
野村証券と某暴力団組織による東急電鉄の株価操作疑惑で騒がれた当時、前
後して大物政治屋たちが闇の紳士たちと席を同じくして密会を重ねていたことを
、我々はもう一度思い出してみる必要がある。日本の負債総額510兆円という
途方もない借金を、政府は臆面もなく国民に肩代わりさせようとする今、それで
も日本は平和だと安穏としていられるほど我々は従順化してしまったのだろうか
。
1997/03/08 (土)
今夜NHKテレビで 三浦綾子 原作の「銃口」を観た。まだ原作は読んでいないものの、思わず惹きつけら
れる。教師となった主人公が共産主義者の疑いで憲兵の拷問を受ける。実際に起
こった大戦中の出来事がベースになっているとのこと、権力の恐ろしさが直に伝
わってくる。
原作者の三浦綾子女史はパーキンソン病という難病に苦しみながら「銃口」
を書き上げたという。「信徒の友」というキリスト教関連誌に女史の近況が載っ
ている。
−前略−視力も衰えた私のために、三浦(ご主人)が朗読してくれる。三浦の
朗読はいつもながら楽しい。−中略−彼(前田保成氏)、ぽたぽたと涙を自分の
膝に。あまりにも痩せ細った私の手に、思わず出た涙か。「わたし、まだ死には
しないわよ」と冗談を返したが、彼の熱き心、伝わって只感謝。−中略−しばら
くなかった失禁昨夜また。惨めなり。−中略−「希望は失望に終わることはない
」三浦の好きな聖句を思う。−後略−
クリスチャンでもない私が「信徒の友」なる月刊誌を読むのは、「生かされ
てある日々」という綾子先生の闘病記を読みたいがため。既成の信仰はもたずと
も信仰心はあると思っているが、いかんせん現宗教界の腐敗に対する抵抗の方が
強くなってしまう。女史の小説が純粋な信仰心に裏付けられたものであっても、
人の心を強く揺さぶる感動は宗教の壁を越えたものであろう。
綾子女史を悩ませているパーキンソン病について、現代医学はその原因にア
ルミニウムが関与していることを暗に示唆している。痴呆症の大半を占める
アルツハイマー 病患者の脳にアルミニウムが蓄積されることから、パーキンソン病について
も神経病理学の白木博士らによって調査結果が報告されている。それによるとア
ルミニウム含有量の多い地域に患者もまた多発しているという。アルミニウム犯
人説は現代の医学界でも賛否両論あって確定はできないでいる。
1997/03/07 (金)、晴
今朝の民友新聞に二つ、気になる記事があった。 一つは「
プルサーマル 、本県に全国初導入」というもので、東電社長が、あたかも導入が決定した
かのような発言をしていることが気になった。知事は当初から「安全性について
県民共々検証した上で返答したい」という姿勢を崩さず、それを東電社長は「理
解が得られれば知事は受け入れると判断した」と一歩進んだ考えを述べている。
それも福島第一原発3号炉において2年後には導入予定と、具体的な見解を示し
ている。
この原発こそ先月26日に 第一原発3号機で放射線量が倍増
して大騒ぎした原子炉である。ひび割れ防止のため冷却水に水素を注入して
起こったと報じられた。東電は「建屋内なので外部に影響なし」としていたが、
それでは建屋内で作業する者に影響はないのかどうか?
その一ヶ月前には同じ第一原発3号機の格納容器内での水蒸気漏れが起こっ
ている。こうした老朽化した原子炉にプルサーマルを導入するというのである。
通常の何十倍もの放射能を放つ燃料を、老朽化した原発に用いられる危険性を考
えてほしいものだ。
もう一つはフランスの往年女優 ブリジット・バルドー の回想録について、前夫と息子による名誉毀損裁判。BB(ベベ)こと
バルドーが敗訴 したという。回想録にはかなり辛辣な言葉もあり、さもあらんという感じ。
ひょんなことから撮影所に足を踏み入れた16歳の財閥の小娘が、あれよあれよ
と言う間に全世界のスクリーンに登場して大スターとなり、実家の財閥を凌ぐ稼
ぎを手にしてしまった。 そのバルドーも今では皺だらけの老婆となりつつある
。執拗なカメラマンに激怒するBBの恐ろしい形相がフォーカスされたこともあ
った。若き右翼政治家との往年の恋も取りざたされたが、この人は老いてなお我
が儘な男性遍歴を繰り返すただの醜悪な老人にすぎない。
今夜のテレビでケネディ元米大統領の愛人が紹介される。驚きももの木シリ
ーズで「ケネディの危険な情事。愛したのはナチの女スパイ」とある。マリリン
・モンローしかり、ケネディ一族に対する執拗なマスコミ攻勢は、ケネディ兄弟
暗殺後も執拗に続けられている。あの一連の暗殺は何だったのか?という最大の
謎を隠蔽するかのように・・・一国の大統領が公衆の面前で頭を吹っ飛ばされた
、あの暗殺の背後に見え隠れする巨大な陰謀のこと。映画「JFK」の監督オリ
バー・ストーンも詰めが甘かったようだ。後の作品でニクソン犯人説を臭わすあ
たり、絶望さえ感じる。 昨夜かいま見たパーフェクTV260chの「Dis
tant Voicee Still Lives」(遠い声、静かな暮らし)と
いう88年のイギリス映画が印象に残っている。
くだらない番組が多すぎる。少年タレントが頭を小突きあってふざける様を
笑うほど暇ではなかろう。