どきゅめんと日誌・ログ

2000年10月

2000/10/31、火曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間帯 テレビ局名 タイトル 内容
19:10〜19:30 NHK教育 きょうの健康 「関節の痛みの新治療」
19:30〜20:00 NHK総合 クローズアップ現代 徹底反復・ある公立小の挑戦
19:30〜20:00 NHK教育 にんげんゆうゆう 「朝鮮高校の青春」
20:00〜20:54 テレビ朝日 たけしの万物創世紀 「動物たちの親子愛情物語」
21:15〜22:00 NHK総合 プロジェクトX 「日米逆転!コンビニを作った素人たち」
21:54〜23:09 テレビ朝日 ニュースステーション これが“債権放棄”の実態だ
22:00〜22:45 NHK教育 ETV2000 バーチャルリアリティーの未来(2)ロボットと人間の境
22:54〜23:50 TBSテレビ 筑紫哲也NEWS23 少年法が変わる日に▽ダム底に消える村
22:54〜23:25 日本テレビ ニュース出来事 砂漠が花園に変わる!年に一度の奇跡の瞬間
23:50〜24:00 NHK総合 あすを読む 日朝国交正常化交渉

 解剖学者の養老孟司氏と人間型ロボットに取り組んでいる科学者の川人光男氏の対談「バーチャルリアリティーの未来(2)ロボットと人間の境」は興味深い番組だった。難しい専門用語も話の随所に飛び出してきて困惑するも、その話のプロセスから理解できるようになっていた。彼らの対談の中核は「日々の人間生活において果たしてバーチャルであるかないか?の区別はつけようがないのではないか」と言うことで一致している。現実と思っていたものも、それを認識する過程においては心というフィルターを通している。してみれば人間の心の受け止め方は千差万別であって、個々の感受性によって現実そのものが複雑で多様なバーチャルな世界と化している。(こうして書いている内容も、実は番組の内容を忠実に再現して書いているわけではなく、多分に私の感受性が影響している)・・・そこから人間とロボットの意外な共通点も出てくる。何やら話は現実離れしたSFの世界へと展開していくのだが、そのSFを凌ぐ世界が現実のものとなってきている今、人は新たな心の問題に言及していかねばならないようだ。ここで彼らは悲劇的な未来を暗示させるような予兆を口にしている。導き出された推論と言葉を替えた方がいいかも知れない。つまり、人間の文化史は興亡の歴史でもあり、ために進化してきたのであるが、それが今後の未来では全く異質な、滅ぶことのないモノの文化へと突入していくのだそうだ。これは人類史上初めての体験であり、亡ばない文化といえば聞こえはいいが、その副作用として人間の心が崩壊していくことになるというのだ。それも絶望的なかたちで・・・その予兆は弱年層の凶悪犯罪といったことでもすでに現実のものとなっている。「人を殺してみたかった」という、憎悪や殺意さえも見当たらない無差別殺人もまたバーチャル世界の境が分からなくなったための事件のような気がする。殺す相手は誰でもいい、自分が人を殺したという確かな実感がほしい、そのためだけの殺人はまさしく個人的なバーチャルゲームの延長にある。このことで人類の未来は未曾有の恐怖体験を味わうことになりそうである。有るのでもない無いのでもない、見えない聞こえない、知覚出来ないものの存在が放射能のように浸透して心を崩壊させていく。しかし、それらのことは太古の昔、すでに東洋文明思想の根幹においての先達が教えてきたことではなかったか?漠然とそんな気がするのである。現実という社会もまた人間集団の心の反映ならば、その心に根ざすところの問題は同時に自分の内なる心の問題でもあるはずだ。それらは限られた人間生涯の試練として受け止める覚悟をもつことでしか解決の糸口は見えないような気がしてならない。

2000/10/30、月曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間帯 テレビ局名 タイトル 内容
19:10〜20:00 NHK教育 きょうの健康 「しつこいせき・たん」
19:30〜20:00 NHK教育 にんげんゆうゆう 「在日3世・ルーツ探しの旅」
19:30〜20:00 NHK総合 クローズアップ現代 19未満お断り・サッカーくじ
20:00〜20:45 NHK総合 生きもの地球紀行 アマゾンへアンデスへ空飛ぶ宝石ハチドリ・進化の秘密
21:15〜22:00 NHK総合 柳橋慕情 いちずな恋心
22:00〜23:00 NHK総合 NHKニュース10 中年男性の眠りに異変・ストレスが引き起こす新現代病
22:00〜22:45 NHK教育 ETV2000 「バーチャルリアリティーの未来(1)映画と現実」
22:54〜23:50 TBSテレビ 筑紫哲也NEWS23 北朝鮮発のITビジネスって何だ
23:24〜23:55 日本テレビ ニュース出来事 昼と夜のふたつの顔…彼が祖国に帰れぬ理由
23:50〜24:00 NHK総合 あすを読む 「感染症と国際協力」

ジョルジュ・プージュリ氏死去=「禁じられた遊び」のミシェル少年(時事通信)
 ジョルジュ・プージュリ氏(仏俳優)28日、パリ郊外の病院でがんのため死去、60歳。
 ルネ・クレマン監督が第2次大戦中のフランスを舞台に描いた「禁じられた遊び」(1951年)で、両親を戦争で失った少女ポーレットと友達になる少年のミシェル役を演じた。同映画はスペインのギタリスト、ナルシソ・イエペスの演奏する哀愁を帯びたテーマ曲もあり、世界的な大ヒットとなった。
 映画「禁じられた遊び」において、孤児となった少女ポーレット(ブリジット・フォッセー)がラストシーンで雑踏に少年ミシェルの名を呼び、最後にはママとパパを探し求めながら雑踏に消えていく場面ではいつも泣かされていたものだ。何度観ても感動する名作である。少年ミシェルを演じた子役ジョルジュ・ブージェリも、その後「死刑台のエレベーター」あたりにチンピラ役で出演していたように記憶している。あまり出演作には恵まれなかったようだ。ルネ・クレマン(Rene clement)監督の「禁じられた遊び」(Forbidden Games)という名画でのミシェル少年のイメージは、それを観て感動した世界中の人々の心に焼き付いているはずだ。ポーレットとミシェルの禁じられたミニチュア墓遊びに、大人までもが共感した背景には、1940年6月の戦時下における南フランスの状況がある。6月14日にナチスが北フランスに進攻すると、首都パリからは家財道具を積んだ荷馬車や自動車で南フランスに疎開する人々で行列を成した。映画「禁じられた遊び」も、そんなシーンから始まる。その行列をドイツ軍の戦闘機が機銃掃射し、ポーレットの両親は即死する。まだ死の意味を知らない少女ポーレットは南フランスの田舎へと迷いながら、少年ミシェルと出会うのだ。彼らの無邪気な墓遊びは、それら虫や小動物たち捧げられた十字架と共に、戦争で無惨に殺されていく世界中の犠牲者たちへの鎮魂でもあるかのようだ。戦争は、穢れを知らない子どもの心を通して、さらにその残虐性をくっきりと浮かび上がらせる。そして映画全編に流れるナルシソ・イエペスの奏でるテーマ曲で、観客はさらに心を揺さぶられ、そして涙を流すのだ。その原曲スペイン民謡「愛のロマンス」の歌詞は以下のようなものだ。
 「川のそばに きょうも立てば 青い空が ほほえんでいる。青い空は すぎた日々をみんな 知ってる。川のそばを とおる風は水の声を 運んでくる。水の声は かえらぬ日を耳に ささやく。あれは過ぎた 幼い日よ、ふたりだけで 遊んだ日よ、水車だけが まわりながらそれを 見ていた。水は 雲のように流れ、時は かげのようにうつり、思い出だけが いまも深く胸に とどまる」

2000/10/29、日曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間 テレビ局名 タイトル 内容
17:30〜18:24 TBSテレビ 報道特集 激震長野!田中知事の難題▽定年後に介護ビジネス
18:30〜18:56 テレビ朝日 100人の20世紀 再建!ドゴール
21:00〜21:50 NHK総合 NHKスペシャル 「民族浄化」 ユーゴ・情報戦の内幕
21:00〜21:54 日本テレビ 知ってるつもり!? 「スーパー怪僧!空海弘法大師の神秘宇宙」
23:00〜23:30 テレビ朝日 宇宙船地球号 スコットランド最果ての島の巨石文明
23:30〜24:00 TBSテレビ 世界遺産 「リガ“涙の歴史”の街にフルートが流れる」
24:25〜24:55 日本テレビ ドキュメント'00 雪印は復活するか?感じて酪農家の涙

 地図を元に世界情勢を視覚的に考えてみたい、と思って「世界紛争地図」なるものを作成している。毎日のように報道される国際ニュースも、それが地球上の何処で起きているのか?ということが実感できないからだ。ニュースが実感できないということは、所詮は他人事と思いやすく無関心となる。例えば、カナダで悪性の感染症が多発しているといったニュースがあった場合「なんだ地球の裏側の出来事か」と気にもとめないことが多い。しかし、丸い地球儀で見ればそうした遠いはずのカナダが北極ルートではより日本に近く、感染もまた北極の飛行ルートで短時間に日本に運ばれる可能性を知ることになる。当初アメリカで発生していたO-157が、たちまちのうちに日本で蔓延したように、現代はもはや世界の何処にいようと「対岸の火事」ではいられなくなってきている。インターネットでは尚更であろう。リアルタイムで世界の人と連絡がとれるあまり、つい隣で話しているような錯覚に陥ってしまう。現代社会はこうした距離感が曖昧で、自分の置かれた地理的位置関係さえ分からなくなっているという側面がある。それら位置関係を再認識し、ニュースを共有体感するためにも地図の視覚的効果はあると思う。

2000/10/28、土曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間 テレビ局名 タイトル 内容
20:00〜20:45 NHK教育 未来への教室 サメ研究家ロドニー(1)恐怖の体験談
21:00〜21:54 TBSテレビ 世界・ふしぎ発見! 沖縄の海に眠る海底遺跡に超古代巨石文明
22:00〜23:00 NHK教育 土曜プレミアム 国際共同制作地球白書・第4集・大いなる自然の恵み
23:30〜24:15 NHK教育 サイエンスアイ 放射光・DNA▽古代史の謎を解明

 現在加入中の老舗プロバイダにホームページの表示トラブルのメールを出している。しかし、最初はそれを認めながらも、最終的なメールでは「問題なし」の解答で済ましている。誠意がない対応に無料サーバを探し始め、やっと望みどおりのサーバを見つけてこれを書いている。接続料金を取りながら加入者の苦情を迷惑がる老舗プロバイダと、無料サーバを提供しながら最新の機種でサービスを提供するこの大きな落差・・・頻繁に流れる大型店倒産ニュースに有名老舗の奢りを感じながら、それに類似するインターネット産業のことも考えさせられている。個人のホームページや掲示板などもまた無料サービスの典型的な例であるかも知れない。その多くはよほどのトラブルがない限りそれを読む人々を拒否することはないホームページや、匿名と自由発言を前提として開設している掲示板が大半だ。それでも掲示板では互いに罵倒を浴びせるトラブルが絶えない。そのへん開設者が苦慮するところなのだが、一部の例外をのぞいて、最終的にはやはり「互いに心ある人間同士」ということで治め、治まってきているようだ。リンクも転載も、そうした心ある人間の裁量に任せて「自由に使ってください」という個人ホームページは多い。ここ「どきゅめんと日誌」も基本的にはリンクも転載も自由だ。私のホームページを見て、読んでもらえるだけで嬉しいという、実に単純な私がいるだけである。できるだけ毎日書くようにしている番組表も、少しでも役に立ちたいとする私の想いだけで、夜にテレビを観覧しながら同じ番組を見ているだろうインターネット仲間のことを考えている。出来ることなら、その番組の感想や意見などを掲示板で発展させ、疑問なところは百科事典で調べながらさらに掲示板で提言していくといったことも夢想している。

2000/10/27、金曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間 テレビ局名 タイトル 内容
20:54〜21:48 テレビ朝日 運命のダダダダーン! ▽グレース妃誕生秘話
22:00〜23:00 NHK総合 NHKニュース10 ▽収益金の配分は?サッカーくじ▽O−157検出法
23:00〜24:10 NHK教育 金曜フォーラム 金融新時代を暮らす・ペイオフと私たちの暮らし・貯蓄」
23:30〜23:55 日本テレビ ニュース出来事 洪水がマイカーを襲う
23:50〜24:00 NHK総合 あすを読む 波紋広がる首相官邸

 ファイル管理でディレクトリー名を付けるときにはいつも迷う。どう分類項目を設定すればいいのか?その基準が分からないのだ。人間なら尚更のことだろう。その一例として通信簿をあげるが、私の場合は数学が苦手で2ということもあった。ところが図工だけはけっこう評価されていた。それらをひっくるめて学校では総合評価なるものまで設けている。まだ可能性すら分からない思春期において、生徒を教師が評価することがどれほど残酷か・・・当時の私は知らなかった。それは生徒の可能性を引き出すというのではなく、分類し管理することに他ならない。ファイル管理のディレクトリー仕分けのように、現代社会においては人間評価のレッテル張りで分類されていく。それは管理者にとってはすこぶる好都合であるが、管理される側はそうはいかない。学校での評価が未来まで決定付けるという側面は、私が中卒のまま会社に就職しようとしたことで実感している。中卒という学歴だけで正規の社員としては認められないことが多かった。高校進学が当たり前になっていた時代、その高校生に成り立ての同級生に声をかけたとき、なぜか彼らは知らん振りをして避けていった。わけはすぐ分かった。彼らが真新しいユニフォーム(制服)なのに比べ、私は汚れた作業服だったからだ。たったそれだけのこと・・・いつの日か、高校生が通学する時には私の方から隠れるようになっていた。「中卒だろうが関係ない。今は実力の世の中だ。悔しかったら社長になって彼らを雇って見返してやればいいんだ」と、励ましているつもりの某教師の説教も、私には意味をなさなかった。劣等感が問題だというのではない、劣等感を生み出すような差別意識が問題なのだと、今でも思っている。どうも言葉が足りないので、このことでは誤解を生むようである。
 管理社会においてはエリートのように管理評価をむしろ歓迎する人種もいる。誇らしげなユニフォームに身を包みながら、彼らはそれこそ憧れの的として社会的にも優遇される。しかし、それが人間性の評価とは一致しないことで、人の痛みが分からない、無慈悲な行政がまかり通ることにもなる。非加熱製剤で多くのエイズ患者を出してしまった厚生省の失態も、その悲劇が予想されたことでより悲劇的なのは「人の痛みを知らない」官僚エリートたちの人間性の欠落だろう。それが命に関わってくることだけに、ことは深刻である。弁解に苦慮するだけの彼らは「人の命」を、自分の命として置き換えられないという絶望的な欠陥にも気付こうとはしないようだ。夕方、やっと職務から開放された彼らも焼き鳥の匂いに誘われて、重い鎧を脱ぐようにエリートを証明するユニフォームも脱ぐ場面があることだろう。飲むほどに酔い、心のユニフォームまでもかなぐり剥ぎ取ってしまうだけの本音を出せるまで酔ったときの、その本音のところで話してみたいものだ。インターネットもそんな効力を秘めているような気がしている。掲示板での匿名投稿の是非が問題にされているが、個人的には匿名はユニフォームを脱ぐための特効薬だと思っている。
 してみれば、河上氏のオウム信者(らしい)ユニフォームがどうあれ、インターネット上で彼は少なくともそのユニフォームは着ていなかったはずだ。むしろユニフォームを脱いだことで心の胸襟を開いて表現できたのではないかと・・・勝手に想像している。うむ、この意外な話の脈絡的展開は私の風邪による微熱のせいかも知れない。歯も痛み出して最悪・・・理解不能の点はお許しあれ。

2000/10/26、木曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間 テレビ局名 タイトル 内容
19:10〜19:30 NHK教育 きょうの健康 ストレスとおなか
19:30〜20:00 NHK総合 クローズアップ現代 IT革命が国を変えるインド
19:53〜20:54 フジテレビ アンビリバボー 俳優の佐々木剛の復活物語
21:15〜22:00 NHK総合 にんげんドキュメント 家族支えあう日々
21:54〜23:09 テレビ朝日 ニュースステーション ▽介護保険始まった65歳以上も徴収で
22:00〜22:45 NHK教育 ETV2000 あきらめから希望へ」 高木仁三郎さんが伝えたこと
22:00〜23:00 NHK総合 NHKニュース10 ▽環境ホルモンが子供を襲う・女性科学者の警告
23:24〜23:55 日本テレビ ニュース出来事 天才!?18歳の社長密着…パワーの秘密は何だ
23:50〜24:00 NHK総合 あすを読む 「事故調査のあり方」

 風邪をひいた。だるい・・・倦怠感で目眩をおぼえる。フワフワ漂っている感覚・・・河上氏がオウム信者だと暴露されてから、さらに流言飛語が飛び交い始めたようだ。インターネットが猜疑心を増長させるだけの媒介となるなら、私もホームページを開いている意味がない。今度のターゲットが私になっても不思議はないのだ。私ならいろいろボロも出てくるだろう。意識が朦朧としているのはあながち風邪のためだけではないようだ。とにかく疲れた・・・ゆっくり熟睡して風邪を完治させても、気分の良い朝を迎えられるとは限らない。猜疑心という靄のかかったまま朝を迎えるくらいなら、もう決して目覚めることのない眠りにつきたいものだ。熱にうなされて、今夜必見の番組も全て見逃してしまった・・・私は何のために日誌を書いてきたのか?途切れ途切れにこぼれる想いの断片を拾いながら・・・私の心の自由だけは侵されたくないと、そのことだけに心を絞っている。

2000/10/25、水曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間 テレビ局名 タイトル 内容
19:10〜19:30 NHK教育 きょうの健康 子供のチック症を治す
19:30〜20:00 NHK総合 クローズアップ現代 ▽コメ豊作・価格下落の波紋
21:15〜22:00 NHK総合 その時歴史が動いた 1929年株大暴落▽相場師の錬金術▽ケネディの父の決断
22:00〜22:45 NHK教育 ETV2000 日本の宿題(15)400通のメールから
22:54〜23:25 日本テレビ ニュース出来事 追及!三菱相次ぐ苦情…走行中に恐怖の体験
22:54〜23:50 TBSテレビ 筑紫哲也NEWS23 テレビが変わる(1)TV産業に巨大ないん石?
23:50〜24:00 NHK総合 あすを読む 転機迎えた米朝関係

 「去るものは追わず、来るものは拒まず」・・・これは父の信条でもあった。父を頼って来る者を拒んだことは一度もなかったのではないかと、生前の父を回顧して思っている。いや、例外がひとつだけあった。事業の展開においての岐路に、それまで父を頼ってきた職人たちが反旗を翻した時のことだった。それまで建築分野に限っていた事業に加え、新たに自動車分野に参入した頃のことであった。「こんなとこ、やめちまえ!」と古株の職人が先導して怒号する声を覚えている。父はただ黙っていた。それから数年後に、辞めていった職人が再び父を頼ってきたのだ。「男が一度決意したことは最後まで責任をもて」と、父はその職人を追い返したのである。後にも先にも、父が来るものを拒んだのはその一例だけだったと記憶している。あれから工場が全焼し、何とか立ち直ってこれからという時に父は他界し、まだ二十歳代の若造に過ぎなかった私が急遽会社を引き継ぐ羽目になった。そして今、前代未聞の底なし不景気に建築業界は閑古鳥が鳴き、かつて父が職人たちの反対を押し切って参入した自動車分野で何とか食いつないでいる。あの時、父が「男が一度決意したことは最後まで責任をもて」と言った言葉は、そのまま父の生き方であったと今になって気付くのである。私は、と言えば「去るものも、来るものも、この不景気では問題外」とばかりに、流れるままに流されている糸の切れた凧のように漂っているだけだ。父のような信念はとても持てそうもない。そんな中でも歳月だけはしっかりとした歩みで、確実に父の亡くなった歳に私を導き寄せている。たぶん、私もそう長生きはできないだろうと予測しながらも、長生きしてしまった後で「嘘ついてごめん」などと謝ることも平行して考えている。いつ死んでもいいような覚悟だけはしておきたいのだが・・・おそらくはジタバタして死んでいくだろう自分を認めてしまいたい気持ちもある。

2000/10/24、火曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間 テレビ局名 タイトル 内容
19:10〜19:30 NHK教育 きょうの健康 あせらない夜尿症治療
19:30〜20:00 NHK総合 クローズアップ現代 ノーベル化学賞独創性の秘密
20:00〜20:54 テレビ朝日 たけしの万物創世紀 命を救え!奇跡の翼ヘリコプター
21:15〜22:00 NHK総合 プロジェクトX うまい米が食べたいコシヒカリ・ブランド伝説
22:00〜22:45 NHK教育 ETV2000 日本の宿題(14)自殺する中高年
23:50〜24:00 NHK総合 あすを読む 社会保障有識者会議

 Der Angriffの初代管理人であるところの河上イチロー氏が引退宣言をした。そして隠遁、いや消滅した。私は突然のことに呆然とするだけ・・・河上氏本人はそれ以前に後継者管理人を募集し、着々と退く準備を進めていたわけだが、突発的な消滅を当初から計画していたことになる。引き際の潔い幕引き演出では効果があっただろう。彼の才能を惜しむ投稿が今も続いている。彼の最初の著書『サイバースペースからの挑戦状』では私のホームページも紹介され、インターネットの無限の可能性を感じたものであった。もっとも河上氏の本意は別のところにあったのだが、私は難解なところは省略して単純に可能性だけを抽出して意気込んでいた。私にとって河上氏はインターネットの何もかもが御手本的存在であった。
 同時に彼がオウム真理教の信者であったとか、逮捕も間近だったとかの風評も流れている。しかし仮に彼がオウム真理教と何らかの関係があったにしろ、彼自身の投稿で「河上イチロー逮捕近し!という説が結構ちまたで流れてるらしいし、一部の人は逮捕されろと願ってるらしいです。まあ自分が逮捕されるだけで済むなら逮捕でも仕方ないんですが、問題は、逮捕されるようなことをしていないことなのだ」と言い切っている。私事ながら、約一年前に私は警察に不当に拘束され、あげく微罪を捏造されて指紋を強制的に採取されたことを思い出した。この体験で私は「警察とは犯罪を取り締まるだけではなく、限りなく犯罪者を捏造する権限も内包されている」ことを実感した。折りしもニュースでは次々と警察の不祥事が暴露されている最中でもあった。そういう意味でも河上氏のことが心配されるのだ。いずれにせよ、河上氏がこうした理不尽には決して屈することのない強い意思の持ち主だと信じるがゆえに、あえて彼のサイバースペースからの退陣を受け止めようと思う。それと同時にDer Angriffを通じて我々は「サイバースペースからの挑戦状」の意志もまた確かに受け取った。

2000/10/23、月曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間帯 テレビ局名 タイトル 内容
19:10〜19:30 NHK教育 きょうの健康 子供の心身症を治す
19:30〜20:00 NHK総合 クローズアップ現代 犯罪被害者をどう支援するか
20:00〜20:45 NHK総合 生きもの地球紀行 ライオン、トラ、ヒョウ、究極のネコたち
21:15〜22:00 NHK総合 名作ドラマ 柳橋慕情「忘れえぬ記憶」
22:00〜23:00 NHK総合 NHKニュース10 パパはどこ?フィリピン子供劇団の旅
22:00〜22:45 NHK教育 ETV2000 日本の宿題(13)自殺する中高年
22:54〜23:25 日本テレビ ニュース出来事 女流棋士の闘いに密着…難病を乗り越えて今
23:50〜24:00 NHK総合 あすを読む 「対中国援助見直し」

 以前にも書いた某新興宗教団体のこと・・・・仕事にまで何かと信仰の話を持ち出されて閉口している。「このままでいいのか?」と、仕事から私生活にまで立ち入ってくる。人間革命しかないのだと、一家和楽の信仰を通じて絶対的な幸福を勝ち取ろうと、他人の価値観を度外視して土足で心に踏み入ってくる。とにかく仕事の中にだけは信仰の話は持ち込まないでくれ、そんな再三の願いも無視してしつこく迫ってくる・・・いいかげんにしろ!と怒鳴るに及んで、相手はむしろ喜ぶ始末・・・反対にあえばあうほど福運がつくと洗脳されているのだ。政教分離の声もよそに、現政権に深く浸透した彼らは天下を取ったつもりの傲慢さでさらに他人の心の領域に踏み入ってくる。百人の人間がいれば、それぞれ百の価値観がある。百通りの人生、百通りの意見、百人の個々の命がある。彼らの信仰を拒む自由もあるはずだ。何度言っても聞き入れない、私の幸せを願って毎日題目をあげているのだと・・・ナムミョウホウレンゲキョウの声も高らかに響き渡っている。あぁ、なんと純粋で一途な心であることか!池田某の高笑いが聞こえるようだ。信教の自由もいいだろう、それはそれで認めている。アナタのその誠実さも含めて・・・だからそれを拒める自由も認めて欲しい。ただ、それだけ・・・一昨日「おい、星がきれいだぞ」と、ガラにもないことを言う友人の電話に夜空を眺める。ホントだ・・・何千年、何万光年の星々が、何千年、何万年の過去を映し出して輝いている。あの星に私の過去の命を見ても不思議はない、忘れていた遥かに遠い昔のことを思い出させてくれるようだ。

2000/10/22、日曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間 テレビ局名 タイトル 内容
17:30〜18:24 TBSテレビ 報道特集 自分の細胞から臓器を再生?ヒトの行方
18:56〜19:56 テレビ朝日 スクープ21 原潜沈没あの注射事件の母親▽田中康夫と60男達の反乱
21:00〜21:50 NHK総合 NHKスペシャル 世紀を越えて・IT公開技術の衝撃中国の挑戦TCP/IP
21:00〜22:54 テレビ朝日 日曜洋画劇場 ザ・インターネット」1995年アメリカ
22:00〜23:54 NHK教育 世界名画劇場 セントラル・ステーション」(1998年ブラジル)
23:00〜23:30 テレビ朝日 宇宙船地球号 太古、サハラは水と緑の楽園だった大砂漠が生む奇跡の塩
23:30〜24:00 TBSテレビ 世界遺産 海のシルクロードに栄えた幻の国チャンパ
23:45〜25:27 NHK総合 NHKアーカイブス テレビの青春“公害” 「チッソ株主総会」1970年ほか
24:25〜24:55 日本テレビ ドキュメント'00 密着23時渋谷…クラブ中毒私の居場所

 大学教授の山折哲雄氏は「人が他の動物たちを殺して食べなければ生きていけないように、動物たちもまた人間を殺して食べなければ生きていけなかった古代があったはずだ」として、人間と動物の対等な視点で食物連鎖の実際論を展開している。確かにそうだと、思わず頷いてしまった私だが、してみれば「なぜ人が人を殺してはいけないか?」といった至極単純な質問も意味が深くなってくる。人が人を殺して食べる、といったオゾマシイことも実際に戦争中に起こったことであり、辺見庸氏の「もの食う人々」では日本兵が空腹のあまり南洋の現地人を食したことが記されている。地球にやさしいエコロジーとかの本質も、突き詰めれば「人は空腹になれば共食いもできる」存在だという食物連鎖の厳然とした法則の前では影が薄くなる。人もまた食物連鎖のプロセスの中では喰う喰われるという宿命からは逃れられないのだ。しかしながら、やがて人間はそうした食物連鎖の環から逃れるように、喰う喰われる狩猟社会から、喰われる心配のない農耕社会へと移って行く。ここで人間集団は「人は動物を殺して食べてもいいが、動物が人を殺して食べてはいけない」という、人間中心のおよそ不自然な掟をつくることになる。これが掟として定着すると今度は「人が人を殺して(食べて)はいけない」という倫理観に発展していく。子どもに「なぜ人は人を殺してはいけないのか?」と問われたときにも、現代の大人たちは「それは当たり前だからだ」といった曖昧な答えしかできないだろう。こうした質問に答えるには覚悟が必要かも知れない。動物たちに食べられてしまう覚悟で生きていた古代人を考慮して答えるなら「自分が殺されたくないなら、人間も殺してはいけないのだ」と言うしかないのである。それも「もはや動物たちに食べられる恐怖のなくなった農耕社会において」という大前提があってのことだろう。人と動物たちの対等関係を、人間は一方的に壊してきた「人は動物を食べてもいいが、動物が人を食べてはならない」との不自然な掟は、「喰う喰われる」が「殺す殺される」と同義語となっているにすぎない。せめて現代人は「一方的に人に喰われていく動物たち」への感謝の念を抱きながら、毎日の食事にも慰霊に似た感謝の祈りを捧げてしかるべきだろう。動物たちに喰われる必要のなくなった人間の身勝手な掟のためにも・・・
2000/10/21、土曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間 テレビ局名 タイトル 内容
18:10〜18:45 NHK総合 週刊こどもニュース ノーベル賞白川さんがこどもの質問に答えます
21:00〜21:50 NHK総合 NHKスペシャル 「巨大生物を育てる奇跡の海」
21:00〜21:54 TBSテレビ 世界・ふしぎ発見! 「ミイラ1万体出土!?エジプト今世紀最後の大スクープ」
22:00〜23:00 NHK教育 土曜プレミアム 「国際共同制作・地球白書・第3集・90億人をどう養うか」
23:30〜24:15 NHK教育 サイエンスアイ 「ノーベル賞受賞!白川英樹さんに聞く」

 子どもの頃から私は泣き虫だった。幼い頃は女の子に追いかけられて泣いて帰って来ては母に叱られるという、およそ男らしくない弱虫だった。そんな劣等感を意識してか、小学生の一時期には一転して誰かれかまわず喧嘩を売っては強い男の子を自己演出していた。やがてブルースリーがスクリーンに登場すると、さっそく空手の真似事をしてヌンチャクを振り回し、毎日のようにバーベルで肉体を鍛え上げた。しかし、そんな強さへの憧れと錯覚は、やがて自分の相反する感受性の強さに脆くも崩れ去っていく。きっかけは大手会社の元請社長の自殺だった。大手会社の内部不正を追求して、結果的にそれゆえの陰湿な圧力に屈しての自殺であった。日本刀で割腹自殺したのだ。それを知った日、私は酒を浴びるように飲みながら翌朝まで泣き明かした。私の泣き虫が息を吹き返した瞬間でもあった。やがてその大手会社の社長が贈賄の罪で逮捕されたというニュースが流れた。それで自殺した元請の社長も浮かばれるだろうと思ったのは早計だった。薄ら笑いを浮かべて逮捕された大手会社の社長は、その隠然たる政界との癒着ゆえに返り咲くのだった。かくして巨悪の根源は日本列島の土着構造に深く根をおろして、決して崩壊することなく闇に栄える悪徳の牙城を形成していくのだ。元請社長の自殺の真相を語ったある人物は、語る最中にも震えながら殺されるかも知れないと怯えていた。何なんだろう?・・・この善悪の境目も曖昧な混濁したニッポンという国のありようは・・・そんな一銭にもならぬこと考えて何になるんだ?おまえは気楽でいいよと、心を許したはずの知友から指摘された瞬間にも落ち込むような弱い自分がいる。子どもの頃から私は泣き虫だったが、大人になってからも泣き虫のまま、これでいいはずがないニッポンへの苛立ちも自分への不甲斐なさへと向かってくる。深夜、そんな四面楚歌の中に別の友人から電話があった。元気か?生きてるか?・・・ああ、どうにか生きているよと・・・そのときに薔薇のトンネルの夢想を語りながら、なぜか涙が込み上げてきた。

2000/10/20、金曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間 テレビ局名 タイトル 内容
20:54〜21:48 テレビ朝日 運命のダダダダーン アメリカの鉄鋼王、カーネギーの伝説など
21:54〜23:09 テレビ朝日 ニュースステーション 「絶滅危惧(きぐ)商品」の五回目は、足踏みミシン
22:00〜23:00 NHK総合 NHKニュース10 日産自動車・ゴーン戦略を検証
23:00〜24:10 NHK教育 金曜フォーラム 「水害、地震・都市は災害にどう備えるか」
23:30〜23:55 日本テレビ ニュース出来事 ネットを漂う子供たち
23:50〜24:00 NHK総合 あすを読む 渡り鳥のメッセージ
25:09〜28:09 テレビ朝日 朝まで生テレビ 「世論の関心をテーマに白熱討論!!」

 日本テレビ系列のニュース特集「ネットを漂う子供たち」はインターネット学園とでも言うべきもので、その利便性を売り物にした詐欺商法に近いものであった。入学しても学習サポートは全く受けられず、また教師陣の間にも疑念が噴出して経営陣に抗議、ために全員解雇されるという騒動にまでなっている。番組の中では学園の名を伏せていたが、こうした実情を知らずに入学する被害者が続出するとも考えられることから、ここにそのホームページをリンクすることにした。風の学園高等部風の学園インターネットハイスクール「風」の明日を考える会
 私もかつては通信教育を受けていた者として、こうした詐欺まがいの商法には激しい憤りを感じる。何らかの理由で普通の教育が受けられず、私たちの頃は働きながら学ぶ青少年が殆どであった。それでも学びたいとする向学心は、普通の学校の生徒には決して劣らないものだったと信じている。現代ではその理由が登校拒否などに変わっただけで、やはり向学心は私たちの頃と変わらないと思う。教育を食い物にし、最近では介護制度をビジネスチャンスとしか見ない、心なき時代が蔓延しているようだ。教育の原点というものを考えるとき、私個人はもはや学校教育には頼らない、生涯学習をもって人生を学ぶしかないと思っている。

2000/10/19、木曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
時間 テレビ局名 タイトル 内容
19:10〜19:30 NHK教育 きょうの健康 ぼうこう炎・再発防止
19:30〜20:00 NHK教育 にんげんゆうゆう おたより▽自閉症▽ハイテク福祉
19:53〜20:54 フジテレビ アンビリバボー 手足が動かない実業家と支える妻…涙と奇跡
21:15〜22:00 NHK総合 にんげんドキュメント 91歳のおてんばさん原爆を描く
21:54〜23:09 テレビ朝日 ニュースステーション 高齢化した労働者たちの介護
22:00〜22:45 NHK教育 ETV2000 日本の宿題・脱・公共事業・対論・何を変えるのか

 愛用の自転車が行方不明になって以来、緊急用の折りたたみ自転車が足代わりになっている。その折りたたみ自転車で住宅街の通路を走っているとキンモクセイの甘い香りが漂ってくる。キンモクセイは家々の垣根に植えられていることが多く、オレンジ色の小さな花弁の塊が彩りを添えている。私の家の小さな庭にもそんなキンモクセイの花が三年目にして香りを放ち出した。苗木が成長して、今では私の背丈を越している。出入り口が庭先に近いので、訪問客は玄関に向かうより庭から入ってくることも多い。そんなキンモクセイや紗羅双樹の木々の間を潜り抜けるように人が入ってくるのだが、時折蜘蛛の巣に顔を覆われて小さな悲鳴をあげることもある。黒猫軍団たちは庭からカマキリやコオロギを捕獲しては、居間で玩び、食いちぎって放置する。だから、人は畳に散在する虫たちの死骸を踏みつけそうになりながら歩くことになる。昨夜も子猫がカマキリを玩んでいたので、そっとカマキリを箸で挟んで庭に逃がしてやった。今年はカマキリが多かったようで、至る所で出現しては驚かされたものだ。
 私の家の小さな庭のこと、以前には薔薇の香りが漂うアーチを潜って訪問客がやってくる様子を夢想していた。手入れが大変なので諦めたが、長い薔薇のトンネルを歩くことを今も夢想しつづけている。赤や白の薔薇の甘い香りが通る人の鼻をくすぐり、その向こうには白いドアの玄関がある。実際には荒れ放題の庭を眺めているのだが・・・ひたすら夢想する心の自由な飛躍に浸っている。しかし、時代はやがてそんな夢想も打ち砕くような、権力による国民監視の徹底した管理社会に突入していくことだろう。そのことの危険を今から自覚して、少なくとも問題提起していかないと・・・いつか来た道を歩いてしまっている後悔だけに責苛まれることになるのではないかと。これも試練か、人間の・・・限られた命の制限時間いっぱいに少なくともそのことで心を痛めてきたというプロセスが、いつの日か薔薇の香り漂うトンネルを潜り抜けていく道程に結びついていくことの夢想を信じていたい。

2000/10/18、水曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:30 20:00 NHK総合 クローズアップ現代 ヒトは滅ぶか作家クライトン
21:15 22:00 NHK総合 その時歴史が動いた 津田梅子・英学塾設立
ヘレン・ケラー、ナイチンゲールと交流▽留学の夢
22:00 22:45 NHK教育 ETV2000 日本の宿題・脱・公共事業・ある自治体の破産
21:54 23:09 テレビ朝日 ニュースステーション 介護保険制度が導入されて半年

 近所の機械販売会社がいつの間にか消滅していた。ここには自動販売機があるので、よく缶コーヒーを買いに行っていた。最初はその自動販売機が使用不能となり首を傾げていたが、ある日、自動販売機の撤去と共に会社も無くなっていたのだ。その近くのパチンコ店も今では携帯電話を扱う会社に取って代わり、あちこちで会社を取り壊したサラ地が目立って増えている。それだけ不況の波が深刻だったことを証明しているかのような、荒涼とした光景がいまや至るところで広がってきている。全てがバブル崩壊という宴の後・・・負債総額600兆円を越すといわれるニッポンの末路が、日々の暮らしの中にもじわじわと浸透してきている。
 教育テレビでは「日本の宿題」と題して、こうした事業破産状況をシリーズ化して紹介している。観光産業の破綻にある地方自治体の長は嘆く「それは悔しいですよ。血の気は下がって、目の前が真っ暗になりました。これからどうしようか?どうすればいいのか?それは大変だった。政府は日本のリゾート開発を欧米化なみにしようと旗を振っていた。私どもはそうした国の政策に飛び込んだわけです。金銭的な負担は一切かけないからと、それならいいんじゃないかと・・・それが政府の保証だと思い込んでいた結果が、バブル崩壊と共に破綻した後、デベロッパー撤退などでそうではないことを思い知らされた」・・・つまりそれらの膨大な借金は地方自治体、しいては地方住民の借財となったわけだ。これでは話が違うと、国にも責任があるのではないかと嘆いている。
 バブル経済絶頂期にカネがカネを呼ぶ幻想に浸ってしまったゆえの悲劇としか言いようがない。バブル崩壊とはそうした人間社会の膨らんだ欲望が弾けた結果だとも言える。経済基盤が労働の汗という生産に根ざしたものでない限りにおいては必ずや破綻の憂き目をみることになるという教訓がここにある。むろん勤勉な国民の大半はマネーゲームには目もくれずに生産性を向上してきたはずである。しかし現代の金融システムそのものが生産性向上をして、さらに価格の下落という欠陥を露呈してしまう。雑菌混入で世間を騒がした雪印牛乳問題でも、その背景には大量生産による価格の下落を食い止めるための政策が深く関わっている。牛乳を精製分離して登場した加工乳によって保存性が高められ、価格も一定に保たれてきたという側面もある。ゆえに表示規定も曖昧のままに更に繰り返し使うという、腐らない牛乳に人間の欲望が加味されての雑菌混入事故、いや事件であった。人間の生活に必須な経済活動の基盤には、それら生産に対する労働の価値が付随されない限りこれからも同じ過ちを繰り返すことになるだろう。

2000/10/17、火曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:10 19:30 NHK教育 きょうの健康 あなたも治せる尿失禁
19:30 20:00 NHK教育 にんげんゆうゆう 会社を辞めて父母の介護に生きる男
20:00 20:54 テレビ朝日 たけしの万物創世紀 世界最高!ニッポンの神業
21:15 22:00 NHK総合 プロジェクトX 幻の金堂・ゼロからの挑戦
22:00 22:45 NHK教育 ETV2000 日本の宿題(10)脱公共事業
22:54 23:05 日本テレビ ニュース出来事 少年Aよ!父親の叫び
22:54 23:50 TBSテレビ 筑紫哲也NEWS23 変わらぬ流れを変えろ(10)ダム排砂で海の幸が死んでしまう
富山黒部川の場合

 毎週火曜日は百円均一の日、一週間分の食糧を仕入れる日だ。納豆3パック、玉子1パック、牛乳2パック、ヨーグルト、キャベツ半切り、ダイコン、ジャワカレーのルーなど二千円以内、これを一週間で何とか食いつなぐ。牛乳は黒猫軍団にも飲ませるので、二日間でなくなる。1パックは人肌に温めてヨーグルトと混ぜて魔法瓶に入れておく。すると明日の正午頃には牛乳がヨーグルトになっている。納豆は玉子の黄身と混ぜて、毎日食す。主食はこの前まで玄米だったが、新米が入ったということで胚芽米を食べている。やはり新米はうまい!玄米を食べていたときの癖で、炊飯をする前につい籾殻を取ろうとしてしまう。今夜はカレーにした。具は前の残りジャガイモとタマネギだけのシンプルなものだ。貧乏だからこれで満足するしかないし、空腹となれば何でもうまいものだ。子猫がずいぶんと大きくなって、その分食欲もあるのかひっきりなしに餌をねだってくる。花子と名付けた子猫は母猫と同じ色の毛並みなので時々間違える。判別するには眼の色を見るしかない。母猫は緑色、花子は金色の眼の色をしている。この花子が一番私になついている。私がトイレに向かうときは必ず黒猫軍団たちが後を付いて来る。かわいいものだ。いまも彼らは私の布団の上で寝息を立てている。廊下を走り回らないだけ今夜はゆっくり眠れそうだ。

2000/10/16、月曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:10 19:30 NHK教育 きょうの健康 前立せん肥大症の治療
19:30 20:00 NHK教育 にんげんゆうゆう 介護の達人羽成幸子▽5人をみとる
19:30 20:00 NHK総合 クローズアップ現代 650万本タイヤ回収!賠償は
20:00 20:45 NHK総合 生きもの地球紀行 アフリカ・ケニア山・標高4000メートル謎の巨大植物群
21:15 22:00 NHK総合 柳橋慕情 「悲しみの街角」
22:00 23:00 NHK総合 NHKニュース10 奉仕活動で子供たちは変わるか・教育改革公聴会
22:54 23:25 日本テレビ ニュース出来事 超激戦の舞台裏に潜入!田中康夫に完全密着
23:30 24:00 NHK教育 世界史 「植民化の波」
23:50 24:00 NHK総合 あすを読む 個人情報保護の視点

 十九歳の女流棋士、石橋幸緒さんが日本テレビのドキュメント番組で紹介されていた。彼女は以前にもNHK総合テレビの番組で特集されたので知っていたが、彼女の奇跡的な活躍には驚かされている。未熟児で生まれながら何度も腸閉塞の手術を受けてきた幼年期からの闘病生活が、彼女のその虚弱体質を凌ぐ精神力の強さとなっているようだ。養護学校の生活の中で偶然通った将棋教室がきっかけとなって、以後、小学三年生から将棋に熱中していくことになる。11歳にして女流アマに優勝しながら連勝と共に成長し、やがて念願のプロとなり、そしてついに女流王将の栄冠を勝ち取る。しかし虚弱体質ゆえに対戦中でも体調を崩して病院に運ばれることもあるという。そして最近、女流王将の対戦相手は彼女の師匠、女流二冠の清水市代さんという珍しい組み合わせに世間の注目を浴びている。第22期女流王将戦第一局で清水二冠が勝ち、第二局で幸緒さんが勝って一勝一敗、振り出しに戻りながら第三局で幸緒さんは惜しくも敗退する。かくして女流王将の防衛はならなかったものの、十九歳の若き女流棋士・幸緒さんは意外に晴々とした表情で語る。「勉強不足のところは師匠にぶつかっていくことで吸収できるかなぁと、人生でいえばまだ19手指したばかりで中盤というところ、そういう意味で客観的に見れば面白いと思う」
 病弱というハンディを背負いながら将棋の道を極める勝負師となり、その最高峰を目指す自分自身をさらに客観的に見ている。彼女のその資質はまさに人生の勝負師そのものだ。

2000/10/15、日曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
17:30 18:24 TBSテレビ 報道特集 20周年企画少年法への突風…改正で凶悪犯罪は?
18:56 19:56 テレビ朝日 スクープ21 ▽石原都知事密着
21:00 21:50 NHK総合 NHKスペシャル 世紀を越えて・ロボット・どこまで人間に近づけるのか
21:00 21:54 日本テレビ 知ってるつもり!? 世紀を駆け抜けた女…李香蘭そして山口淑子
23:15 23:45 テレビ朝日 宇宙船地球号 ベニザケはるかなる旅路・アラスカの夏
23:30 24:00 TBSテレビ 世界遺産 幻の日本人町を求めて・古都ホイアン
24:25 25:20 日本テレビ ドキュメント'00 19歳女流棋士・壮絶な十九手目の人生

 現代では社会に適応能力のない人間を排除し、また排除したがる傾向があるようだ。それでは「社会の適応能力」とは何を指して言うのだろうか?まず思い浮かぶのが体制に逆らわない、従順な一般的常識人を指すのだと思う。そういう意味では、私などは全てに外れてしまう。もはや課外授業が高校進学ために常識となっていた受験戦争の時期に、私はテスト用紙を白紙で提出して課外授業をボイコットした。その時の教師の慌てふためいた様子が今も思い出される。通常の授業過程を受けた以外に、なぜ特別な課外授業を受けなければならないのか?それは義務教育の枠組みを逸脱した強制ではないか・・・と、今だから当時の状況を言葉で説明できるが、とにかく私は課外授業を拒否し、同級生を尻目にひとり校舎を後にしたときは爽快だった。その後、父が経営していた会社が全焼し、それこそ私は進学とは無縁の身となった。だから私はその思春期において高校生活がどのようなものであるか理解できないことが多々ある。私が同級生というときには、小学、中学を通じての同級生でしかない。それは、それで良かったか悪かったかといった判断基準では説明のつかない類いのものだ。
 しかし、高校生が「人を殺してみたかった」と殺す相手は誰でもいい無差別殺人を起こした時には、中学よりはレベルの高い教育のはずの高等学校に改めて疑問を抱くようになっている。中学とか高学とかの名称にすら差別を感じる。こんなことを口にすると、周囲からは「人間に学歴は関係ない」というもっともらしい叱咤が返ってくるが、その仕事の内容から給料まで格差がある現状は何ら変わってはいない。まして、高校生活の中で「人を殺してみたい」という考えに至ったプロセスを無視して、いきなり少年法改正で厳しい罰則を設けることで解決しようとする無謀は、もはや論外だと思うしかない。同じ無謀なら、私がずっと考えてきた教育での無謀な提案がある。実に幼稚な提案で恥ずかしいのだが、授業の大半を名作と称されてきた映画で埋め尽くす映画教室の提案である。例えば原爆に恐怖する老人を主人公にした黒澤作品の「生きものの記録」を上映して、原爆の是非や老人の心理描写をみんなで考えていく。こうした人間の生々しいドラマを通じて、少なくとも教育は生きとし生けるものの心の通ったものにしていきたい・・・と夢想している。
2000/10/14、土曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
17:30 18:00 テレビ朝日 ニュースJチャン 中東情勢和平の行方
18:10 18:45 NHK総合 週刊こどもニュース まるごとわかるノーベル賞▽公共事業
20:00 20:45 NHK教育 未来への教室 絵本作家E・カール(1)色の魔法を学ぼう
21:00 21:50 NHK総合 NHKスペシャル 犯罪被害者はなぜ救われないのか
22:00 23:00 NHK教育 土曜プレミアム 地球白書・第2集・巨大都市・未来への選択
23:30 24:15 NHK教育 サイエンスアイ 鳥取県西部地震▽日本の地下で何が起きている?

 日記を書いていて気が付いたことがある。何かを知るということと、考えるということの違いを実感させられるのだ。つまり、知っていても考えていないことを、日記を書きながら自覚したというわけである。当たり前のことだが、その当たり前のことが分からなかったことになる。現代は情報化社会と言われるように、テレビなどのメディアからは洪水のように情報が溢れてくる。このような溢れる情報化社会においては、情報を得るというより捨てていくと言い換えたほうがピッタリする。自分の欲しい情報すら分からない、迷ったときには、とにかく自分に必要のない無駄な情報は捨てるしかない。必要な知識を得たという時点でも理解したことにはならない。学校教育エスケープ組の私は基礎知識さえ乏しいので、辞書は手離せない。頭に入った知識は、さらに紙に書き出して手に覚えさせる。そして個々の情報を線で結び付けていく。さらに百科事典などで時代や人物の背景などを調べる。以前はそんな作業に没頭して読書をしていたものだ。しかし歳月は確実に脳細胞を枯れさせるらしく、つい数分前の出来事も忘れるようになった。細かい文字も目がかすんで判別しにくい。そして何より神経が疲れ、何かを覚えようとする以前に生理的な拒否感が生ずるようになってしまった。こうなると読書も苦痛になる。今ではテレビから流れる音にも拒否感が生じ、消音スイッチを押して画像だけ流していたりする。情報を捨てるというより、閉ざしてしまう。テレビ画面の対話する映像だけを見ていると、その表情が浮き彫りになって、微妙な感情も読み取れることに気付く。さらに映像を切って話す声だけ聞いていると、人が話す内容に一喜一憂している心の動きまでも感じることができる。それら全ての情報を閉ざし、頭の受信機能をオフにするとき・・・はじめて自分の心に向き合うことになる。日記はそんな時間帯にしか書けないような気がする。時間を惜しむ焦りがあるうちにも日記は書けず、ボンヤリした惰性が心に馴染むまで待っている。およそ機能的ではないそんな次元に漂いながら、これを書いている。隣で猫が丸くなって眠っている。

2000/10/13、金曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
20:00 21:48 テレビ朝日 黄金列伝 沈海賊船を発見440億円獲得した美男
22:00 23:00 NHK総合 NHKニュース10 風船爆弾・明かされる終戦秘話
22:00 22:45 NHK教育 地球時間 アフリカ狩りに生きる
23:30 24:35 TBSテレビ 筑紫哲也NEWS23 あす中国・朱鎔基首相が歴史的市民対話へ 
23:50 24:15 日本テレビ ニュース出来事 まだ見ぬ祖国ニッポン
23:50 24:00 NHK総合 あすを読む 修復はかる日中関係

 緊迫してきた中東情勢に、日本マスコミはあいも変わらず特集を組む動きさえ見せていない。せめてテロップを流しても良さそうなものだが、視聴率が最も集中するゴールデンアワーの時間帯にはバラエティー番組が目白押しだ。頻繁にテロップで流されるのは地域の選挙結果報告と地震の震度報告ばかり、流血騒ぎに進展する中東情勢はニュースの短い時間に限られている。国民生活に影響を与えるということでは、確かにリアルタイムに報道される地震情報は必要かもしれない。しかし、一方では盛んにあらゆる面でのグローバル化を煽ってきたマスコミにしてみれば、まずは情報のグローバル化を実践すべきではないか。それは現代はもはや対岸の火事という言葉が死語となり、世界情勢の変動が世界株価や原油価格などの変動とリアルタイムに結びついてくる、ということでもある。いま起こっている中東情勢の悪化が即座に世界株価の急落と原油価格暴騰に現れているという現象も、如実にそれを物語っている。しかも全面戦争の危機が迫っている中東においては、真っ先に国民に知らせるべき緊急情報であり、バラエティ番組で笑わせている場合ではないだろう。1989年9月末に勃発したチベット暴動の際にも、世界のマスコミがこぞってそのニュースをリアルタイムで流していた時点で、日本のマスコミは中国側の報復処置を恐れて沈黙していた。このことの意味は大きい。口汚い言葉を連発しながら頭を小突きあって馬鹿笑いを誘っている馴れ合い番組の最中にも、中東での全面戦争に突入しかねない緊迫した情勢が起きているという・・・この落差でさえ、どうやら日本のマスコミは何も感じていないようである。

2000/10/12、木曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:30 20:00 NHK総合 クローズアップ現代 ▽大宇宙の神秘を探れ立花隆
19:30 20:00 NHK教育 にんげんゆうゆう 「片づけられない女といわれて」
21:54 23:09 テレビ朝日 ニュースステーション これが債権放棄の実態“バブル紳士復活
22:00 23:00 NHK総合 NHKニュース10 ▽あなたの預金が引き出される・印鑑社会の落とし穴
22:54 23:50 TBSテレビ 筑紫哲也NEWS23 朱鎔基首相徹底解剖
23:24 23:55 日本テレビ ニュース出来事 女流棋士の闘いに密着…難病を乗り越えて今
23:50 24:00 NHK総合 あすを読む インターネット銀行

 ラマラでのイスラエル兵リンチ事件でイスラエル軍の報復爆撃が開始され、中東情勢がにわかにキナ臭くなって来た。これらは当然予想されたことであり、報復が報復を呼ぶ悪循環で戦争状態に突入する懸念すら出てきている。イスラエル兵四名が道に迷っての悲劇だと報じられているが、非常事態の最中に比較的命令系統がしっかりしているイスラエル軍が道に迷ったなどとは到底思えない。イスラエル政府は殺害された兵士二名は軍の補充兵だと説明しているが、別の報道では軍の特殊部隊員だとされている。彼らは私服だったことから偵察任務に付いていたものと推定される。いずれにせよこれで水面下で行ってきた和平プロセスの道は閉ざされたことになる。
 秋も深まり、肌寒くなってきたためか黒猫軍団たちが私の布団の中に潜り込むようになってきている。互いに舐めあい喉を鳴らす彼らを見ながら、人間社会で起こる戦争のことを考えつづけている。誰のものでもなかったはずの大地に線引きをし、その所有権を巡って争う人間社会の大いなる矛盾について・・・その最も矛盾に満ちた愚かな戦争を引き起こす人間とは何なのだろうか?と。この世に悪魔という得体の知れない怪物が存在すると仮定するなら、その悪魔は決してホラー映画に登場するような奇怪なものではなく、むしろ見ることも聞くこともできない透明な存在ではないのか・・・それはまるで現代を脅かす電磁波や放射能に酷似する。場所や次元を超越したところで、特に人間の心を支配するためには手段を選ばない、そんな悪魔の本質を思い浮かべている。悪魔性を神聖なるベールで隠蔽する、そうした悪魔の偽善に騙されていく人間の末路を想像するとき、その決定的な闘争は自分の心の内で展開されていくような・・・そんな漠然とした想いに囚われている。 

2000/10/11、水曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:10 19:30 NHK教育 きょうの健康 漢方治療・更年期障害
19:30 20:00 NHK教育 にんげんゆうゆう ▽私忘れ物の名人です▽ADHD
19:30 20:00 NHK総合 クローズアップ現代 街は濁流に沈んだ▽都市水害
21:15 22:00 NHK総合 その時歴史が動いた 源頼朝・弟義経を討つ▽一ノ谷壇ノ浦に勝利
22:00 23:00 NHK総合 NHKニュース10 ▽通帳要りません・あすネット専門銀行スタート
22:54 23:25 日本テレビ ニュース出来事 殺人事件か?自殺か?娘の死のなぞを追って
23:50 24:00 NHK総合 あすを読む 個人情報保護の視点

 資本主義国家ニッポンにあっては人の価値もカネに換算されることは仕方のないことなのだろうか・・・家庭にとって、会社にとって、実質的な利益をもたらさない人間は役立たずとして敬遠されがちである。老人介護、リストラしかり、口にこそ出さないが、ありがた迷惑にされている空気は敬遠される側が敏感に感じ取ってしまう。踏まれる足の痛みは、踏んでいる足には伝わらない。過去は過去だと、それまでの実績は反故にされ、今の役立たずが迷惑がられている。リストラする側とされる側、その相対的な関係もまた矛盾を抱え込んでいる。管理する側される側と言い換えてもいいだろう・・・:現代における人の価値は、自分が管理する側される側のどっち側に属するかが決定的な要因となる。仕事があったうちは仕事で評価されてきたが、仕事がなくなった今はその評価がかえって不利な要因になってしまう。かくしてリストラを敢行することそのものが仕事となる。何も産み出さない、この空虚で閑散とした会社の群れ・・・それを待ってましたとばかりに喰らう巨大な怪物が今日もニュースを賑わしている。その怪物をむしろ救世主とばかりに喜んで喰われる日本大企業経営者たちの嬉しそうな表情を見ながら、日本を支配していたのは、この程度の人物だったのかと・・・絶望感に襲われている。
 庭を眺めればキウイが、花梨の実が、枝も折れんばかりに実っている。その場に植え付けられたら最後、何処にも移動できない彼らでさえ、秋の季節には一年間の結実をもって誇らしげだ。まるで、その果実をおいしそうに食べる人の表情を見たいがために結実するかのように・・・。私はといえば、いずれ徹底した管理社会の数字となって、監視されてゆくだろう人間の末路を思い浮かべている。それでも他人事でいられるのは私にはそれが人生の終わりだと思うからで、いまの子どもたちにとって悲劇なのはそれが始まりだという、そのことの違いだけだ。

2000/10/10、火曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:10 19:30 NHK教育 きょうの健康 漢方・高齢者の抑うつ
19:30 20:00 NHK教育 にんげんゆうゆう 人の心がわからない▽自閉症の謎
19:30 20:00 NHK総合 クローズアップ現代 「“独裁政権”崩壊の内幕」
21:15 22:00 NHK総合 プロジェクトX 史上最大の回収作戦・豊田商事事件
22:00 23:00 NHK総合 NHKニュース10 ▽警察の情報公開・宮城県知事拒否権発動か
22:54 23:50 TBSテレビ 筑紫哲也NEWS23 65歳以上の負担始まる介護保険と在日韓国・朝鮮人

 どうやら私の自転車を盗まれたようだ。この前は他人の自転車が我が家の玄関先に捨ててあった。盗んだ自転車を乗り捨てて行ったもので、派出所に連絡したら持ち主がすぐ取りに来た。そして今度は私の自転車が盗まれたというわけだ。防犯登録をしていればよかった。これで三台目になる。自転車は気軽で便利な乗り物だ。盗む者も気軽に盗んで乗り捨てていく。そういう意味では泥棒にとっても便利な乗り物なのだろう。放置自転車が溢れている現代、自転車を盗む本人も窃盗という罪の意識すらないだろう。誰かが「自転車なんてその辺にいっぱい放置されている。持ち主のいない自転車を失敬してもいいんじゃないか」と笑いながら言っていたが、それでは放置自転車の持ち主の是非はどう判断すればいいのか?という疑問が出てくる。
 ベトナム戦争のドキュメンタリー番組で、兵士が遺体の懐から財布を抜き出して喜んでいるシーンがあった。それも戦争による戦利品の一部なのだろうか・・・アフガンでもコソボでも、戦場ばかりではない空き地や路上に累々たる死体が転がっていた。まるで乗り捨てられた自転車のように・・・その死体からはすでに抜き取られたであろう財布のことを考えてしまう。そこには犠牲者の免許証や身元確認証、そして愛すべき家族の写真もあったことだろう。知人がパチンコをしている間に財布を盗まれたことがあった。やがて現金だけ抜き取られた財布がゴミ捨て場で発見された。泥棒にとっては被害者の家族の写真などはゴミにしかすぎない。彼らは現金だけが目的であって、それは戦死者の懐から財布を盗んで喜んでいる兵士の気持ちと何ら変わらない。
 「自転車なんてその辺にいっぱい放置されている。持ち主のいない自転車を失敬してもいいんじゃないか」という言葉が、戦争においては「死体なんかその辺にいっぱい転がっている。もう使う本人がいないのだから財布を失敬してもいいんじゃないか」ということと同じ意味になるような気がしてならない。自転車は、それが置かれた場所から数十メートル動かされただけで行方不明になる場合が多い。繁華街に置いた私の場合は、それを探すのでさえ困難になる。それでも探しつづけている理由は、それが私の足であり、生活には欠かせないからだ。他人には分からない工夫も凝らしてあるので、私にはひと目で自分のものと判断がつくようになっている。今夜も散歩がてら、行方不明の足を探すことにしている。

2000/10/09、月曜
体育の日
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:10 19:30 NHK教育 きょうの健康 漢方治療の向き不向き
19:30 20:00 NHK教育 にんげんゆうゆう ようこそ自閉の世界へ驚異の感覚
21:54 23:09 テレビ朝日 ニュースステーション 脳死移植13年のタイ…臓器が金で?
22:00 22:45 NHK教育 ETV2000 日本の宿題(5)教育改革
22:54 23:25 日本テレビ ニュース出来事 遺伝子に傷がついた!?史上最低の作戦の結末
22:54 23:50 TBSテレビ 筑紫哲也NEWS23 ごみ処分場拡張にNO住民vs都が強制収用へ
23:30 24:00 NHK教育 世界史 「近世インド」

 アメリカはベトナム戦争(1961-1975)においてゲリラ撲滅のために枯葉剤作戦を敢行した。この時、猛毒ダイオキシンが1971年までに約7200万リットル散布されたという。タイニン省ではそのために障害のある子どもが次々と生まれている。戦後世代の若い夫婦が枯葉剤を浴びたことはないが、その親たちが戦争中に枯葉剤を浴びていた・・・つまり、ダイオキシンは世代を追うごとに体内に蓄積されていたわけである。枯葉剤を現地で調査してきた原田正純博士は「親の染色体や遺伝子にダイオキシンが影響、次世代に異常が現れる可能性がある」と言う。しかしアメリカは障害児と枯葉剤の因果関係は認めていない。障害児をもつ若い両親は語る。「誰が助けてくれなくても夫婦でこの子は守る。この子の苦しみを受け止め、死ぬまで私たちが面倒をみていく」と・・・【ニュース出来事「25年目の悲劇」より要約抜粋】
 ベトナムにおける障害児出産の多発は明らかに枯葉剤作戦によるものであり、猛毒ダイオキシンを散布したアメリカの責任は免れないところだろう。枯葉剤作戦はそれが敢行される以前に、軍中枢部の作戦会議によってもダイオキシンの影響などは承知していたはずだ。またアメリカ政府も軍の作戦に許可を下した責任がある。そういう意味でもベトナム戦争はまだ終わっていない。これら戦争の記憶は歳月と共に薄れていくが、その魔性は逆に次代を重ねるごとに戦争とは無関係な子どもたちの命に蓄積されていく。我が子のために栄養を凝縮して与える母乳が、かえってダイオキシンをも濃縮してしまうという・・・母親の性がここではあまりに悲しい。戦争を教訓としない愚かさは、また戦争を繰り返すことを意味するだけだ。そのことを、枯葉剤作戦の被害者であるところの子どもたちを直視しながら考えてみたい。形が意味を持たなくなるくらいに、彼らの天使のような心を凝視できるまで。
【枯葉剤作戦、25年目の悲劇】

2000/10/08、日曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
10:00 11:45 テレビ朝日 サンデープロジェクト ダイエー社長に不祥事インサイダー疑惑
17:30 18:24 TBSテレビ 報道特集 政治と談合▽警察情報公開
19:58 21:54 日本テレビ 特命リサーチ2000X 今夜UFO目撃ポルターガイスト現象超古代遺跡
22:50 23:00 NHK総合 オトナの試験 司法修習生
23:30 24:00 テレビ朝日 宇宙船地球号 氷河と火山の国アイスランド地の裂け目
23:45 24:15 TBSテレビ 世界遺産 岩壁に刻まれた五万体の石仏の美大足石刻
24:55 25:25 日本テレビ ドキュメント'00 誤認逮捕…防犯カメラの顔はお前だ!

 日本テレビの特命リサーチ2000Xは毎度ながらあまりマスコミが触れようとしない謎に科学のメスを入れるという触れ込みで、今回はUFOと電磁波の関係について独自の見解を披露していた。電磁波についてはすでにHAARPを特集していたが、どれもこれも詰めの甘さが気になっている。視聴者に納得のいくような解説を心がけるあまり、それぞれを関連付けて総体的な全体像を浮かび上がらせるといった配慮に欠けているようだ。電磁波を扱うなら、避けて通れない一例としてオーストラリアでの怪光現象を取り上げるべきだろう。あそこで軍部が行っている壮大な実験のことは、これまで住民が幾度となく目撃している「夜景を瞬間的に照らし出す怪光」によっても明らかなことである。オーム真理教の科学班がニコラ・テスラ関連でわざわざオーストラリアまで出かけていた理由もそこにある。信じられないことは、それが事実であっても信じようとしないという大衆心理によっても、軍部の新兵器開発は機密事項としてこれからも隠蔽され続けていく事になる。それらの常軌を逸した兵器が人類の命を脅かすという悲劇にまで高められない限り・・・気付かない、いや気付こうとしない。日本に投下された核爆弾のように「悲劇は二度と繰り返さない」はずが、平和利用という偽善のもとに再び繰り返すであろう悲劇の予兆が垣間見えてくる。
 テレビ番組特命リサーチでは唯一「電磁波による脳への影響」が興味深かった。ローレシアン大学脳神経学部のマイケル・パーシンガー博士は言う。「脳の中でも側頭葉では磁気による影響を受けやすい。この側頭葉が磁気刺激によって活性化すると、意識とは無関係に過去の記憶の回帰がリアルな幻覚を伴って起きる」・・・こうした現象は臨死体験を研究している医学者によっても報告されており、死期を間近にした人間の側頭葉が臨死体験という現象を引き起こすのではないか、と言われている。磁気が側頭葉に何らかの影響を与えるといったこれらの報告で気になるのは携帯電話であろう。まさに携帯電話は側頭葉に磁気を押し当てているようなものだ・・・これが悪用されたらと、考えたくもない仮説をたてるとき、アニメの点滅光によって泡を吹いて卒倒した子どもたちのことを思い出してしまう。あの時、イギリスのアニメ関係者は「ある種のサイクルで繰り返される光の点滅は禁止されているはずだ」と証言した。これら波長による人体への悪影響は軍部の研究対象でもあり、おそらくはその筋からの警告でもあったろう。それを日本のアニメ関係者が知らされていなかっただけのことだ。
 姿も見えず、匂いも音もしない透明な殺人鬼が忍び寄る・・・放射能しかり、電磁波しかり、これまでの度肝を抜くようなどんなホラー映画でもかなわない現代の恐怖が身近に迫ってきている。「プルトニウムは飲んでも安全なんだよ」と子どもたちにアニメで洗脳しようとしてきた為政者たちの存在に、我々はそれらを容認するほど寛大であり続けることが出来るのだろうか?

2000/10/07、土曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
17:30 18:00 テレビ朝日 ニュースJチャン 鳥取西部地震続報ほか
21:00 21:50 NHK総合 NHKスペシャル 地下大水脈に挑む
21:30 22:00 NHK教育 21世紀ビジネス塾 社員の能力を生かす人事システム
22:00 23:00 NHK教育 土曜プレミアム 地球白書・第1集・大量消費との決別
23:30 24:15 NHK教育 サイエンスアイ ニホンザルが消える!?

 パレスチナの流血騒ぎで中東情勢がにわかにきな臭くなっている。友人がそのことで心配して電話してきた。「ドカンと戦争でもおっぱじまればいい、なんて言うとオマエにまた怒られるかも知れんが、なんか中東あたり危なくないか?」・・・沈静化するには難しくなった、と言ったほうがいいかも・・・戦争は人が起こす。人の心が戦争を起こす、そのことをずっと考えてきた。その戦争を利用する権力者も存在するが、それ以前に復讐が復讐を呼ぶといった絶え間ない憎悪の悪循環が戦争を呼び寄せていく。悪賢い権力者はそれら悪魔の法則を熟知しているがゆえの戦争だと・・・人の心が、憎悪の念が戦争を引き起こすのであれば、まずは自分の内なる戦争を終結させねばならなくなる。次々と沸き起こる自分の内なる憎悪に辟易しながらも、怨念という悪意にまで昇華させることだけは避けていきたいと・・・自己矛盾に満ちた内なる戦争に足踏みしている。せめて憎悪は泡のようなものだと、瞬間的に沸き起こっては弾けて消滅する憎悪をイメージしては自分を納得させている。そういう意味では何とも危うい心である。全世界に流れたガザ地区での銃殺された少年の映像は、その少年の命を自分と置き換えたときに、少しでも心の悲鳴も聞こえてくるのだろう。あの少年は私だと、あなたの命そのものだと・・・真の平和はそうした心の痛みを共有することでしか完結しないのではないか。自分に向けられた銃口の、その銃弾が解き放たれたときの身震いをするまでの恐怖を・・・銃弾を放つ相手ではなく、戦争だから仕方がないと納得させてしまっている心という、内なる戦争への絶え間なき追求を通じて・・・常に戦争だけは憎悪していたい。

2000/10/06、金曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:30 20:00 NHK教育 きらっといきる いっしょに暮らせば、“ワン”ダフル
22:00 22:45 NHK教育 地球時間 ヒトラーの側近たち2ボルマン・総統の影
23:10 24:10 NHK教育 金曜フォーラム 「食糧と農業・21世紀への挑戦」
23:30 24:35 TBSテレビ 筑紫哲也NEWS23 “壁を破れ”司法改革に動く法曹の卵たち
23:50 24:00 NHK総合 あすを読む 対中国ODA見直し
24:05 24:30 日本テレビ ニュース出来事 日本を知らない日本人

 夕暮れに家路に帰る人々の安堵の心を映しているかのような夕焼け、私にとっては一抹の寂しささえ感じるような夕焼けでしかない・・・帰るべき故郷を失った迷い子のように・・・夕焼け空に親の面影を探し求めている。黒澤作品「生きる」においては末期癌の主人公が路上で立止まり「ああ、美しい」と夕焼けを見上げながら溜息をつく・・・「空がこんなに美しいものだったとは気付かなかった」と・・・人生の黄昏には心も夕陽のように燃え、そして尽きるかのような凝縮された時間を感じさせるようだ。やはり末期癌だった母が、目覚めるたびに自分が生きていることを自覚してきたように・・・
 友人から電話あり「写生に行こう」と誘われる。夕暮れの町並みを写生したいのだと言う。ちょうど私も同じようなことを考えていたので驚いた。しかし、夕暮れは写生するには難しい時間帯でもある。たちまちに暮れゆく風景をスケッチブックに写し取る作業は時間との闘いになるだろう。折りしも私は写真現像を始めようとしていたので、写生にはカメラを併用使用することにした。カラー写真が当たり前になっている今、モノクロフィルムは手に入れるのでさえ難しくなっている。フィルムと印画紙それぞれ専用の現像液、定着液などはすでに注文しておいた。それらは明日には入荷する。
 夕暮れに行き交う人と車の交差は交通事故の多発する魔の時間帯でもある。ヘッドライトと夕焼け空の光の交差に人影のシルエットが溶け込んで見えなくなる・・・松本清張の、ヘッドライトを利用した推理小説を思い出した。対抗してくるライトに目が眩んでいる人間には、そのライトの背後でバットを振りかざす者を見分けることは出来ない。もうずっと前のことになるが、近所の商店主が車にはねられて即死するという事故があった。運転手が朝日に目が眩んでの悲惨な事故だった。その後、残された奥さんが店を切り盛りしてきたが、進出してきた大型店に客を奪われながらも何とか店をやっている。いまやその大型店もバブル崩壊の煽りで莫大な負債を抱えているという。思えばバブル崩壊というのも欲に目の眩んだゆえの人間社会の末路現象かも知れない。

2000/10/05、木曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:10 19:30 NHK教育 きょうの健康 進化する人間ドック
19:30 20:00 NHK総合 クローズアップ現代 ▽朱鎔基首相・日中を語る
21:15 22:00 NHK総合 にんげんドキュメント 私たちからの招待状・薬害エイズを乗り越えて
21:54 23:09 テレビ朝日 ニュースステーション オランダの安楽死を完全合法化する法案
22:00 22:45 NHK教育 ETV2000 日本の宿題(4)そごう倒産・不良債権処理の10年
23:09 24:05 TBSテレビ 筑紫哲也NEWS23 少年法改正(3)犯罪少年と被害者が向き合う心
23:24 23:55 日本テレビ ニュース出来事 ビルにろう城1年間!リストラで怒りが爆発
23:50 24:00 NHK総合 あすを読む 新エネルギーへ一歩

 今夜のテレビ番組「日本の宿題(4)そごう倒産・不良債権処理の10年」での出演者が、最後にそれぞれの日本の宿題に応えている。弁護士で元住宅金融債権管理機構社長の中坊公平氏は「理念先行型」として「太陽が天高くから地上を照らすように、人間の理念を高く掲げた解決策が不可欠だ」と言う。これに呼応するように経済評論家の内橋克人氏も「生存条件・優位社会へ」と題して「会社が潰れても人間は生き残れるような、人間主体の社会制度を構築すべし」としている。二人とも国民の生活を基盤にした制度の在りようを提示しているのに対して、早稲田大学教授・元大蔵省銀行局長の西村正吉氏は「三重の重荷からの脱却」と題してバブルの後始末、人口の増加から一転しての人口減少傾向、加えてグローバル化という三つの難問を同時解決しなければならない時代に突入したことを強調している。
 いずれも尤もな宿題の解答であるが、日本の深刻な経済破綻という現実に直面しての提案にしてはいささか甘い認識ではないのか・・・庶民の側に立っているかのように思える中坊、内橋両氏にしても「人間生存の理念」でもって解決できるようなものではなかろう。トップの責任すら裁くことのできない、むしろ食い逃げされている現状において、まずは経済犯罪としての彼らトップの責任を問うべきだろう。アメリカにおいてはトップの個人資産の没収と刑務所収監という重い刑罰がかけられてきている。それが日本で出来ないということは、今も政財官界の利権構図という癒着ぶりを露呈していることに他ならない。そんな渦中にいた元大蔵省銀行局長の西村正吉氏が番組の中で曖昧な答弁しかできないのも当たり前である。債権放棄の申請を出している大企業が、そのまま政治献金をつづけていたという例でも分かるように、彼らに人間の理念は通用しない。

2000/10/04、水曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:10 19:30 NHK教育 きょうの健康 よく分かる人間ドック
19:30 20:00 NHK総合 クローズアップ現代 王者はだれビジネスゲーム
20:00 20:45 NHK総合 ためしてガッテン 寝たきり予防!中高年からの筋トレ術
21:15 22:00 NHK総合 その時歴史が動いた 関ケ原合戦、徳川家康突撃の時
22:00 23:00 NHK総合 NHKニュース10 ▽“ぼったくり”ご用心・初の条例その効果は
22:00 22:45 NHK教育 ETV2000 日本の宿題(3)そごう倒産・不良債権処理の10年
23:24 23:55 日本テレビ ニュース出来事 少年が家を出た理由…路上で暮らす子ども達
23:50 24:00 NHK総合 あすを読む 流血のパレスチナ

 ネパールのカトマンズ、その主要観光名所ダルバル広場の旧王宮跡には夜になるとストリート・チルドレンが集まってくる。彼らはここを根城にしてゴミ拾いをしながら生活している。極端な貧困ゆえに親に捨てられ、または食べていくためには家出をしなければならないほど彼らは逼迫している。少女たちはサーカスに売られ、多くの子どもたちは児童労働者として働きながら路上生活を強いられている。ゴミ拾いでわずかなその日の糧を得ながら、それでも必死に生きている彼らを通して現代社会の歪みが見え隠れする。【参照・ニュース出来事「少年が家を出た理由…路上で暮らす子ども達」より要約抜粋】
 フィリピンのスモーキー・バレーと呼ばれる廃棄物場で大人たちに混じってゴミ拾いをする子どもたちなど、いまアジアでは貧困の犠牲者となって働く悲惨な子どもたちの現状が至る所で見られるようになっている。口減らしのために子どもたちを捨てる、売るといったことが日常的となっている背景には、日本医療援助による延命効果などの爆発的な人口増加も起因するという皮肉な現状がある。病気などで命を落とすことがなくなった反面、今度はその助かった命を維持するための生活苦に喘いでいるというわけだ。むろん日本の支援は医療に留まらず、経済援助も行っているのだが、それらは国家間レベルの悪しき収賄慣習の闇に消えていってしまう。「そこまでは面倒みきれない」とする日本政府の溜息が聞こえるようだが、その経済援助を最も必要とされるところまで届いているのか?という追跡調査も必要だろう。
 長寿と人口増加が決して国の発展に結びつかない、むしろ更なる貧困を招くのであれば、当然のことながら援助のあり方も根本から見直す必要に迫られる。国連世界食糧会議は「世界の飢えた人々に」とのスローガンの元で援助をしてきたが、実際には「世界の飢えた人々に」ではなく「権力に飢えた人々に」利益をもたらすための援助であったことを我々は知らされていない。こうした大いなる欺瞞に騙されながら、我らの税金が援助という美名の名のもとに「世界の飢えた人々に」使われていると錯覚させられてきた。そのことの再確認と是正がなければストリート・チルドレンは更に増えつづけることだろう。

2000/10/03、火曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:10 19:30 NHK教育 きょうの健康 人間ドック・検査値
19:30 20:00 NHK総合 クローズアップ現代 有機の野菜・コメが消える
21:15 22:00 NHK総合 プロジェクトX 悪から金を取り戻せ・豊田商事事件
22:00 23:00 NHK総合 NHKニュース10 ▽景気回復は見えてきたか?注目IT投資
23:00 23:30 NHK教育 NHK人間講座 「戦争のない世紀のために」
23:50 24:00 NHK総合 あすを読む 「緊迫のユーゴ情勢」
24:15 25:10 NHK総合 Nスペ[再] 「いのちの法話」(芸術祭参加作品)

 シドニーオリンピックも終わり、金メダルの栄誉に輝く選手たちが誇らしげにテレビのインタービューに応えている。人より高く、速く、絶え間ない鍛錬によって記録に挑戦してきた彼らは、その成果を日の丸と共に発揮し終えて国民の賞賛を一身に浴びている。私はといえば、そのオリンピック期間中の殆どの競技を見てはいなかった。どうも私は子どもの頃から競いあうことが嫌いだったようだ。小学生の運動会における障害物競走で、私はトップを走行しながら網をくぐる場面で何故か立止まったそうなのだ。私はとっくに忘れていたが、母がことあるごとにその時のことを話したものだった。「おまえは一等賞をもらえるはずだったのに、急に止まって後からくる者をただ眺めていたんだ」と悔しそうに話すのである。その時の私の言い訳は「ボクは一生懸命走ったんだ。けど、後ろから来る同級生も一生懸命だったんだ」とのことだった。中学校でのマラソンでも私は出来るだけ力を抜いて走っていたようだ。教師が立っている場所だけは一生懸命走っている振りをするが、あとは殆ど歩いていたりしていた。そんな仲間もけっこういるもので「バカらしくてやってられねえよ、なぁ」などと肩を組んで歩いていた。ゴール近くなるとまた走っている振りをして「おい、一緒にゴールするぞ」と合図を送る。さすがにオリンピックの選手団にはこのような者は皆無のようだ。ただ、オリンピックの初期の頃には近道を通ったりした例もあるそうだ。国の威信をかけて必死の奮闘をする選手たち・・・一生懸命やっても負けることもある。人生というかけっこにも、私はだいぶ遅れをとっているようだ。始末の悪いことに、この人生競技にはゴールが見えない。急ぐことはない、ちょっと脇道に反れて寝転がっていてもいいんだと、自分に言い聞かせてしまう私は人生の敗北者なのかも知れない。生き急ぎ、死に急ぐ必要はどこにもない。ときに訳もなく焦ることもあるけれど、そんな時には何に焦っているのか?と自問することにしている。見えないゴールなど探す必要もない。人生というゲームでは、黙っていても向こうからゴールがやってくるはずだ。死神というゴールが「ゲームオーバー」を告げに来てくれる。ご苦労なことです。

2000/10/02、月曜
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
19:10 19:30 NHK教育 きょうの健康 よく分かる人間ドック
19:30 20:00 NHK教育 にんげんゆうゆう ハイテク車いすで走ったマラソン
22:00 23:00 NHK総合 NHKニュース10 ▽通信サービスは変わるか?新会社KDDI
22:00 22:45 NHK教育 ETV2000 日本の宿題(1)雪印食中毒事件
23:30 24:00 NHK教育 世界史 「大英帝国」
23:50 24:00 NHK総合 あすを読む 少年法厳罰化の岐路

 南米のブラジル、ボリビア、パラグアイの三カ国にまたがる大湿原パンタナールは、大規模な牧場であったところが牛肉の値下がりで経営不振に陥り、エコロッジに経営転換したゆえに自然が守られるという皮肉な運命を辿ってきた。絶滅寸前だったスミレコンゴウインコなども戻り、世界中から観光客がやってくるという。ところが今年は乾期に大豪雨がパンタナールを襲い、一週間も降り続いた豪雨で野性動物にも大打撃となった。大雨と共にやってきた南極からの冷たい風と、大雨で水浸しとなった湿原のために、野鳥たちが子育てを放棄して飛んでいってしまう。餌が取れないのである。親鳥から捨てられた雛鳥たちは、それを狙うカラカラという猛禽鳥のために命を脅かされる。次々と空腹のために弱っていく雛鳥たち、それを襲って食いちぎるカラカラ・・・自然の掟とはいえ目を覆いたくなるような光景である。だがその猛禽鳥カラカラも子育てのために必死に生きている・・・大自然における生と死のバランスは時として残酷を伴いながらも保たれていく。【宇宙船地球号「パンタナール壮絶な闘い」より要約抜粋】
 カネ欲しさのための犯罪のニュースが毎日のように流れる現代、我が子に保険をかけて殺してしまうような自然の掟では考えられない事件も起きている。人間社会はもはや自然からは遥に遊離しているゆえに、パンタナール湿原の大自然の掟のような生と死のバランスは保てないのだろう。野良猫でさえ親子が体を舐めあい、互いにスキンシップをしているというのに・・・最近では握手するのでさえ嫌がる潔癖症が増えてきているようだ。今夜も黒猫軍団たちは私の布団の上で体を寄せ合って眠っている。私はそんな彼らをそっと抱き寄せながら、彼らの温もりを感じている。

2000/10/01、日曜
シドニーオリンピック閉会式
 私的録画&ウラ番組視聴(順不同)
開始時 終了時 テレビ局名 タイトル 内容
17:30 18:24 TBSテレビ 報道特集 不登校を救えるか?教育の未来
17:55 20:00 NHK総合 シドニーオリンピック 閉会式
18:30 18:56 テレビ朝日 100人の20世紀 粛清スターリン
21:00 21:50 NHK総合 NHKスペシャル 北極圏700キロを歩く冒険家・大場満郎
23:10 23:35 NHK総合 新アジア ▽介護の心を届けたい・バンコク
23:30 24:00 テレビ朝日 宇宙船地球号 パンタナール壮絶な闘い
24:55 25:25 日本テレビ ドキュメント'00 母乳の落とし穴…ビタミンK欠乏症

 ここ数日、地元周辺を自転車で周遊している。足を鍛える意味もあるが、何より気分転換をしたい気持ちが大きい。読みきれない本に埋まりながら、ついつい頭でっかちになっている自分に気付くことがある。眼も悪くなってきているし、虫メガネが手離せなくなった。活字を追うだけで疲れてしまい、ために集中力がなくなっている。本を読んでも考えていない、内容を把握できない・・・それで、外気に触れながら思考力を回復したいと思った。
 自転車に乗るたびに思うことは、もはや道は人が歩くためではなくなった、ということである。道路から人を追いやってしまう自動車が、それこそ我が物顔に往来する様子は珍しくもなくなってきている。ちょっと先が詰まっただけでクラクションを鳴らす運転手たち、そんなに急いで何処に行く・・・まるで死に急ぐかのようにスピードを出して行き交う車に、人々は道を譲りながら歩いている。そんな光景に腹が立ってきたので、道の真ん中を自転車で走らせてみたくなった。細い路地を窮屈そうに向かってくる車と睨めっこしながら、一歩も譲るまいと押し通して車をバックさせたりしていたが、バカらしくなってやめた。
 この道はいつか来た道・・・かつて通ったことのある道の風景も日々様変わりしていた。空き地が多くなっているのだ。不景気がこんなところにまで忍び寄ってきている。日曜だというのに子どもたちの遊ぶ姿も見られない。おそらく家の中でテレビゲームに夢中になっているのだろう。私が子どもの頃は遊び道具こそ少なかったが、日暮れまで外で駈けずり回っていたものだ。腹がペコペコになるまで遊び、母に味噌を絡めたオニギリを作ってもらったりしていた。空腹のときには何でもうまかった。今では食べ物に不自由することはないが、その分、子どもたちの心の飢えが蔓延しているようだ。どんなにリアルなゲームでも、外で遊ぶという体感ゲームにはかなわない。一歩外に出れば究極の3DCGが広がり、五感を満足させてくれる缶蹴りなどのゲームができるはずだ。そのために裏の路地裏ぐらいは車両通行禁止にして、子どもたちの遊び場として開放してやってもいいのではないか。道は人が歩くためのものとして、自動車を締め出しても良さそうに思えるのだが・・・