★バリ同時テロ、JI幹部アズハリ容疑者首謀と断定
【ジャカルタ=黒瀬悦成】インドネシア東部の国際的リゾート地バリ島で22人が死亡した同時爆弾テロで、当地の治安筋は6日、本紙に対し、警察当局が東南アジアのテロ組織ジェマア・イスラミア(JI)上級幹部の爆弾製造専門家、「ドクター・アズハリ」ことアズハリ・ビン・フシン容疑者を事件の首謀者と断定、同容疑者の行方を全力で追っていることを明らかにした。
アズハリ容疑者はマレーシア出身。2002年10月に202人が死亡したバリ島爆弾テロを首謀したとして国際指名手配された。03年8月のジャカルタの米系高級ホテル爆破テロ、04年9月の在インドネシア豪州大使館前爆破テロも主導したと見られ、治安関係者から「インドネシアで最も危険な男」と呼ばれている。
治安筋によれば04年11月、警察当局が西ジャワ州スカブミ県のアズハリ容疑者の隠れ家を急襲したところ、今回のテロで使われたのと全く同じ構造を持つ自爆テロ用の爆弾が4個発見された。爆弾はリュックに仕込まれ、起爆装置に9ボルトの電池を使用。殺傷力を高めるため、爆弾には多数のボール・ベアリングが充てんされていた。
さらに、同月、西ジャワ州の避暑地ボゴールで豪州大使館前テロに関与したとして死刑判決を受けたイワン・ダルマワン・ムト(通称ロイス)被告ら4人が、体に自爆テロ装置を着用した状態で逮捕されている。ロイス被告はアズハリ容疑者の側近的存在で、スカブミ県周辺ではアズハリ容疑者の指導で爆弾製造の訓練も行われていたことから、警察は、今回のテロが約1年をかけて周到に準備されたものとみている。
治安筋は「アズハリ容疑者は依然として複数の爆弾を所持し、他の場所でスカウトした自爆テロ要員を擁している」と警告した。
(読売新聞)
【ジャカルタ=黒瀬悦成】インドネシア・バリ島の同時爆弾テロが、テロ組織ジェマア・イスラミア(JI)幹部らが新たに結成した自爆テロ専門部隊により実行された可能性が高いことが7日、分かった。
当地のイスラム過激派筋が本紙に明らかにした。
★バリ同時テロ、JI自爆専門部隊の犯行か
自爆テロ部隊はなお20人以上の構成員を擁しているとされ、新たな自爆テロへの懸念が強まっている。
過激派筋によると、新たなテロ部隊の名称は「タイファ・ムカティラ」(アラビア語で「自爆者たち」の意)。JIのマレーシア人上級幹部ヌルディン・ムハンマド・トプ容疑者【写真】と、JIの精神的指導者アブ・バカル・バシール師(服役中)主宰のイスラム大学出身者による集団指導制をとる。
トプ容疑者は、JIの爆弾製造専門家のアズハリ・ビン・フシン容疑者と共に、バリ島同時テロを首謀したと見られている。
今回の自爆テロ犯3人は、いずれもこの新部隊の構成員。3人はバシール師がジャワ島中部のソロ市で開いたイスラム寄宿学校の出身で、トプ容疑者にスカウトされて、インドネシア東部のマルク諸島にある軍事訓練施設でテロ教育を受けたとされている。
この秘密訓練施設は、JIや同分派組織のムジャヒディン・コンパク、同連携組織のラスカル・ジュンダラなどが共同運営。3人は現地でコンパクの構成員らからテロ技術を教えられたとされ、国内のイスラム過激派が治安当局の摘発攻勢に対抗するため、連携を一層強めている実態も浮き彫りとなっている。
(読売新聞)
★<バリ島テロ>02年事件の容疑者、比ミンダナオ島に潜伏か
【マニラ大澤文護】フィリピンのイスラム武装勢力「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」スポークスマンのカバル氏は7日、AFP通信の取材に対し、02年10月に202人の死者を出したバリ島爆弾テロ事件の首謀者とされる東南アジアの地下組織「ジェマー・イスラミア(JI)」メンバー、ダルマティン容疑者【写真】が、現在フィリピン南部ミンダナオ島内に潜伏していると述べた。
フィリピン政府はこの情報に基づき、今年6〜7月、ダルマティン容疑者の拘束を試みたが、カバル氏によると容疑者は逃亡し、現在、島内のどこにいるか不明という。
ダルマティン容疑者は、02年のバリ島テロ事件で連絡調整役を果たしたとされるJIメンバー、ウマル・パティク容疑者、フィリピンのイスラム過激派「アブサヤフ」指導者のカダフィ・ジャンジャラニ容疑者と行動を共にしていたという。
米国務省は6日、ダルマティン、ウマル・パティク両容疑者に最大で計1100万ドル(約13億円)の懸賞金をかけ、身柄拘束につながる情報提供を呼びかけた。
(毎日新聞)
★<懸賞金>02年のバリ島爆弾テロ容疑者情報に 米国務省
【ワシントン笠原敏彦】米国務省は6日、02年10月に日本人夫婦を含む202人の死者を出したバリ島爆弾テロの容疑者として東南アジアのイスラム地下組織ジェマー・イスラミア(JI)のメンバー2人に最大で計1100万ドル(約13億円)の懸賞金をかけ、身柄拘束につながる情報の提供を呼びかけた。
2人の容疑者はいずれも出生地が不明。うち1000万ドルが懸けられたダルマティン(別名アマル・ウスマン)容疑者は国際テロ組織アルカイダのアフガニスタン国内のキャンプで訓練を受けた電子機器の専門家で、02年爆弾テロの首謀者の一人と発表されている。
また、もう一人のウマル・パテック(別名ウマル・クチル)容疑者(35)は、同テロ実行に向けた連絡調整で役割を果たしたとされ、100万ドルが懸けられた。2人と1日に起きた新たなバリ島連続爆破テロ事件の関係は言及されていない。
(毎日新聞)
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インドネシア警察当局が
容疑者を手配 |
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Noordin Mohamed Top |
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扮装したNoordin |
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Dulmatin(Amar Usman) |
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