イラン核開発動向 2004/10/9-10/20
イランがミサイル発射実験 国際社会の反発必至---10/20
【テヘラン20日共同】イランのシャムハニ国防軍需相は20日、中距離弾道ミサイル「シャハブ3」の発射実験を同日、行ったことを明らかにした。イラン学生通信などが伝えた。ロイター通信によると、今回のミサイルは命中精度の改良を行ったという。
イスラエル全域のほか、南東欧諸国の一部を射程におさめるとされている。同ミサイルの新たな発射実験により、核開発とともに、核兵器の運搬手段となり得るミサイル開発に懸念を強める欧州など国際社会のイランへの反発が高まりそうだ。
国防軍需相は「オブザーバー出席の下、実験に成功した」と強調した。
イランに研究用軽水炉の提供も=核疑惑解消に協力なら−英仏独3国---10/19
【ベルリン19日時事】英仏独3カ国がイランの核開発疑惑をめぐり、ウラン濃縮活動の停止など疑惑解消に同国が協力する場合、研究用の軽水炉を含む核技術を提供する方針であることが19日分かった。3国が西側主要国に事前に示した文書をAFP通信が入手した。軽水炉は核兵器製造に使用されるプルトニウムを抽出しにくい。英仏独は21日にウィーンでイランと協議を行う予定だ。
イランに来週、妥協案提示 G8、核問題で最後通告---10/15
【ワシントン15日共同】日本、米国など主要国(G8)は15日、イランの核開発問題への対応を話し合う高級事務レベル会合をワシントンの国務省で行い、ウラン濃縮関連活動を停止させる見返りに経済支援などを認める英国、フランス、ドイツによる妥協案を来週、イランに提示することで合意した。
11月下旬の国際原子力機関(IAEA)理事会を前に、G8が一致してイランに対し「最後通告」を突き付けた形で、イランが妥協案を拒否した場合、この問題が国連安全保障理事会に付託されるのは確実。IAEAが要求する濃縮関連活動の停止を「違法」と反発するイランは、厳しい立場に追い込まれた。
会合には、米国からボルトン国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)、日本から田中均外務審議官らが出席。国務省によると、各国代表は、イランが濃縮関連活動停止を履行しなければ、核問題を国連安保理に付託するとの米国の見解を確認した。
ロシアとイラン、ブシェール原発建設を終了---10/14
[モスクワ 14日 ロイター] ロシアとイランは14日、イランのブシェール原発建設が終了したことを明らかにした。
米国は、このプロジェクトがイランの核開発につながる可能性がある、と懸念している。
在モスクワ外交筋はこの発表について、イランの国際原子力機関(IAEA)に対する協力強化の見返りに、この事業を進める用意がロシアにあることを反映したもの、との見方を示した。
ウラン濃縮放棄の強制は不可能=イラン外相---10/13
[テヘラン 12日 ロイター] イランのハラジ外相は12日、欧州連合(EU)がイランにウラン濃縮の権利を放棄するよう強制することはできないと言明した。
外相は当地で行われた会合で、「(EUが)交渉を通じて濃縮を強制的に中止させられると考えるのは誤りだ。イランは、濃縮の権利を放棄しない」と語った。
外交官らによると、EUは11日、核兵器にも転用可能なウラン濃縮の中止を求める国際原子力機関(IAEA)の要求にイランが応じるよう、イランに対し硬軟両措置をとることで合意した。
核開発放棄せず イラン、ロシア外相に---10/11
【テヘラン11日共同】イランの最高安全保障委員会のロウハニ事務局長は10日、同国を訪問したロシアのラブロフ外相と会談、「欧米がわれわれの正当な権利を奪おうとするのなら、(核査察強化のための)追加議定書を厳守する必要はない」と述べ、ウラン濃縮を含む核開発の権利を放棄しないことをあらためて主張した。国営イラン通信が伝えた。
これに対し、ラブロフ外相は、ウラン濃縮活動の停止など信頼醸成への努力が核利用に向けた利益につながると述べ、イラン側の自制と国際原子力機関(IAEA)への一層の協力を求めた。
イラン、射程2000kmミサイル開発---10/09
イランが核技術保有の意志を明確にした。
イラン最高評議会の国家安保外交政策委員会が5日、ウラン濃縮活動を再開する案を可決したのに続き、7日にはラフサンジャニ元大統領が核技術開発を訴えた。
イラン国営通信IRNAによると、ラフサンジャニ元大統領は、「米国と欧州は我々の核技術保有を望まないが、我々はこれを保有するためにいかなる対価も支払うという覚悟をすべきだ」と主張した。
ラフサンジャニ元大統領はさらに、「人民の正当な権利(核技術開発)を放棄することは、我々に拭えない恥辱をもたらすだろう」と述べた。
イランはこれと共に、ミサイル開発も積極的に推進している。
UPI通信は7日、イラン航空宇宙機構のナセル副社長の話として、「イランが保有したミサイル『シャハブ3』の射程が、従来の1250kmから2000kmに改良された」と報じた。
イラン指導部のミサイル性能改良発言は、最近イスラエルがイランへの先制攻撃の可能性を言及した後に出されたもの。射程が2000kmなら、イスラエルが射程内に入ることになる。