04/8/16 (:月)
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中国軍、北国境で渡河訓練 浮橋利用、兵士1000人程度参加 NGO報告

 中国人民解放軍が北朝鮮との国境を流れる鴨緑江(アムノッカン)で、七月に浮橋を使い渡河訓練を実施していたことが七日までに、非政府組織(NGO)「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」(李英和代表)の調べで明らかになった。中国軍が中朝国境でこのような訓練を行ったのは異例。脱北者問題にからむ国境管理の強化策の一環とみられるが、同時に核問題で北朝鮮に対する圧力効果を狙ったとの見方もある。
 訓練は七月上旬から約二週間実施された。場所は中朝国境に位置する中国遼寧省丹東市から車で鴨緑江に沿って上流に三十分ほどのところ。
 対岸には、北朝鮮の新義州が位置する。
 RENK関係者が目撃した兵士は数百人だったが、河川敷には十人程度収容できる天幕が約百張り設置されていたことから、総員千人程度が訓練に参加していたと推定されるという。
 訓練の内容は、約十本の浮橋(幅五−七メートル、長さ二十−三十メートル)を、北朝鮮との国境線である川の中間地点まで設置するというもの。
 中国は昨年九月、中朝国境地帯の警備を人民武装警察(軽武装の治安部隊)から軍に移管しており、解放軍国境警備部隊が行った訓練とみられる。
 中国は六月末には軍総参謀長補佐を団長とする国境警備代表団を平壌に送り、北朝鮮との間で、国境警備での連携強化に関する取り決め文書に調印したばかりであり、国境管理の強化に力を入れている。
 一方で、ある北朝鮮問題専門家は、「六カ国協議の議長役として、核開発を進める北朝鮮に対し圧力をかけるための示威活動ではないか」との見方をしている。(産経新聞)



李英和

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【私的めもらんだむ】
▼9時
 上の見取り図は日本国内の代表的な架橋だが、中国軍が鴨緑江の渡河訓練で使用した浮橋と上部構造はほぼ同じだと思われる。浮橋として使用する際には、下部の柱が強化ゴム製の浮き袋に取って代わるだけだろう。軍部仕様の見取り図がないので、残念ながら臆測の範疇は出ないが・・・
 こうした架橋(浮橋)が10本設置するとして約200〜300メートル、500メートルはある鴨緑江を渡るにはあと10本繋ぎ合わせれば済む。また、10人使用可能の天幕が100基で、千人規模の中国軍が北朝鮮国境に対峙したということは、明らかに北朝鮮上陸を示唆したものだろう。中国の演習終了後、北朝鮮はただちに「準戦時体制」に入ったと云われている。11日、中国側の新華社通信は「洪水防止演習と見間違えたもの」だとして、渡河戦時演習を否定している。だが同時に演習では戦闘車両も参加したといわれ、それなら洪水防止にはおよそ似つかわしくないことになる。国境警備が警察から軍隊に変更されたことも含めて、7月の中国軍による渡河訓練が単なる洪水防止演習などではない、ことは確かだ。



鴨緑江、クリック拡大
▼17時
 資料追加・・・
「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク「RENK

中国人民解放軍が鴨緑江で北朝鮮へ渡河訓練!
北朝鮮崩壊の予行演習か、核の挑発に対する圧力か、難民流入への瀬戸際作戦か……

 従来、中国は北朝鮮に対して「社会主義の友邦」との位置づけから、国境警備には正規軍を配置せず、武装警察の傘下にある「辺境防衛隊」で対応してきた。しかし、周知のように昨年8月、辺境防衛隊に代えて突如、正規軍である人民解放軍に国境警備を移管した。これについて、中国当局は当時、「他の地方の国境警備と整合性を保つため」と説明したが、いかにも取って付けたような印象は免れず、メディアや識者の間にさまざまな解釈を惹起した。そのほかにも、核問題を巡る6者協議に関連して、原油や援助食糧の供給を調節したりするなど、表面的な「血盟関係」の打ち出しとは裏腹に、中国は北朝鮮に対して戦略的な対応を強めている。
 以上を踏まえれば、今回の渡河訓練は戦略的側面から言って、短期的には、9月に予定されている第4回6者協議で北朝鮮が謙虚な態度を示すよう促すための圧力であり、中長期的には、すでに末期状況を呈している金正日政権の崩壊に備えた「予行演習」と捉えることができる。と同時に、戦術的側面で言えば、かつてと比べて少なくなったとはいえ、未だに途切れることのない脱北者=北朝鮮難民の流入に備えた対応の一環でもある。【詳細

【視聴予定】
23時
50-00:00 あすを読む 美浜原発事故の波紋 NHK総合テレビ


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