●<美浜原発事故>最薄部分は0.6ミリ 立ち入り検査
関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の高温蒸気噴出事故で、経済産業省原子力安全・保安院は13日、電気事業法などに基づき同原発への立ち入り検査を実施した。その結果、破損した配管の肉厚が最も薄い部分で0.6ミリだったことを明らかにした。
薄さが0.6ミリになっていたのは、配管の破損した切れ目にできたV字型のくぼみ付近の2カ所。同院は運転中の減肉によるものか、破損時の圧力によるものかは現時点では判断できず、データを詳しく解析する。
この配管は76年の運転開始当初は肉厚10ミリで、安全性維持に必要な肉厚は4.7ミリとされる。関西電力は9日に最も薄い部分は1.4ミリと発表していた。
検査では、同院の片山正一郎審議官ら計15人が、破損した配管の状況を調べたほか、破損個所が点検のリストから漏れていた経緯などについて、小鍛治市造所長ら同原発の担当者約15人から事情を聴き、関係書類を収集した。今後はデータを持ち帰り解析、減肉のメカニズムを分析する。検査結果は同院が設置した事故調査委員会などに報告される。
終了後に会見した片山審議官は「相当データが取れた。検査の結果はまとめて公表したい」と話した。【日野行介】(毎日新聞)
【私的めもらんだむ】
▼7時
肉厚10ミリあった配管が、28年後にはたった1ミリに満たない0.6ミリまでになるとは・・・人間でいえば頭が首の皮一枚で辛うじて繋がっているようなものだろう。破損時の衝撃によるものかも知れないとのことだが、関西電力はすでに最も薄い部分を1.4ミリとしていたから、それが磨耗で0.6ミリになったとしても不思議はない。今後の対策を考慮すれば、むしろそう考えるべきだ。いかに原子力のエネルギーが凄まじく、そして扱いにくい代物であるかを教えてくれる。昨日は「ふげん原子炉停止事故」の項では「オリフィス部下流側での割れの深さは、配管厚さ(6mm)の1/2程度まで進展」と書いていたから、それを教訓とすれば配管を取り替えるなりの時間的余裕は充分にあったはずだ。どだい30年も使いつづけるには無理があり、途方もないエネルギーの規模からすれば無茶でさえある。その無茶とは地域住民の人命をも巻き込みかねない危険のことであり、その責任は原子力関連機関全般に波及するといっても過言ではないだろう。未来の日本を支える原子力エネルギーであるはずが、人命を踏み台にしかねない犠牲の上に立つ代物であったとしたら即刻原発稼動を停止するべきなんだ。
【視聴予定】
22時
00-23:30 ETV特集「戦場から伝えるもの」 映像ジャーナリストたちの記録▽イラク、パレスチナ爆撃される側で人間を撮る▽世界を動かしたあの写真▽戦場の真実広河隆一ほか NHK教育テレビ
6月末、京都の立命館大学国際平和ミュージアムで「世界の戦場から」と題して、11人の第一線の日本人フォトジャーナリストが中東、アフリカ、チェチェン、中米などの戦場で撮った写真の展覧会が開かれた。
呼びかけ人で30年にわたりパレスチナ紛争を追ってきた広河隆一、旧ソ連・アメリカの核実験場や劣化ウラン弾の使われたイラクで被爆者を見つめてきたベテランの森住卓。イラク戦争の30日を、イラク市民に目線を置きながら記録した豊田直巳、戦場で被弾して片目を失明しながら「アフリカの忘れられた戦場」の闇に生きる人々を撮る20代の亀山亮・・・・新旧の11人の写真家が描き出すのは死者や傷ついたもの=戦争の被害者の側から見た戦場の姿である。それは、平和の続く日本では接することのない世界の実像である。
彼らはなぜ戦場に赴き、何を思ってシャッターを切るのか・・・
176枚の写真とフォトジャーナリストたちへのインタビュー。そして写真展を読み解くナビゲーター・西谷修(東京外語大教授)のコメントと広河隆一との対談。
そこで語られる世界は、同時多発テロ以降、世界中がものすごい勢いで動き、私たち日本人も戦争に無関心でいられないことを実感させてくれる。マスメディアが入り込まない戦いの最前線に身を置き、戦争報道を支えるフォトジャーナリストの実像に迫る。
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