日本アーム、三菱重工からの「警告」を関電に伝えず
関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、関電から配管検査の委託を受けていた系列の検査会社「日本アーム」(本社・大阪市)が5年前、事故で破損した配管が検査対象から漏れていることを把握していたことが10日、わかった。前の請負会社の三菱重工業から99年と00年に指摘を受けていたが、日本アームは関電に検査漏れを報告せず、事実上放置していた。同社は昨年4月に初めて検査漏れに気付いたとされてきたが、実際にはそれより4年前から知っていたことになる。
関電は87年から96年まで、原発の配管検査などを三菱重工業に委託。96年からは日本アームに委託していた。
三菱重工業は自社が検査を受託していた90年に関電が点検個所の内規を定めた後、「オリフィス」と呼ばれる器具が設置された個所を検査対象に登録しなかった。担当が日本アームに代わった後にミスに気付き、同社に説明した。
日本アームなどによると、99年4月と00年8月の2回、三菱重工業の担当者から「美浜原発3号機と構造が似ている発電所で配管が薄くなる減肉現象が確認された。美浜原発3号機の配管は定期検査の対象には含まれていないので、点検した方がよい」との内容の連絡を文書などで受けた。しかし、日本アームは「建設年数がほぼ同じ別の原発の配管について点検したが特に問題はなかった」と判断し、関電に伝えなかったという。
関電は事故後の記者会見などで、日本アームは03年4月に、事故を起こした配管が検査対象から漏れていたことを把握し、11月に関電側に伝えてきたと説明していた。
これについて、日本アームは「この時期に定期検査の未点検個所を見直し、今回の事故で破損した配管を加えた方がいいと判断した。三菱重工業の指摘とは関係ない」と話す。
同社総務部は「結果的には美浜原発についても点検した方がよかったということになるが、そのときは大丈夫だと判断した。当時の判断の根拠の詳細は分からない」と話している。
美浜原発・水蒸気噴出現場
(3DCG-想像図) |
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【私的めもらんだむ】
9時
自分なりに破損場所を確認するため3DCGを作ってみた。あくまでも想像図だが、復水器から主格水ポンプ至る過程で150〜200度もの水蒸気が流れていること自体、なかなかイメージ出来なかった。主格水ポンプから原子炉格納容器へと流れる水蒸気はすでに冷めていなければならないはずだが、その時の水蒸気温度は何度くらいなのか?また、復水器には海水と思われる冷却水が流れているが、それでも沸点以下には下がらないことも驚きであった。タービンを回すときの温度はさらに高温なのだろうが、その水蒸気がパイプを伝って復水器へと流れているわけだ。高温高圧のもの凄いエネルギーが破断した破損箇所から噴き出せば、付近の人間はあっという間に吹き飛ばされるだろう。ナガサキの原爆投下直後に人間が一様に吹き飛ばされたという体験を思い出した。
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