04/8/3 (火)
23〜26℃、南よりの微風
厚労省職員30人、監修料1.8億円受領 20法人から

 厚生労働省国民健康保険課の職員約30人が、同省の外郭団体や出版社など約20法人から、冊子などの「監修料」として、03年までの4年間に1億8000万円余の報酬を受け取っていたことがわかった。関係者によると、同課は庶務係を窓口にして現金を受け取り、プール金として管理したり、各職員に分配したりしていたという。うち、少なくとも1億円以上は同省の補助事業に関連した報酬で、補助金の一部が還流して私的に使われていたことになる。同省も調査を始めた。

 4年間の約1億8500万円のうち2850万円は、警視庁に汚職事件で摘発された広告会社「選択エージェンシー」からの監修料としてすでに判明しているが、職員側が同省の関連事業にかかわる多数の団体、企業から組織的に多額の監修料を集めていた実態が改めて浮き彫りになった。
 同省職員や法人関係者の話などによると、こうした監修料名目の支払いは、00〜02年がそれぞれ年間約4000万円から約9000万円で、03年は数百万円。こうした支払いは以前から続けられていたといい、00年以前はもっと多額だったという。
 4年間で職員側が受け取った最高額は同課の係長で、8法人から計約1400万円。そのほか1000万円以上3人、900万円台、800万円台が各1人など。同課の別の係長は02年の1年間だけで6法人から計約750万円を受け取っていた。
 同課では歴代の庶務係長が、法人側との間で監修業務の窓口となり、報酬は一括して現金で受け取る場合が多かった。受領した現金はそのままプールしていたといい、同課の宴会費や職員の深夜帰宅のタクシー代などに充てていたほか、職員たちに現金を分配する場合もあったという。
 多くの職員は取材に対して、監修業務について「はっきり覚えていない」「個別のことは答えられない」などと話している。

 一方、約20法人は、社団法人「国民健康保険中央会」(東京都千代田区)など同省から補助金を受ける外郭団体やその関連企業、国民健康保険などの関連図書の出版や冊子製作を行っている出版や広告会社。このうち、都内の健康図書などの出版社は02年までの3年間に職員十数人に1000万円以上の監修料を支払っていた。
 中央会などの法人がパンフレットや冊子、図書などを作製する際には、同省が補助事業として補助金を交付しているケースが多い。今回、明らかになった約1億8000万円のうち、少なくとも1億円以上は、こうした事業に関する監修料とされる。
 〈唐沢剛・厚労省国民健康保険課長の話〉 行政に対する信頼を考えれば遺憾なことだ。監修料はかなり金額が大きいのではないかと思っているので、補助金関連については省としてしっかりした体制を組み、徹底した調査をしたい。その結果に基づいて厳正な対処をする。

    ◇

 〈選択エージェンシー〉 月刊情報誌「選択」を発行する「選択出版」関連の広告会社。厚労省の補助金で製作した研修ビデオや冊子について、同省国民健康保険課職員らに02年度までの5年間で4050万円を監修料として支払っていたことが同省の調査などで判明している。今年4月には、同省の冊子発注をめぐる贈賄容疑で同社営業企画部長が警視庁に逮捕され、6月には同省職員に対する贈賄容疑で社長が逮捕された。
(asahi.com)
厚生労働省ホームページ
【私的めもらんだむ】
10時
第4章  安心して働ける環境づくり
 厳しい経済情勢下においても労働条件の確保・改善を図るため、労働時間の法定基準の遵守指導、多様な働き方を可能とする労働環境の整備、過労死を含む労働災害の防止への取組みや、労使関係ほか労働問題の解決を促進するための施策などについて紹介する。 (平成16年度、厚生白書より)

 昨日書いたトラック運転手の苛酷な労働条件を考えると、厚生白書の何と虚しく白々しいことか・・・すでに取り組んでいるはずの「過労死を含む労働災害の防止」対策も、何ら具体的な結果が出ていない以上、厚労省の怠慢を自ら証明してしまう。国民の生命を守り、その生活を支えしてしかるべき厚労省が、逆に外郭団体での利権欲の虜になって私腹を肥やし続けている。それを追求されると「覚えていない、答えられない」と開き直る。このパターンは日本歯科医師会からの1億円献金にシラを切る「思い出せない、覚えていない」橋龍の開き直りに類似する。
 厚労省のこうした癒着構造は、1996年の「彩福祉グループ」社長小山の逮捕でも露わになった。6000万円の高額供与を当然のように受け取りながら、逮捕されてなお6000万円の退職金をも受け取ろうとした岡光事務次官をして「退職金を受け取って何が悪い。それは官僚の職務として当然のことではないか」と弁護した時の厚生大臣・・・それが今や飛ぶ鳥を落とす勢いの我らが総理大臣である。運の強い御仁だ。惜しむらくは、その運の強さが国家に、その主権者たる国民にとっては逆作用しかねない懸念があることだ。
【視聴予定】
21時
15-00 プロジェクトX特集「新・リーダーたちの言葉」 耐え難き痛みに耐える▽知恵と度胸で突進す NHK総合テレビ
 「リーダーたちの言葉」に焦点を当て、プロジェクトを成功に導いたリーダーの生き方、哲学、人間の魅力に迫るシリーズ。純国産の乗用車を開発した中村健也の言葉にスポットを当てる。 ストライキに大量解雇と、経営危機が続いたトヨタで、二万点もの部品を純国産でつくり、日本初の本格的乗用車となったクラウン開発の最前線に立ったのが中村だった。デザイン工学から流体力学など一万冊の関連書を読破、テスト走行では自らハンドルを握り十万キロを走破した。ほかに、チェルノブイリの医師・菅谷昭らの言葉も紹介する。





新じねん」TOP