04/07/25 (日)
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発作、大半は再発なし「ポケモン」で追跡調査

 【ワシントン22日共同】1997年に人気アニメ番組「ポケモン」を見てけいれんなどの発作を起こした子供たちの大半には、発作の再発はみられなかったとする調査結果を名古屋大の奥村彰久助手(小児神経学)らがまとめ、22日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。
 調査は、愛知県などで発作の治療を受けた子供ら計91人について、2002年末まで5年間の経過を追跡した。
 その結果、期間中に25人(27%)が2度目の発作を起こしたが、うち12人は番組以前からてんかんの症状があった。残り13人も番組後にてんかんと診断され「仮に番組を見なくても、いずれ発作を起こした可能性が高い」(奥村助手)という。この25人を除く子供たちには2度目の発作は起きなかった。
 番組を見ていた子供たちは、赤と青の画面が目まぐるしく点滅した際に発症したとされ、問題発生後、放送界が共同で自主規制の指針を策定した。(共同通信)
【私的めもらんだむ】
9時
 1997年12月16日に放映されたアニメ「ポケモン」を見た子どもたちが次々と痙攣発作を起こし、嘔吐など軽症を加えると1万人近い被害者が続出している。今回、名古屋大の奥村氏が「てんかん症状」として「番組を見なくても発作を起こす可能性あり」としたことは、どうも私には納得いかないことである。この事件は当初から専門医による「光過敏症」との診断がくだされ、一過性の集団パニック障害として安易に片付けようとしていた。仮に被害を受けた子どもたちが「てんかん」症状を内在していたとしても、1万人もの子どもたちが同時期にてんかんを発症すること自体、原因が「てんかん」だけではないことを示唆するものだ。当時、イギリスのアニメ関係者は「アニメの激しいサイクルの閃光導入シーンは禁じられている」と警告証言していたが、それは同時にその危険性を事前に知っていたことにもなる。これが日本になると、現に1万人もの子どもたちがパニック症状を起こした時点でも「アニメの点滅シーンを見ただけでてんかん発作を起こすなど考えられない」とした固定観念を持ちつづけ、6年も経た今になっても「あの事件は子供たちに内在するてんかんが発症した一過性のものだ」と結論づけられてしまう。
 すでに閃光(フリッカー)と脳波リズムの同調が一過性のてんかん類似症状を引き起こすことは専門医の間でも知られていたはずだ。毎秒8〜25サイクルでの同調は幻覚錯覚を誘導し、18サイクルにおいては過去の記憶にまで辿って幻覚を引き起こす危険なものだ。この時、人間の脳内では痙攣性放電が見られる。しかしながら、これら閃光と脳波の同調は極度の正確さがなければ幻覚発症せず、6年前のポケモン事件は偶然にも子供たちの脳波と閃光サイクルが一致したものと思われる。だからといって稀な事件として忘れ去られていいような類いの問題ではない。むしろパルスが日常的に溢れている現代のこと、いつ脳波と同調一致しかねない危険を孕んでいる。ふとあるSF映画のシーンを思い出した。切迫した緊急時の最中に、女性化学者が何故か突然放心したように立ちすくむ。同僚達は彼女に何が起こったのか?訝しがり、彼女が放心したように見詰める視線の先をたどる。そこには赤と青のランプが点滅する光があった。点滅光・・・そんなシーンは現代では至るところでみられるものだ。信号の点滅をもっと短くするだけで脳波と同調する可能性だってあるだろう。信号機の前で渋滞する車の羅列、その中で運転手が放心したように信号の点滅を見詰め、そして自分の過去を幻覚する・・・有り得ないことではない。

【視聴予定】
21時
00-50 NHKスペシャル にっぽんの”ゴミ”大陸へ渡る▽中国式錬金術▽資源ゴミ争奪戦▽密輸ルート=NHK総合テレビ
 行き場を失っていた日本のごみは、今、カネを生む資源として中国に大量にのみ込まれている。海を渡って移動するごみを追跡し、新たな局面に入ったリサイクル社会の行方を探る。 大陸に渡ったごみは労働者たちの手によって、見事に細かく解体・分類される。最終的には自動車や衣類などへ姿を変え、製品の一部は日本をはじめ海外に輸出される。中国の資源不足と日本のごみ問題を同時に解消する、国境を超えたリサイクルシステムの成立だ。しかし、これが日本に思わぬ事態を引き起こしている。ごみ問題の切り札として築き上げてきた国内リサイクルが、原料不足に陥り崩壊しようとしているのだ。


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