04/06/18 (金)
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多国籍軍は米の統一指揮下 米国防次官補が議会に文書

 ロドマン米国防次官補は16日、主権移譲後のイラクで展開する多国籍軍に関して米下院軍事委員会に文書を提出し、「(多国籍軍の)統一された指揮権(ユニファイド・コマンド)とは、現状においては米軍の指揮を意味する」と明言した。

 米政府はイラクに駐留する各国部隊について、昨年10月に採択された国連安保理決議1511と今月採択された新決議1546に基づく「統一された指揮権の下にある多国籍軍」と位置づけてきた。次官補の見解は、米軍が統一指揮権を持つことを再確認したものだ。
 また、多国籍軍の法的地位については、現在の暫定占領当局(CPA)指令17号を「地位協定」に準じるものと位置づけ、主権移譲後も、イラク側と新たな合意が成立するまでこの指令が引き続き効力を持つと説明した。イラク暫定政府が立法権限をもたないことなどから、05年に移行政府が成立するまでこの状態が続くと指摘している。
 日本政府はサマワへの自衛隊派遣にあたり、米軍の統一指揮下には入らない」(防衛庁幹部)と説明していた。国連側や各国は、イラクに展開する外国軍を「米軍主体の有志連合軍」とみており、統一指揮権を持つ多国籍軍とは違うとも解釈する余地もあった。
 しかし新決議1546は米政府側の解釈に基づいて、いまの連合軍を主権移譲後には多国籍軍に移行させる形となっている。このため少なくとも主権移譲後は、各国部隊が「統一指揮権」の下で活動するのは明白だ。
 米政府は自衛隊の指揮系統について「各国軍隊が各自の指揮系統下に入るのは当然」(マクレラン米大統領報道官)とした上で、「多国籍軍全体は米軍司令部によって監督されている」(同)との解釈を示している。

★「武力行使せず」 多国籍軍参加で首相が原則を表明

 小泉首相は17日、官邸で民主、共産、社民の野党3党首と会談し、その後、記者会見して主権移譲後に多国籍軍が編成されるイラクでの自衛隊の活動について説明した。党首会談で首相は「多国籍軍に参加する」と明言し、政府が過去の政府見解との整合上避けてきた「参加」との表現を使った。会見では「武力行使はしない。自衛隊の活動は非戦闘地域に限る。イラク復興支援特措法の枠内で、日本の指揮下であること。この4点をきっちり守る」との原則を強調した。
 会見で首相は「多国籍軍というなかで参加するにしても、人道支援、復興支援に限定していかなければならない」と説明。さらに「日本は武力行使を目的とした治安活動には協力できない。あくまでも日本は日本のできること、日本にふさわしい支援活動を国民の理解が得られる形でしていく。そのことは、はっきりと米英からも了解を得ている」と語った。
 党首会談では、野党側が日本の指揮権を担保する「米英政府の了解」の具体的な内容をただしたのに対し、首相は「口頭での了解だ」と答えるにとどめた。
 一方、政府は同日の安全保障会議で「多国籍軍のなかで引き続き、イラク特措法に基づく人道復興支援活動等を行う」ことを正式に決めた。政府は18日に、イラク特措法施行令や基本計画に多国籍軍駐留の根拠となる国連安保理決議1546を加える閣議決定をし、あわせて首相が記者会見で示した4原則などを盛り込んだ政府統一見解を閣議了解。細田官房長官が発表する運びだ。
   ◇
 小泉首相の17日の記者会見の要旨は次の通り。
 【多国籍軍参加】
 多国籍軍の活動は人道支援、復興支援活動を含む。日本はいままでの考え方からいって
▽武力行使はしない
▽自衛隊の活動は非戦闘地域に限る
▽現在のイラク特措法の枠内
▽日本の指揮下にある
――この4点を守って日本にふさわしい支援をしていかねばならない。
 日本がどのようにイラクの復興支援にかかわっていくかには、日本独自の考え方がある。武力行使を目的とした治安活動には協力しない。多国籍軍というなかで参加するにしても人道・復興支援に限定していかねばならない。そういうことは米英とも了解を得ている。
 それぞれの国がイラクの暫定政府と個別に契約するのではなく、国連の要請に基づいて多国籍軍のなかでできることをしていきたい。イラク人が自らの力で自らの国づくりに立ち上がろうとする時に、多国籍軍だから参加してはいけないというのは理由にはならない。
(以下略、asahi.com)
【私的めもらんだむ】
8時
 自衛隊参加の多国籍軍認識においてコイズミの認識は、今回の米政府による米下院軍事委員会文書とは真っ向から対立するものだ。アメリカが「多国籍軍は米軍司令部の指揮下に入る」とはっきり明言しているのに、コイズミは「イラク復興支援特措法の枠内で、日本の指揮下にある」として「武力行使はしない」などと極めて矛盾することを臆面もなく主張している。おまけにそれを「日本独自の考え方」と認めているあたり、悪質な確信犯ともいえる。こんな詭弁がまかり通ってしまうあたり、日本はもう末期的ともいえる自滅国家に突入しているのではないか。
 すでに日本はイラクにおいてマスコミや外交官の犠牲者が出ている。にもかかわらず、自衛隊派兵をさらに危険な多国籍軍の指揮下に置こうとしている。内戦状態のイラクでは「武力行使はしない」は通用しないのはもとより、それらも「自衛権発動」によって処理していくコイズミの目論みは見え透いている。
 国民の命を戦略の捨て駒としか考えない指導者の冷酷は、やがて国家自滅の悲惨な結果をもたらすことになる。我らニッポン国民がそうした無慈悲な独裁者を選んでしまったことの原罪は、後世の日本において呪われるべき時代として記憶されるだろう。
12時
 奥山くんの様態が日を追って悪化しているようだ。以下「オルタナティヴ日記31歳〜ガン闘病編」6/16の日誌より抜粋

買い物を終えて、倒れ込むようにタクシーに乗り込む。気分的には船が難破して溺れかかっているところに、救援のボートが来たみたいな感覚。助かったという感じ。病院に戻って休んだ後。頭部MRI検査。2クール目が終了する前になんで検査を受けるのかというと、頭部の腫瘍の進行が早いようだったら早急に手を打つ必要があると判断したから。だって、全身マヒで、いつ即死するか分からないと言われている訳だからね。頭部の転移も数が増えると、ガンマナイフや定位照射といった肉体的負担の少ない治療が受けられなくなる

 自分の切羽詰った病状を淡々と書き綴る奥山くんだが、15日の掲示板では彼流の男の定義が述べられている。以下・・・
・友達を大事にする
どんなに劣勢に立っても、弱音は見せない
・常に冷静さを保つ
・映画を一人で見に行く
・バイクに乗っている
・媚びない
・評判や風評に流されない
・借金しても、女にはおごる
・人の話を良く聞き、自分はあまり喋らない
・礼儀が正しい、ちゃんと挨拶をする
・先輩を敬い、後輩をかわいがる
悲惨な状況も冗談にできる

 私には正反対と云っていいほど耳の痛い定義だ。淡々と病状を語る奥山くんの心の内には「劣勢にあっても弱音を吐かない、見せない。悲惨さを冗談にしてしまう」ふてぶてしいまでのポリシーに裏打ちされているのだね。頑張れない状況下で、頑張れとの励ましは無意味であり、むしろ惨酷な言葉ともなりかねない。私が彼の立場だったら?と、思うばかりだ。そのとき、オレはどうする?と・・・その死にざまは今の生きざまに起因するのだとしたら、今のこの瞬間にも光り輝く命でありたい、と。それしかない。
【視聴予定】
23時
45 あすを読む 在韓米軍削減の波紋=NHK総合テレビ

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