04/05/18 (火)
18〜20℃、西〜南よりの微風
5月13日、午前4時。私(Mohammed)は病院に運ばれた肉片の中から21歳の親族ハニ(Hani)を探そうとしたが、無理だった。殺された人々の遺体を全部集めることすら出来ず、救急車はそのうちの肉片を三枚の毛布に包んで来るのが精一杯だった。これらの肉片と骨は、Abuにおいてイスラエルのアパッチ攻撃ヘリのミサイルで撃ち殺されたパレスチナ人のものだ。
今、また撃ってきている』──13日のラファへのミサイル攻撃

Shelling us now, by heavy bullets and rockets
ムハンマド
Mohammed

 アパッチ攻撃ヘリから砲弾が降り注いでくる。いたるところに散ら
 ばっている、怪我をした人、死んだ人の体の一部。いったいどのくら
 い? 数えられやしない。僕の親族、ハニの遺体も遺体として確認で
 きなかった。病院に運ばれたハニは、バラバラの断片・肉片だった。
 ハニがこんなふうになって病院に到着するなんて、僕には信じられな
 い。どうしてもどうしても信じられない。ほかのみんなと一緒にいた
 ハニに、連中はどうしてミサイルを浴びせたのか。なぜだ。なぜなん
 だ。僕にはどうしてもわからない!! 何百という家が今も壊されつ
 づけている。スペインのラジオ局が電話をしてきて、電話口から聞こ
 える怪我人の叫び、家々に降り注ぐアパッチ・ヘリの砲弾の音に、言
 葉をなくしていた。ブルドーザーの轟音、助けを求める人たちの声…
 …家の残骸の下には、大勢の人のバラバラになった遺体が埋もれてい
 る。
 
 今、僕と一緒にいるジャーナリストには、このラップトップが必要な
 んだけど──電池は18%しか残ってなくて、彼にも書かなければな
 らないことはあるんだけど──10分だけ貸してもらって、このメー
 ルを書いている。僕のコンピュータは停電で使えない。殺された人・
 怪我をした人は、もう本当にたくさんたくさんいて、病院でも体の断
 片をひとりひとりとのものして識別することもできないし、現時点で
 は、実質的に何もできない状態だ。僕も疲れきって、ほとんど立って
 いられそうもない。イスラエル兵はカメラめがけて撃ってくる。地面
 に散らばった体の一部や肉片の写真を何枚か撮る。でも、イスラエル
 兵は相手が誰だろうとおかまいなし。本当に防弾チョッキがないとヤ
 バそうだ。これだけの銃弾が飛んでくるとなると、防弾チョッキなし
 では、自分の体を守れない。でも、今、予備のチョッキはない。僕が
 これまでいつも借りていた友達の防弾チョッキは、今、一緒にいる
 ジャーナリストが使っている。この大殺戮を取材しているジャーナリ
 ストはそれほど多いわけじゃない。でも、このままじゃ、僕自身の目
 がいくら撮りたいと思っても写真が撮れるかどうか。シャッターが遅
 い。ああ、とにかく防弾チョッキを見つけなきゃ。わあ、また銃弾の
 雨だ。アパッチに加えてF-16もバタバタと撃ってくる。またも大勢
 の人が倒れていく。救急車はまったく近づけない状態。ラップトップ
 の電池切れの警告音が鳴りはじめた。とりあえず持ち主に返そう。
 
 どうか、次々と殺されていっている若者たちのためにも、今、ここで
 何が起こっているかを何とかみんなに伝えてほしい。地べたに散ら
 ばっている、人間だったものの断片のことを……。今度はミサイルが
 何発か降ってきた。そろそろ病院の玄関まで避難しなければ。

(ナブルス通信、16日の日誌から抜粋)
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04/05/07、イスラエルの戦車群がガザ南方に進入する。戦車群はSufaの踏切からラファ(Rafah)難民キャンプ周辺地域までを封鎖した。
5/17、パレスチナの少年たちが手首に鎖を巻きつけ、囚人の解放を求めてナブルス(Nablus)の路上を行進する ガザのラファにおいてパレスチナ人を無差別に拘留するイスラエル軍
ラマラ(Ramallah)において、パレスチナ人に狙いを定めるイスラエル軍。この日、22歳のパレスチナ人がラマラ付近で射殺されたとの一報が入る 5/15、イスラエル軍のブルドーザーが破壊したラファ難民キャンプ
◇あまりにもむごすぎる…

ロンドンに在住しているラファ出身のムハンマド・Qさん(「ラファ・
トゥデイ」のムハンマドとは別人)が、以下のブログで、自分の従兄弟
が殺されたことを書いています。
「今、何も言葉が出てこない…。朝、起きると親類が電話をかけてき
た。『気を強くもって。これは私たちの運命なんだわ。あなたの従兄弟
のアシュラーフが昨夜、殺されたの』寝ぼけた目から涙が流れ出てい
た」
アシュラーフさんは、壊される自分の家の前に立ち、ブルドーザーを運
転する兵士に「どうか壊さないでくれ、これは子どもたちが住む家なん
」と懇願していたそうです。そして、家もろともブルドーザーはア
シュラーフさん一家を押しつぶしました。
朝になって、がれきから掘り出されたとき、アシュラーフさんはすでに
亡くなっていて、妻のサハルさんは重体(かなり厳しい状況にある)。
3人の子どもたちだけは奇跡的に無事だったということです。

イスラエル軍は「こちらの責任じゃない」と言っているということで
す。

もっと詳しくはこちら(英文)に。
http://www.rafahkid.net/blog.html
Sunday, May 16, 2004
「Killing Us」scribbled by Mohammed @ 3:13 AM.
(ナブルス通信、04/05/17より)
【視聴予定】
19時
30 クローズアップ現代 暗躍・ロシアマフィアの実態
いまロシアマフィアが、日本に深く入り込もうとしている。盗難RV車、拳銃や薬物の密輸などで暗躍するマフィア。
年々その犯罪数が増加するなか、ロシアマフィアが日本の暴力団と深く結びつき、巧みに"しのぎ"のシステムを作り上げていることが、マフィア幹部・暴力団関係者の証言から浮かび上がってきた。暴力団が用意しロシア船に積み込む盗難車。その"代金"として支払われるのは密漁で採られたカニだった。現金の取引がないため足のつきにくい精巧なシステムである。
更に近年は、カニに変わって、合成麻薬MDMAが持ち込まれていることも明らかになってきた。警察などの懸命な取り締まりを尻目に、北海道を基盤に着実に日本の裏社会との結びつきを強めているロシアマフィア。その知られざる実態に迫る。
(NO.1914)
スタジオゲスト : 曽我部 司さん(ノンフィクション作家)
 

【私的めもらんだむ】


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