睡眠かく乱尋問「違法でない」 米国防長官
【ワシントン和田浩明】ラムズフェルド米国防長官は12日、米上院歳出委員会の国防小委員会で証言した。この中で、イラク人への虐待問題に関連して、イラク駐留米軍に許された睡眠かく乱などの尋問手法は、国防総省の弁護士らが承認しており、戦時の捕虜や被拘束者の人道的取り扱いを定めたジュネーブ条約に沿ったものだと主張した。
同席したマイヤーズ統合参謀本部議長も、軍の規則ではすべての尋問を人道的に行うよう指示していると強調。睡眠かく乱や、無理な姿勢の強制、食事制限などは「同条約上違法ではない」と断言した。
そもそも「人道的な尋問」などと云うこと自体馬鹿げている。眠らせず食べさせず、身体的な苦痛を与えて口を開かせるは「拷問」の何ものでもなかろう。大国を預かる指導層からこういう人権無視の言葉が吐かれるは世も末と云うべきか。愛国者法などという悪法を楯に自国の若者を戦場に送り、戦争を合法化する権力者はサタンの権化と云うしかない。国にあっては人殺しも正当化されるのだ。その正当化を許してしまった国民側にも責任はある。戦場とは命を的に展開される大量殺戮の舞台装置だ。そうした暴力装置を愛国法などで巧みに提示する権力者の偽善を、見抜けなかったことへの責任もあるのではないか?それらを見抜くに難しい知識は要らない。「人殺しは人間最大の罪だ」から「戦争は人が人の命を奪い合う人殺しが正当化される場」といった、子どもでも分かる人間として当然の思考があればいい。見抜けなかったというより、見抜こうとしなかったのではないか?考えることに飽き、疲れ、国に全てを委ねて保身を図ろうとする国民の堕落・・・これは権力者にとっては思う壺だ。
1968年、ジュネーブ条約に「武力紛争における人権保護」が付け加えられた。人殺しが公然と正当化されてしまう戦場において、それらが何の効力も発揮し得ないことは米軍の一連の刑務所虐待事件が示す通りだ。今ではその報復としての人間の首切り映像がインターネット上でリンクされている。瞬間にして胴体から切り離される人間の頭部を見て、平常ではいられない生身の自分を感じた人も多いだろう。私もそのうちの一人だ。台所のまな板で魚の首を包丁で切り離す光景と何ら変わりがないほど、生物としての人間を思い知らされた。それほど物質的には人間はあっけなく脆いものだ。かつて、コソボの原っぱに転がっている人間の生首の写真を見たことがある。その頭部には魚の骨のように背骨が連なっていた。戦車のキャタピラで潰された人間は陥没した頭蓋骨が剥き出しになっていた。気味の悪い猟奇事件のようだと目を背けるのは簡単だ。しかし、これも人間なのだ。これが戦争なんだ。たかだか90年にも満たない寿命の人間同士が、殺しあう戦争の愚かしさを、知るべきなんだ。人間が寿命で死ぬのは仕方がない。しかし、殺されるのは嫌だ。殺すのはもっと嫌だ。そうした人間本来の生物本能に反する、権力者たちの鼓舞する愛国心にだけは騙されるものかと・・・
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★ABC(とNYTがカーピンスキー准将インタビュー報道)
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