04/05/06 (木)
9~14℃、北~東よりの微風
ナイジェリア、部族衝突で300人死亡のもよう
ナイジェリアのOlusegun Obasanjo大統領が記者会見で、衝突があった中央山地に6連隊の特殊武装警察隊を派遣すると表明 4月16日、ナイジェリア南西部において、シェル石油10万バレルの封鎖を主張する抗議に対し、何百人という村人が移動した(移動させられた?)
5月3日、大統領の辞職を要求する人々が抗議の行進をする 5月4日、ナイジェリア各地での相次ぐ虐殺で道路封鎖を開始する政府軍兵士
2001年9月、ナイジェリアのJos市で、武装した兵士によって撃たれた女性を助けようとする人々。このときはキリスト教徒による攻撃で200人以上の回教徒が殺されたとされる 5月5日、ナイジェリア北部のYelwaにおいて、キリスト教徒が回教徒の家々を焼き払う。

 [ラゴス(ナイジェリア) 5日 ロイター] ナイジェリア中部のイエルワで部族間の衝突があり、300人が殺害されたもよう。犠牲者のほとんどがイスラム教徒で、キリスト教武装勢力の犯行という。
 イスラム教組織の関係者が電話取材で明らかにした。
 同関係者によると、300人が死亡し、大半がイスラム教徒との情報があり、女性や子供が犠牲となっているため、「大量虐殺」と見られるという。また、同地域では、3カ月前から部族間の衝突が発生、これまでに700―800人が死亡しているもよう。(ロイター)

 報道されるニュースだけみていると大統領の辞任要求に絡む部族衝突と受け取りがちだが、調べてみればその背景には石油利権が横たわっていることが分かる。具体的には二つの訴訟問題がそれら惨劇の根底にある、ということだ。
 一つは、アメリカ大手石油会社シェブロン社のナイジェリアでの操業によって、水源を汚染されたことに抗議した地元住民2人が、同社のヘリコプターに乗ったナイジェリア軍兵士に射殺され事件。
 もう一つは、オランダの大手石油会社ロイヤルダッチ・シェル社が、ナイジェリアでのパイプライン建設に反対していた環境保護活動家、ケン・サロ-ウィワ氏らの処刑や、抗議運動に参加した女性の射殺などに関与していたとする事件。

 これら欧米諸国の大手石油会社は「いずれの殺人事件にも関与していない」としているが、事件の経緯や背景からも、それを鵜呑みにするほうが不自然であろう。そして極めつけは今年1月中旬に報道された次のようなニュース・・・

 油田開発会社ハリバートンの子会社が参加する合弁会社が1990年代にナイジェリアでの天然ガスプラントの契約を取り付ける際、1.8億ドルの裏金が支払われた可能性があるとしてフランスの予審判事が調査を行っている。事件当時はディック・チェイニー米副大統領がハリバートンの代表を務めており、予審判事は副大統領がこの件に関与していたかどうか関心を抱いているという。

 多くを語らなくても、これらの事実が今度のナイジェリア虐殺の真相を浮き彫りにさせてくれる。


新じねん」TOP