04/04/11 (日)
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「人質、24時間内に解放」中東TV、犯人側意向伝える

 カタールのアラビア語衛星放送テレビ局アルジャジーラは日本時間11日午前3時ごろ、日本人3人をイラクで人質にとっている武装グループが「24時間以内に3人を解放する」との声明を送ってきた、と報じた。「サラヤ・ムジャヒディン(聖戦士軍団)」と名乗る犯行グループは解放の条件として、自衛隊の撤退を求め、11日夜をその期限としていたが、日本政府は要求を拒否していた。
 3人を人質にとったことを伝えた前回の犯行声明は、ホテルに届けられたが、今回はファクスだった。また、日付や犯行グループの名称の表記が異なっている。こうしたことから、日本外務省幹部は「慎重に確認している。身柄が確保されるまでは安心できない」と述べた。
 人質にされているのはフリーカメラマン郡山総一郎さん(32)=東京都杉並区在住=、フリーライター今井紀明さん(18)=札幌市西区在住=、高遠菜穂子さん(34)=北海道千歳市出身。
 声明は「イラクのイスラム宗教者委員会の求めにこたえて、3人の日本人を24時間以内に解放する」と表明。そのうえで「親愛なる日本の民衆に対して、日本政府に圧力をかけ、米国の占領に協力して違法な駐留を続ける自衛隊をイラクから撤退させるように求める」とした。
 さらに「日本政府はブッシュ(米大統領)やブレア(英首相)の犯罪的な振る舞いに従ったまま考えを改めず、自衛隊を撤退しようとしない」とし、「米国は広島や長崎に原子爆弾を落とし、多くの人を殺害したように、(イラク中部の)ファルージャでも多くのイラク国民を殺し、破壊の限りを尽くした」と米国を批判した。
 具体的な解放場所などについては触れていなかったが、「我々は外国の友好的な市民を殺すつもりはないと全世界に知らせたい」とした。
 アルジャジーラは、犯行グループからのものだとみている。
 イスラム宗教者委員会幹部のアブドルジャバル師は、米軍に関係のない外国人の人質を解放するよう同委員会が呼びかけていたことをロイター通信に明らかにした。
 3人は7日、ヨルダンのアンマンからタクシーでバグダッドに向かう途中で人質にとられたとみられている。日本時間の8日午後9時、自動小銃やロケット砲で武装した覆面姿の男たちに拘束された3人の映像がアルジャジーラで放映された。
 犯行グループは、映像が放映された時点から3日以内に要求を実行するよう政府に要求。映像には、3人が目隠しされ、男が1人に銃を突きつけている場面もあった。
 イスラム過激派系のインターネットによると、犯行グループはイラクの25団体を傘下におく「イラク解放国民戦線」の一つとされる。
 これに対して政府は「自衛隊はイラクの人々のために人道・復興支援を行っている。撤退の理由はない」と要求を拒否。外務省に対策本部、首相官邸に対策室を設置するとともに、逢沢一郎外務副大臣をアンマンに派遣。警察庁も「国際テロ緊急展開チーム」(TRT)を派遣し、3人の早期解放をめざしていた。
 政府はまた、アラブ諸国への協力要請を進め、3人の消息を部族長に問い合わせていた。同時に米英などの協力を仰ぎながら、現地の情報収集に努めていた。川口外相は犯行グループに3人の解放を直接呼びかけるビデオメッセージを収録していた。 (asahi.com)
ファルージャで、屋根に狙いを定める海兵隊のスナイパー。 ファルージャの拠点に向かう米軍Battalion Fifth 海兵隊の護送車群。 バグダッド国際空港で、米軍の護送トラックが攻撃されて燃えている。
バグダッドで、米輸送機がイラク反勢力グループによって攻撃される中、反撃する米戦車群 ファルージャで、セキュリティ・ポイントを維持する米海兵隊


<イラク>米軍の攻撃と武装集団の抵抗激化 ファルージャ
 邦人3人が拘束されたとみられるイラク中部のファルージャ近郊と一帯では、今月5日から、米軍による激しい攻撃と地元武装集団による決死の抵抗が繰り広げられてきた。邦人3人を拘束した犯人グループの声明には、その「ファルージャ」という地名が登場、かかわりがあることを連想させている。イラク人約450人の死亡が伝えられるファルージャで今、何が起きているのか。【バグダッド小倉孝保、外信部・大治朋子】
 米軍に完全包囲されたファルージャは「陸の孤島」と化している。AP通信によると、米軍は武装集団のアジトとにらんだ洞くつなどにロケット弾を発射、市街地の建物の多くは攻撃により破壊され、遺体も散乱している。
 同通信の記者は「人々は遺体をサッカー場に集め、グラウンドを掘って埋めている。米軍の包囲で郊外にある墓地へ運び込めないためだ」とリポートしている。
 発端は先月31日、車に乗った米民間人4人が銃殺され、死体が狂喜する群衆に残虐に扱われたことだった。米国民の怒りを背に、米軍は本格的な武装集団掃討作戦を開始した。
 AP通信によると、数日前から海兵隊は拡声機で市民に避難を呼びかけている。すでに女性や子供、老人ら数百人が戦火を逃れ、ファルージャを後にした。しかし、ある検問所で2人の女性と1人の男性が乗った車が止められた。警備にあたる海兵隊員が「若い男はだめだ」と言うと、女性が泣き出した。3人は一緒にファルージャに戻ったという。
 1年前の旧フセイン政権崩壊後、最初に反米抵抗運動が始まったのはファルージャだった。昨年4月28日にイラク群衆のデモに米軍が発砲、15人が死亡した。ファルージャはイスラム教スンニ派の町で、保守的で熱心な教徒が多い。
 首都バグダッド近郊に住む人たちは、スンニ派、シーア派を問わず協力し、モスクなどを拠点に水や食料、医薬品を収集。8日からトラックでファルージャに運び始めた。荷台では、人々が「ジハード(聖なる戦い)」をたたえるシュプレヒコールを上げている。
 邦人人質事件の犯人グループは声明で、泥沼の発端となった米民間人殺害事件を指し「ファルージャでユダヤ人に対してやったことを3人(邦人)にもやるだろう」と脅した。ファルージャの騒乱と人質事件が連動していれば、事態は相当複雑だと言える。(毎日新聞)
【視聴予定】
17時
30 報道特集 期限迫る・日本人人質の安否は…家族の訴え(TBSテレビ)
3人の日本人がイラクで拘束。犯行グループは、自衛隊が撤退しなければ3人を殺害するとの声明文を出しています。
日本政府は、救出に全力を尽くすとして、自衛隊の撤退には応じない方針です。
3人の安全は、犯行グループの正体は、官邸の決断は?
23時
30 地球号 現代版ピラミッド計画(テレビ朝日)
 水資源の確保や食糧問題に直面する現在、この困難な課題に立ち向かうプロジェクトがエジプトで始まっている。人類史上最も安定したかんがいシステムを三千年の試行錯誤の上に築き上げたエジプト。この先人たちの知恵を現代に生かし、サハラ砂漠の一部を緑化させようという計画が、サハラの中にある伝説の地”トシュカ”で始められた。食糧問題を解決するだけでなく、サハラに人々が暮らせる緑野を生み出そうという新たな挑戦。エジプトに循環農業の再生を目指す、新千年紀プロジェクト・トシュカを追う。
【私的めもらんだむ】
11時
 サンデープロジェクトで田原総一郎が「今回の人質解放にはメディアが大きく貢献した。メディアがあれほど三人の家族の訴えを取り上げなかったら、殺されることになったかも知れない」というようなことを云っていた。そうかなあ。録画をカットして放映することが、人質三人の家族のためになったなんて思えないし、こうした田原の発言に戸惑ったような表情を見せていた家族が印象に残った。どうも田原という男は信用の置けない感じがする。



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