アメリカ上層部がゴーサインを出したルムンバ暗殺
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パトリス・ルムンバ |
1960年6月、ザイール共和国(現コンゴ民主共和国)のジョゼフ・カサブブ大統領とパトリス・ルムンバ初代首相はベルギーからの分離独立を宣言する。コンゴ民族主義運動のリーダーでもあるルムンバは、ソ連の力を借りてベルギー人の追放を図る。それに対し、国連はベルギー人の総引き揚げと平和維持軍の派遣を決定した。7月、ワシントンを公式訪問したルムンバはクリスチャン・ハーター国務長官から経済援助の公約を受けるが、アイゼンハワー政権の当局者たちはルムンバを狂信的共産主義者と確信していた。警鐘は鳴らされた。1960年8月18日、コンゴ支局長ローレンス・デブリン(暗号名ビクター・ヘッジマン)はワシントンに打電する。「ルムンバは第二のキューバを招きかねない共産主義者の懸念あり、至急何らかの処置をとる必要がある」 同日、CIA秘密活動部門アフリカ部長ブロンソン・ツイーディは「ルムンバ除去の承認を国務省に求めた」と現地に返電、翌日、計画本部担当副長官ビッセルは「工作実施を許可する」とデブリン宛に打電する。8月24日、デブリンは次のような報告をCIA本部に打電している。「反ルムンバ派指導者グループがカサブブ大統領にルムンバ暗殺計画を持ち込み、これにカサブブが同意するも、ルムンバに代わる人材なしと暴力に訴えることを拒む」
翌8月25日、国家安全保障会議主催四人グループによるルムンバ暗殺工作のための協議が開かれ、婉曲な表現で「その必要性を指摘」している。これらの決定を下した特別グループの出席者は以下・・・
アレン・ダレスCIA長官
ゴードン・グレイ国家安全保障問題担当補佐官
リビング・マーチャント国務省政治問題担当次官
ジョン・N・アーウィン2世国務次官補
(トマス・パロット事務官同席、CIA職員)
翌8月26日、CIA長官ダレスはコンゴ支局長宛に署名入りの電報を打つ。「上層部が出した明快な結論によれば『ルムンバの存在はコンゴを共産主義の道を開くこととなる。よってルムンバの除去は緊急かつ第一の主目的であり、当面の状況下では、秘密活動の最優先事項にならねばならない』との結論に達した」 加えてダレスは自由に使える工作資金10万ドルを提示、大使の事前協議の要請を阻む独自の判断を許可するという権限も与えている。計画本部担当副長官ビッセルは上院のチャーチ委員会で次のように証言する。
アレン・ダレスが起草したデブリン宛の電報から判断しても、特別グループ(前述の四人グループ)の決定は実行計画(暗殺)の許諾と受け取ったと確信します。
<ダレス氏はあなたに、アイゼンハワー大統領がルムンバに死んでもらいたいと望んでいる、と云ったのですか?>
いえ、そのようには云いませんでした。
<このような電報を通じて、それを遠まわしに仄めかしたことがありますか?>
はい。電報は結局、そういうことになるでしょう。
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アイゼンハワー |
アレン・ダレス |
【アイゼンハワー大統領 1953/1-1961/1在任】
コロンビア大学(ロックフェラーから莫大な資金を受けた大学)総長。
参考=マッカーシズム終焉の舞台裏2
【アレン・ダレスCIA長官】
ロックフェラーのスタンダード石油の代理人。
【クリスチャン・ハーター国務長官】
旧スタンダード石油ニューヨークのモービル石油重役。
映画「ルムンバの叫び」
【視聴予定】
21時
00 NHKスペシャル 遺族たちの対話▽緊迫イスラエルとパレスチナ▽自爆テロの悲劇▽苦悩と祈り
暴力の応酬がエスカレートするイスラエルとパレスチナ。今月二十二日、イスラエルはイスラム原理主義組織の精神的指導者・ヤシン師を殺害した。今後、大規模な報復テロも予想され、双方の犠牲者はすでに約三千五百人に達した。そんな中、テロの犠牲者となった遺族たちが、相手への報復を叫ばず暴力の応酬を止めようとする動きが広まっている。今年初めからヤシン師殺害に至るまで、暴力の連鎖が激しさを増していった三カ月、報復反対と対話を訴え続けた遺族たちを追う。
【私的めもらんだむ】
13時
24日を最後に納品した仕事以来、元請けからは何の音沙汰もなし。これまでのパターンから、3月以降に仕事が増加する望みは全くない。官庁関連から仕事を請け負っている元請けとしては、国の無策がもろに響いてくるはず、その末端の私も極貧生活続行を覚悟するほかはない。これが人間の生活と云えるのかどうか・・・生物生存の道を平気で断つような政府に激しい憤りを感じてもいる。600兆円を超える国の累積赤字を国民に尻拭いさせる国は絶望的ですらある。任期中は消費税の値上げは考えていない、と公約していたコイズミだったが、ここにきてそれすら破られる事態になってきた。あとでじっくり検証してみたい。
私はこの日誌を書き始めた当初から「権力の魔性」という言葉を随所で使ってきた。このモンスターは人々を喰らい続けてより大きくなる。巨大化した権力というモンスターは人を喰らい、人々はその排泄物を喰らう、悪しき生態系の循環・・・この循環を断ち切ることなく真の平和は訪れようもない。邪魔者は容易く除去される、コンゴのルムンバのように・・・彼は共産主義者ゆえに暗殺されたのではない。純粋にコンゴ国民の生活向上のために奔走していただけだ。アメリカの権力者はそれを恐れた。利権という国益循環系を断ち切られることを、ルムンバの稀にみる弁舌の才能と共に恐れ、かつ除去してしまった。CIAはそもそもロックフェラー家の用心棒に過ぎなかった。ロックフェラー家に楯突くものは彼らが対処かつ除去していたのだ。やがてロックフェラーが世界を凌駕するほどの財閥となり、CIAもまたアメリカ政府の機関に組み入れられる。こうしてモンスターは巨大化してきた。
ベルギーのレオポルド2世は「コンゴで価値あるものは全て自分のものである」と云って憚らなかった。世界を動かせるような権力者ならこう云うだろう。「世界で価値あるものは全て自分のものである」 いったい誰が彼らにこんなことを云わせるような権限を与えたのだろう?はっきり云えることは、モンスターの正体を見抜けない、知ろうともしない人類の無知によるものだったと・・・ヤシン師暗殺の報復を誓うハマスがシャロンを例外としないテロ報復を表明している。同情した世界の人々がそれに呼応して憎しみの連鎖をさらに拡大強固なものにしつつある。これはイスラエル政府の思う壺だったのではないか?人類が束になって襲ってきても一瞬にして除去できるほどの兵器を準備してきた彼らにとって、それが思う壺だったとしても不思議はない。待て、これは罠だと、思う壺に入らない注意深さと賢明さが試されているような気がしてならない。
23時
マーコが行方不明だ。トイレの窓から外に出たらしい。呼んでも応えない。玄関の戸を開けておいた。早く帰って来い。外は危ないんだ。車に轢かれたら死んでしまうんだ。今夜は眠れそうにない。オレは朝までだっておまえを呼びつづける。だから帰って来い。
近所周辺を懐中電灯で探し回る私の気配を感じて、離れから一斉に9匹の猫たちが鳴く。これではマーコの鳴き声が聴こえない。疲れ果て、自宅に帰ったら微かにマーコの鳴き声が聴こえる、ような気がした。今は亡き母の寝室のドアを開けたら・・・マーコが飛び出して来た・・・もう何も云うことはない。しばし放心状態・・・こんなデリケートな神経で苛酷な人生を、オレは、生きていけるのだろうか?自分の方が心配になった。
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