04/03/13 (土)
3〜13℃、西よりの風
 深夜、小津安二郎監督の特集番組を見た。若い頃はただ退屈な小津映画でしかなかったが、最近では小津映画のその退屈さにこそ平和のメッセージを感じている。考えてみればこれは実に効果的な反戦映画とも成り得る。彼の映画の特徴であるところの「反復」は平凡な庶民生活を見せながら、その反復が途切れる個人死をも予感させている。当たり前だが、人間はいつか必ず死ぬ。それは同時に個々人の生活の反復が途切れるということでもある。それが外部によって「強制的に反復が中断させられる」アクシデント、その最たるものが戦争であろう。小津は表立って反戦の意志を表明したことはかつて一度もなかった。むしろ自ら戦地に赴きながら、戦後は「あの戦争はなかったことにしよう」として批判を浴びた。何という無責任、そんな誤解を招いたものだ。反復を平和のバロメーターとする小津にしてみれば、それを掻き乱した戦争期間を省くことで、再び反復、つまり平和は持続できよう・・・そんな思いが込められていることに気付くのだ。極端に言えば、人生にドラマは要らない、のと同じように、映画にもドラマは要らないのではなかったか。退屈極まりない淡々とした人間生活の反復を描いて見せることこそ、小津映画の我々に対する平和のメッセージだった。そう考え至ったとき、平凡な生活を退屈だと思う人間の危うさにも気付かされるのである。
【視聴予定】
19時
00 スーパースペシャル'04名作知っとかないと!!これが1億人のツボだ ▽今さら人に聞けない母と子の名作が2時間でまるわかり・吾輩は猫である・走れメロス銀河鉄道の夜・雪国・ガリバー旅行記・芥川賞話題作も・ココリコ草野大感動
21時
30 美術館紀行「石油王が愛したルネ・ラリック」
ポルトガルの首都・リスボン。この町の中心に広大な敷地を誇るグルベンキアン美術館がある。世界屈指の石油王・カルースト・グルベンキアンが実業のかたわら集めた1000点以上に及ぶ作品が公開されている。
 美術館はイスラム圏の陶器、織物をはじめとするオリエント美術コレクションと、ルーベンス、レンブラント、マネ、ドガ、ルノワールなどの西洋美術コレクション。なかでもルネ・ラリックのガラス工芸品は世界屈指のコレクションで、グルベンキアンとラリックの個人的友情と信頼を背景に集めたものだ。「最高のものだけを集めた」と豪語したグルベンキアンは、世界の石油利権の構造を変えたしたたかなビジネスマン。トルコ生まれのアルメニア人である彼は、第一次世界大戦中にアルメニア人虐殺があったトルコを離れ、ロンドン、パリ、そして第二次世界大戦勃発後は中立国のポルトガルを終の住み処とした。
 アルメニア人石油王の心のやすらぎとなった美術品を彼の激動の人生を軸に紹介、ラリックとの終生の友情を描く。

【私的めもらんだむ】
12時
 マーはすっかり回復したようだ。その証拠に再び凄まじい食欲を見せつけている。また悪いものでも食べないよう、餌をたっぷり与え、ために腹がパンパンに膨らんでいる。今朝は私が昨夜飲み残した水割りのウィスキーを飲んでいた。
 午前中パーツをパテ付けした後、午後から本格的に仕事にかかる予定。
15時半
 サーフェサー吹き付け完了。この後、パーツの片面サーフェサー吹き付け。16時半には終える予定。あとはビールだ!このビールを飲むために仕事をしているようなもの(?)


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