04/03/12 (金)
4〜10℃、北〜西よりの微風
【私的めもらんだむ】
10時
 弟に云われたことを心の中で反復している。
=あんちゃんは外からの借金も殆ど無いんだから、良いほうなんだよ。
−突然元請けから切られ、唯一の収入の道が閉ざされた時点で、オレは即座に手を打った。リストラと失業保険、、建築関連の休業手続き、とにかく累積赤字を防ぐための応急処置だけはした。それは今でも間違っていない判断だと思っている。苦渋の決断でもあった。その決断をしなかったら、今頃数千万の借金にそれこそ夜逃げをせざるを得なかったはずだ。それでも生活は相当苦しくなるだろうことも覚悟していた。それが現在のオレの極貧生活という惨状になって現れている。
 このことは同時に、日本政府の将来展望に見切りをつけたということにもなる。特に建築業界の未来は絶望的と予測した。大手は残っても、末端から切り捨てられていく弱者への救済対策は全くなされないだろうことにも絶望した。材料を注文したら「社長が居なくなった」と大騒ぎしている従業員、その日のうちに店じまいしたあの一件は、日本経済の現状を象徴して印象深かった。暴力団筋からの借金返済に窮して夜逃げした典型的な例だった。元はといえば、取引銀行の貸し渋りが原因だ。またある材料屋は原発に納品して急成長していると雑誌に紹介されながら、裏では暴力団にシンナーを横流しして発覚、その隠蔽に必死になっていたが、数年前に倒産した。そこも社長は夜逃げしている。夜逃げした二人の社長ともオレは面識がある。
=過去は関係ないんだよ。これからどうするか?が肝心だ。探せば仕事はいくらでもあるだろう。ぼやくなよ。
−問題なのは過去を教訓としない点にあるんだ。現に同じトラブルが今も続いている。少ない仕事にワッと飛びついて、仕事が終わってみれば元請けに逃げられた同業者が頭を抱えているんだ。危なくって新規の仕事には飛びつけない。おまえは仕事はいくらでもあるというが、それはカネもモノも集中する都会での限られた話だ。地方の財政は舌下に尽くし難いほど衰弱している。田舎はせっせと都会のために新鮮な農産物を送り、そのあげくに都会は廃棄物などてめえらの排泄物を田舎にわざわざ捨てに来やがる。てめえが垂れ流したクソぐらい、てめえで拭きやがれ。尻拭いを田舎にさせる都会はクソ喰らえだ。安全な原発置かしてもらってアリガトウ、と感謝でもすれば都会は満足なんだろうよ。田舎の空気はおいしい!とか何とか云うご清潔な都会人よ、その足元を掘り返してみな。おまえらのプレゼントしたゴミが「お久しぶり!」って飛び出して来るぞ。今度はそのゴミを田舎もんから都会人へのプレゼントとしよう。原発の御返しだ。ありがたく受け取れ。
 (以上は多分に妄想入りで思い出している極私的ぼやき。どれ、工場で待っている仕事に向かうとするか・・・その前に猫に餌やらなくっちゃ)
16時
 オービタルサンダーでの荒研ぎ完了、部分修正のためのパテを付けて終わる。全身粉だらけ、粉の色に染まった唾を吐く。マスクをしても鼻の隙間から漏れるのだ。マスクは鼻の形に曲げるための金具が入っている。それでも漏れる。タンクで使用していたマスクなら漏れることはないだろう。後で探したい。今は足が引きつるように痛み、動きたくない。明日は修正パテの研磨、及びサーフェサーの吹きつけ。同時にパーツにも着手。仕上げは明後日の予定。




「新じねん」TOP