04/01/15 (木)
西よりのかなり強風
自衛隊で「イラクのタブー」講習会

 自衛官に講義したのは日本在住のイラク人キデル・デイア氏。
1、女性に手を上げない
  女性など弱者に暴力を振るってはならないと勘違いしそうだが、意味はそのまま、女性に手を上げて挨拶してはならないということ。特に小学生以上の女性には話し掛けてもならない。かつてイラクでは人身売買が公然と行われていたことがあり、その戒めから庶民レベルでの厳しい規制が慣習化している。
2、酒を飲まない
  極度のストレス下に置かれる兵士たちにとっては、なかなか我慢しがたいことであり、イラク人に見られないよう隠れて飲むこと。また、飲んだ後は酒瓶も見つからないよう処理する細心さが求められる。
3、左手で握手をしない
  用を足した後の処理からも左手は不浄の手とされ、むろん食事は右手を使う。インドネシアに出張に行った同業者も同じことを云っていた。慣れるのに相当時間がかかり、そのため酒を多用しては下痢を起こしていたらしい。私も誘われたのだが、工場の仕事で抜けられない理由が幸いした。左手を上げて挨拶することもタブー、トイレを除いて、手で行うことは全て右手でやらなければならない。
4、足を組まない
 これはアラブ世界では許されないタブー中のタブーで、特に相手に足の裏を見せてはいけないことになっている。相手が足を組んだだけでイラク人は話を止めるはず、まさに話にならなくなる。
(テレビ朝日系「スーパーモーニング」より要約)

 これらはコーランの教えを生活基盤におくアラブ世界特有の慣習であり、イラクに派遣される自衛隊員にとっては是非とも覚えなければならぬ必須科目だろう。まさに郷に入れば郷に従えである。
 ほか自衛官はイラク人による歓迎キスの習慣も教えられ、隊員同士互いに抱き合ってキスを交わす実演も行ったらしい。キスの習慣がない日本人にとってはカルチャーショックの最たるもので、男同士何度もキスを交わしては抱き合う練習では大いに盛り上がったという。
 サマワは田舎町で比較的安全だと云われているが、比較的サウジに近いだけにサウジの過激派が潜入しやすい地帯でもある。70%という失業率を抱えるサマワ市民にとって、それこそ日本の自衛隊に雇用を求める声が日増しに多くなっている。これは日本国内にも当て嵌まり、自国内の失業問題を疎かにしてのイラク派遣はそれだけで矛盾している。


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