後藤幸男氏(63)は6年前から西新宿のホームレスになったという。3年前から月7万円の年金暮らしになったが、ホームレス仲間への食糧支援のためにも活動している。その後藤氏は云う。「今年は全然お米が足りない。今の時点で500キロぐらい足りなくなる。今度ばかりは配給米を減らさないと無理かもしれない」
去年の冷夏の影響で農家でも余分の米が不足し、米が集らなくなっているのだ。後藤氏はボランティア「フードバンク」の活動家たちと共に全国の農家を回り、くず米といわれる煎餅などに使われる「2番米」を集めることにした。さらに刈り取った後にできる粒の小さい「2番穂」までも集めては、何とか仲間たちに飢えを凌いでもらいたいと奔走する。その中には後藤氏と同じようなホームレス仲間の飯田仁氏(63)がいる。互いに空腹のつらさを知るホームレス体験者ゆえに、傍観者ではいられないのだ。
いま国が把握しているだけで東京都には約5500人、全国で約25000人のホーレスがいると云われているが、実際にはそんなものでは済まないだろう。一桁違うのではないだろうか。以前は仕事がないだけのホームレスだったが、いまは家族からも弾き出されるファミリーレス、夢がないホープレスといった悲惨な状況に置かれている。(テレビ朝日系列「スーパーモーニング」より要約)
コイズミ構造改革は国民に苛酷な競争社会をしい、そこから弾き出される人々を粛清しながら、国民の税金をブッシュに云われるがままに他国に流しつづけている。そのほんの一部を雇用促進に振り向けるだけで、ホームレス問題は解決の糸口が開けるのだ。雇用の場を与えられれて初めてコイズミのいう自立も形勢されるのだが、生活困窮者は競争社会の敗北者だとばかりに切り捨てる現状では自立もしようがない。そればかりかコイズミ政策はさらに弱者の自立の道を閉ざすことになってしまう。国民から税金を搾取し、危険極まりない他国の復興に自衛隊を派遣するのでは、自国民のカネも命も他国のために喜んで捧げるようなものだ。一国を率いる指導者としては最悪の独裁者ではなかろうか。数万人が行き交う路上でミイラ化して死んでいたというホームレスのニュースが、今の日本を如実に象徴しているように思えてならない。国民に痛みを強いる権力の有り様を容認してしまっている普通の人々、みんな心がミイラ化しているかのよう・・・気付かなかったと弁明するには遅すぎる、そんな日が今であっても不思議はない。
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