04/01/12 (月)
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脱談合宣言、その後の闘い。第一測量設計コンサルタントの1年
近藤恒雄社長(63) 「長土会」市川悦雄会長
 去年2月1日、長野県入札問題公聴会で第一測量社員の立山昭浩氏は「私は数百件の入札を担当、その中で談合がない入札は一件もなかった」と告発する。これは脱談合を宣言した近藤恒雄社長(63)の意向でもあった。
 近藤社長は云う「彼らはハゲワシと一緒で、お上に逆らった会社は生かしちゃおかんと睨みをきかせているわけだ。利権のウラには「官」の部分が付着している。我々の年代がそういう社会を造ってきた張本人なんだ。やはりきちっと整理して次の世代に渡すのが我々の責務だ」
 しかし、脱談合宣言以後、第一測量の売り上げは半分以下に落ちる。長野市契約課での第一測量の指名率でみると、2001年は23%あったものが2002年には13%へと極端に落ちている。指名競争入札による第一測量への「指名外し」が行われたのだ。近藤社長は「指名入札だから、指名されないと入札できない。いわゆる談合離脱はけしからんという行政側の思惑が働いた結果だ」と分析する。そこには天下りと官製談合の巨大利権という背景がある。
 近藤社長の脱談合宣言は国内の同業者に大きな反響を呼んだが、一方、地元長野の業者には逆に反感を抱かせる結果となった。第一測量営業担当、三森健司氏は云う。
「いくらで入れるんだ?と訊いてきて、社長が決めたことで教えられない、と云うと勝手に値段下げやがって、ふざけんな。覚えていろ、と恫喝された」
 そんな中、2002年12月12日、突然公取委の立ち入り調査が行われる。長野県土木部OB会「長土会」市川悦雄会長は「第一測量の近藤社長は鼻高々としゃべって人気取りをやっているが、公取委がいくら調査しても何も出てこない」と話していたが・・・結果的に公取委は第一測量の談合離脱を認め、「長土会」に連なる地元業者の面々は逆に自ら談合関与を認めざるを得なくなった。これで第一測量に追い風が吹き始めたかのように思えたが、今度は業者同士のダンピング合戦が始まり、第一測量は資金難から再びピンチに立たされるはめとなった。
(テレビ朝日系列「サンデープロジェクト」より要約)
【関連サイト】第一測量設計コンサルタントHP


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