03/12/12 (金)
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 米軍撤退の真意は?

 3割に満たない賛成派に、7割強が反対をしているというイラク派遣是非の国民調査結果、それでもイラク派遣の閣議で決定されるという異常事態にイラク派遣先での自衛隊犠牲者は避けられないとの見方が大半だ。泥沼化するイラク内戦にブッシュ大統領の苛立ちが強硬路線に拍車をかけ、より事態を泥沼化させていくという味方も変わらないようだ。しかし・・・来たる大統領選を考慮するとき、ブッシュが大敗をきしてまでイラクに深入りするかどうか?となると、少し考えを見直すべきかも知れない。というのは、すでにアメリカが東アジアからの大規模な駐留軍撤退を表明しているからだ。これが本当だとすれば、韓国はもとより日本の沖縄米軍基地からの撤退も当然考えられる。そして、こうした米軍撤退がより加速していくと仮定したときには、それが全アジアしいては中東にまで加速することも考えられる。まるで引き潮のように、米軍が世界の紛争地帯から引き揚げていく光景は、戦争を反対していた多くの人々を狂喜させるに違いない。それを見越すかのようにブッシュは再選にのぞむというシナリオである。もう少し妄想を逞しくしてしてみよう。
 そのとき我が総理は主人に肘鉄を食らったかのような放心状態に陥るだろう。突然主人に、自衛隊派遣を中止しろ(もしくは派遣した自衛隊を帰還させよ)と命令されるのだ。混乱する頭の中で彼は必死で御主人様の心の内を探ろうとする。総理は落胆し、彼みずからがたった一人で武装してイラクに乗り込むような気持ちになる。しかし結果的に、コイズミ政権は自衛隊に犠牲者が出なかったことで救われる。忠犬ポチ公はブッシュ保安官の足元に平伏して感謝する。「やっぱり御主人様は偉大だ、信じてよかった」
 2004年の幕開けは全世界が平和の勝利で沸き返る、そんなプレゼントが用意されているかも知れない。マヌケなサンタの遅すぎたプレゼントだ。でも、そのプレゼントを開けたら、やがて人々は浦島太郎のような絶望を感じることになるかも知れない。その絶望とは嵐の前の静けさ、大戦前夜のより不気味な静寂のことである。そのとき一部の賢明な人々は気付くのだ、アメリカが紛争地域から軍隊を撤退させた本当の意味を・・・あのときの引き潮が大津波の前触れたったことを。

 嘘と信じやすさが一緒になって「世論」を生む。(ポール・ヴァレリー)

 
【管理者報告】
 今年1年分の「日々雑感」の目次をほぼ書き終えた。ただし、リンク切れなど随所にあり、少しずつ訂正していきたい。来年初頭にはそれらをカテゴリー別にまとめる予定。
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