[2003衆院選やまぐち]佐藤氏復活に自民安堵−−各党総括 /山口
◇民主1議席のみで戦略練り直し
◇公明、比例票伸長を評価
◇共産、社民、主張浸透せず
衆院選の開票結果を受け各党は10日、記者会見を開いたりコメントを発表した。
自民は森中克彦幹事長が会見した。公認を巡り騒動が続いた2区は佐藤信二氏が比例で復活当選したものの「態勢を立て直す努力をしたい。やはり候補者の日ごろの活動が重要」と言い、後継問題は「まず地元の意見を尊重したい」と語った。ある県連幹部は佐藤氏復活で「何とか丸く収まった」と安堵(あんど)の表情。執行部の責任問題には発展しない模様だ。
来夏の参院選については、出馬に意欲をみせる岸信夫氏らと「これから話し合っていきたい」と述べるにとどまった。
民主の西嶋裕作幹事長は小選挙区の戦いを「現職の壁は厚かった」と振り返った。2区の議席こそ守ったが、満を持して擁立した1区の元女性副知事は前回の落下傘候補より1万5000票の上積みにとどまった。3区も同様のダブルスコアで、県内の2大政党制は遠いことを印象づけた。
比例は7万7729票伸ばしているだけに「選挙区の戦いを考えないといけない」と戦略の練り直しに言及。来年の参院選は「人選はまだだが、擁立する」と述べた。
公明は比例で桝屋敬悟氏が4選を決め、県内の比例得票数も前回より伸ばした。先城憲尚幹事長は「連立政権で4年間の実績や年金制度改革の訴えが有権者の理解を得た」とのコメントを出した。
共産は「反自民」無党派層を民主に食われた形となった。3小選挙区の得票総数が前回の半分以下と大苦戦。加藤碩県委員長は「時間不足、力不足で党の主張を浸透させることができなかった」と総括した。
社民は全国で現有議席を大幅に減らした。県内で初めて候補を擁立した4区新人は2万票余。重枝喬選対委員長は「小泉内閣と自民党が進める政治への不満や危機感を支持拡大に結び付けられなかった」と述べた。【佐藤丈一】(毎日新聞)
<放火未遂事件>安倍幹事長宅狙った組長ら6人逮捕
自民党の安倍晋三幹事長宅(山口県下関市)の倉庫兼車庫に00年6月、火炎瓶が投げ込まれて車などが焼けた事件で、福岡、山口両県警合同捜査本部は11日、北九州市小倉北区明和町、指定暴力団工藤会系高野組組長、高野基容疑者(53)ら6人を非現住建造物等放火未遂容疑で逮捕した。
調べでは、6人は共謀し00年6月17日午前3時ごろ、下関市上田中町2の安倍幹事長宅敷地内の倉庫兼車庫(2階建て延べ約135平方メートル)に火炎瓶を投げ、車庫内の車3台とタンスなどを全半焼させた疑い。
また、6人はこの3日前の14日午前3時ごろ、同市竹崎町4の商業施設3階の窓や壁面に火炎瓶を投げつけ、窓ガラス1枚を割り、壁を焦がした疑い。
同月28日には、下関市東大和町の安倍幹事長後援会事務所の窓ガラスが割られ、屋内外に火炎瓶のようなものが2本置かれており、両県警は6人が関与した可能性があるとみて、安倍幹事長の自宅を狙った理由や背後関係などを追及している。
自宅が狙われた当時、安倍幹事長は衆院選山口4区から3選を目指して立候補し、選挙運動中だった。
他の5人は北九州市小倉南区横代東町、高野組副組長、池田利彦(57)▽同市小倉北区明和町、同組員、地蔵原知哉(25)▽同所、元組員で無職、田中浩二(39)▽同市八幡西区楠橋西、同、外間竜介(31)▽山口県下関市三河町、無職、小山佐市(66)容疑者。5容疑者はいずれも別の事件で有罪判決を受け、服役中。(毎日新聞)
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