03/09/27 (土)
![]()
火災のあと、引っ越し先の庭に杉の苗木が植えられた。
あれから30年あまりの歳月が流れ、
浮世の変転を眺めながら、杉の木は10メートル近くに成長している。
杉よ・・・かくも大きく、高くなって、おまえは今なにを考えているのか?
私の父や母の柩が運ばれていくのを、おまえは眼下に眺めていたはずだ。
人の世の移ろいを眺めながら、その中で私の存在も記憶しているだろう。
いま、私はおまえを見上げながら、その私を見下ろしているおまえの存在を、その心を推しはかる。
杉よ、私はおまえだ。
おまえは私になって、もっと大きく、高く、青空を突き抜けろ。
←
「新じねん」TOP
→