03/09/04 (木)
サウジ国王のおいら協力 アルカイダ幹部自供か
 【ニューヨーク31日共同】1日発売の米誌タイムは、米当局に拘束されている国際テロ組織アルカイダの最高幹部アブ・ズベイダ氏が、同組織とサウジアラビア、パキスタンの秘密の協力関係を自供。ファハド・サウジ国王のおいのアハメド・ビン・サルマン王子が連絡役だったなどとする作家ジェラルド・ポスナー氏の著作の内容を報じた。ランダムハウスから近く出版される「ホワイ・アメリカ・スレプト(なぜ米国は眠っていたか)」は、昨年3月に逮捕されたズベイダ氏が、自白剤を使った尋問で、アルカイダの最高指導者ウサマ・ビンラディン氏と両国の高官らの関係を供述したとしている。それによると、ズベイダ氏が明らかにしたサウジ側の連絡相手の電話番号は、アハメド王子のものだった。ビンラディン氏は、サウジ情報機関の長だったトゥルキ・ファイサル王子と1991年に会い、アルカイダがサウジ国内での抗議行動を支援しない条件で、秘密資金提供の約束を取り付けたという。(共同通信)
 イブン・サウドの妻135人、うちサウジ家の王子約7千人、ここから上記の王子を特定するには多少間違いも出てくるかも知れない。問題のサルマン王子は、国王候補のSalman al Saud (1936-)のことと思われる。現国王ファハド(Fahd al Saud 1921-)との歳の差は15歳、現在67歳と高齢であることから別人の可能性もある。系図を調べると共にスデイリ七人兄弟の範疇にあり、「甥」となればその息子なのかも知れない。たが息子たちにサルマンの名は見当たらないので、とりあえず1936年生まれのサルマンを当事者としたい。詳細な情報が入手できれば比較検討して変更を加えていきたい。
 またビンラディン氏と資金提供の約束をしたというトゥルキ・ファイサル王子も、系図からは同名のトゥルキが複数登場して紛らわしい。しかし、丹念に調べることでこれは簡単に割り出された。リヤド知事Nasir al Saud (1921-)の娘を母親とするナジール家の息子、Turki al Saud (1945/47-)である。彼は二年前まで対外諜報機関・総合情報局長GIDの長官をしていた。彼はまたイスラム金融の巨大商業銀行BCCI(バンク・オブ・クレディット&コマース・インターナショナル)の大株主でもあった。ウールジーCIA長官によれば、もう1人の大株主ビンマーフーズ家とビンラディン家は親戚関係にあるという。中東金融の父と呼ばれたビンマーフーズ家は、サウジ第一のナショナル・コマース銀行の株をカーキ家と共に100%保有していた。BCCIは1991年に破綻したが、ここはCIAの銀行とも云われ、欧米諸国に散々利用されては凍結された。上記のトゥルキ王子がビンラディンと会ったされる1991年は、奇しくもBCCIが資金凍結された年でもあった。
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