03/08/30 (土)

イラクで爆発、シーア派政党指導者死亡 信者19人も
 アラブ首長国連邦の衛星テレビ局アルアラビアによると、イラク中部にあるイスラム教シーア派聖地ナジャフのイマム・アリ廟(びょう)前で29日、自動車に積まれたとみられる爆弾が爆発し、イラク統治評議会に参加するシーア派の主要政党イスラム革命評議会(SCIRI)の最高指導者ムハンマド・バーキル・ハキーム師(64)が死亡した。このテロで他に信者ら少なくとも19人が死亡した。シーア派内部では、強硬派から、SCIRIが米英の暫定占領に協力しているとの批判があったとされ、同派の内紛が噴き出す可能性がある。
 報道によると、ハキーム師が金曜礼拝の演説を終え、モスクを出てきたところで爆発が起きたという。 米英暫定占領当局(CPA)のブレマー代表は事件を受け、「今日の爆撃で、新生イラクの敵が手段を選ばないことが分かった。彼らは無実のイラク人を殺し、イスラムの聖地を破壊し、テロリズムの邪悪な姿を現した。我々はイラク警察に全面協力し、首謀者を裁きにかける」と述べた。
 一方、統治評議会のアフマド・チャラビ・イラク国民会議(代表)はカタールの衛星テレビ・アルジャジーラで、十分に安全を確保しなかったとして米軍を非難すると共に、イラクの分裂を図るフセイン元大統領派の仕業だと述べた。ナジャフでは24日にも、ハキーム師のいとこでシーア派の最高位の法学者(大アヤトラ)のムハンマド・サイード・ハキーム師の自宅前で爆発があり、護衛3人が死亡、同師が軽傷を負うテロ事件があったばかり。
 バーキル・ハキーム師は、イラク国内でバース党体制に反対する運動を行い、82年にイランに亡命し、反体制組織のSCIRIを結成した。SCIRIは湾岸戦争後にクルド人組織などと協力し、国外にいる反フセイン政権組織で共同歩調をとり、シーア派組織の中心だった。イラク戦争後は米英の占領政策に協力する姿勢をとり、7月に暫定占領当局(CPA)のブレマー代表が25人の統治評議会メンバーを任命した際に、弟のアブドルアジズ師が委員になった。シーア派イスラム教徒はイラクの人口の6割以上を占め、ナジャフの宗教指導者集団が大きな影響力を持つ。ハキーム師は、最高位のアリ・シスターニ師サイード・ハキーム師らとともに、米英の占領政策に協力する姿勢をとっているが、対決を求める強硬派指導者もおり、宗派内で緊張が高まっていた。
シーア派指導者を狙った爆弾テロで3人死亡 イラク
 イスラム教シーア派政治組織、イスラム革命最高評議会(SCIRI)のバグダッド事務所によると、シーア派の聖地ナジャフで24日午後2時前、最高位法学者大アヤトラ」のムハンマド・サイード・ハキーム師の自宅のすぐ外で大きな爆発があり、護衛の3人が死亡、ハキーム師自身も飛び散ったガラスで首に軽いけがをした。
 爆発は、ハキーム師が午後の礼拝を終え、自室に戻った直後に起こった。ガスボンベに起爆装置をつけた手製爆弾が使われた模様で、ハキーム師を狙ったらしい。犯人は不明だが、シーア派の中には最近、占領米軍との対決姿勢を強める勢力が出ており、ハキーム師らの穏健姿勢に不満を募らせていると言われる。同派内の内紛の可能性もありそうだ。ハキーム師はSCIRI最高指導者のムハンマド・バキル・ハキーム師の親類で、ナジャフで最高位のアリ・シスターニ師と並ぶ宗教指導者。シスターニ師と同様に政治的には、中立的な立場をとっている。

 ハキム師が暗殺されたことの意味は大きい。これでイラクは内戦状態に突入する懸念すら出てきた。読者はすでに気付いていると思うが、あのチャラビが早速しゃしゃり出てきたね。こういう腹黒い人物がいけしゃあしゃあと「フセイン元大統領派の仕業だ」などとうそぶくあたり、実際にはその逆ではないかと勘ぐりたくなる。銀行不正でヨルダンから追放された小賢しい体質は変わっていないだろう。
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