台風一過、空は透き通って青い。衰弱していたグレィ２世も、少し餌を食べてくれた。心も何とはなしに晴々したような、これは錯覚だろうか？どうでもいいや、とにかく今日は気分がいい。
１５時４０分現在、太陽は燦々と照り輝き、気温は３０度を越えている。午前中、元気になったように見えたグレィも、午後の猛暑に再び寝こんでしまった。
２３時現在、あれ以来小猫が餌を食べてくれない。何故なんだ？今日一日、付きっ切りで小猫の様態を看ていた。グレィはだんだん衰弱していく（以後､グレィ２世をグレィと呼ぶことにする）。私の心もだんだん苦しく、虚しさに囚われていく。他の猫たちに餌をやろうとすると、一斉に集まってくるのだが､そうするとグレィもむっくり起き上がって一緒に餌を食べようとする。しかし、食欲のないグレィは餌の前で静止したままだ。その様子を見ていたら涙が止まらなくなった。
彼は明日の朝まで生き延びていてくれるだろうか？今日はグレィのほかは何も考えられない。グレィを包んでいるタオルも排泄物などですぐ汚れる。タオルだけでは足りず､自分の下着でグレィを包んでやっている。もう新しい下着も無くなったので今夜のうちに洗濯しておこう。
ときおり瞼が開かなくなる。目尻に僅かに膿が出てきている。それを拭ってやるが・・・嫌な予感がする。グレィの意識が薄れていくように、私もときどき立ち眩みがする。共倒れになる前に、少し仮眠することにしたい。しっかりしなくちゃ・・・
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