自爆攻撃で米兵3人死亡=運転手ら2人も、開戦後2件目−イラク
【カイロ4日時事】米中央軍が4日明らかにしたところによると、イラクの首都バグダッドの北西約220キロに設置されている米軍検問所に3日夜、爆発物を積んだ車による自爆攻撃が加えられ、米兵3人が死亡、2人が負傷した。自爆攻撃を敢行した2人も死亡した。イラク戦開始後、自爆攻撃で米兵に死者が出たのは、3月29日にナジャフ近郊で4人が死亡して以来2件目。 (時事通信)
国連調査団がイラク入り、赤十字の支援物資がバスラへ
[クウェート 4日 ロイター] イラク攻撃直前に国外に退避していた国連の職員が、イラク国内の状況を調査するため、攻撃開始以来初めてイラク入りした。
国連関係者が明らかにした。
今回イラク入りしたのは、世界食糧計画、国連児童基金(ユニセフ)、国連イラク人道調整官事務所(UNOHCI)の共同チームと国連の警備関係者。クウェートからイラク南部ウンムカスルの港に向かったという。
総勢十数人の一団は、ウンムカスルや周辺地域の食糧や水の供給、衛生、電気、住民の健康状況の調査を日帰りで実施する。
また、ジュネーブの国際赤十字委員会(ICRC)は、人道援助物資の第一弾がクウェートからイラク南部バスラに向けて出発したと発表した。
トラック2台に搭載された物資の内容は、麻酔薬、縫合糸、点滴、包帯や毛布などの医療品で、バスラ市内の4病院に分配される見通し。
(ロイター)
<イラク戦争>統制むずかしいクルド武装勢力 イラク北部ルポ
【カゼル近郊(イラク北部)藤生竹志】クルド人組織「クルド民主党」(KDP)の武装勢力と米特殊部隊が連携し、イラク軍に対じするイラクの北部戦線。その戦況は、フセイン政権が崩壊の道を歩むのかどうかを占うカギの1つだ。だが、湾岸戦争(91年)後、初めて同政権支配地域に進攻したクルド武装勢力と支援の米軍との作戦は、まだ、統制十分とはいえない状況だった。
「引け!。これはミリタリー・オぺレーション(軍事行動)だ。早く下がれ!。安全は保証出来ないぞ」。米特殊部隊の兵士が報道陣に向かって叫ぶ。クルド武装勢力はカラシニコフ銃や機関銃で激しく反撃したが、その実態はめった撃ちだった。
クルド武装勢力は最初、優勢かとみえたが、次第に押し戻されていた。
「逃げろ!」。兵士の叫び声を聞き、反射的にイラク軍が残した土豪に走りこみ、身を硬くして頭を抱えた。その直後に、約50メートル背後で「ドーン」と爆発が起き、煙が上がった。
攻撃が収まると、穴からはい出してイラク軍の様子を見ようと試みた。榴弾砲や迫撃砲の「ボン」という発射音が聞こえるたびに土豪に駆け込んだ。そんなことを何度か繰り返した。イラク軍が放棄した土豪には、仕掛け爆弾が残されている可能性もあったが、そんなことを考える余裕もなかった。
AFP通信は3日、イラク軍の戦略的要衝とされるイラク北部の村カゼルで、約200人のイラク兵と約120人のクルド兵が交戦したと伝えた。クルド武装勢力司令官は同通信に「戦線が開かれた」と話し、北部戦線での本格的な地上戦開始を告げた。
劣勢を受けて、米特殊部隊が急きょ、無線で空爆支援を要請した。戦闘開始から30分もしないうちに、米軍戦闘機によるイラク軍への空爆が始まった。約2キロ先に見えるカゼル周辺のあちこちから煙が上がった。橋が爆破され、イラク兵が乗っていたトラックが吹き飛ばされるのが双眼鏡で見えた。
私たち報道陣にとっては、戦場からいつ逃げ出すかが大問題だった。イラク兵が見ていれば攻撃される可能性もあった。
「今だ。早く走れ!」。自治区入り以来、取材で一緒に行動してきた、地元の裏事情に詳しい武器商人の声に、はじかれたように走り出した。息が続く限り走って、何とか脱出した。
北部戦線では、米軍機によるイラク軍陣地への空爆支援を受け、これまで自治区から出ようとしなかったクルド武装勢力が境界線を越え始めた。だが、フセイン政権はクルド人指導者に対し、米軍を支援しないよう強く警告している。
3日の戦闘は夕方になってやっと収まった。だが、自治区に入る米兵は近く、約2000人に達する見通しだ。一方のイラク側は精鋭部隊「共和国防衛隊」を、北部の油田都市キルクークやモスルなどに配置している。北部戦線でも今後、激しい戦闘が繰り返されるのは必至といえそうだ。(毎日新聞)
イラクの共和国防衛隊バグダッド師団、2500人が投降
[アッサイリヤ米軍基地(カタール) 4日 ロイター] 米中央軍報道官のフランク・ソープ大尉は、ロイター通信に対し、イラク共和国防衛隊のバグダッド歩兵師団2500人が、前日夜にかけて米軍に投降した、と語った。さらに、米海兵隊が南東から首都バグダッドに接近している、としている。
同報道官は、「前日夜、イラク共和国防衛隊のバグダッド歩兵師団の約2500人が投降し軍服を脱いだ、と(現地から)報告を受けた」と述べた。
一方、同報道官は、米海兵隊が首都バグダッドから南東約170キロ(105マイル)に位置する都市クートを出て首都に接近しているほか、他の軍は首都南東にある空港を目指して出発した、と発言。「海兵隊第1遠征軍は、現在、バグダッド付近にいる」と語った。(ロイター)
首都死守の決意表明=イラク大統領が声明
【カイロ4日時事】イラクのサハフ情報相は4日、国営テレビを通じてフセイン大統領の声明を代読、米軍部隊が首都包囲網を狭めていることについて、「忠誠なる人々が敵に立ち向かうことを、バグダッドのすべての家族に確約する」と首都死守の決意を表明。その上で、「最終的な勝利は待つまでもない」と述べ、勝利に自信を示した。 (時事通信)
空港制圧後も凄惨な戦闘=イラク首都攻略へ重大局面−米英
【カイロ4日時事】イラク戦争は4日、米陸軍が首都バグダッド中心部の南西約20キロのサダム国際空港をほぼ制圧した後もイラク軍の抵抗が続き、激しい戦闘が起きた。小銃で武装しただけのイラク部隊が米軍戦車部隊に突撃する場面もあり、空港攻防戦は凄惨(せいさん)な戦闘になったもようだ。米英軍は空港を確保したことで、今後、フセイン政権打倒へ首都市街戦を開始するかどうかを決断する重大局面を迎えた。 (時事通信)
大量の首都市民が避難開始 市街戦恐れ郊外へ
【バグダッド4日共同】米軍がイラクの首都バグダッド近郊のサダム国際空港を制圧したとの情報が流れた4日、首都では市街戦を恐れる多くの市民が郊外への避難を開始した。首都攻防戦がいよいよ始まると市民が認識していることを示しており、バグダッド市内の緊迫はこれまでになく高まっている。
フセイン政権がバグダッドでの統制力を失い始めた兆候との見方も出ている。
イラク当局は現時点で市民の流出を止めようとしておらず、同日中には人口約500万人の市民のうち、100万人を超える住民が市外に退避するのではないか、との見方もある。
目撃者の話によると、同日朝、市民の間で安全といわれている東方のディヤラ方面に向かう数千台の車が、幹線道路で3キロにわたる列をつくっていた。
市内では、車を持たない女性や子どもが郊外に向かう車に相乗りしようとする姿があちこちで見られ、首都から脱出する市民の流れはさらに大きくなりそうだ。(共同通信)
イラク軍は態勢整えるためバクダッドに退却か=英国防相
[ロンドン 4日 ロイター] フーン英国防相は、米軍がバグダッドの国際空港を制圧後、イラクの共和国防衛隊が防衛態勢を整えるため、バグダッドに戻った可能性がある、との見解を示した。
BBCラジオに対し、国防相は、空港制圧はフセイン大統領にとって「心理的な大打撃」と述べたが、イラク政権が直ちに崩壊することにならない、との慎重な見方も示した。
国防相は、「共和国防衛隊がバグダッド市内に撤退して、防衛態勢を整える可能性も残すべきだ」と述べた。
空港制圧の意味については、「イラク政権にとっては心理的な大打撃となる」と述べた。
また、「共和国防衛隊は、バグダッド近郊には、米軍も同盟軍もいないと政権指導部から言われていると承知している。しかし、直ぐにそれが真実ではないことに気づくだろう」と述べた。
そのうえで、バグダッド攻撃は、「大きな軍事的な試練となる。このため、非常に早期のイラク政権の崩壊を予想することは、戒めてきた」と述べた。
専門家によると、サダム国際空港制圧は、バグダッド攻略をめぐる戦闘で、前線作戦基地となるため、米軍にとっては重要な戦略目標だった。(ロイター)
空港の制圧作戦に参加 米空母キティホーク海軍当局
【米空母キティホーク艦上(ペルシャ湾北部)4日共同】米空母キティホークの海軍当局は4日、同空母艦載機が同日未明に首都バグダッド郊外にあるサダム国際空港制圧作戦に参加、燃料施設や格納庫、軍事複合施設を空爆したと発表した。
このほかバグダッド市内や周辺で大砲や軍事車両、防空施設などを空爆。61機が攻撃に参加し、うち30機が計69発の精密誘導爆弾を投下した。
また、ペルシャ湾の米軍艦船からバグダッドに計35発の巡航ミサイル、トマホークが発射された。(共同通信)
対イラク戦争、絶え間ない報道に米国内から疑問の声
[ニューヨーク 3日 ロイター] 対イラク戦争開戦から2週間、米国では、重装備に身を固めた従軍記者が衛星携帯電話を通じて息もつかずにレポートを続ける映像や、個別の銃撃戦などが絶えず報じられている。
一方で、人影が動き回っている「暗視カメラ」の緑がかった映像や、ビデオゲームのような感覚で映されるバグダッドの空爆風景、長い記者会見や、元司令官などが集まって現場を率いる司令官を批判する番組なども放映されている。
現在は、第二次大戦やベトナム戦争当時と異なり、生映像が編集されずに垂れ流しされ、視聴者はそうした情報過多に消化不良気味になっているという。
コロンビア大学院のトッド・ジトリン教授は、「(戦争報道で)これといった番組にまだ出会っていない」と指摘。「よい映像に貧困な解釈」が目立つと述べた。
また、ペンシルベニア大学アンネンバーグ校のバービー・ゼリザー教授は、テレビ世代にとって、絶え間のない報道は必ずしも実現しない期待を抱かせる、と指摘。
同教授は、「大衆は、よりよいニュースがたくさん流れることを期待しているが、実際はその反対のことが起きている」と語った。(ロイター)
イラク国民解放を=攻撃支持の集会−クウェート
【クウェート市4日時事】アラブ諸国で唯一、米英軍のイラク攻撃を支持するクウェートで3日、「イラク国民の解放」を求める集会が催された。
クウェート市内で開かれた集会では、市民や宗教指導者など1000人前後が、クウェート国民の団結と米英軍支持をうたって気勢を上げた。実行委員会のウマル氏(39)は「戦争を支持しているのは、イラク国民をフセイン政権から解放するためであることを明確にしたい」と話す。 (時事通信)
米英軍、酷暑が大敵=イラク中南部に熱波予報
【ワシントン4日時事】米英軍が展開するイラクの中南部は今週末、高温に見舞われると予想されている。激しい砂嵐にてこずった米英軍は、首都バグダッドを目前にして、今度は酷暑という大敵を相手にすることになりそうだ。
気象予報会社によれば、ここ3週間ほど涼しい天候が続いていたイラク中南部は今週末、広い地域で日中の気温が32度を超え、所によっては38度前後に達すると見込まれている。熱波は少なくとも週明けまで続くという。 (時事通信)
イラク西部の拠点制圧、石油戦略とも一致=アラブ義勇兵の流入チェック−米軍
【アンマン4日時事】米軍が占拠しているイラク西部の軍事拠点、H2、H3と呼ばれる飛行場周辺に、アラブ諸国からの義勇兵流入を阻止するチェックポイントが設置されたことが4日までに分かった。両飛行場はヨルダン国境近くにあり、イスラエルに対するイラク軍のミサイル攻撃拠点になるとして、開戦直後に米軍が制圧。イラクからイスラエルに通じる石油パイプラインの拠点にも当たるため、背後に米国の将来の石油戦略があると指摘する声も出ている。
米軍は両飛行場を極めて重視し、首都バグダッドに空爆を加える一方、特殊部隊を投入して開戦2日目に制圧した。ヨルダンやシリアからバグダッドに通じる道路沿いに位置し、現在は義勇兵流入を阻止するチェックポイントとして重要な役割を果たしている。
対イラク国境に近いヨルダンのルウェイシェドはかつてH4、首都アンマン北方のマフラクはH5と呼ばれた。H2、H3と同様、イラクからヨルダンを経由してイスラエル北部のハイファに達する石油パイプラインの防衛拠点となっており、イラク北部のモスル近郊にあるH1を除くすべてに米軍が駐留することになった。 (時事通信)
<イラク戦>米軍、バグダッド進撃「2の師団を壊滅」
米軍は開戦15日目を迎える3日、イラク共和国防衛隊の最精鋭部隊2個師団を撃破し、バグダッド南方32キロの地点まで進撃したことを明らかにした。
米中部軍司令部はこの日、バグダッド南部郊外のカルバラとクート付近地域で、米陸軍第3歩兵師団と海兵隊第1遠征軍がメディナ機甲師団とバグダッド師団をそれぞれ壊滅させ、ユーフラテス川とチグリス川を渡りバグダッドへ向かっていると発表した。これに対抗し、イラクも同日未明からバグダッドの共和国防衛隊の部隊を南下させているものとされる。
しかし、イラク政府は、共和国防衛隊の2個師団が壊滅されたという米軍の発表について「根拠のない嘘」と否認した。イラクのフセイン大統領もテレビのキャスターが代読した声明で「われわれは軍事力の3分の1以下だけを使っており、勝利は目の前に迫っている」とし、抗戦を促した。
米軍は、バグダッド市街戦で大量な人命被害が予想されるうえ、イラク軍が生物・化学兵器を使用する可能性があることから、即時のバグダッドへの進撃について慎重な立場を示している。
一方、トルコが2日、イラクで戦闘を展開している米軍にトルコの領土を通じて食品、燃料、医薬品などを送るのを許可することによって、この日北部イラクの米軍に、トルコ領土を経由した40台以上の戦闘車両と補給品が支援された。
こうしたなか同日、米軍の戦闘攻撃機「FA18ホーネット」がイラク軍が発射したミサイルによって撃墜され、カルバラ付近では米軍の兵員輸送ヘリコプター「ブラックホーク」がイラク軍の小火器で撃ち落され、搭乗していた兵士7人が死亡した。
蔡秉健(チェ・ビョンゴン)記者 <
mfemc@joongang.co.kr
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2003.04.03 17:48
米英軍、サダム国際空港を制圧
米英軍はイラク時間の4日朝、バグダッドの南西端から約10キロにあるサダム国際空港を制圧した模様だ。首都包囲・攻略をめざす米英軍は重要な足場を確保したことになる。
一方、バグダッド市内では開戦後初めて、全域が停電した。暗闇に乗じて米英の特殊部隊が市内に潜入したとの情報もある。米英軍はまた、チグリス、ユーフラテス川の主要な橋を次々と確保し、首都包囲への態勢を固めた。
【ワシントン=伊藤俊行】サダム国際空港への攻撃は現地時間3日夜、米陸軍第3歩兵師団などの部隊が開始した。
ロイター通信の従軍記者が、米軍筋の話として伝えたところによると、米軍は激しい地上戦と夜通しの空爆の末、空港を掌握した。イラク側は周辺に撤退し、空港全域に米兵が展開しているという。英BBCも米軍の前線指揮官の話として、空港の制圧を伝えた。
AFP通信によると、米軍当局者は空港の「80%」を支配下に置いたと語った。施設の一部では少数のイラク兵が抵抗を続けている模様だが、完全制圧は時間の問題とみられる。
米FOXテレビは、米軍の第101空挺(くうてい)師団が空港の保安のため投入される、と報じた。
一方、イラク側は空港周辺に兵力を集結させ、首都への進撃を阻む態勢を敷いているとの報道もある。
ロイター通信は米軍筋の話として、米英軍が空港からチグリス川まで通じる地下トンネルを発見したと伝えた。フセイン政権幹部が首都から脱出したり、首都に物資を運び込んだりするのに使っていた可能性がある。
イラク北部では、米英軍の支援を受けたクルド人勢力数百人がカラクと要衝モスルを結ぶ幹線道路を制圧し、攻勢を強めている。また南部のイラク第2の都市バスラでは、英軍が3日、初めて市内にキャンプを設営するなど、長期化していた攻防の決着が近づいている。(読売新聞)
バグダッド全域で停電 米英軍が特殊爆弾投下か
【バグダッド4日共同】イラクの首都バグダッドは3日午後8時(日本時間4日午前1時)ごろ、市内全域で停電となった。首都の全面停電は開戦以来、初めて。
原因は発表されていないが、4日付の英紙フィナンシャル・タイムズは、米英軍が投下した発電・送電施設をショートさせる特殊兵器「ブラックアウト爆弾」が原因と報じた。
同日夕には首都南部で大きな爆発音が立て続けに聞こえたほか、停電直後にも中心部で大きな爆発音があった。
首都の南西約10キロにあるサダム国際空港は米陸軍第3歩兵師団の部隊が4日午前(同日午後)、制圧したが、首都中心部では、情勢急変に伴う軍の動きなどは今のところ見られていない。(共同通信)
<イラク戦争>イラク軍の司令系統に異常か 米側確認
【ワシントン藤原章生】米国防総省や米中東軍は、ここ数日、イラク軍の司令系統に異常が起きているとの見方を強めている。また米政府筋は、米軍の盗聴網からイラクのフセイン大統領らしき人物の声が完全に消えたとの情報を毎日新聞に明らかにした。米軍が3日、大きな抵抗もなくバグダッド郊外に達した背後には、イラクが司令系統に何らかの不具合を抱えた可能性が高いと見られる。
米中東軍のブルックス作戦副部長は3日のカタールでの会見で「イラク軍は誰が命令を出しているのか知らないようだ。我々は交信の低下を確認している。命令にも一貫性がなく統一された形になっていないようだ」と述べた。
米軍の作戦に精通する米政府筋によると「イラクの司令系統はここ数日、異常を来たしている」という。また、同筋は未確認情報として「従来傍受してきたフセイン大統領らしき人物の声が今月1日ごろから聞こえなくなり、大統領の子息とみられる人物の声だけが傍受されている」と語った。
イラク軍の司令系統の性質も1日ごろを境に変わり「3日現在、司令系統が止まったような状態になっている」という。
米軍は開戦前から衛星や地上電話、無線の盗聴などを通じイラクの政権幹部動きを追ってきた。
一方、米CNNテレビは3日、米中央情報局(CIA)の情報として、これまで放映されたフセイン大統領のビデオ映像が「開戦前に撮影された可能性が高い」と報じ、改めて「フセイン死亡説」を浮上させた。
また、ラムズフェルド米国防長官は3日の会見で、米国がフセイン大統領の生存を確認したのではないかとの質問に対し「情報源は一つに過ぎず、複数の情報で確認したわけではない」と応じ、大統領の生存には疑問を投げかけた。
ただ、司令系統の異常がフセイン大統領の生死に関わるとは短絡できない。米政府筋は「少なくとも数日前まで、イラク側の作戦にはフセイン大統領の色合いが強く出ていた。仮に死亡していた場合、イラク軍の抵抗力はもっと早い段階で落ちていたはず」と、死亡説を暗に否定している。(毎日新聞)
イラク民兵が聖地・ナジャフで住民を「人間の盾」に
【カイロ=平野真一】ドバイに本拠を置くサウジアラビア系衛星テレビMBCは3日夜、イラク中部ナジャフのイスラム教シーア派聖地に陣地を築いた民兵組織が、住民を強制的に周囲に配置し、米軍の攻撃から身を守る「人間の盾」にしていると報じた。反体制シーア派指導者アブデルマジド・ホイ師の話として伝えた。
それによると、米軍はすでにナジャフ市内の大部分を制圧したものの、「イマーム・アリ廟」などの聖地には支配政党バース党や「サダム挺身隊」の民兵が陣地を築いている。民兵らは「大人、子供、老人を家から追い立て、(米軍が)入れないように人間の盾にしている」という。
民兵は聖地内から米軍を攻撃することでわざと反撃を誘い、「米軍による聖地破壊」を非難する作戦とされる。だが、米軍側は挑発に乗らず、発砲を控える方針を表明している。(読売新聞)
F15戦闘機による友軍誤射で米兵1人が死亡した可能性=米軍
[アッサイリヤ米軍基地(カタール) 3日 ロイター] 複数の米軍当局者によると、米軍は、F15E戦闘機と地上軍が関連し、米兵1人が犠牲となった事件で、友軍誤射の可能性について調査を行っていることを明らかにした。
米軍の声明は、「この事件で米軍兵士1人が死亡、複数の兵士が負傷または行方不明と報告されている」としている。
ワシントンの米国防高官によると、米軍機が誤ってバグダッド南部の砲撃拠点を爆撃した可能性について、調査が行われている、という。(ロイター)
フセイン政権は終わりへ 米大統領が演説
【ワシントン3日共同】ブッシュ米大統領は3日午前(日本時間4日未明)、ノースカロライナ州の海兵隊基地で兵士らを前に演説、イラクのフセイン政権について「残酷な政権は終わりに近づきつつある」と崩壊間近との認識を示し「完全かつ最終的な勝利しか受け入れない」との決意を表明した。
大統領はこれまでの戦闘で「素晴らしい成果を上げた」と強調。「残りの距離はわずかだ。目標はバグダッドだ」と自信を示した。
大統領はまた、イラク軍の一部が降伏を装って攻撃を仕掛けてきたことなどを批判し、責任者を「戦争犯罪人として裁く」と指摘。また、「われわれはイラク国民を解放する」と言明した。
大統領はこの後、戦闘で死亡した海兵隊員の家族らと面会する。(共同通信)
<米防衛業界>新型トマホーク増産へ イラク戦争で補充急ぐ
米防衛機器メーカー「レイセオン」は2日、新型の巡航ミサイル・トマホークの生産加速について米海軍と協議中だと明らかにした。米軍はイラク戦争で従来型を既に700発使っており、新型で補充を急ぐ。米海軍はレイセオンに対し、新型トマホーク192発の納入を増やせないかと打診し、同社は可能と回答した。(毎日新聞)
大統領宮殿攻撃の映像公開 米中央軍、ダム掌握も
【ドーハ3日共同】米中央軍のブルックス准将は3日、米特殊部隊がバグダッドの北西約90キロのタルタルにある大統領宮殿を急襲したが、指導部は見当たらなかったと述べた。
准将は暗視カメラで撮影した宮殿攻撃時の映像を示し、作戦の成果を強調した。
准将はまた、イラク北部のユーフラテス川流域のハディサにあるダムを3月31日に米軍特殊部隊が掌握した際のビデオ映像も公開した。
准将は米地上軍のバグダッド突入時期については、米中央軍のフランクス司令官が判断するとして明言しなかったが、フセイン政権がイラク軍を統制できない兆候が強まっていると強調した。(共同通信)
<イラク戦争>歩兵師団の一部バグダッドまで10キロ 米軍発表
米地上部隊は3日、イラクの首都バグダッドに向けてさらに進撃した。ロイター通信は米軍筋の話として、イラク中部カルバラから北上を続けていた米第3歩兵師団の一部がバグダッドの南郊約10キロまで迫り、市内中心部から南西約20キロのバグダッド国際空港近くに米地上部隊が陣取ったと伝えた。(毎日新聞)
アルジャジーラ記者追放 イラクで取材活動停止
【アンマン3日共同】AP通信によると、カタールの衛星テレビ、アルジャジーラは3日、イラクで取材中の同社記者1人がイラク情報省から国外追放を言い渡され、別のイラク人記者が取材活動を禁止されたと発表した。理由は明らかにされていない。
アルジャジーラは通常番組を中断してイラク当局の決定を伝えた後「遺憾だが、イラクにいるすべての本社記者の活動を中止する」と述べた。
アルジャジーラはこれまで米英軍の誤爆とみられる空爆現場の映像などを積極的に放映。イラク側に偏った報道として米政府の不興を買う一方で、アラブ諸国の反米感情を高める意味で大きな役割を果たしていた。
同テレビにはカタールのハマド首長が出資しているが、同国にはイラク戦争を指揮する米中央軍の前線司令部が置かれている。(共同通信)
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