大手銀行、金融庁に弁明書提出 業務改善命令検討に対抗
公的資金の注入先で業績が低迷している銀行に金融庁が業務改善命令の発動を検討していることに対し、三井住友、UFJ、住友信託、三井トラストの大手金融グループは30日、「命令を出す基準が明確でなく不適当な処分」などと発動を控えるように求める弁明書を金融庁に提出した。
行政処分に対する弁明は行政手続法に基づく措置。大手行が弁明という「異議申し立て」に踏み切るのは極めて異例だ。 しかし、金融庁は資本注入行の当期利益などが、国に提出した経営健全化計画の目標を3割以上、下回った場合に改善命令を出せる「3割ルール」に基づき処分を出す方針だ。今回弁明した4グループのほかに、みずほフィナンシャルグループと地銀約10行が対象となっている。住友信託は弁明書で「処分は不適当と言わざるを得ない」としたうえで、「3割ルールにより処分が発動されれば、今後の経営計画を推進する際の制約要因になりかねない」と指摘した。また別の大手行は「前期の赤字決算の原因は株価による一時的なもので、収益力そのものは向上している」(幹部)と弁明した。一方、みずほは弁明はしなかったものの、「前期の赤字は不良債権の処理などを進めた結果であり、1兆円の増資と合わせて万全な財務基盤を確保できた。『前向きな赤字』と位置づけている」と主張する書面を提出した。
1998年以降の一連の公的資金投入は瀕死の銀行の応急処置で危機を脱したのに対し、今回予定されている公的資金投入は予防的なものであるという。前回と違うのは、今度は行政ならびに金融庁が銀行経営に深く介入しようとしていることだが、これに大手銀行が行政の過剰介入だとして反対しているわけだ。金融庁の制約によって銀行の決定権が著しく損なわれることを懸念してのことだが、これまでの自業自得ともいえる銀行の危機的状況からして、それらが国民の税金投入によって救われてきたという意識があまりにも薄いのではないか。これは、喉もと過ぎれば熱さ忘れるで「もはや危機的状況は脱し、国の制約はこれからの銀行経営に邪魔になるから止めて欲しい」と身勝手なことを云っているの等しい。中小企業の多くが銀行の貸し渋り、貸しはがしに苦しめられている中で、さらに国民が否応なく銀行救済に税金の負担を強いられようとしていることを、銀行はどう思っているのだろうか?「前向きな赤字」などとよく云えるものだ。初めて聞く奇々怪々な言葉である。私の周囲には銀行から運転資金が借りられないで困っている経営者が殆どだ。日本政府は末端で困窮する国民を無視して、その困窮を作り出している銀行にまた国民の税金を使おうとしているのだ。政府も銀行も、公的資金が国民の税金だという初歩的認識すら欠落しているのではないか?主権在民を死語にしているのはアンタたちだ。日本国憲法にある、国民主権、基本的人権、平和主義の三大原理は効力が無くなったとでも思っているのだろうか?一国を率いる首相であれ、多くの会社を配下に置く財界大物であれ、憲法でいうところの主権者たる国民の生活権を脅かすは、すべて憲法違反者であるということを・・・承知していながらの、これは確信犯ではないか。公的資金とは云うまでもなく主権国民の税金であり、血税だ。その血税を国民に還元することなく、政府と銀行の間で勝手に取り決め、かつ動かし、あげくは内輪揉めしている。公的資金が国民のものとするなら、それらが何ら還元されないということを立証すれば、持ち主に返済してしかるべきではなかろうか。
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