<イラク>ウダイ、クサイ両氏の遺体の写真公表 米軍
【バグダッド斎藤義彦】イラク駐留米軍は24日、同国北部モスルで22日に殺害したフセイン元大統領の長男ウダイ氏(39)、次男クサイ氏(推定37歳)の遺体の写真を公表した。半信半疑のイラク国民に両氏の死亡を確信させ、フセイン政権復活を恐れて占領統治への協力をためらう傾向をなくそうという狙いだ。公表されたのは、両氏が本人と見分けがつく頭部および上半身の写真と、容貌を比較するための生前の写真、ウダイ氏の身元確認に用いられたエックス線写真など。ウダイ氏は足の骨などに暗殺未遂事件の痕跡が残っていた。(毎日新聞)
【公表された遺体の写真】食事時前後には見ないほうが良いかも、嘔吐する可能性あり。
真ん中の列、クサイの遺体と報じられた二枚の写真がどうも別人のように思えてしまう。左の髭面の写真は痩せているのに対し、右の写真は顎髭も無く、首周辺を見れば太っているように見える。まして当初は「クサイ氏の遺体は銃弾で激しく損傷し、複数の情報源から、身元がやっと判別できる状態だった」と報道されている。二人の遺体は検死の際に美顔化粧を施されたらしいが、それにしては顔の損傷が少ないように思える。それに、本人かどうかを判別するには、かえって化粧は素顔を隠蔽することになりはしないか?
フセイン元大統領にして影武者が10人ぐらいはいたというが、これは専門家の写真分析によっても数人確認されている。息子たちにも影武者が存在していても不思議はない。決め手とされる歯の治療記録も、その記録自体の信憑性はどうなのか?
DNA鑑定にしろ、元のDNAが本人のものと確証できるのかどうか?
提示されるデータそのものの信憑性をどう立証するのか・・・フセイン元大統領の生存説がささやかれる中、我が子を殺されてまで親が自分だけ生き延びようとは思えない。いかに極悪非道な独裁者にしろ、である。
フセイン氏、急襲直前まで邸宅に?=息子と共に潜伏−アラブ紙
【バグダッド24日時事】24日付のアラブ圏紙アッシャルクアルアウサトは、イラクのクルド人勢力幹部の話として、殺害されたフセイン元大統領の息子2人が潜伏していた同国北部モスルの邸宅に、米軍の急襲直前まで元大統領本人がいたと伝えた。 息子のウダイ、クサイ両氏は22日に急襲を受け、死亡した。
元イラク大統領の息子は米兵攻撃の黒幕ではなかった=サハフ元情報相
[アブダビ 23日 ロイター] イラク戦争中に「コミカル・アリ」の愛称で知られたサハフ元情報相は23日、フセイン元大統領の息子ウダイ氏とクサイ氏が米軍兵士に対し散発的に起きている攻撃を直接指示していなかったとして、2人が死亡しても米軍への攻撃は終わらないとの見方を明らかにした。
サハフ氏は「2人は潜伏していたのであり、抵抗したり、抵抗を指示する立場にはなかった。2人の行動範囲は限られており、拘束状態にあった」とアブダビのテレビ局に語った。サハフ氏はまた、2人の死亡後も米駐留軍に対する攻撃が行われたことで、2人が米兵攻撃で積極的な役割を果たしていなかったことが証明されたと述べた。ブッシュ米大統領が戦争終結を宣言した5月1日以来、ゲリラ攻撃で死亡した米兵の数は41人に上っている。米国は、フセイン元大統領の息子2人の死亡を最後にゲリラ活動が終息することを期待している。(ロイター)
24時間前から綿密に準備 フセイン子息狙った米軍
【パリ23日共同】フランス公共ラジオによると、22日イラク北部モスルでフセイン元大統領の息子2人を殺害した米軍の攻撃は、イラク人から情報を得た後、24時間かけて準備した綿密な計画に基づいていたことが分かった。通報者は、2人が潜んでいた邸宅の所有者かその隣人のクルド人かの二説ある。
モスルの治安を担当する米軍将校は23日「(情報を得て)24時間かけて作戦を準備した。近隣の被害を最小限にしたかった」と述べた。
同将校によると、米軍2小隊の兵士約80人は、フセイン氏の長男ウダイ、二男クサイ両氏のいた邸宅を取り囲んで展開、近隣住民を避難させた後に攻撃を開始した。米軍側のけが人は4人だけで、住民にけが人はなかった。
最後の1人はクサイ氏の子 掃討作戦で米軍に抵抗
【バグダッド23日共同】ロイター通信は23日、イラクのフセイン元大統領の長男ウダイ氏と二男クサイ氏が殺害された同国北部のモスルの掃討作戦で、最後まで生き残って米軍に抵抗し、殺されたのはクサイ氏の息子のムスタファ君(14)だった可能性があると伝えた。
現場の兵士の証言に加え、23日に記者会見したイラク駐留米軍のサンチェス司令官が「対戦車誘導ミサイルで3人の大人が殺されたとみられる」と述べたことや、「生き残った人物を殺害した」などという表現を使ったことが根拠。
司令官によると、民家の2階に立てこもった4人のうち最後まで生き残った人物は、踏み込んだ米兵に銃撃を浴びせて抵抗を試みたが、すぐに射殺された。
米政府当局者は、死者の1人はクサイ氏の息子だと述べ、司令官は、残りの2人の死者の身元は不明としていた。
<イラク>クサイ、ウダイ両氏と歯の照合で適合 米軍
米軍のサンチェス中将は23日、イラク北部のモスルで22日に死亡したイラク人2人は、歯の治療痕などを照合した結果、フセイン元大統領の長男ウダイ氏と二男クサイ氏に間違いないとの見方を示した。同中将は、歯の治療記録を調べたところ「クサイ氏は100%、ウダイ氏は90%適合した」と語った。(毎日新聞)
身内裏切り?攻防6時間…フセイン氏息子死亡
【バグダッド=新居益】4月9日のバグダッド陥落直前から行方が分からなくなっていた、フセイン元大統領の長男ウダイ氏と二男クサイ氏。旧フセイン体制を暴力で支えた兄弟は、100日以上も米軍の捜索をかいくぐった末、22日の戦闘で死亡が確認された。
ウダイ、クサイ両氏は、現地時間の22日午前9時ごろ、車でモスル市内東部にある潜伏先の邸宅に到着、屋内に駆け込むところをビデオ撮影された。そのテープが米軍当局に渡され、兄弟と確認した米軍は直ちに空てい師団の部隊を送り込んだ。
この邸宅の持ち主は、地元の有力部族指導者、ナワフ・ザイダンという人物。フセイン元大統領のいとこにあたるとの情報もある。AFP通信は、ザイダン氏の親類の話として、ウダイ、クサイ両氏についての情報を米軍に通報したのは、このザイダン氏だと報じた。
事実なら劇的な“裏切り”だが、米国は、両氏逮捕につながる情報に対して、父親の2500万ドル(約29億7500万円)に次ぐ1500万ドル(約17億8500万円)の懸賞金をかけていた。ザイダン氏は旧体制下で、元大統領との親類関係を誇示したため元大統領の怒りを買い、投獄された経験があるとの説もある。
米軍の邸宅への立ち入り捜索は、いったん拒否される。だが米軍は、約1時間後、200人規模で邸宅を取り囲んだ上、邸内突入を強行した。抵抗は頑強で、邸内からは機関銃ばかりか、ロケット砲などを用いた強力な反撃を受けたため、米軍はさらに攻撃ヘリを投入して20発以上のミサイルを撃ち込んだ。作戦は約6時間に及んだ。ハチの巣になった邸宅からは、黒こげになった4体の死体が運び出された。
兄弟が潜伏していたモスルは、元大統領の故郷ティクリートの200キロ北方。米軍はバグダッド、ティクリート周辺の「スンニ派三角地帯」を中心に元大統領一族を捜索していたが、モスルはこの外になり、スンニ派アラブ人の居住地域としてはイラク最北に位置する。バグダッド陥落後、兄弟が、どのようにこの地にたどり着いたのかは不明だ。
「残虐」と「冷徹」――。父親の2つの側面をそれぞれ体現した兄弟は、反発し合いながらも、結局、最期をともにしたようだ。2人は父親以上に残虐として恐れられた。両氏死亡情報がアラビア語ニュースで流れた同日午後10時半(日本時間23日午前3時半)ごろから、バグダッドでは1時間以上にわたり、「祝砲」の銃声が鳴り響き続けた。
◆暴行事件何度も―ウダイ氏 意に沿わない人間は自ら拷問、気に入った女性への誘拐、暴行事件を何度も起こし、残虐さで知られた。公の席にしばしば登場し、元大統領の後継者と見られた時期もあったが、96年の暗殺未遂事件で歩行障害に陥ったことを契機に、後継の芽が消えていた。民兵組織「サダム挺身隊」を率いた。
◆「フセイン後継」―クサイ氏 治安・情報機関を仕切り、冷酷。公の場にほとんど登場しなかった。イラクの最精鋭、共和国防衛隊を率い、元大統領の身辺警護を担当する特別共和国防衛隊の最高指揮官も務めた。2001年、支配政党バース党の要職である軍事副局長に就き、事実上の後継指名と受け取られた。(読売新聞)
ウダイ氏とクサイ氏を米軍急襲、死亡確認
【バグダッド=新居益】イラク駐留米軍のサンチェス司令官(中将)は22日深夜(日本時間23日未明)、イラクの首都バグダッドで記者会見し、米軍が同日、イラク北部の中心都市モスル市内の邸宅に、フセイン元大統領の長男ウダイ氏(39)と二男クサイ氏(36)が潜伏しているとの情報を入手し、同邸宅を急襲、両氏が死亡したと発表した。
米軍は、元大統領の行方を追うため、現場で入手した情報の分析を急いでいる。
同司令官によると、モスルに駐留する第101空てい師団が同日朝、モスル北部の邸宅にウダイ、クサイ両氏が潜伏しているとの情報をイラク人から得て、これをもとに作戦を開始した。
同邸宅に潜伏するイラク人との間で激しい戦闘となったが、約6時間後に同邸宅を制圧、死亡した4人のイラク人のうち、2人がウダイ、クサイの両氏だったことを確認した。
司令官は、身元確認方法について「様々な方法」とだけ述べ、今後DNA鑑定を実施する考えを示唆した。両氏の遺体は戦闘でかなり損傷した模様だ。死亡した別のイラク人2人の身元については、14歳になるクサイ氏の息子と護衛だとの情報がある。この戦闘で米兵4人が負傷した。
イラク駐留米軍はこのところ、フセイン派と見られる勢力からの攻撃で、毎日のように死者を出している。同司令官は、「(米軍への攻撃減少に)大きな効果があると思う」と語り、ウダイ、クサイ両氏の死亡確認で反米ゲリラ戦に歯止めがかかるとの見方を示した。(読売新聞)
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