03/07/14 (月)
![]()
<イラク>統治評議会が発足 暫定政権発足へ第一歩
【バグダッド小倉孝保、杉尾直哉】イラク新政権樹立までの間、イラク人による行政運営の中心となる統治評議会が13日、発足した。フセイン政権時代に反体制活動を行ってきたイスラム教指導者やクルド人組織の代表者らを中心に25人で構成され、大臣、大使の指名や新憲法策定作業に関与する。連合軍占領当局(CPA)から完全に独立してはいないが、フセイン政権崩壊後、初のイラク人による行政運営主体が生まれたことになり、暫定政権発足に向け第一歩を踏み出した。
統治評議会は同日、初会合を開き、フセイン政権時代の祝日を廃止し、同政権が崩壊した「4月9日」を新たに国民の祝日と定める最初の決議を行った。14日に2回目の会合を開き、議長を選出する予定だ。評議会はCPAと協議しながら、新憲法策定の手順を決定する。CPAに代わる正式な政権の成立手続きなどについても、評議会が決定するとみられる。初会合後に会見した、イスラム教シーア派指導者のセイイド・ウルーム氏は「イラクの再建は、さまざまな階層のすべてのイラク人の手によって行わねばならない」との声明を読み上げた。また、国連のイラク復興の責任者、デメロ事務総長特別代表は「統治評議会設立は、イラク人自身による統治へ向けた必要かつ歓迎すべき行動だ」と祝辞を述べた。一部にはCPAが拒否権を持ち、評議会の権限が制限されるとの見方もあるが、評議会側は「拒否権があるとは思っていない。不幸にもCPAと意見がぶつかった場合は、あくまで話し合いで解決する」と述べた。
統治評議会の主なメンバーは▽元イラク外相でイラク民主独立会議(IID)のパチャチ議長▽イラク国民会議(INC)のチャラビ代表▽イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)のアブドル・アジズ・ハキム師▽イラク国民合意(INA)のアラウィ事務局長▽クルド民主党(KDP)のバルザニ議長▽クルド愛国同盟(PUK)のタラバニ議長ら、反フセイン派政党の指導者。アラブ系メディアなどによると、アラブ系のイスラム教シーア派13人、同スンニ派5人、クルド人5人、トルクメン人1人、アッシリア人(キリスト教徒)1人で、フセイン政権時代に比べスンニ派が冷遇されているが、イラク社会の構造をほぼ反映したメンバー構成となった。(毎日新聞)
これら統治評議会の発足と同時にイラクの王族たちが集結している。欧米諸国のイラク石油利権戦略には、王族たちの復権が重要な位置を占めるはずだ。そのへん欧米主要メディアは認識して王族の動向を密着取材しているが、日本では殆ど取材していないばかりか概要報道すらされていない。自衛隊派遣云々より、こちらが今後のイラク動向を予測する本命だと思うのだが・・・
イラク王室の歴代肖像画を前に、王族の招待客をもてなす側近 背景の肖像画は最後のイラク国王と云われたファイサル2世(Faisal Hashim II 1939-1958)
1953年に国王となり、1958年にクーデターで暗殺された。中央がイラク国王の継承者と目されるシャリフ・アリ・ビン・アル-フセイン(Sharif Ali Bin Al-Hussein)
バグダッドにて王族たちが招待客と握手しているところ王室記念館におけるイラクの王族たちと招待客
←
「じねん」TOP
→