03/07/04 (日)
ふげん廃棄物建屋で爆発 運転終了後の定期検査中
 福井県原子力安全対策課によると、4日午前11時45分ごろ、核燃料サイクル開発機構の新型転換炉原型炉ふげん(同県敦賀市、16万5000キロワット)の廃棄物処理建屋内の焼却炉で爆発音があり火災報知機が鳴った。一時は白煙が上がったが、午後零時55分ごろ鎮火した。けが人はなく、放射能漏れも確認されていないという。同課によると、現場はふげんで出た作業着や手袋などの低レベル放射性廃棄物を燃やす焼却炉で、放射線管理区域内。同日午前10時45分に焼却炉の運転を開始。同11時25分ごろ炉内の温度が上がり焼却炉が止まったため、送風機を作動したところ、数分後に爆発音がしたという。核燃機構によると、爆発があったのは焼却灰を取り出す部屋とみられ、現場に入った作業員によると、ダクトのガラス窓が割れ、飛び散っているという。ふげんは3月29日に運転を停止、廃炉が決まっている。
炉内の圧力高まり異常燃焼 ふげん焼却炉爆発トラブル
 核燃料サイクル開発機構の新型転換炉ふげん(福井県敦賀市、16万5000キロワット)=運転終了し定期検査中=の廃棄物処理建屋内にある低レベル放射性廃棄物焼却炉の爆発トラブルで、核燃機構は4日午後、原因の本格調査を開始。廃棄物に異物が混じっていたか、燃焼を促すために送り込んだガスがたまって圧力が上昇し、爆発的な燃焼が起こった可能性があることが分かった。同県原子力安全対策課によると、この日燃やした廃棄物は約60キロで、約7割がビニールシート、残りが布や紙だった。焼却炉内の温度と圧力が上がり、排気装置などが自動停止して炉も止まったため、職員が手動で再起動したところ数分後に爆発音がしたという。核燃機構によると、焼却炉の自動停止は年に2、3回あるが、再起動でのトラブルはこれまでなかったという。
 いつものことながら原発側は「放射能漏れはなかった」とする安全宣言を真っ先に打ち出すことを忘れない。それに加えて今回は「爆発が起きた時点で現場に人はおりません。けが人はおりません。それから放射線被ばくもございません」との立て続け「ございません」弁明がなされた。(文部科学省での核燃料サイクル開発機構の会見) 全てにおいて安全だと云わんばかりの会見、けっこうなことである。しかし原発内での爆発という、重大事故を誘発しかねない危険を孕んでいることを考える時、被害者が出なかったというだけで済むような問題ではあるまい。制御室のホワイトボードには係員が書いたとみられる「ドカン!」という文字が、その時の緊迫感を伝えさせてくれる。爆発のあった廃棄物処理建屋は原子炉建屋に隣接して建てられている。今回はダフトの覗き窓のガラスが破損しただけで済んだが、建屋内にガスが充満した場合にはそれこそ建屋内部全体が炎上飛散する大惨事になりはしないか?そんなバカなと笑う向きもあろうが、燃焼を促すためのガスが漏れる可能性だってあるだろう。ガス爆発の瞬発力はどれほど強烈なものか、私事ながらかつて水圧管内部作業中にガス爆発で焼死した職人のことを思い出した。船舶内でのガス爆発では作業員が狭い出入口から大砲の弾のように吹き飛ばされた事故も聞き及んでいる。今回の事故がガス爆発だったとしたら、その原因追求は徹底して行われてしかるべきだと思うのだが・・・事故原因を問われた会見の席上「分かりません」とそっけなく答えた原発関係者の無表情な顔に不安をおぼえた。
「じねん」TOP