03/07/03 (木)
苦しみが残していったものを味わえ、苦難も過ぎ去ってしまえば甘い。
ゲーテ=Johan Wolfgang von Goethe(1749-1832)「格言と反省」より

過去の苦しみを味わう以前に、今の苦しみを何とする。あの時は苦しかったと、笑って云える日が来るのかどうか?も分からない。それでも苦難を甘美とするには、夢想という現実逃避の手順が必要だ。そぼ降る雨に傘もささずに濡れながら、その雨雲の向こうの太陽を見るように・・・朝の来ない夜はないと、思い込むか。今日は私の誕生日・・・生まれ変われるものなら、生まれ変わろうか。もう昨日までのオレではないよって、恥さらしの過去を払拭して、白々しく生きるんだ。雨が・・・降り止まない・・・ずぶ濡れの心・・・野ざらしに・・・雨よ、もっと降れ・・・苦しみを洗い流せ・・・と・・・この苦悩を・・・甘美にまで昇華できる日を・・・夢見て・・・苦難の通り過ぎるのを・・・待っていようか。

類人猿が先行人類として歩みだした「自覚の瞬間」を潜在意識の中に探しながら、繁殖せる動物生態系の範疇で神の所在を問うことの限界を知る。キリスト教と進化論を統合させたティヤール=Pierre Teilhard de Chardin(1881-1955)の「自覚の瞬間」が再考される予感を覚えつつ、 地球というこの星に植え付けられた人間のその心の意味を、今日の誕生日に考えている。
 
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