03/06/05 (木)
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 今朝から姿を見せなかったグレィが気になっていたが、正午近く、突然グレィが黒の子猫と共に現れた。私が以前確認したのは二匹の灰色の子猫だった。つまりグレィは三匹の子猫を産んだことになる。すると、あとの二匹はどうなったんだろう?野良猫の生存率は低い。何らかの理由で死んでしまったのかも知れない。それともグレィは、とりあえず一匹だけ私に自分の生んだ子猫を見せにやってきて、明日には三匹の子猫揃えて私にお披露目するつもりなのかも知れない。映画「野性のエルザ」を思い出した。グレィのこの子猫を「チビクロ」と名付けた。チビクロは私が近付くとすぐ逃げてしまう。写真を撮るにも一苦労した。先にグレィを呼び寄せて、私が危害を加えない人間であることを示そうとしたが、カメラを向けただけで逃げる。上の二枚はやっと望遠で撮ることが出来たものだ。
 子猫にオッパイを与えているときのグレィは嬉しそうに尻尾を振っている。それでいて、子猫がよほど遠くに行かない限り無関心のようだった。人間の子育てのようには甘やかさない、野良猫の野性を知る。最初グレィを撫でた時には思い切り引っ掻かれたものだった。爪が腕に食い込み、悲鳴をあげるほど痛かった。今では私が撫でてやるとグレィは喉を鳴らすほど親しくなっている。私が家の中に入ると、グレィも一緒に入ってしまうほどだ。しかし、家の中では我が家の猫族たちがそれを許さない。7匹の猫たちが一斉にグレィを威嚇し、やがて居場所がないと察してグレィは自ら退散するはめになる。
 グレィの子猫「チビクロ」は、かつてのクロにそっくりだ。ひょっとすると生まれ変わりかも知れない。クロは自分の子供たちがネズミ算式に増えたことで厄介になったようだ。子猫が擦り寄るたびに威嚇しては逃げ出していた。元はといえばクロが生んだ子猫たちなのに、実に無責任である。更年期障害だったのかも知れない。今ではそのクロを近所中探し回っても見つからない。死んだと勝手に思っているが、ひょっこり現れて私を驚かす可能性も無くはない。
玄関で出迎える猫族たち ありし日のクロ(去年、春)



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