03/06/04 (水)

 咲いている花より、散る間際の花のほうが美しいと、思うときがある。全てを枯れ尽くし、綿すげだけになったタンポポが風に舞う瞬間の美しさ・・・人間が死ぬ瞬間にも、その魂は風に乗って飛んでいくのだろうか?

 写真家アラーキーが「徹子の部屋」に出ていた。いつものように水割りを飲みながら陽気に振舞っていた。彼の初期の写真集「陽子」の話になっても、彼の快活な陽気さは変わらなかったが、それだけにかえって寂しさが伝わってきた。彼は若くして他界した妻の死に顔を撮ったが、私は末期癌の母にカメラを向けただけで叱られた。アラーキーに撮られたいとする人は多い、私はおよそ写真家には不向きのようだ。

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