---03/05/13 (火) ---
 自爆テロ死者40人に チェチェン独立派か
 【モスクワ=五十嵐弘一】インターファクス通信によると、ロシア南部、チェチェン共和国北西部のズナメンスコエで12日午前10時5分(日本時間同日午後3時5分)、爆薬を積んだトラックが行政府ビル近くで爆発した。
 チェチェン当局によると、この爆発で少なくとも40人以上が死亡、約200人以上が負傷した。今年3月の住民投票でチェチェン問題の政治的解決に道筋をつけたと自賛、これを弾みに年末の下院選挙に臨もうとしてきたプーチン政権にとって、大きな打撃となるのは必至だ。タス通信によると、チェチェン共和国の親モスクワ派、アフマト・カディロフ行政長官は、今回のテロが、分離独立を求めるイスラム武装勢力の犯行と断定した。また、露連邦保安局(FSB)のニコライ・パトルシェフ長官は、爆薬を積んだトラックは、ズナメンスコエの行政府やFSB、警察の入ったビル群の手前30メートルの検問所で停止を命じられ、まさに捜索を受けようとしていたその時に爆発、周辺のビルが大破した、と語った。警察官らも死亡したが、犠牲者の大半は一般住民という。プーチン大統領は同日、主要閣僚を集めた会議に出席。「こうしたことを容赦してはならない」と語り、FSBなどに徹底的な捜査を命じた。
 チェチェンでは、今年3月23日、住民投票が実施され、ロシア連邦内にとどまる共和国憲法案が96%の高率で承認された。これを受け、共和国大統領、議会選の早期実現を図ることが、プーチン政権にとって重要な下院選戦略の柱となっている。だが、70人以上の死者を出した、昨年12月27日の爆弾テロに続く今回の大型テロ発生で、「チェチェン住民は、ロシアとともに発展することを選択した」と、住民投票の成果を宣伝してきたプーチン政権にとって打撃は大きい。(読売新聞)

 


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